プログラミング教育がブームになっています。
新しいものごとは、情報が不十分なので、よい面だけ、悪い面だけがひとり歩きすることがあります。
そのときに必要なのは、教育の原則です。
プログラミング教育のプラス面と、マイナスとは言いませんがその注意する面の両方を書いておきたいと思います。
まずプラス面としては、次のようなものがあります。
第一に、プログラミング教育は、これまでの日本では遅れた分野だったということです。だから、プログラミング教育を進めるのは、日本の社会にとっても必要なことです。
第二に、他の教科と違って、結果がわかりやすく出るプログラミング教育は、子供の学習意欲を引き出し、勉強を楽しいものにする可能性があるということです。
第三に、プログラミング教育は、将来社会人になったときも役立つ一般教養になるということです。ちょうど自動車運転の技術が役に立つような感じで、その技術を持っていれば便利なことが多いのです。
だから、子供が小さいころからプログラミング教育を受け、その分野に得意意識を持っていくことはよいことです。
しかし、この早期のプログラミング教育には、次のような注意する面もあります。
第一は、プログラミング教育を優先するあまり、学力の本道を後回しにするようなことがあってはならないということです。
第二は、早めにプログラミング教育に得意になったのはいいが、後が続かないこともあり得るということです。
これは、英語、読書、算数、スポーツなどの分野の早期教育にも言えます。
子供のときに、それらの分野に得意になったとしても、肝心の学力の育成を後回しにしてしまったり、子供時代だけの得意で終わらせてしまったりすることがあるということです。
では、どうしたらよいかというと、対策は二つあります。
第一は、学力の本道である日本語力や経験力の習得を優先することを忘れないということです。プログラミング教育は、教育の広い分野から見れば、枝葉の教育なのだという軽重のバランス感覚を忘れないことです。
第二は、プログラミング教育のような個性を伸ばす枝葉の教育においても、広く楽しそうな入口があることよりも、高い出口があることを教室選びの選択の基準にするということです。
現在の社会では、子育てに関する情報は、いいことも悪いこともふんだんに流れてきます。
だからこそ、保護者が原則をしっかり持って子供の教育を考えていくことが大事なのです。
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酉年にちなんで、スズメの鈴なりの写真です。
でも、本文は写真とは関係なく、プログラミング教育についてです。
ブームになっているものほど、原則を考えておく必要があります。
ちなみに、私は、プログラミング教育については大賛成です。これは、子供たちにとって勉強の中でいちばん面白いものになると思います。
写真と本文は関係ありませんが、プログラミング教育のような新しいものほど、親は中身を判断することが必要です。
いちばんの原則は、普通の学力さえしっかりつけておけば、プログラミングの学習はいつになってもできるということです。
だから、焦らないことです。
もう一つは、導入部分の楽しさよりも、先に進んだときの高さを基準にするということです。
プログラミング教育も、早期教育には英語教育と同じように良い面、悪い面がありそうですね。
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言葉の森では、今、オンラインで行う、作文、勉強、家庭学習の指導を行っています。それぞれ、オンエア講座、オンエア作文、寺子屋オンエアという名称です。
また、保護者とのオンエア懇談会も行っています。
パソコンやスマホやタブレットを使って、オンラインで勉強をしたり懇談をしたりするというのは、まだ多くの人にとって敷居が高いので、参加している生徒は、言葉の森の生徒のわずか5パーセント程度です。
しかし、このオンラインで行う企画は、いったん始めてみると、なかなか効果があるのだとわかります。
いちばんの効果は、子供たちが意欲的に勉強に取り組むようになるということです。
特に、オンエア講座の場合は、6、7人のグループで互いの読書の紹介や勉強の発表などができるので、通学の教室で勉強しているのと同じ雰囲気があります。
電話指導だけの場合でも、先生と生徒とのつながりが深くなるのですから、互いに顔が見える生徒どうしの交流があれば、勉強を通してのつながりは更に深くなります。
このオンエア講座の特徴は、勉強を教えるのではなく、勉強のきっかけを作ることです。
約45分間のオンエア講座のあと、子供たちがお母さんやお父さんと相談しながら勉強をしていくのが、勉強の中身になります。
このオンエア講座のスタイルの勉強が広がれば、自宅でいながらにして、同じ興味や関心を持つ仲間たちと、密度の濃い勉強ができるようになると思います。
今後、このオンラインの勉強を、もっと参加しやすいものにしていきたいと思っています。
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オンライン教育の便利なところは、場所の制約がないところです。
将来は、田舎の山奥にいる先生が、何十キロも離れた離島に住む子供の勉強を見るというようなことが出てくると思います。
そういえば、先日のオンエア講座には、フランスの小2の女の子が、「今日は風邪で学校を休んだから」ということで、日本の平日の夕方のオンエア講座に参加してくれました。
オンラインで毎回顔を合わせて話をしていると、実際に会ったことは一度もなくても、いつも会っているような気持ちになります。
だから、オンラインでの交流を土台にすれば、リアルな夏合宿なども自然に行えるようになると思います。
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教育の役割は、基礎学力をつけることと、集団活動の中で子供たちの意欲を伸ばすことの大きく二つに分けられます。
基礎学力は、学校の授業で行われるとともに、定着力を高めるための家庭での宿題として行われてきました。
しかし、今、学力の低下が問題となっているのは、家庭で行われる自学自習形式の学習に十分に対応できない家庭があったからです。
そこで、今考えられているのは、家庭での自学自習を支援するためのネットワークの利用です。
教育にネットワークが利用できるような技術革新が、ここ数年の間に急速に発達してきました。
これが、これからの教育が大きく変わる第一の条件です。
教育の変化の第二の条件は、副業が原則容認となる社会になりつつあることです。
これまでのインフレの時代には、需要が供給を上回っていたので、どこでも長時間の労働が必要でした。
しかし、これからの時代には、供給力が常に需要を上回る傾向にあるので、ワークシェアリング、派遣労働の普及と同じように、副業が原則として容認される社会になります。
すると、会社員でも土日や早朝に子供たちの教育に関与することができるようになります。早朝の教育は特に、時差のある海外で暮らす日本の子供たちの教育に活用できます。
また、平日でも、定年後の高齢者や、子育て中の主婦は、家庭にいながらにしてできる教育の仕事というものが可能になります。
一斉授業の場合の先生の役割には、エンターテイナーの要素が必要でした。
しかし、家庭学習の場合の先生の役割は、ティーチングの力よりもコーチングの力、つまり、子供たちの自学自習をうまく軌道に載せる力が必要になります。
だから、子育ての終わった人で、あまり苦労せずに子育てを行い、子供たちがいずれもいい子に育ったというような家庭の主婦が、教える先生役としては、もっとも適役なのです。
教育の変化の第三の条件は、これから教育の自由化が進むということです。
これまで、国や自治体の教育予算は、学校におろされてきました。それを学校におろすのではなく、保護者におろすバウチャー制度という仕組みがこれから検討されるようになります。そして、保護者が自由に学校や先生を選べるようになるのです。
教育の自由化には、ある程度の基準が必要ですが、その基準をもとにした学力試験や資格試験があれば基礎学力の担保は十分に可能です。
以上の三つの条件のもとで進む教育の大きな変化に対応できるオンライン教育がこれから求められてきます。
そのオンライン教育は、これまで行われてきたMOOCのようなビデオ授業型のオンライン教育でも、マンツーマンの個別指導型のオンライン教育でもなく、少人数のグループ学習を行えるようなオンライン教育です。
そういうオンライン教育を広げるものは、コミュニティです。
インフレ時代には、何かを社会に広げるためには、メディアの力や宣伝の力が必要でした。それは言い換えれば資金力が必要だったということです。
しかし、デフレ時代には、コミュニティの力が社会に広がる原動力になります。コミュニティの中で、よりよいものを提供し、相手の助けになることをするというコミュニティ貢献力がこれからの重要になってくるのです。
そして、このオンライン教育の普及のあとには、リアルな体験型の教育の場もまた必要になってきます。
言葉の森が今考えているのは、自然寺子屋合宿教室をオンライン教育と組み合わせて行っていくことです。
これから、そのための講師募集と講師のコミュニティ作りを進めていきたいと思っています。
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これまでの一斉授業型の教育では、教える先生にエンターテイナーとしての力や、子供たちの集団をコントロールする力が必要でした。
しかし、家庭学習をカバーするような基礎学力の教育には、子供たちの自学自習をうまく軌道に載せる力が必要になります。
そういう先生の適役は、自分が子育てを済ませ、子供たちの教育にあまり苦労をせず、子供たちがいずれもいい子に育ったというような経験を持つお父さん、お母さんです。
これから、そのように誰もが子供の教育に関われるという社会がやってくると思います。
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車の運転では、視線の目標を遠くに持っておくと、運転がぶれません。視線が近くにあると、微調整が必要な気がして細かいハンドルさばきをするようになり、乗り心地が悪くなります。
子育ても、遠くに目標を持っていれば滑らかな運転ができますが、そういう目標がないと、細かいことにいちいち注意をしたくなります。すると、子供はその運転を乗り心地悪く感じるようになるのです。
経済が発展するインフレの時代には、目標は、物を広げることでした。その時代には、自分個人の利益を追求することが、そのまま社会全体の利益につながるという資本主義の論理が成り立っていました。
物を売るマーケットをできるだけ広くしていくことが、個人にとっても、社会にとってもいいことだったのです。
魚釣りの例で言うと、いい場所を見つけたら、その場所を誰にも教えず、特許などで参入障壁を作り、自分だけが大量の魚をとるというのが資本主義の精神でした。
ところが、これからの社会はデフレの社会になります。それは、物を広げるよりも事を高める時代です。
事を高める時代のマーケットは、単なる消費者のマーケットではなく、その事に関心を持つ人の小さなコミュニティになります。
すると、そのコミュニティで、みんなに貢献し、みんなの手助けをしてあげる人が、このコミュニティを広げられるようになります。
魚釣りの例で言うと、いい場所を見つけたら、みんなにそれを教えてあげような生き方です。
そして、自分は、みんなのフィードバックを参考にしながら、更にいい場所を見つけるために自分を高めていくのです。
これまでの子育ては、勝てる子を育てることが中心でした。
しかし、これからは勝てるだけでなく、みんなを勝たせることのできる人が求められるようになります。
これからは、こういう大きな目標のもとに子育てをしていくことが大事になるのです。
▽youtubeの動画
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これからの世の中の変化というのは、ただ変化するだけでなく、これまでよかったことが悪くなり、悪かったことが逆によくなるような質的な変化です。
その変化の影響を最も受けるのは、未来の社会に生きる子供たちです。
だから、子育てもそういう変化の先を見ていく必要があるのです。
自分の利益追求よりも、コミュニティの利益追求という日本的な発想が、これからの社会では大事になります。
それは、子育てだけでなく、ビジネスもまたそうです。
更に言えば、それは日本の国全体がそうなっていくのです。
相手に気を配れることは大切ですね。
今、子どもがどうあることかより、どんな大人になって欲しいか、に焦点を当てて子育てを考える。。。今と違ったものが見えてきそうです。
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アクティブ・ラーニングという言葉が流行っています。
私は、こういう横文字を見ると、どうしてもっとわかりやすい日本語を使わないのかといつも思います。
同じようなものに、ダイバシティ教育とか、インクルーシブ教育とかいう言葉もあります。
こういう、初めて見たのでは何だかよくわからない言葉を使いたがるのは、自分の言っていることに自信がないからです。
アクティブ・ラーニングという言葉は、参加型学習とか発表学習という日本語で十分に内容をカバーできます。
ダイバシティなどは、そのまま多様性と言えば十分です。
と話が脱線したところで(笑)、アクティブ・ラーニングの効果と限界と今後の展望について書きたいと思います。
アクティブ・ラーニングに効果があるのは、その勉強スタイルが、子供たちの意欲を引き出すからです。
しかも、その教育を行っている学校は、生徒の学力もそれなりに確立しているところが多いので、意欲を引き出すだけで効果が上がってくるのです。
また、勉強の内容が義務教育レベルの基礎的なものであるというのも、意欲が効果に結びつく条件となっています。
もし、勉強の内容が受験勉強のレベルであれば、アクティブ・ラーニングで意欲を引き出すだけでは、効果を上げるには不十分です。
義務教育のレベルは、誰でもわかる基礎知識が前提になっています。
受験勉強のレベルは、わからない人をできるだけ多くして差をつけることが目的なので、意欲だけで効果を上げることはできません。
受験勉強に必要なのは、意欲ではなく、教材と方法です。
教材とは、難しい問題の解法を理解させる教材であり、方法とは、その解法を詰め込むという方法です。
アクティブ・ラーニングが、今うまく行っているのは、それが進んだ学校で行われているからです。
もし、これが全国の小中学校で行われるようになるとしたら、かつてのゆとり教育と同じような問題点が出てきます。
つまり、基礎知識の習得が不十分な生徒は、基礎知識を習得させることが大事なのであって、参加型の学習で意欲を持たせることではないからです。
アクティブ・ラーニングは、ある意味で簡単な工夫でできます。
生徒の意欲を引き出すというのは、それほど難しいことではありません。
難しいのは、退屈な基礎知識を習得させることです。
その基礎知識を習得させる場は、学校ではなく家庭です。
家庭で子供たちが自学自習をする仕組みを作ることに、最も難しい問題があるのです。
言葉の森では、この家庭での自学自習を寺子屋オンエアで行っています。
また、アクティブ・ラーニングという少人数の参加型の学習を、オンエア講座で行っています。
これから必要になるのは、この家庭での自学自習と、学校での発表学習を連携させる仕組み作りです。
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アクティブ・ラーニングが、今、効果があるように言われているのは、それが学力の備わった子供たちを対象にしているからです。
十分な基礎学力があるから、授業を参加型にするだけで効果が出てくるのです。
だから、授業をアクティブにする工夫以上に、家庭での自学自習を継続させる仕組みを作ることが大切です。
それがなければ、かつてのゆとり教育と同じような問題が出てくると思います。
アクティブ・ラーニングなんて言葉使っても、おじいさんやおばあさんはわからないだろう、と思います。
もっとひどいのは、インクルーシブ教育。
横文字をそのままカタカナにするのはやめろと言いたい。
という話じゃなかった(笑)。
日々の積み重ねが大切ですね。
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新年、明けましておめでとうございます。
言葉の森の今年のテーマは三つです。
1.作文一番。
2.メディア&ソーシャル。
3.森学オンエア。
作文教育の分野で、名実ともにナンバーワンの地位を確立します。
これまでは、控えめだったので(笑)。
メディアの活用と、ソーシャルの交流を結びつけます。
そこに、リアルの企画も付加し、顔の見える人間的なつながりを強化します。
森の学校を作り、オンエア教育を普及させます。
自然の中での友達との遊びと、自学自習の勉強を両立させる文化を作ります。
時代は大きく変化していますが、その時代の一歩先を行く教室作りを目指していきます。
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明けましておめでとうございます。
今年も、日々前進でがんばっていきたいと思います。
日本がますますいい国になり、みんなが明るい生活が送れるように、自分のできる分野で貢献していきます。
年の始めにふさわしく、今日も快晴です。
新年から冷水浴でがんばっていきたいと思います。
年寄りの冷や水と言われそう。
今年もよろしくお願いいたします。
今年もよろしくお願いいたします。<(_ _)>
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ゆめ
平成28年は、いろいろと新しい企画が多かったので、それらの企画の仕上げが十分にできなかった印象が残りました。
平成29年も、更に新しい企画が登場しますが、今度はフォローの方もしっかりやっていきたいと思います。
この一年をふりかえって、いちばん心に思うことは、多くの人の協力でここまでできたということです。
そのお礼も十分にできませんしたが、今後、よりよい作文教育を行っていくことでみなさんのご支援とご協力にこたえていきたいと思います。
一年間、ありがとうございました。
以下は、港南台教室のペットたち。
上の写真はゆめ、下の写真は順に、バノ、ココ、コロ、サク、シロです。
ゆめは、あいかわらず人が来ると吠えるくせに、すぐその人のところに行ってなでてもらったりしています。
バノは、醤油が好きで、よく「たまごにかけるお醤油」を飲んでいます。
ココは、もうおじいさんで、床に降りるとそのまま床の上をずっと歩いています。
コロも、もうおじいさんで、飛ぶことは飛んでも、移動範囲は数メートルです。
サクは、昔、踏まれて尻尾が曲がってしまいましたが、いつも元気でこの中でいちばん気が強いです。
シロは、最近仲間になったシロブンチョウのメスで、手乗りではありませんが、部屋の中で飛ばしています。
この中で、ゆめとバノとサクは、動画を撮っているときに、よく登場します。
バノ
ココ
コロ
サク
シロ
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おかげさまで、今年はいろいろな企画が無事に済みました。
不十分なところが多かったと思いますが、それは今後の反省として生かしていこうと思っています。
facebookでさまざまな形で応援していただいた皆様に深く感謝申し上げます。
来年は、更に新しい企画を進め、日本の作文教育、創造教育に貢献していきたいと思います。
今年は、いろいろと新しい企画を行ったので、兵站線がのび、十分なフォローができない状態が続きました。
しかし、世の中の変化に対応するために、来年も更に新しい企画を行っていく予定です。
秋から始めた冷水浴でがんばっていきたいと思います(笑)。
犬の7歳は厄年だそうですが、そのとおり、ゆめも今年は病院通いが多かったけれど、無事に年を越せそうでよかったです。鳥たちも仲間が増えて、ますますにぎやかになることでしょう。来年は酉年ですね!
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音声入力は、既にスマホ検索のレベルでは十分に実用化され活用されています。
近い将来、文章を書く場合にも、この音声入力が使われるようになります。
音声のスピードは、1分間に400字程度です。
手書きのスピードは、1時間に1000~1200字ですから、その差は約20倍あります。
音声で書けば、今よりも20倍の量の文章が書けるようになるということです。
しかし、ここで問題が二つ出てきます。
一つは、書く側の問題で、音声入力は、しまりのない文章になりがちだということです。
もう一つは、読む側の問題で、大量に生産される文章を読み切れなくなる可能性があるということです。
この解決策として考えられるのは、人工知能による要約です。
現在、ブラウザに、ウェブ上の記事を翻訳する機能があるように、将来はウェブ上の記事を要約する機能がつくようになるでしょう。
この人工知能の要約を利用すれば、今話題になっている入試の記述力の評価方法もまた違った対応が考えられます。
人間が文章を評価するのであれば長い文章の採点は負担がありますが、人工知能を使った評価であれば、時間はほとんどかからないので、むしろ長い文章の方が妥当な評価に近づきます。
したがって、しばらくは人工知能が要約したものを人間が評価するという形も考えられます。
ところが、この人工知能要約は、読む側にとっては便利ですが、書く側にとっては抵抗がある場合があるのです。
それは、文章を書く人は、自分の書く文章の作品性を意識しているからです。
推敲という言葉は、門を推(お)すにするか、敲(たた)くにするかという選択から生まれましたが、人工知能によって、「どっちも同じ」という結論が出ても、文章にこだわる人は納得できないでしょう。
そこで、音声入力を、手書き入力と同じように、しまりのある文章にするという工夫が必要になってきます。
その方法が、構想図を先に書き、その構想図をもとに音声入力をするというやり方です。
構想図を書くのが、そのテーマを考える段階で、音声入力をするのが、それを文章化する段階です。
手書きの場合は、書きながら考えるという形が一般的でしたが、これからは考えることと書くことをそれぞれ独立させて進めるようになると思います。
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学校で、ときどき、「構成メモを作ってから作文を書く」という指導がされることがあります。
子供たちは、これを嫌がります。
メモを書くよりも、直接作文を書いたほうが、ずっと楽にいい文章が書けることを知っているからです。
構成メモは、本当は作文を書くためのメモではなく、考えを深めるためのメモとして書いていく必要があるのです。
音声入力が日常的に行われるようになると、この微妙な差がはっきりしてくると思います。
ずっと前、あるおじいさんから、「あなたは、いつも八年先を見て生きている。もっと今の足もとを見て生きなさい」と言われました。
確かに、今のことにはあまり関心がなく、いつも未来のことばかり考えています。
この「音声入力+構想図+人工知能」も、多くの人にはあまり関心がないことだと思います。
それどころか、かえって、この機械的な響きに抵抗を感じる人の方が多いと思います。
そういうことを承知の上で、つい書いてしまいました。
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