子供の成長は近くで見ているとわかりません。
逆に、どうしてこんなにいつまで言ってもわからないのだろうと思うときもあります。
しかし、それでも気長に褒め続けて毎日の読書や音読をさせていると、ある日突然、いつの間にかこんなにできるようになっていた、と思うときが来るのです。
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毎日わずか2、3分、同じ文章を音読して半年間もすると、いつの間にか語彙力がついてくるから、読解力も表現力もついてきます。
ところが、多くの人は、あるときふと思い立って集中的に難しい勉強に取り組んで、しばらくすると飽きてしまいます。
雨だれではなく、どっと夕立が降るような勉強です。夕立はさわやかですが、もちろん岩は岩のまま変わりません。
では、雨だれのような勉強をどうさせるかというと、それはやはり、雨だれのように毎日優しく同じ勉強をさせる大人が必要になるのです。
子供は自動機械ではないので、一度ボタンを押したらそのままずっと続ける、というようなことはまずありません。
気が散りやすく、飽きやすく、脱線しやすいからこそ、人間らしい創造性があるのです。
その飽きっぽさを是認した上で、毎日同じように同じことをさせるのが家庭学習のいちばんの要です。
寺子屋オンエアの勉強は、この雨だれのような勉強なのです
「勉強は、雨だれ岩をも穿(うが)つようなもの」
https://www.mori7.com/index.php?e=2303
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(2月中はサーバー移転により記事を書く時間が取れないため、言葉の森のこれまでの記事の中から話題になったものを引用して記事を書かせていただきます。森川林)
・いつもの公園に行くと、いつもと同じような鳥が2羽、いつもと同じように草原の上を散歩していました。
言葉の森は、作文専科の作文教室を35年間続けてきました。だから、作文指導の難しさというものがよくわかっています。
最近、受験に作文が増えてきたために、学習塾や通信教育で作文講座を開くところも増えてきました。
しかし、そういう新しい作文教室は、言葉の森がもうとっくに通り過ぎてきたところに力を入れているように思えるときがあります。
その一つは、作文の大切さを力説していることです。例えば、考える力がつく、入試で記述力が問われるようになる、などです。
もちろん、大切さを説くのはいいのです。しかし、本当はもっとその先を行く必要があるのです。
では、その先はどこかというと、それは、意欲的に作文の勉強を続けさせる工夫です。
作文の大切さということをいくら言っても、作文の勉強のように苦しいことは子供はなかなかやりたがりません。
入試に作文試験があるという場合は、子供も意欲的なので教えやすいのですが、そういう目標がないところで、小中学生に作文を教えるというのはかなり工夫が必要です。
その工夫の一つは、先生との関わりを強めることです。それが毎週の電話指導です。電話指導をきっかけに作文を書くスタイルができれば、提出が滞るということは少なくなります。
また、近年は、電話指導以外に、オンラインで先生やほかの生徒との交流ができる企画も並行して行っています。それが、オンエア講座やプレゼン作文発表会です。
また、このオンラインの講座を生かして、国語力以外に子供の学力の重要なもう一つの要素である理数力の指導も受けられるようにしています。
新しい作文教室が力を入れて宣伝しているもう一つは、小学校低中学年の子供たちの成果を強調することです。
例えば、スラスラと書けるようになった、いろんな知識が身についた、などです。もちろん、低中学年で成果が上がるのはいいのです。しかし、本当はもっとその先を行く必要があるのです。
小学校低中学年の成果の先にあるものは、真の実力をつけることです。
真の実力とは、小学校高学年、更には中高生になってからの高度な説明文、意見文、論説文を書く力です。
そのために、言葉の森では、作文指導の土台となる国語力、読解力の育成に力を入れています。
その一つが、暗唱検定や音読の自習や国語問題集読書などで読む力をつける指導です。
また、オンエア講座などでは、作文の予習のやりやすくするために、次の週の作文の解説を行い、それをもとに家族で作文の課題についての対話ができるような工夫をしています。
このような工夫をしている結果、言葉の森の作文課題の提出率は現在94パーセントになっています。小学生から中学生までの生徒の毎週の作文課題の提出率ですから、通信教育のわりにはかなり高いと思われると思いますが、本当はこれでも不十分です。
提出率は、風邪や旅行で休んだ以外はすべて100パーセント提出できるのが本来の姿です。
誰でも経験があることだと思いますが、人間は、一度でもさぼると、あとはずるずると全部さぼってしまうという傾向があります。
だから、課題提出率が90パーセントを切っていたら、それは10回に1回は提出しなかったといことですから、親が言わなければやらないレベルに近づいているということです。
言葉の森では、今後、この課題提出率を100パーセントにすることを目指して、これからの指導に取り組んでいきたいと思っています。