ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 2883番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
子育てで難しいのは、水辺に連れていくことではなく、水を飲ませること as/2883.html
森川林 2017/03/12 04:48 


 子育ては、傍から見ていると簡単そうに見えます。しかし、当事者はなかなか大変です。
 それは、「馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることはできない」ということを日々実感しているからです。

 確かに、子供がごく小さいころは、無理矢理にでも水を飲ませてしまうことができなくはありません。
 しかし、そういう時期はほんのわずかです。
 難しくなるのは、子供に自立心が出てくるころからです。

 子供の自立心と自律心を育てながら、親の望む方向に導くためには、ある程度のコツが必要です。
 しかし、誰にとっても親となるのは初めての経験で、子育ては初心者ですから、初めはうまく行かないのが当然です。

 昔は、それが祖父母や地域の集団活動の中で自然に伝えられてきた面がありました。
 今は、孤独な母親がひとりで試行錯誤をしながら子育てをしているのが現状に近いと思います。

 子供の学力は、学校や塾や習い事の中で育つのではなく、基本的に家庭の中で育ちます。
 そういう子育てのいろいろなコツを、保護者どうしのコミュニケーションの中で伝えていけたらいいと思っています。

 言葉の森の作文指導も、教育における家庭の関わりを生かす形で進めていく予定です。
 その一環として、今後、自主学習クラスや思考発表クラブやオンライン作文で、保護者との面談や懇談の時間を定期的に確保していく仕組みを作っていこうと思っています。

====
「勉強は追加すればだらだらやるようになり、早めに終えれば集中力がつくようになる」
https://www.mori7.com/index.php?e=2111

 勉強が予定よりも早く終わると、親はつい、
「そんなに早く終わるのだったら、もう少しほかのこともやっておこう」
と言ってしまいます。ところが、それがよくないのです。
 子供は、自分なりに、与えられた課題を早く仕上げて、お母さんに褒めてもらいたい、又は、早く勉強を終えて遊びに行きたいと思っています。
 ところが、早く終わったことによって、その早く終わったことに対する罰であるかのように、新しい勉強が追加されるのですからたまりません(笑)。
 そういう勉強の追加をやると、子供はそれからだらだら勉強するようになります。早く終えない方が得だということを学習してしまうからです。

 犬の躾にも、似たようなところがあります。広いところで犬を放して遊ばせたあと、「おいで」と言ってもなかなか戻ってこないことがあります。何度呼んでも戻ってこないので、やっと戻ってきたときに、飼主は犬を叱ってしまうのです。
「どうして早く戻ってこなかったの。ゴツン」
 すると、犬は、戻ってくると叱られるのだということを学習してしまいます。その結果、ますます戻ってこない犬になるのです。

 どうしたらいいかというと、自分の都合で考えるのではなく、相手の立場になって考えるということです。それは、相手が自分よりも弱い立場にいるときほど必要なことです。
 しかし、こういう間違いは、多かれ少なかれ誰でもしています。だから、そういう失敗を経験した人が、そのあとの人にその経験を伝えていけばいいのです。昔は、その伝える役割を大家族の中で祖父母が行っていました。これからは、地域あるいはネットの中で父母どうしが子育ての共有をするようになっていくと思います。

 では、勉強が予定よりも早く終わったらどうしたらいいのでしょうか。
 その前に、勉強は時間でやるのではなく、分量でやらせることが大事です。「○分の勉強」ではなく、「○ページの勉強」というように目標を決めるのです。
 その「○ページの勉強」が見積もりよりもかなり早く終わった場合、親は、「わあ、すごい。早く終わったね」と喜んでおしまいにしておくのです。
 そうするうちに、だんだんと、その子の実力に応じた分量がわかってきます。しかし、その場合でも、目一杯の分量ではやらせずに、少しものたりないぐらいの分量で続けていくことが大切です。
 少なめの分量であれば、子供は自分で勉強の仕方をコントロールすることができます。時間で決められたり、多すぎる分量を与えられたりすると、自分で自分の勉強をコントロールできなくなります。
 このコントロールする力が自律心です。

 犬の躾の場合は、別に書かなくてもいいかとも思いますが(笑)、犬に長いリードをつけて遊ばせます。そして、「戻っておいで」と言いながら、リードを少しずつ引っ張ります。そうすると、犬は当然引っ張られて戻ってきます。そこで、「えらい、えらい」と褒めてやるのです。
 できなかったことを叱るよりも、できるようにさせてできたことを褒めるのがコツです。

 しかし、ここでもう一つ大事なコツがあります。
 それは、叱るときには、ごくたまに厳しく叱ることです。いざというときには厳しいということがわかっているから、優しく褒められたときに嬉しくなるのです。
====

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170312 1 
 よく、そのうちの兄弟全員の出来がよいという家庭があります。
 それは、生まれつきがよいのでも、その子の通っていた学校や塾がよいのでも、使った教材がよいのでもなく、親の子育ての方法がよかったのです。
 その方法のほとんどは、普遍的なものですから、誰でも真似ができます。
 しかし、本を読んで伝えれるようなはっきりしたマニュアル的なものではなく、微妙なコツのようなものがあるのです。
 そういうことを、保護者どうしのコミュニケーションの中で伝えられるようにできたらよいと思っています。


nane 20170312 1 
 子育てのコツは、作文指導のコツとかなり似ています。
 教え方の上手な人は、どんなに苦手で作文が嫌いな子でも、すぐに作文を書くことが好きになるようにさせてしまいます。
 しかし、それはマニュアルではなかなか伝えることができません。
 その先生の教え方を実際に見てみないとわからない面があるのです。



namura 20170312 10 
習慣、メリハリ、家庭での愛情を大切にしていきたいですね。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
家庭学習(92) 子育て(117) 

記事 2882番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/12/4
3.11を思い出す as/2882.html
森川林 2017/03/11 04:25 


 2011年3月11日は、日本の原点です。
 今も、多くの問題が続いていますが、日本人の英知は必ずそれらの問題を解決していくでしょう。

 東日本大震災のあと、3月19日に言葉の森のホームページに載せた記事を掲載します。

 ここに書かれている当面の危機というものは去りましたが、大事なのは長期的な本質的な対策です。
 その本質的な対策を支え、よりよい日本を作るために、自分たちのできることをがんばっていきたいと思います。

====
日本の復活に向けて(その1)  森川林  2011/03/19 09:05
https://www.mori7.com/as/1204.html

 個人的なことを言えば、3月11日からこの1週間は、私はかなり絶望的な気持ちでした。日を追うごとに、事故が質的にも量的にも悪化していたからです。

 しかし、昨日、東日本を放棄して新しくやり直せばいいと思ってから気持ちが切り替わりました。ちなみに、東日本は、私の住んでいるこの横浜も入ります。

 事故は、まだ何の収束の見通しもありません。これから更に大きな事故に発展する可能性もあります。

 しかし、いずれにしても最悪の地点を出発点にして、これから新しい日本を作っていけばいいのです。日本人全体の勇気と知性と愛をもってすれば、不可能なことは何もないと思います。



 さて、情勢は流動的なので、そのつど客観的に判断していく必要があります。

 まず、福島県周辺の地域の住民は、もっと広範囲に避難する必要があります。放射能をふくんだちりが、公式な説明やテレビの報道以上に拡散している可能性があるからです。

 関東地方の東京や神奈川などには、まだ大きな影響は出ていません。しかし、北風の日や雨の日には外出しないというのが原則です。

 このあと、北東の風が吹けば、関東地方は放射能汚染地域になりますが、その可能性は低いと思われます。しかし、いずれにしても天候次第の綱渡り状態が続きます。

 20日、21日の連休に、日本列島は前線におおわれ、東北地方も含めて全国的な雨になります。私は、この天候が原発の冷却と事故の収束に結びつくと期待しています。



 いずれにしても事故が収束に向かったあとの今後の対策を考えておく必要があります。

 第一は、被災地(の範囲がどこまでになるかは未定ですが)の人々を、全国民の協力で助けていくことです。この点については、日本人の国民性を考えるかぎり全く問題はないと思います。日本の復興のためには、今、日本が持っている使われていない膨大な資産を大規模に投入する必要があります。

 第二は、放射能の無害化についての研究を進めることです。このためには、現在の科学ではまだ発見されていない新しい理論と方法が必要になります。放射能無害化の本質は、元素転換です。動植物の体内では、常に、ある元素からほかの元素への転換が行われています。そのために、植物は水と光と空気だけで、葉を茂らせ花を咲かせ実を実らせることができます。ゾウやキリンは、その植物を食べるだけで、あの巨体を成長させています。この原理を人間がコントロールできるようになれば、放射能物質を無害な元素に転換することはできると思います。

 第三は、全く新しいエネルギー源の開発を進めることです。かつて日本が戦争に巻き込まれたのも、大きく見ればエネルギーが国内で自給できなかったためです。日本は、今後、石油、原子力にとってかわる安全で自給可能なエネルギー源を開発していく必要があります。そして、それは今の段階でも既に見通しがあります。新しい画期的なエネルギーの開発が進まなかったのは、石油や原子力への依存が大きすぎたためです。国民の総意が新エネルギーの開発に向かうならば、これはかなり早い時期に実現に向かうと思います。

 第四は、政治の一元化です。今回の事故とその後の対応を見ても、関係者各人の必死の努力があったことは認めますが、統一的なリーダーシップがやはり不足していたように思えます。リーダーが大局的な立場から方針を出し、組織全体がその方針で動くというのではなく、リーダーが大衆と同じレベルで情勢へのその場の対応に追われているという感じがしたのです。また、国民(というかマスコミ)が、リーダーに、大局的で理性的な方針よりも、感覚的な真剣さととりあえずの行動を求めていたことにも大きな問題があると思います。マスコミの目のつけどころの低さが、日本人全体の知性の低下を生み出しているのです。日本の政治は、軍国主義の復活を予防するという名目で何重にもわたって手かせ足かせをはめられてきました。しかし、今、政治に求められているのは、統一した行動力です。そして、強力な政治と民主主義の両立は、少しの工夫をすれば十分に可能なことなのです

 以上、この、災害からの復旧、放射能の無害化、新エネルギーの開発、政治の一元化を、国民の総意として進めていく必要があると思います。
====

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170311 1 
 3月11日を契機に、多くの人が自分の身を守ること以上に、より大きく日本を守ることを自覚したのだと思います。
 そうして、数々のそれまで無名に近かった人たちの声が、インターネットに流れるようになりました。
 その流れは、今も確実に続いています。
 日本をよりよい国にするために、自分のできることをがんばっていきたいと思います。


nane 20170311 1 
 危機に遭遇して、分裂し逃げ惑うのではなく、団結し助け合うのが日本という国だと思います。
 これから、世界の経済も政治も大きな変革期を迎えるでしょう。
 日本を更によい国にするために、がんばっていきたいと思います。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
東日本大震災(15) 
コメント11~20件
……前のコメント
総合学力クラス 森川林
子供は、暇そうにしているのがいちばんです。 年がら年中がん 6/22
記事 5107番
さまざまな勉強 森川林
勉強は、作文と読書と算数数学と歴史を中心にやることです。 6/21
記事 5106番
作文力がこれか 森川林
作文力をつけるために必要なのは読書と対話。 出力の前に入力 6/19
記事 5105番
作文を書くとき 森川林
 接続語と助動詞は、実は重要です。  中学生や高校生で、文 6/18
記事 5104番
国語は、読む力 森川林
国語の力をつけるための音読は、1冊の問題集を繰り返し読むのが 6/16
記事 5103番
国語力は、テク 森川林
国語力をテクニックで身につけようという考えそのものがあさはか 6/14
記事 5100番
本当の勉強は、 森川林
子供は、自然に成長していれば、みんな時期が来ればそれぞれにが 6/12
記事 5098番
これから大学生 森川林
MMさん、ありがとうございます。 これは、10年以上前の記 6/12
記事 820番
これから大学生 MM
先生の書かれていることは今読んでもそのまま通じます。 10 6/11
記事 820番
毎週作文を書く 森川林
作文の勉強というのは、負担の大きい勉強です。 だからこそ、 6/11
記事 5097番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
Re: 標準新 森川林
 これは、確かに難しいけど、何度も解いていると、だんだん感覚 12/2
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習