幼児の親子作文は親子の対話の中で書く作文
幼稚園年長のころの学力は、勉強でつくのではなく生活の中でつきます。
ドリルを解くような勉強よりも、親子の対話、お手伝い、読み聞かせ、新しい経験、好きな遊びなどをたっぷりさせていくといいのです。
親子作文は、そういう生活を盛り込んだ作文の勉強です。
そのときどきの季節の話題をもとにいろいろな経験をして、それを親子で話し、お母さんやお父さんが短い作文にまとめます。
その作文に、子供が絵をかいたり、その作文を読んだりします。
また、そのとき写真などを貼ってあげたり、家族のほかの人がコメントを書いてあげたりすれば、作文を通して家族の対話が深まります。
こういう生活の中での知的なやりとりが、子供の将来の最も確実な学力の土台となります。
勉強の基礎は小1から始める親子作文
小学1年生のころは、まだ文字を書くのにも苦労をする時期です。
まして、ひとまとまりの文章を書くというのは、多くの子にとってまだ難しいでしょう。
しかし、文章を書くことを穴埋めドリルのような形で教えると、かえって作文を負担に感じるようになることも多いのです。
親子作文は、そのときどきの季節の話題をもとに親子でいろいろな経験をし、その経験をもとに親子で対話をしながら作文を書くという練習です。
勉強をしているという意識がなくても、自然に考える力が育ち、正しい書き方が身についていきます。
そして、この時期の勉強の仕方が、その後の小学校時代の勉強の土台となります。
親子で作文を書く場合のポイントは、思考発表クラブで毎週説明し、個別相談も受け付けています。
小2の電話指導作文は親子の対話の中で書く作文
小2のころは、書くこと読むことが最も好きになる時期です。
このころの子供は、自分が文章を書けることがうれしくてたまらないので、できるかぎり長く書こうとします。
また、作文と同じように読書も好きになるので、いろいろな文章を読もうとします。
だから、この時期には無理に上手に書かせたり難しい本を読ませたりせずに、書く力読む力をのびのびと育てていくといいのです。
そのためには、小学校高学年や中高生までの長い見通しを持ったカリキュラムで、重点を絞った余裕のある勉強をしていく必要があります。
小2までは、そのときどきの季節の話題や自分の体験した出来事を自由に書く作文課題ですから、家族の触れ合いや対話がいちばん盛んになる時期です。
そういう家庭での生活の中で子供の本当の学力が育っていきます。
小3は作文力と読書力が最も伸びる時期
小3は、作文力と読書力が最も伸びる時期です。
小2までは、頭に浮かんだことをそのまま書いていた子が、小3になると、読み手を意識して自分らしく書こうとするようになります。
それだけ、書き方を工夫して書く力がついてきたのです。だから、作文の字数は、小2のころよりも少なくなることがあります。
読書についても、自分の好きな本が次第にはっきりしてきます。
作文力と読書力が伸びる時期だからこそ、その子の個性を認めつつ、何をどう書きどういう本を読むといいかという方向を示してあげる必要があります。
それが、その後の作文と読書に対する自信と真の実力につながっていきます。
小4は小学生らしい作文が最も上手に書ける時期
小4は、小学生らしい作文が最も上手に書ける時期です。
このあと、小5からは、受験作文にも対応した、考える作文を書く練習をします。小4は、その手前の、身近な経験を表現豊かに書く練習をする時期です。
小4までは、自分のしたことや考えたことを自由に書けるので、このころの作文は小学校時代のその子らしい宝物のような作文になることが多いのです。
この時期に、作文と読書に力を入れることによって、高学年になってからの書く力、読む力の土台ができます。
作文も読書も楽にできるようになったからもう十分だと考えるのではなく、その作文や読書に更に時間をかけ、高学年になってからのより高度な読解力、表現力の土台を作っていくことが大切です。
小5は入試にも対応した考える作文のスタートとなる時期
小5は、入試にも対応した考える作文のスタートとなる時期です。
この時期には、作文だけでなく算数や理科などの教科にも考える要素が多くなり、国語の文章にも思考力を必要とする言葉が増えてきます。
作文も、勉強も、楽しいと同時に苦しくもなる時期ですが、それを乗り越えるのは、小5から育ち始める勉強に対する向上心です。
小5からの考える作文で、子供たちの思考力は急速に成長していきますが、それとともに個人差もまた大きくなります。
書く力の差が大きくなる時期だからこそ、それぞれの子供の実力に対応した個別指導が大切になってきます。
小6の作文は、中高生の小論文の土台
小6の作文は、その後の中高生の小論文の土台となる書き方を練習します。
だから、言葉の森では、高3の受験生も、社会人も、作文の勉強をスタートするときは、小6の課題から始めるのです。
小6のころは、書く力とともに読む力もまた大きく成長する時期で、ものごとの抽象的な本質を読み取る力が育つのもこの時期です。
小6の作文の書き方をしっかり身につければ、それは将来もずっと生きて使える文章力になります。
だからこそ、小6の作文を小学生の作文の仕上げと考えるのではなく、中学生高校生の作文小論文の土台と考えるカリキュラムで勉強していくことが大切になるのです。
勉強は、それ自体が目的なのではなく、何かができるようになるための手段です。
手段を身につけるためには、その手段に習熟することが大切です。
習熟するためには、ひとつのことに絞って繰り返すやり方が最も効率がいいのです。
漢字の勉強などは特にそうです。
教科書でも、問題集でもいいのですが、1冊の教材に絞って、それだけを徹底して繰り返せば漢字は覚えやすくなります。
教育漢字は約1000字、常用漢字は約2000字で、いずれも考えようによってはわずかな字数です。
1冊の教材で繰り返し勉強していれば、どの漢字がどのページのどの辺にあるかということまで頭に入ります。
そうすれば、しっかり定着します。
ところが、今は教材があまりにも豊富なので、次々といろいろな漢字教材に取り組むような勉強の仕方になりがちです。
すると、結局、種類が多くなればなるほど、定着させることが難しくなるのです。
算数・数学の問題集も同じです。
特に小学校低中学年の問題集は、問題集に直接、式や答えを書き込むスタイルになっています。
答えが簡単なので自然にそういうスタイルになってしまうのですが、そうすると、子供は自然に、問題集に答えを書き込む癖がついてしまいます。
すると、その問題集は1回しか使えません。
その1冊をやり終えると、新たに同じ問題集を購入するのはもったいないと思うでしょうから、自然に別の問題集をやるようになります。
すると、1冊を徹底して自分の身につけるという勉強でなくなるので、時間をかけるばかりで、苦手な問題はいつまでも苦手な問題として残ってしまうのです。
1冊を徹底して繰り返すという勉強法は、教材が豊富な時代だからこそ、意識して取り組む必要があるのです。
====
漢字の勉強の目的、勉強の目的(facebook記事より)
https://www.mori7.com/index.php?e=1709
漢字の勉強をなぜするのかというと、漢字のテストでいい点を取るためでも、漢検に合格するためでもありません。
小学生の場合は、ふりがなのふっていない少し難しい文章を自由に読めるようになるためです。
読み方をもう知っている大きい生徒の場合は、書きにくい漢字を使って少し難しいことを自由に考えることができるようになるためです。
そのように勉強の根本がはっきりしていれば、テスト前の一夜漬けの勉強などしなくてもいいのです。(してもいいけど)
勉強全体についても同じことが言えます。
勉強の目的は、勉強力を土台として、自分が自由に何かを創造することができるようになることです。
ところが、小さいころから創造的な遊びを制限して、勉強の時間を取りすぎている子も、最近は結構多いのです。
子供は、やる気になる時期が来れば、止めても勉強するようになります。
その勉強の動機になるのが、小さいころから積み上げてきた創造の喜びです。
こういう原点の姿を忘れないようにしていきたいと思っています。
====