連休や長い休みになると、子供を遊ばせておくのはもったいないから、どこかに通わせて勉強でもと考えることが多いと思います。
しかし、その前に、これからの勉強に対する大きな方針を考えておくことが大事です。
勉強というのは、一種の作業ですから、時間をかけてがんばれば誰でもできるようになります。
しかし、その作業の方向が違っていては、肝心の目標に結びついた勉強にはなりません。
勉強の方法論というのは、学校でも塾でもあまり教えてくれません。
教えてくれるのは、勉強の内容が中心です。それは内容の方がずっと教えやすいし、生徒も勉強した気がするからです。
しかし、内容は、参考書や問題集を読めば本来独学でもできるものですから、本当に大事なのは方法論の方なのです。
その方法論を、ほとんどの生徒は、あのよくできる先輩がこうやっていたというような、友達からの聞きかじりのような情報で簡単に決めてしまいます。
又は、方法論を決めるという意識なく、漠然と勉強を始めてしまいます。
それでは、その後の努力が無駄になることが多いのです。
大事なのは努力することではなく、努力の方向を決めることだからです。
では、その努力の方向を決める勉強の方法をどこで見つけたらよいのかというと、それは、やはり書籍によってです。
書店の参考書のコーナーの一部に、勉強の方法に関する本が置いてあるコーナーがあります。
その本を1冊か2冊買って読むのではなく、10冊ぐらいまとめて買うのです。
ある分野の見通しをつけるための読書の目安は、その分野の本を10冊以上読むことです。
このまとめて買って読むというのは、参考書や問題集選びでも同様です。
勉強をするというのは、誰でもできます。
しかし、その勉強の方向として、何を勉強するのかというところが正しくなければその勉強は空回りの勉強になります。
だから、今後1年間の問題集や参考書を選ぶときは、書店で一日見比べて、よさそうだと思ったものを数万円分まとめて買ってしまうのです。
これは、勉強のための最初の投資ですから、もったいないなどと思わないことです。
そして、実際にやってみる中で最も自分に合ったもの1種類に絞り、その参考書又は問題集を5回は繰り返すという勉強の仕方をするのです。
繰り返し読むというのは、勉強法の本についても同じです。
どんなによい方法論を理解しても、勉強を進めているうちに次第に自己流の勉強法に戻ってしまうことがよくあります。
そのつど、自分がよいと思った本を読み直して、軌道修正しながら勉強を進めていくのです。
この勉強法の本を読むというのは、子供だけでなく親にも必要です。
親はどうしても自分の経験の範囲での勉強法でしか子供にアドバイスができません。
だから、親も勉強法の本を読み、子供と勉強の方法について共通の認識をもっておくことが大事です。
高校3年生の場合は、この1年間は受験勉強の年ですから、方法を決めることが更に大事になります。
その方法を決める最初の出発点は、志望校の過去問を、答えを見ながらでいいのでやってみることです。
過去問は、秋ごろになってから仕上げのためにやるものではありません。春のうちに自分の勉強の方向性を決めるためにやるものです。
そして、この過去問の取り組みは、生徒本人に任せていてはいろいろ理由をつけて後回しになることが多いので、親が強力にバックアップして早めにやらせるようにする必要があります。
勉強法の本を読めば、大抵はこの早めに過去問に取り組むことの大切さが書いてあります。
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【再掲】高3の受験生は過去問に取り組もう
URLは、
https://www.mori7.com/index.php?e=1791
高校1年生、高校2年生は、まだ受験という差し迫った目標がないので、ある程度時間的な余裕があります。この時期に、空いている時間をどのように有効に使うかというと、一つは読書です。勉強や受験には関係ないように見える読書にたっぷり時間を割いておくとあとで必ずよかったと思うときが来ます。もう一つは、英単語です。高1や高2の時間のあるときには、あまり考えずに進められる勉強として英単語の暗記をしておくと、高校3年生なって受験勉強に突入したときに勉強がはかどります。いちいち辞書を引かずに英語の勉強を進められるからです。第3は、苦手科目に集中することです。夏休みの1ヶ月間苦手科目に取り組めば、ほぼ必ずその科目は得意科目になります。
高校3年生の受験生にとって大事なことは、三つあります。
第一は、赤本や青本などで志望校の過去問を必ずやってみることです。もちろん、志望校の過去問を解く実力はまだありません。教科によっては全然できないものもあります。しかし、答えを書き込みながらでもその過去問をやっておくと、問題の傾向や性格が必ず分かってきます。問題の傾向や性格が分かってから進める勉強は、一般的な勉強よりもはるかに能率がよくなります。普通の高校生は、ただ漠然と勉強して最後の仕上げとして過去問をやるというような発想で勉強しやすいのですが、これ全く逆です。できなくてもいいから、まず過去問をやって、その過去問の傾向に合わせた勉強をしていくというふうに考えるのです。しかし、実際には高3の初めの時期に過去問に取り組むような自覚的な高校生はほとんどいません。したがって、ある程度強制的に家庭で過去問に取り組む時間を確保しておく必要があると思います。予備校などで、なぜ過去問を早めにやらせないというと、生徒が過去問をやって個別の学校や個別の自分の実力について相談されても一斉指導のスタイルでは対応しきれないからです。
第二は、ほかの人の合格体験記を読んでおくことです。特にその学校が自分の志望校と同じであれば、参考書や問題集や勉強の仕方で参考になる例が多数載っています。情報時代には、そういう先人の知恵を生かしておくことが大切です。
第三は、その合格体験などの記事を元にして、自分なりによいと思われる参考書や問題集をまとめ買いすることです。今はインターネット書店があるので、必要な本が時間をかけずに手に入るようになっています。そこで、自分でいいと思った参考書や問題集を一つの教科について複数買っていきます。そして、その教材が届いたら試しに数ページやってみて、自分にとっていちばん相性がいいものをメインの教材と決めます。メインの教材はこれから1年間つきあうのですから、手触りやレイアウトの好みなど感覚的なものが意外と重要です。そして、その参考書や問題集を、わからないところがなくなるまで5回ぐらい繰り返し読むような予定で勉強を進めていきます。数冊を80パーセント仕上げるのではなく、1冊を100パーセント仕上げるというのが勉強の鉄則です。
これからの1年間は、過去問をときどき解き直し、過去問で勉強の軌道修正をしながら勉強を進めていってください。
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勉強をする上で大事なことは、勉強そのものではなく、どういう方向で勉強するかということです。
小学校低中学年のころは、この方法の差はほとんどありません。勉強することがすべてです。
しかし、その小学校低中学年の勉強スタイルのまま、方向を決めずに勉強をしている中高生が多いのです。
方向を決めるためには、まず勉強法に関する本を読み、勉強法というものを意識することです。
高3生が早めに過去問に取り組むことの大切さは、毎年同じように言いますが、そのとおりにやる生徒はごく少数派です。
そして、それでも何とかどこかに合格してしまうので、最初に作戦を立てることの大切さがわからないまま、大学生になり社会人になってしまうのだと思います。
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先日、小4の生徒のお母さん方と話をする機会がありました。
小4から、英語が教科になるので、これまで英語などをやっていなかった子のお母さんは、勉強の仕方についてやや困惑しているようでした。
学校で全員がゼロから始めるのであれば、学校に任せておいてもみんなが同じように進むので何も問題はありません。
しかし、既に早くから英語の勉強をしている子がいる中で、本人がゼロから始めるのでは苦手意識を持つようなことになるのではないかという心配があるのだと思います。
私の基本的な考え方は、小学生は、基礎学力が最も大事なので、読書だけがしっかりできていればそれで十分で、英語やプログラミングやその他さまざまな習い事は、余技としてやっておけばいいという考えです。
読書のレベルが学年に応じて少しずつ上がっていけば、考える力はそれで確実についていくので、そのほかの勉強や習い事は、本人がやる気になった時点ですぐにできるようになるからです。
小学生は、本さえしっかり読んでいれば、勉強面は何も問題はないのです。
しかし、それでこの英語の話をおしまいにしたのでは身も蓋もないので、多くの人が関心を持っている英語の勉強を、言葉の森も独自の方法で取り組むようにしようと思いました。
それが、英語の暗唱です。
現在、思考発表クラブというオンライン講座を行っていますが、これは参加する子供たちが自主的に発表できる場があり、しかも、そのあと保護者とも話をする時間があります。
だから、このオンライン講座の中で英語の暗唱を行えば、かなり充実した勉強ができると思いました。
思考発表クラブ
そして、週1回の講座に加えて、家で毎日自習ができるようにすれば、勉強は確実に進みます。
その生徒の毎日の家庭学習の中に暗唱の練習も10分間盛り込むようにすることができれば万全です。
この毎日の自習は、自主学習クラスの方でカバーできます。
自主学習クラス
毎日短時間の自習課題というのは、実は家庭だけで継続することは意外と困難です。
順調に進んでいるときは何も問題がありません。しかし、途中で風邪をひいては休んだり、どこかに出かける用事があって休んだりすることがあると、それでそれまでの習慣が途絶えてしまうことがあります。
いったん途絶えた習慣を再開するには、始めたときよりもずっと大きなエネルギーが必要ですから、そのままやらなくなってしまうことも多いのです。
自主学習クラスの場合は、その自習を先生がチェックするので、短時間の家庭学習を継続することができます。
そして、言葉の森では、森林プロジェクトの講師資格講座を行っているので、教える体制は、その森林プロジェクトの講師の協力を得ながら運営することができます。
作文講師資格講座
話は少し飛びますが、この森林プロジェクトで取り組むオンライン講座には、ほかにもいろいろな可能性が考えられます。
オンライン講座は、現在、思考発表クラブという作文国語算数の発表する形の勉強を中心に行っていますが、このほかにもいろいろな企画が可能です。
例えば、一つの例は、幼児や低学年対象の読み聞かせサークルです。
読み聞かせとともに、その子が今読んでいる本や、その土地の話題を紹介してもらうとかなり楽しいサークルができると思います。
もう一つの例は、日本語を学びたいと思っているアジアの子供たちとの交流です。
オンラインですから、国境を越えて海外からでも参加できます。
アジアは、日本との時差の差が少ないので、同じ時間帯に勉強できます。
skypeの自動翻訳機能のようなものが、いずれGoogleハングアウトにつくでしょうから、それを利用すればかなりユニークな国際交流ができます。
ただし、これらの新しいオンライン企画は、今は言葉の森の新しいシステム作りでなかなか時間が取れないので、実際に企画に着手するのはもう少し先になると思います。
とりあえず、今は、森林プロジェクトでこの英語暗唱講座を小学4年生以上の生徒を対象に企画したいと思っています。
詳細は、Facebookの森林プロジェクトで進めていく予定です。
森林プロジェクト(FB)
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小学生は読書さえしっかりしていればそれでいいというのが私(森川林)の基本の考えです。
昔の子供はみんなそうでしたし、自分の子供もそういうふうに育てました。
しかし、今は英語やプログラミングやいろいろ新しい勉強が出てきています。
それも、読書力さえあれば本人がやる気になったときにいつでもできるので何も心配しなくていいのですが、手軽にできる英語の勉強として、オンラインでできる英語暗唱講座という企画を考えました。
それを森林プロジェクトの講師の協力を得ながらやっていこうかと考えています。
日本語の暗唱検定で、もう3級まで約1万字を暗唱している子がいるので、小4からは同じように英語の暗唱もするといいと思いました。
今は、CD付きの小学生向けの英語のテキストもいろいろ出ています。
英語を知識として勉強するだけでなく、丸ごと暗唱する形で身につけるのです。
この英語音読の勉強法で英語が自然に得意になったのが野口悠紀雄さんです。「超英語法」にそのあたりの事情が詳しく書かれています。
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