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家庭学習と学校の宿題がぶつかったとき as/2939.html
森川林 2017/05/02 05:47 


 家庭で決めた勉強と同じようなものが学校の宿題として出て、勉強がぶつかってしまうことがあります。
 よくあるのが音読の宿題です。

 昔は音読の宿題などはなかったので、言葉の森が音読の家庭学習の話をすると、「音読にどういう意味があるのですか」と質問を受けることがかなりありました。
 ところが、今は、「学校でも音読の宿題があるので、子供が両方やるのは嫌だと言うのです」というような相談をときどき受けます。

 勉強の中心は、あくまでも家庭で決めたものです。
 宿題を中心に勉強していると、その宿題がなくなったときに、その勉強自体をしなくなってしまうからです。
 勉強はひとつのことを継続することが大事なので、家庭で決めたやり方を、学校の宿題の有無にかかわらずやっていくのがいいのです。

 しかし、家庭学習を優先して、宿題を無視するというわけには行きません。
 そこで妥協案として話しているのが、家庭学習は朝、宿題は夕方というやり方です。

 朝ご飯の前の時間帯は、よほどくたびれて起きられないないというのでもないかぎり、確実に時間がとれます。
 夕方の時間帯は、ある程度習慣化することができますので、ときどき臨時に時間がとれなくなるときがあります。
 特に高学年になると、夕方の時間は、できたりできなかったりすることが多くなります。

 家庭学習のような、誰からもチェックされない勉強は、途中で例外的な中断があると、それをきっかけにやらなくなってしまうことがあります。
 音読のような勉強は、1日やらないとそのままやらなくなってしまうことが多いのです。

 だから、大事な勉強は朝やることにして、大事でない勉強、又は宿題のような強制的な勉強は夕方やるようにしておくといいのです。
 時間が離れていると、子供は同じ勉強であっても、抵抗なく取り組みます。

 ただし、今の世の中では、子供に要求されていることを全部やらせようとすると、時間がどんどん不足してきます。
 子供の時間管理をして、力を入れることと、ある程度手を抜くことをアドバイスすることが親の大事な役割になっていると思います。

 そして、子供には、世の中は、自分の原則を貫くことも大事だけど、周囲と妥協してやっていくこともあるということを肯定的に話してあげるといいのです。

====
学校からもらってきた成績表で作文のところだけCの場合
https://www.mori7.com/index.php?e=2378

 成績表をもらう時期になると、よくある話です。
 言葉の森の生徒の保護者から、「ほかの成績はいいのに、作文のところだけCなんです」という相談を時どき受けます。

 あるお母さんの話では、学校の家庭訪問のときに、習い事の話が出て、作文を習っていると言ったすぐ次の学期から、作文だけがCになったそうです(笑)。
 こちらは、またかと思って笑って聞いていますが、そういう成績をつけられた子供はたまりません。せっかく熱心に勉強しているその勉強だけがとりたてて駄目だと評価されるのですから結構傷つきます。
 しかも、そういう子たちが決まって明るく素直な性格のよい子なのです。

 算数、理科、社会などのほかの教科では、こういうことはありません。また、同じ国語でも、漢字力や読解力の評価ではこういうことはありません。
 それらは客観的に評価できることですし、誰かが特別の教え方をしているわけではないので、言わば誰でも教えられる勉強なので、先生の権威も傷つかないからです。

 国語の専門の先生は、国語という教科に対して思い入れのあることが多く、特にそれが作文という勉強には強く表れます。
 作文は、専門的なベテランの先生でなければ十分に教えることができないという思い込みがあるのです。

 どの世界にも、未熟な人はいます。学校の先生だから特別ということではありません。
 もちろん大多数の先生は、そんなことにヤキモチを焼いたりせず、むしろ子供をよいところを励ます接し方をしています。
 先生という仕事で最も大事な性格が、このいつでも子供のよいところを見て明るく励ますことがができるということなのです。

 では、子供がそういう「作文のところだけがC」という成績をもらってきたとき、お母さんはどうしたらいいのでしょうか。
 子供には、次のように言ってあげるといいのです。
 「作文というのは、いろいろな見方があるけど、お母さんはあなたの作文はとてもいいと思っているのだから大丈夫。いつか、あなたが大きくなったとき、この作文Cの評価が楽しい想い出話になると思うよ」
 このように明るく爽やかに、むしろその悪い評価を楽しむような気持ちで話してあげるといいのです。

 そして、こういう話し方によって、子供は不本意な悪い評価を受けたときに、どう対処していけばいいのかという人生の大事なコツも学んでいきます。

 「行蔵こうぞうは我に存す。 毀誉きよは人の主張」(勝海舟)
 他人の評価は過去のものとして明るく受け流し、自分は自分のよいと思ったことを実行していけばいいのです。
====

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森川林 20170502 1 
 今の子供は、やらなければならないことが昔の子供より多い気がしています。
 自分で選んだ習い事も含めて、やれと言われたことを全部やっていると、傍から見るとうまくこなしているように見えても、内実はどれも密度薄くやるようになります。
 だから、重点は何で、重点でないものは何かということをある程度親が指示してあげる必要があります。
 私が思う重点はやはり読書で、次が音読又は暗唱で、そのあとは自由な遊び時間です(笑)。
 それで余力があったら、ほかのことをするといいのです。


nane 20170502 1 
 昔の子供は暇でした。年がら年中遊んでいました。
 宿題もなかったし、塾もなかったし、習い事などもほとんどありませんでした。
 それでもみんな、まともな社会人になっていきました。
 今は、何かそれが逆になっているような感じがします。
 たぶんそれは、重要でないことをやらされすぎているからではないかと思います。


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小5の思考発表クラブ4.4週の授業紹介 as/2938.html
森川林 2017/04/30 20:08 

△4.2週「私は小さい頃(感)」の構想図を書いた人の作品

 作文の勉強の特徴は、浅くも深くもを書けるところにあります。
 例えば小学校5年生の作文で、「大笑いしたこと」という題名課題が5.1週にあります。

 大笑いしたという実例は誰でもたくさん経験があります。
 だから、作文の材料は簡単に見つかります。

 しかし、笑いの本質とか、笑いが人生に対して持つ意味とか、笑いと社会というようなことを考えると、その作文をいくらでも深く考える作文にすることができます。
 ここで、考える力のつく作文になるか、ただ出来事を書くだけの作文になるかの違いが出てきます。

 では、どうしたら考える作文になるかというと、一つは生活時間の余裕です。
 勉強や宿題に追われている生活では、1時間作文を書くということになかなか集中できません。
 子供の成長には、自分の考えをじっくりまとめる時間が必要なのです。


 もう一つは家族の協力です。
 お父さんやお母さんと、「笑い」というものについていろいろな実例や感想を話し合う時間をとってもらうのです。
 これは無理に高度な話をする必要はありません。楽しい雑談のようなものでいいのです。
 こういう家族の対話の蓄積が、子供たちを成長させていきます。

 この親子の対話による作文の準備というのは、公立中高一貫校の受験作文のときは更に必要になります。
 しかし、受験に作文を使わない場合でも、親子の対話は高学年になるほど重要になってきます。

 とは言っても、何もないところで突然親子の対話をするのは難しいところがあります。
 思考発表クラブは、そういう親子の対話のきっかけを作るための予習の授業をしています。
 小5の授業は、毎週水曜日の19:00~19:45です。
 参加型の授業ですから、内容はやや高度ですが、普段の勉強でものたりなさを感じている人には面白いと思います。
 言葉の森の生徒以外の方も参加できます。

●授業の動画
https://youtu.be/FgraVxVbRc8


▼5.1週
★大笑いしたこと、家族でスポーツをしたこと

▽電車の中でつられ笑い!! 笑いの魔力 おもしろ動画 funny train
https://youtu.be/8ZmUZbwmxhw


▽6秒で笑える 爆笑おもしろ動画まとめ集
https://youtu.be/eODMPgGM7Dc


▽健康21 40 笑いと健康 その1
https://youtu.be/kksxtkbQVf4


▽平成23年 枚岡(ひらおか)神社 お笑い神事
https://youtu.be/tsmalOhDnTM

(2分30秒あたりから)

●算数の似た問題

「これでわかる算数小5」P32-問題2
「これでわかる算数小6」P14-問題2

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森川林 20170430 1 
 小5の5.1週の作文課題は、「大笑いしたこと」ですが、高学年の作文は、半分は実例で、半分は主題です。
 低中学年のころは、実例だけで作文を書くのが普通ですが、高学年や中高生では、その実例を通してどういう主題を表しているかということが重要になります。
 この主題を充実させるために、事前の準備が大事になってきます。


nane 20170430 1 
 子供は、時間の余裕があれば、必ずよりよい作文を書こうとします。
 ときどき実力はあるのに、決められた字数ぎりぎりで、項目も一応全部入れただけという作文を書く子がいます。
 そういう子は、日常生活の勉強が忙しすぎるのです。
 実は、勉強が忙しい子は、今は成績がよくても、あとになるほど伸びなくなります。
 それは、考えるという最も大事な勉強を省略しているからです。


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