小学校4年生から始めて現在中学3年生になっている生徒のお母さんから相談がありました。
「作文力がついたし、考える力もついている。とてもよく頑張っていると思うし、言葉の森の先生にもいつも褒められる。しかし、その割に国語の成績がいまひとつのように思う。」
ということでした。
こういう相談は、実はよくあります。そして、それは全然心配ないのです。
あるやり方を説明すれば、文字どおりあっという間に国語の成績は上がるからです。
では、なぜそういう勉強を普段からしないかというと、国語の成績を上げるような勉強は、すぐにできるし、勉強自体がつまらないものだからです。
だから、入試を目前にして、真剣に国語の成績を上げたいと本人が思ったときに、そのやり方を教えるようにしているのです。
そうでないと、ただ説明を聞くだけで、なるほどと納得したような気がして、結局何もしない子がほとんどだからです。
大事なのは国語の実力で行って、成績はその最後の仕上げにすぎません。
では、国語の実力があるはずだと思われるのになぜ国語の成績がそれほど良くないのかと言うと、その原因は国語の問題を理詰めで解くのではなく感覚で解いているからです。
理詰めの解き方を身につける方法は、国語のテストで100点を取ることを目指すことです。
ほとんどの生徒は、国語のテストが返却されたときに、「80点だったからまあいいや」などという考え方をします。
そうではなく、必ず100点満点を取るという気持ちで、間違えた問題を徹底して見直すようにすれば、そこから国語の成績は上昇していくのです。
国語のテストというのは、単なる国語の問題ではありません。
つまり、ちゃんと読めているかどうか確かめる問題なのではなく、普通に読めている子をいかに間違わせて差をつけるかという目的の問題なのです(笑)。
そのために、読みにくい文章を読ませ、素直な読み手の裏をかくような問題を作るのです。
だから、国語の成績を上げるためには、裏をかかれないようにすればいいだけです。
ところが、こういう勉強は面白くも何ともありません。
だから、普段の勉強はもっと面白い勉強、つまり、本を読んで、よく考えて、自分なりに書くという中身のある勉強をしていくのがいいのです。
成績は目に見えるものなので、ついそこに関心が向きがちです。
成績の根底にある学力は、目に見えないので後回しにされがちです。
しかし、成績はその気になって取り組めばすぐに上がります。
私の実感では、高校入試で3か月、大学入試でも6ヶ月あれば見違えるほど成績は上がるのです。
では、その学力のもとになるものは何かと言うと、第一は理解力です。第二は、その理解を定着させる記憶力です。
理解力は、難しい文章を読んだり聞いたりすることによって育ちます。
記憶力は、長い文章を音読や暗唱で覚えることによって育ちます。
だから、読書と対話と音読と暗唱と、それらを統合する勉強としての作文が学力を育てる基本なのです。
理解力と記憶力は、成績には直接表れませんが、身近に接していると自ずからわかります。
もし子供が、読むことも、覚えることも、書くこともさして苦にならないというのであれば、その子の学力は十分に育っています。
そして、これらの勉強のほとんどは、家庭での自学自習でカバーできるのです。
▽参考記事
「家庭での自習のコツ」
https://www.mori7.com/index.php?e=2104