結論から言うと、どちらも大切です。
と、それで終わってはあまりにもあっけないので、以下その説明です。
人間がその人生で遭遇するさまざまな問題の多くは、先人も同じように遭遇した問題です。
だから、既にいろいろな形で答えが出されています。
「車輪を新しく発明し直す必要はない」という言葉があるように、自分の問題だからといって、自分が独自に答えを考える必要はないのです。
既に用意されているよりよいものをすばやく見つけそれを利用する力が、答えを見つける力です。
この力を育てるために、学校教育では、答えのある問題を用意しているのです。
しかし、世の中にあるさまざまな問題は、歴史の進展によって新たに生まれた問題であることが多いものです。
例えば、イエス・キリストや、釈迦や、聖徳太子の時代には、現在の人類が直面している核兵器や環境汚染の問題はありませんでした。
だから、これらの問題は、現代人が過去の文献から答えを見つけようとしても見つかりません。
それどころか、その問題が問題と意識されるまでは、問題自体も見つかっていないのです。
こういうことが、個人の人生にもあてはまります。
例えば、政治家、経営者、最先端の科学者などは、自分の人生と社会の現実が結びついています。自分が社会に働きかけ、社会の変化が自分の生活に反映するという生活を送っています。
こういうときは、答えを見つけるよりも、答えを自分で作り出すか、あるいは問題そのものを自分で作り出すかしなければならないのです。
答えを見つける勉強に慣れていると、問題を見つけることを忘れてしまいます。
今の受験を目的とした教育は、答えを見つける勉強に過度に適応させるようにできています。
過去の事例を見つけることは得意だが、新しい問題を提起することは苦手だという人は、時代の変革期にはかえって社会の進歩を遅らせることもあります。
「学びて思わざれば則ち罔し(くらし)、思いて学ばざれば則ち殆し(あやうし)」という言葉は、答えを見つける力と、問題を見つける力の両方が大事だということを表しています。
これを現代の言葉で言い換えると、基礎の学力は自学自習で確実に身につけ、思考力、表現力、創造力はそれとは別に他者との関わりの中でじっくりと育てていくということになるのです。
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「これからの勉強は、答えを見つける勉強ではなく、問題を見つける勉強になる」というのは、基礎学力がある人が言えばそのとおりです。
しかし、基礎学力がないまま、そういう方向に進むと、かつてのゆとり教育のマイナス面が出てしまうのだと思います。
答えを見つける力と問題を見つける力は、右足と左足のようなもので、これまでは答えを見つける足の方ばかり鍛えてきたということなのです。
自分で何かを新しく作るのは苦手だが、既にあるものを的確に評価するのは得意だという人がいます。
その反対に、評価は苦手だが、新しいものを作るのは得意だという人がいます。
紺屋の白袴というのは、どちらというと後者。
だから、優れた生産者がいればいいというのではなく、優れた消費者がいることもまた大切なのです。
ということが、最近わかってきました。
問題を作る人も、答えを見つける人も、どちらも必要なのです。
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先日、人生百年時代に関する記事を書きました。
人間が普通に100歳まで生きるような社会になると、既に破綻しかけている年金制度は確実に破綻します(笑)。(笑い事ではありませんが)
定年は、今の60歳や65歳ではなく、80歳や90歳にしなければなりません。
そのときに、その人の行っている仕事がITの分野だったらどうなるでしょう。
IT技術の進歩に応じて、新しい知識や技能を毎年のように身につけなければなりません。
若いときに苦労して身につけた技術が陳腐化して、全く役に立たなくなるという場合もあるでしょう。
技術進歩の早い分野の仕事は、若い人が担うもので、ある程度の年齢になったら、技術の進歩に影響される仕事からは少しずつ手を引いていくのがいいのです。
では、技術の進歩が遅い仕事、あるいはない仕事というのはあるのでしょうか。
それがあるのです。
その典型的な分野が教育や芸術や宗教です。
しかも、それらの分野は、技術の進歩に無理してついていく必要がないばかりでなく、その仕事に携わる年数に応じて日々習熟していくのです。
特に教育の分野については、経験年数の効果は大きくなります。
子育ては、一人目が最も苦労しますが、二人目はかなり楽になります。三人目、四人目、五人目、六人目となれば(おそ松くんの一家のようですが)、最後の六人目の子供は目をつぶっていてもうまく子育てができるようになるでしょう。
そして、この経験年数の効果とともに大きいのが、教育の仕事は自分をふりかえることで進歩するという面があることです。
人が20代のころに、「小さいとき、もっとああいうことをしていればよかった」と思うことと、その人が40代のころに思うことと、60代のころに思うことは、かなり違ってきます。
貝原益軒は、「和俗童子訓」という教育論を80代で書きました。
ルソーは、「エミール」を40代で書きました。
どちらの教育論があてになるかといえば、80代の知恵で裏打ちされたものの方だと思う人が多いでしょう。(ルソーファンのみなさん、ごめんなさい(笑))
教育の仕事の進歩は、タブレット授業の仕方やデジタル黒板の使い方を身につけるようなところでなされるのではありません。
自分の過去をふりかえり、それを今いる子供たちに重ね合わせることによってなされるのです。
年をとって、経験年数を重ねるほど技術が進歩していくというのが、教育の仕事の特徴です。
それは、芸術や宗教にもあてはまりますが、世の中に新しい価値を創造する力は主に教育が担っています。
これからの長寿社会の進展を考えた場合、教育の仕事というのは、最も可能性のある仕事の分野になるのです。
しかし、それはもちろん、今の受験教育のような教育ではありません。
受験教育と少子化の進展という面から見れば、教育は先行きの展望のない仕事のように見えます。
しかし、創造教育という面から見れば、少子化はむしろ充実した教育の土台であり、新しい未来の仕事の可能性を最も持っている分野だと言えるのです。
言葉の森では、今、森林プロジェクトによる作文講師資格講座を開いています。
これは、作文教育を中心に、自主学習教育、思考発表教育、自然合宿教育などをオンラインネットワークを利用しながら進めていくものです。
オンラインを利用した教育と言っても、特に難しい技術的な習得が必要なわけではありません。
スマホやSNSに慣れるように、オンラインに慣れることで身につくものです。
人生百年時代の長寿社会に向けて、未来の仕事を、新しい教育の分野で作っていきましょう。
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人生百年時代に最も有望な仕事は、教育の分野の仕事です。
少子化が問題になるのは、子供を量の面からしか見ていないからです。
創造教育の面から考えれば、大事なのは量ではなく質なのです。
芸術家、宗教家、教育者の中には、百歳近くになってもいい仕事をしている人がいます。
これが、プロレスラーや、百メートル走者や、IT技術者などと違うところです。
これからの時代は、若いときにできる仕事と、年をとってからこそできる仕事の二つのわらじを履いていく必要があるのです。(宗教家は仕事ではないかもしれませんが(笑))
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思考発表クラブでは、毎週、最初に生徒が今読んでいる本の紹介をしています。
そのあと、作文の構想図を発表し、自分の自由な学習を発表し、互いに感想を述べ合います。
本の紹介を始めた最初のころは、本番となる授業の作文構想図や算数の似た問題の話に入る前のウォーミングアップのつもりでした。
しかし、それぞれの生徒が自分の読んでいる本を紹介するというやり方がなかなか面白く、今ではこの読書紹介が、最初の15分から20分の勉強の柱の一つになっています。
この本の紹介は、最初のうちはどの子も難しく思っていたようです。
しかし、毎週紹介を続けているうちに、どの子もかなり上手に本の説明と心に残ったことの説明をできるようになりました。
生徒がまだ小1や小2のころは、ほかの人がどういう本を紹介しているかということにはまだ大きな関心はないようです。
しかし、小3や小4になると、ほかの人がどんな本を読んでいるか、そして自分がどんな本を紹介するかということに強い関心を持つようになります。
だから、「○○さんが先週紹介してい本が図書館にあったので、私も借りてきて読んでみました」というようなことがよくあります。
小5や小6になると、読んでいる本のレベルも大人並みになります。それぞれの生徒がかなり個性的な読書をしているので、その紹介を聞いているだけで互いの知的な刺激になるようです。
毎週読書の紹介をするわけですから、読書が進まず1週間同じ本を読んでいたというようなことはまずありません。
ひとりで読書をしていると、読む習慣が途切れるということもありますが、本の紹介という主体的に参加できる授業が待っていると思うと、毎日読み続ける生活が自然にできるようになるのでしょう。
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参加者に授業のアンケートをとったところ、読書紹介がいちばん面白いという結果になりました。
読書好きな子が多いというせいもあるのでしょうが、友達どうしのやりとりが楽しいようです。
親や先生にすすめられた本よりも、友達が読んでいる本に関心を持つというのは、学年が上がるほど自然なことになります。
そのときに、読書好きな子が互いに良書を紹介し合えるというのは、はたから見ていても、とてもうらやましいことだと思います。
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これからの人間の寿命は、100歳を超えることが当然のようになるという予想がされています。(「LIFE SHIFT(ライフ・シフト)100年時代の人生戦略」リンダ グラットン)
現在は65歳で定年になっても、まだ働く力は十分にあり、しかも年金だけでは将来の生活が不安だという状況があります。
これが、100歳まで長生きすることになるとしたら、人生設計を根本から考え直さなくてはなりません。
定年後の人がもし早めに新しい仕事を見つけることができれば、定収があることによって安心感は増しでしょうし、仕事をすることによって生活に張り合いが出てきます。
新しい仕事をする上で大事なことは、その仕事をできるだけ長く続けていくことです。
それは、長く続けることによって、その仕事に習熟し、自分の持ち味を生かせるようになるからです。
では、何がこれからの仕事として有望なのかというと、それはこれからの社会で価値が増すものに関わる仕事です。
今後の世界で価値が出てくるものは、食料でも、エネルギーでも、ゴールドでも、不動産でも、あるいは何らかの資格や学歴や知識や技能でもありません。
というのは、これからの時代は、エネルギーや資産や個人の能力は、技術革新や人工知能の代替によって価値が低下することが考えられるからです。
また、物だけでなくサービスも、次第に供給過剰に陥り、激しい競争の中で行われるようになります。
そういう時代に、最後に価値あるものとして残るのは何かと言うと、それが人間の創造力なのです。
創造力あるいは創造がどのくらい価値あるものかというと、例えば緑色植物が発明した光合成が現在の地球にもたらした価値を考えてみればわかります。
また人間の創造に限ってみても、言語の発明、火の利用の発明、車輪の発明、水車の発明などが、どれくらい大きな富を生み出したかは十分に想像できると思います。
だから、最も価値ある仕事は、創造することなのです。
創造する仕事は、自分が創造することに限りません。創造する子供たちを育てることも、創造的な仕事です。
これまでの教育は、子供たちが一人前の社会人になるように、決められた知識を覚えさせることが中心になっていました。
だから、子供の個性や創造性は二の次でした。
しかし、これからは子供たちの個性と創造性を育てることが、社会全体の目標になります。
なぜなら、それが豊かな社会を作るために最も役立つことであり、同時にそれが子供たちの幸福な生き方にとっても最も望ましいことになるからです。
決まった知識を覚えさせるこれまでの教育の場合は、一斉授業や一斉テストで十分でしたが、子供の創造性を育てるためには、それぞれの子供の個性に応じたていねいな働きかけが必要になります。
そのためには、現在のように30人学級で、先生1人が30人を教えるようなやり方ではなく、生徒1人に1人又は複数の大人がつくようなスタイルで教育をしていく必要があります。
そのようなていねいな教育によって、どの子もその個性によって社会に新しいものを創造する力を育てていくようになるのです。
この子育ての教育に最も適しているが、年配者です。それは、年配者は長い人生経験の中で、子供時代に必要なものは何だったかということが、理屈ではなく実際の経験としてわかるからです。
自分自身や自分の身近な人の子供時代を思い出すことが、未来の子供たちを育てる貴重な示唆になるのです。
創造する教育のための子育てと、それを担う高齢者の教育事業への参加という社会の仕組みに最も近い位置にあるのが日本だと思います。
言葉の森の森林プロジェクトによる作文講師資格講座も、こういう大きな流れの中で行っていきたいと思っています。
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これからの教育は、教える教育ではなく育てる教育になります。
なぜなら、知識を詰め込む教育から、創造性を育てる教育への転換がこれから起こってくるからです。
その育てる教育に役立つのが、長い人生経験のある人の知見です。
ちょうどどこかの絵本にあった、インディアンの子供たちが古老の周りに座って話を聞くというような教育がこれからの新しい教育のイメージになっていくのです。
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言葉の森では、これから受験作文のテキストとして使用する作文の模範解答を一緒に作成してくださる方を募集します。
模範解答作文は、言葉の森の提示する構成に沿って600字程度で書いていただきます。
全体で40編ほど作成する予定です。
採用された方には、その模範解答の完成度に応じて謝礼をお支払いします。
採用されなかった分についても、その努力に応じて何らかのお礼をする予定です。
なお、作成された模範解答作文は、こちらで必要に応じて編集することがあるため、著作権は言葉の森に属することにします。
参加を希望される方、又はこの企画に関心のある方は、Facebookグループ「言葉の森オープン長文」にご参加ください。
https://www.facebook.com/groups/okaot/
具体的なやり方は次のようになります。
1)こちらで、受験作文の課題と、その書き方の解説をアップします。
書き方の解説は、大体4段落でそれぞれの段落にどういうことを書くかということを説明しています。
2)その解説をふくらませる形で600字程度の模範解答を書いていただきます。
▼課題の例
「私の考えるチームワーク」
▼解説の例
第一段落は、状況実例。「日本の社会の強さは、チームワークにあると言われている。欧米の個人プレー重視の社会に比べて、チームプレー重視の社会は、一見目立たないように見える。しかし、……(と現在の社会の例を通して、チームワークのよさを意見とするとよい。意見は「私はチームワークを大切にしていきたい」などとわかりやすく)」。
第二段落は、方法1。「そのために大事なことは第一に、常に周囲に気を配ることだ。自分の業績だけを見るのではなく、それを支えている隠れた仲間の力を見ていくことが必要になる。例えば、私もかつて……(と前向きな体験実例)」。
第三段落は、方法2。「また、第二に大事なことは、コミュニケーションを活発にすることだ。人間は互いに違った意見を持っていて当然だから、自分の意見もはっきり述べる必要がある。チームワークとはあいまいに一致することではなく、違いを認めて団結することだ。例えば……(体験実例、又は社会実例)」。
第四段落は、反対理解とまとめ。「確かに、チームワークを優先するあまり、実際の成果を忘れてしまうのは問題だ。大きくなりすぎた組織では、時に、内部の利害調整だけに目が向き、外に対する視点を忘れてしまうことがある。しかし、組織の運営の基本はチームワークである。私も……(と、自分の志望理由に結び付けて書けるとなおよい)」。
▼模範解答作文
上記の解説に沿って、小学6年生の書き手を想定して600字の模範解答作文を書いていただきます。
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「オープン長文」プロジェクトがいよいよスタートします。
今回は、受験作文の模範解答を書いていただく企画です。
模範解答ですから、ダジャレやギャグは入りません(笑)。
そのかわ、こちらでコメントに面白いことを入れて、生徒が繰り返し読みたくなるテキストにする予定です。
受験作文のポイントは、全体がまともに書けているとともに、結びの5行に切れ味のいい表現が入っていることです。
どういう表現が切れ味のいい表現かということもアドバイスします。
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※更新情報:料金を消費税を含む金額に直しました。2017/8/22
作文講師資格講座とは、言葉の森の作文指導法を学ぶ講座です。
4時間半のビデオ講座を視聴していただき、資格試験に合格すると、自宅などで言葉の森の教材を使って作文指導をすることができます。
必要な費用は、講座を受講する最初の受講料だけで、その後の教材の利用料などはかかりません。
ただし、作文指導は、いろいろな学習指導の中で最も難しいものと言われています。ですから、実際の指導にあたっては、ただ教材と指導法を身につけたからといって、すぐにうまくできるものではありません。
そこで、資格講座を受講された方を中心にした、研修や交流の機会も持つようにしています。
また、言葉の森では、作文指導のほかに、読書指導、暗唱指導、合宿教室など多様な教育的な取り組みを行っています。
これらの企画の担当も、この作文講師資格講座を受講された方にお願いする仕組みにしています。
これまでの社会は、終身雇用と定年退職と年金老後生活という枠組みがありましたが、これからの社会は大きく変わります。
第一は、グローバルな競争の拡大によって安定した終身雇用制度が崩れてきたことです。
第二は、年金制度が行き詰まるとともに、平均寿命が百歳になるような長期の老後生活を送る可能性が増えてきたことです。
そこで、定年を迎える前から、退職後に自分でできる仕事を考えておく必要があります。
このときに、受験教育ではない創造教育に関わる仕事をするノウハウを身につけておけば、その仕事は社会に貢献するとともに、教える人の個性や創造性も発揮できるやりがいのある仕事になると思います。
言葉の森の作文指導は、35年間の蓄積があります。
この独自のノウハウを資格講座という形で誰でも利用できるようにする森林プロジェクトという企画を考えたとき、当初は言葉の森の内部からも疑問の声がありました。
そのような独自で豊富な教材やノウハウを、ライバルの企業も含めて誰でも利用できるようにするのは、言葉の森にとってマイナスになるのではないかという疑問です。
しかし、私は、知識や技能は自然に拡散していくもので、それをより多くの人に利用できるようにした方が社会の進歩に貢献できると考えました。
たとえ独自のノウハウを誰でも利用できるようにしたとしても、それ以上に新たに独自のものを作り続けていけばいいと考えたのです。
そして、実際にその後も、作文検定、プレゼン作文、暗唱検定、付箋読書、問題集読書、自主学習クラス、思考発表クラブ、合宿教室など新しい企画を次々に立ち上げています。
明日の日本を支える子供たちを育てるために、言葉の森の作った教材やノウハウを狭く囲い込むのではなく、広く誰でも利用できるようにし、その分、新たに独自のものを作り出していくというのが言葉の森の基本方針です。
ですから、この森林プロジェクトの作文講師資格講座にも、できるだけ多くの方が参加していただき、言葉の森と一緒に日本に新しい教育を作る試みに参加していただければと思います。
森林プロジェクトの作文講師資格講座は、これまでは作文指導だけを行ってきましたが、現在、作文指導以外に言葉の森が取り組んでいる作文検定、暗唱検定、自主学習クラス、思考発表クラブ、合宿教室などの企画にも関われるようにしています。
具体的には、作文資格講座を受講された方に、作文検定や暗唱検定の検定委員もお願いし、自主学習クラスや思考発表クラブの講師もお願いし、合宿教室の企画にも参加していただけるようにするということです。
森林プロジェクトの作文講師資格の範囲をこのように拡大したことに伴い、作文資格講座の受講料も、この9月から料金を改定することにしました。
新しい料金は、小学生の作文講師資格講座が129,600円、中学生の講座が21,600円、高校生の講座が21,600円です。(いずれも消費税含む)
言葉の森の生徒や元生徒のご家族の方が受講される場合は、小学生の作文資格講座は118,800円になります。
この料金改定は、2017年9月からですので、8月中に受講の申込みをされる方は旧来の料金(64,800円)で受講できます。
受講の申込みをされるだけで、実際の受講は9月以降になってもかまいません。
この作文講師資格講座は、最後に資格試験がありますが、この試験は選抜するための試験ではなく、すべての方に合格していただくための試験です。
そこで、試験の内容に関する疑問点は、お電話やメールでいつでもご相談いただけるようになっています。
将来のやりがいの仕事作りと、自分自身の能力開発のために、森林プロジェクトの作文講師資格講座にぜひご参加ください。
言葉の森と一緒にに、日本をよりよくする新しい教育作りに取り組んでいきましょう。
▽作文講師資格講座の資料のお申込みは下記のフォームからお願いします。
https://www.mori7.com/fsiryou.php
▽作文講師資格講座の受講のお申込みは下記のフォームからお願いします。
https://www.mori7.com/fkouza.php
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これからの教育の目標は、人間の創造性をいかに高めていくかということが中心になってきます。
創造性を高めることによって、その人が自分の個性を生かしながら社会に貢献する仕事を作り出すようになるからです。
そういう大きな教育の変化を先取りする企画を、森林プロジェクトで作っていきたいと思います。
森林プロジェクトのメンバーの交流会をしばらくしていませんでしたが、8月から新たに研修会などのいろいろな企画をしていきたいと思っています。
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作文教室言葉の森は、2017年に、那須塩原駅から車で約30分の場所に言葉の森合宿所を開設しました。
この合宿所で、7月に、小学生の生徒を中心に保護者も含めた約50名の参加で1週間の読書作文キャンプを行いました。
この企画は、朝は暗唱と読書、昼は自然の中での遊び、夕方は作文と発表と自由な工作という、自主的な学習と遊びを組み合わせた新しい取り組みでした。
参加した子供たちは、どの子も生き生きと学習にも遊びにも取り組んでいました。
言葉の森は、普段の学習は通信教育で、担当の先生が生徒の自宅に毎週電話をして作文指導をする形をとっています。
また、作文指導以外に、ネットワークを利用したオンラインの自主学習クラスや思考発表クラブも行っています。
通信教育で勉強の基礎を作っている子供たちが、年に何回かは実際に集まり、自然の中で他の子供たちと交流することは、その子の人間的成長にとってとても意義あることだと思っています。
そこで、この合宿教室を、全国の子供たちがいつでも利用できるようにするために、現地のスタッフを募集することにしました。
スタッフの仕事は、子供たちの学習と遊びを安全面を配慮して見守ることです。
スタッフの仕事のノウハウは、実地の研修の中ですぐに身につきます。
スタッフとしてご参加いただきたいのは、次のような方です。
詳しい説明をご希望の方は、言葉の森までお電話でお問い合わせくださるようお願いいたします。
○子供たちの新しい教育に関心のある方
○ご自分で新しい仕事を始めたいと思っている方
○定年後で時間があるので、仕事と社会貢献の両立できることをしてみたいと思っている方
○自分の子供の教育も兼ねて、同年齢の子供たちの教育に関わってみたいと思っている方
○子育てが終わって時間があるので、自分の子育ての経験を生かして子供たちの教育に関わってみたいと思っている方
○大学生で、将来の仕事の参考になるように、教育的な仕事を経験してみたいと思っている方
シニアの方、主婦の方、学生の方がバランスよく役割を分担する形で、小学生の子供たちの合宿教室の監督をしていただければと思います。
仕事は、年間を通した固定的なものではありません。
合宿教室の企画があるごとに、その期間に担当できる方が合宿での子供たちの学習と遊びを監督するという形です。
子供たちの合宿は、土日や連休などの朝6時ごろから夜8時ごろまでになることが多いので、その時間に合わせて通勤できる近隣の方や、合宿教室で一緒に宿泊できる方が理想です。
子供たちの新しい教育に関心のある方は、ぜひお問い合わせください。
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那須高原の合宿教室の現地スタッフを募集します。
子供たちの読書と作文と自然と触れ合いの新しい教育に関心のある、シニアの方、主婦の方、学生の方などの参加をお待ちしています。
合宿所の中ではたっぷり読書を行い、戸外では自然の中でたっぷり遊ぶ、そういう「よく学びよく遊べ」を実践する合宿教室を日本中に広げていきたいと思っています。。
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言葉の森は35年前、作文の専科の教室をしてスタートしました。
言葉の森という名前で始める前は、大学4年生を対象にした文章教室を開いていたので、そのころから数えると40年前からのスタートです。
なぜ作文専科の教室にしたかというと、どこでも行われている勉強を教えるような教育ではなく、もっと子供の可能性を育てるような教育をして、世の中をより明るくしたいと思ったからです
当時、作文指導を専門にする教室はどこにもなかったので、ひとりで試行錯誤をしながら作文指導のスタイルを作っていきました。
なぜ作文指導の教室がなかったかというと、作文教育に対するニーズ自体がなかったからです。
初めは小1と小6の生徒2人でスタートしましたが、次第に生徒が増え、やがて、地元の横浜市の通学教室で150名ほどの人数になりました。
しかし、作文そのものに対するニーズはきわめて薄かったので、このままでは広く日本に作文教室を広げることはできないと思っていました。
ところが、引っ越しや学校の部活などのために通えなくなった生徒を通信で見ているうちに、通信のインターネット利用が次第に進んできました。
言葉の森のインターネット利用は、1996年というかなり早い時期からでしたから、最初のうちはインターネットに接続する人自体がほとんどいませんでした。
ところが、2000年ごろから急にインターネットが広がるようになり、それにつれて通信の生徒も急に増えてきました。
通信指導の講師も、インターネットで募集しましたが、当時インターネットを利用できる人は大学の理系の学部でネットを活用し始めたような人でしたから、応募してくる人はどの人もかなり優秀で先進的な人ばかりでした。
通信の生徒が増え、作文指導の方法が次第に安定してくるにつれて、最初に自分が考えていた世の中を明るくしたいという方向をもっとを確実なものにしたいと思うようになってきました。
そのためにどうしたらいいかと考えているうちに、2011年3月11日、東日本大震災が起こりました。
この大地震とそれに伴う原発の事故によって、当時心ある人はすべて日本を守るためにどうしたらいいかということを真剣に考えたと思います。
私も、この大震災をきっかけに、日本を守り発展させるという目標を自分の仕事の大きな目的として更にはっきりと自覚しました。
そして、日本社会への貢献と作文教育をどう結びつけるということを考えて、現在の日本の教育の問題点とそれと対比する形での新しい教育のビジョンを考えたのです。
そのビジョンは、次の四点です。
第一は、受験のための重箱の隅をつつくような表面的な知識詰め込み型の勉強から、真に子供の実力を育てる、よりシンプルで本質的な勉強へという方向です。
第二は、学校や塾や予備校で先生から教わる、一斉授業型の受け身の勉強ではなく、家庭での親子の対話を中心にした子供の実態にあった自学自習型の勉強へという方向です。
第三は、点数で評価される答えの決まっている知識再現を中心とした勉強ではなく、点数化できない勇気や思いやりや自然への共感や文化の尊重などを中心とした文化の教育へという方向です。
第四は、他人との競争に勝つことを目標にした勝ち負けを動機とした勉強から、自分で何かを創造しその創造をもとに独立した生き方を目指す創造を喜びとする勉強という方向です。
この「受験から実力へ」「学校から家庭へ」「点数から文化へ」「競争から創造へ」という四つの新しい教育の方向を考える前に、私は以前、人間の生きる目的を次のように考えたことがありました。
それは、幸福に生きること、向上して生きること、創造して生きること、貢献して生きることです。
一般に、向上、創造、貢献という目的は、自分以外の他のものを目指しているので、目的として理解しやすいと思います。
しかし、世の中には、何かの事情で寝たきりになっているような、向上や創造や貢献の可能性の低い人も当然います。
そのような人であっても、現在を幸福に生きようとすることは、その人の生きる目的になります。だから、人間の生きる目的は、幸福、向上、創造、貢献だと考えたのです。
この人間の生きる目的と、教育の新しい方向を考えたあと、その新しい教育を具体的にどのように展開していくかを考えました。
第一に、実力をつける教育については、基本となるものは自学自習です。
今は、書店でも、インターネットでも、優れた教材が低コストで手に入るようになっています。
学校や塾で一律に与えられた教材で、一斉授業を受け、わかっていることもわからないこともみんなと同じテストで評価されるような勉強ではなく、自分にあった教材で自分のわかっていないところだけを重点的に繰り返し勉強した方がずっと能率よく実力は身につきます。
しかし、問題は、そういう自学自習のスタイルの勉強は、本人が勉強の自覚をした中高生の年齢にならないとなかなかできないことです。
そこで、家庭での自学自習を、オンラインで先生がチェックし、その学習内容を保護者と共有する仕組みを考えました。
そして、同学年の生徒どうしの交流なども行えれば、勉強の動機づけは更にはっきりしてきます。
このオンラインを利用した自学自習という方法は、まだこれから改良の余地がありますが、今後の実力をつける教育の中心にしていきたいと思っています。
第二に、家庭を中心にした教育として、読書、作文、暗唱などに力を入れていくことです。
学校や塾で一斉に行う勉強では、読書や作文や暗唱は取り組みにくい面があります。それは、一斉学習とするには、個人差が大きいということと、評価の基準がないのでテストなどで目標を作ることがしにくいからです。
このため、学校や塾では、答えが一律に決まる知識再現的な勉強を一斉授業で行い、その知識の定着度をテストで評価するという形の勉強になりがちです。
しかし、小中学生の学習で大事なことは、読む力をつけること、考える力をつけること、書く力をつけることで、そういう読書力、思考力、表現力の土台さえあれば、知識や理解の勉強は、必要になれば短期間で身につきます。何も早くから、先取りの勉強をしておく必要はないのです。
実際に、小学校低学年から学校の成績を上げることを中心に勉強している生徒で、読書が後回しになっている生徒は、小学生の低中学年のときは成績はいいのですが、高学年になるにつれて次第に平凡な成績になっていく傾向があります。
逆に、読書が日常生活の中にしっかり組み込まれて、自分の関心のある分野の読書を自分のペースで続けている生徒は、いざ成績を上げる勉強が必要になったというときに、短期間でトップグループに追いつくようになるのです。
だから、小学生の学力の中心は読書で、その読書は家庭という生活の中で日常的に行っていく必要があります。わざわざ学校や塾に行って読書をするというような勉強の仕方ではないのです。
学校や塾は、知識や理解を効率よく整理するための場で、それには今の学校や塾の授業のように長時間かける必要はありません。
これが、家庭を中心にした教育という意味です。
家庭を中心にした教育の、もうひとつの利点は、親子の対話ができるということです。子供は、身近な大人との対話の中で語彙力や思考力や感受性を育てていきます。家庭は、そういう双方向の対話がふんだんにできる場なのです。
第三に、文化の教育というのは、点数として評価されない分野に力を入れていく教育のことです。
例えば、勇気を持って生きるとか、思いやりのある生き方をするとか、日本の文化を大切にするとかいうようなことは、点数化されるものではありません。
しかし、こういう点数化されない分野こそ、子供が成長して社会人になったときに大事になってきます。
文化の教育は、点数化にはなじみませんから、学校や塾のような外部の機関によって行う性格のものではなく、家庭の中や地域での友達との交流の中で、生活や遊びを通して身につけていくものです。
この文化の教育を、言葉の森では、保護者も参加する合宿教室のような形で、自然との触れ合い、友達との触れ合い、合宿生活による更に深い交流を通して応援していきたいと思っています。
第四に、競争に勝つことを目的にした勝ち負けの教育ではなく、自分らしい創造を大切にする教育です。
この狭い日本の中で、受験に向けた競争で他人よりよい点数を取るということは、大きな目で見れば意味のないことです。
それよりも、日本の子供全体が向上していくことが大事であって、他の生徒よりよい点数を取ることを目的にするような勉強をするべきではないのです。
だから、間違えやすい問題を、他人よりうまく解くというようなことを勉強の重点にするのではなく、自分の個性を生かした新しいものを作り出す、あるいは試行錯誤を通して多様な経験をするという教育を中心にしていくべきです。
そういう創造的な勉強が、将来子供たちが社会に出たときに、自分の力で新しい文化や新しい仕事を作り出す土台になっていきます。
この創造教育は、豊富な読書、考える作文、自由な経験の時間によって育っていくものです。
以上の具体的な勉強法をバランスよく運営していくために、言葉の森では、新しい教育として四つの柱を考えています。
第一は、作文教育を中心とした思考力と創造力を育てる教育です。
これを言葉の森の独自の教材と指導法をもとに、オンラインを利用して誰でも参加しやすい形で幅広く行っていくことを目標にします。
またオンラインの活用というところで、子供たちどうしの交流が勉強の動機となるような思考発表クラブや各種のオンライン講座を広げていきたいと思っています。
確かに、子供たちの勉強には、他人に教わるような面ももちろん必要です。
しかし、それとともに子供たちどうしが発表し合い、互いに刺激を与え合いながら勉強していく面も大切です。
そのため、プレゼン作文発表会、作文検定、暗唱検定など、子供が主体的に行える多様な学習活動を、今後誰でもいつでもどこからでも参加できるオンライン教育として開発していきたいと思っています。
第二は、オンラインの講座やオンラインの発表クラブのような勉強を日常的に支える自学自習の場作りです。
勉強の実力は、毎日の平凡な積み重ねによって育ちます。
ところが、毎日の平凡な積み重ねの学習というものは、家庭で親がうまく軌道に乗せなければなかなか定着させることはできません。
そこで、家庭での自学自習を支える仕組みとして、オンラインによる自習チェックを中心とした自学自習クラスを広げていきたいと思ってます。
第三は、自然の中での合宿教室を利用した自然と人間との触れ合いを重視した教育です。
オンラインの教育であってもインターネット上で音声や画像のやりとりを行えば、互いのコミュニケーションはかなり深く取ることができます。
しかし、人間どうしの関わりは、最終的には実際に接触してみないことには本当のところは伝わらないように思います。
自然の中で寝泊まりを一緒にしながら遊んだり学んだりするということが人間の成長には欠かせません。
そこで、日常的には能率のよいオンライン教育を行いながらも、年に何回かは合宿によるより密度の濃い交流を行うという組み合わせ方を考えています。
さて、第四に、以上のオンライン講座による作文教室、思考発表クラブ、自学自習クラス、合宿教室などを支える人材として考えているものが、森林プロジェクトによる作文講師資格講座です。
この作文講師資格講座を受講して言葉の森の教育の理念や指導法に共鳴した方が、作文の指導のオンライン講座や、思考発表クラブや、自学自習クラスをを担当し、更には、暗唱検定や作文検定の検定委員を分担し、プレゼン作文発表会の運営や合宿教室の企画に参加するという形を考えています。
また、森林プロジェクトで作文講師資格講座を取った方が、それぞれの個性や特技を活かして新たなオンライン講座を作り出すというときには、そのための手助けもしていきたいと思っています。
これからの教育は、旧来の英数国理社の五教科に限定された教育ではなくなります。
もちろん、基本となるものは従来の教科に代表されるような基礎的な知識や技能です。
しかし、今後は、その上に更に多様な個性の教育を育てていくことが、日本の社会を文化的、経済的に発展させる土台となります。
そのためには、教育の内容も今よりももっと多様なものにし、子供たちの興味や関心や個性を生かすものにしていく必要があります。
言葉の森は、この新しい教育をこれから日本中に広げることによって、日本をよりよい国にすることに貢献していきたいと思っています。
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世の中はこれから大きく変化していきます。
言葉の森も、その変化を上回るような大きな変化をしなければならないと思っています。
そこで、今回は、言葉の森の今後のビジョンを考えました。
それは、作文教室、自主学習クラス、思考発表クラブ、合宿教室、暗唱検定、作文検定、森林プロジェクトなどのバランスよい組み合わせです。
取り組む分野が多いので、今はまだいろいろなところで漏れがありますが、早急に体制を整えていきたいと思っています。
まだ合宿の後片付けが終わっていません(笑)。
それなのに、もう先のことを考えているから、それで仕事が忙しくなるんだよなあ。
でも、大きな方向が決まったから、これからはだんだん軌道に乗ってくると思います。
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