子供の勉強のスタイルは、小学校1、2年生のころに作られます。
そのころは、どういう勉強法でも差は出ませんから誰も何も問題に感じません。
しかし、学年が上がるにつれて、小学校低学年のときに作られた勉強スタイルが響いてきます。
真面目なお母さんによくある勉強のさせ方で、細かい間違いをすぐに注意してしまうということがあります。
子供が作文を書いているときに、まちがった書き方をするとすぐに注意してしまうのです。
その結果、子供はしっかりした正しい書き方を身につけるかというと、そうではありません。
すぐに親に便り、親に聞くような子になっていくのです。
自分の力で書いて間違いを注意されるよりも、親に聞いてそのとおりに書いておけば心配は要りません。
親がつきっきりで作文を見てやらないと書けないという子は、意外とそういうところに原因があります。
そういう子は、学年が上がるとどうなるかというと、今度は逆にわからないことがあっても親に聞かない子になっていきます。
そして、音読の宿題なども、親から離れてやるようになります。
その結果、間違いがいつまでも残るような勉強をする子になってしまうのです。
では、間違いがあったらどうしたらいいかというと、それはその場では注意しないのです。
その代わり、次回に作文を書くときに、書く前の事前のアドバイスとして気をつけて書くところを話します。
それも、いくつも言わずにたったひとつだけに絞っておきます。
そうすれば、子供はそれを守って書くことができます。
そして、作文がそのとおりに書けたら、今度はたっぷり褒めてあげればいいのです。
間違いは注意して直すのではなく、褒めて直すものなのです。
◆◆褒めて育てる作文指導で作文も国語も好きになる――言葉の森◆◆
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いい勉強のさせ方の基本は、実は単純です。自分が子供だったらどう思うかということを想像してやっていけばいいのです。
朝から晩まで難しい問題集でたっぷり勉強したいなどという子はひとりもいません。
子供は、勉強でも遊びでも、何しろ楽しくやっていきたいのです。
あと、勘違いの勉強のさせ方でよくあるのが、「自分で調べなさい」「自分で考えなさい」と、自分の力でやらせようとすることです。
勉強は、親がどんどん手助けをして楽にやらせるのがいいのです。
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小学校低学年のうちにお母さんの言うことを聞いて、しっかり勉強するとてもよい子だった子供が、小学4年生になるとお母さんの言うことに次第に反発するようになります。
同時に、小学4年生から算数の問題がほんの少し難しくなります。
本格的に算数が難しくなるのは小学5年生からですが、小学4年生のうちも、少し分かりにくい単元があるのです。
そこでお母さんがそれまでの小学校低学年のうちの勉強の教え方と同じように教えようとすると、子供がなぜかなかなか言うことを聞かなくなるという場面に遭遇することがあります。
それは実は、子供の自立心の表れなのです。
もしこの時期にそれまでと同じように素直にお母さんの言うことを聞いているような子は、その後かえって成長のバランスが崩れる可能性があります。
人間はロボットではないので、必ず自分自身の力で判断し、自分の力で成功したり失敗したりしたいと思うものなのです。
この時期の親の対応は、親子の関係だけでなく友達との関係を生かしながら子の勉強を見ていくことにあります。
言葉の森の思考発表クラブなどを見ていても、小学校4年生あたりから友達との関係が学ぶ意欲の源泉になっている印象を受けます。
子供は親の言うことが聞かなくなっても、友達の言葉には素直に反応するのです。
子供は、それまでの狭い親子関係から、親も含めたより大きな人間関係に移ることによって自分の自立する空間を広げていきます。
反抗期ということで考えると親は焦ることもありますが、自立実の時期だと考えればもっと大きな目で見ることができます。
それまでの、親のとってのいい子から、自立したひとりの人間としていい子になっていくのです。
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反抗期自体は誰にもあるので何も問題はないのですが、反抗期が激しいのは、子育てに熱心なお母さんの、それまでの素直だったいい子に特にあるので、それで大きな問題のように感じてしまうのです。
しかし、親に反抗するパワーがなければ、あるいは親のパワーの方が強すぎれば、その方が子供にとてあとでもっと大きな問題になっていきます。
親が発想を切り換えさえすれば、反抗期は、お赤飯でお祝いしてもいいぐらいのことなのです。
動物の世界では、いつまでも甘えようとする子供を、親が突き放す時期があります。
人間の場合は、親がいつまでも保護しようとするのを、子供が反発する時期があります。
それだけ、人間は人工的な環境で暮らしています。
だから、反抗期は、子供が自然の環境に戻ろうとする意欲の現れなのです。
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