ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 3036番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
作文は準備のときに考える――将来の目標は10分1000字作文(構想図の例付き) as/3036.html
森川林 2017/09/13 05:53 


 今、思考発表クラブでは、読んでいる本の紹介と、課題作文の構想図を書く練習をしています。

 練習といっても、みんなで和やかに書いたものを発表し、その発表について感想を言い合うような集まりです。
 ですから、勉強というよりも楽しい雑談会のような雰囲気です。

 この構想図を書く練習というのは、言葉の森の作文の課題に合わせて自分なりに体験したことや思ったことを書き、それを身近なお父さんやお母さんに取材をしてふくらませるという練習です。

 その構想図の、小学校4・5・6年生のサンプルを末尾に載せました。

 構想図のスタイルは特に決まっていませんが、散らし書き風に思いついたままに四方八方に矢印を使って書いていくというのがひとつのパターンです。

 なぜこういう書き方をするかというと、人間の考えというものは、文章のように1本の線のようにつながるものではなく、平面的に広がるものだからです。

 構造図を1枚仕上げるのにかかる時間は、ほかの人への取材の時間を除くと、大体10分程度ではないかと思います。

 この10分で作文の全体を考えられるのですから、かなり能率のよい勉強です。

 普通、作文を実際に書くとなると1000字の作文を書く場合1時間ぐらいかかります。

 ところがこの構造図を仕上げれば、作文を書くのと同じような考える過程がわずかな時間でできるので勉強としては密度の濃いものになります。

 この構想図を作文に仕上げる段階ですが、今は構造図をもとに手で書いたりパソコンで打ったりするので、やはりある程度の時間はかかります。

 しかし、現在音声入力が実用的なレベルにまで達しているので、この構想図をもとに音声で作文を書くとすると、10分で1000字程度の作文は十分に可能です。

 将来の作文の勉強は、構想図+取材+音声入力という形になっていくと思います。

 つまり、作文の勉強の中の、考える過程と、取材する過程と、書く過程を独立させて密度の濃い勉強にしていくのです。

 そして、その作文をプレゼンテーションとして発表し合うというような形の新しい作文の勉強が将来生まれるようになります。

 作文の勉強は、自分の考えを深め、正確にし、発表することでその考えに磨きをかけるというところにあります。
 その結果として、受験作文にも対応できる力がつくということです。

 高校生以上の生徒が書く作文は、それ自体独自の価値のあるものがかなりあります。

 この自分のオリジナルが考えを表現し発表する作文というものが、これからの創造教育の一つの重要な柱になってきます。

 高校生大学生になって独創的な考えを深めそれを文章に書く、その準備として、小中学生の作文の練習があると考えておくとよいのです。


 なお、思考発表クラブは、現在、次の日程で行っています。
月18:00~18:45 小学4・5・6年生対象
火18:00~18:45 小学1・2・3年生対象
火19:00~19:45 小学4・5・6年生対象
水18:00~18:45 小学1・2・3年生対象
水19:00~19:45 小学4・5・6年生対象
木18:00~18:45 小学1・2・3年生対象
(月4回の授業で、受講料は月額2,160円です。)








この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170913 1 
 子供たちの書く構想図は、一見落書きのように見えますが、よく見ると実はかなり密度の濃い実例や感想が書かれています。
 作文を書く前の全体の構想を考える過程が、この1枚の図の中に書かれています。
 だから、60分かけて書く作文と同じ思考力を、この10分程度の構想図で使っているのです。


nane 20170913 1 
 言葉の森は、まだパソコンを使っている人が、大人でもほとんどいない時代にタッチタイピングで小学生の子供たちに作文を書かせていました。
 しかし、パソコンが普及して誰もが使うようになったころに、作文は手書きに戻しました。
 それは、構想図を書くという考える過程が、パソコンのデジタル的・線形的な仕組みと相性がよくなかったからです。
 今考えているのは、考える過程は手書きの構想図で、書く過程はAI化された音声入力でという方向です。
 いずれもかなり能率のよい、密度の濃い勉強になると思います。
 そして、その作文をプレゼン作文発表会で、お互いに発表し合うのです。
 更に、子供たちが書き溜めた作文を、セルフパブリッシングでkindle本にして記念に残るようにしておきたいと思っています。
 これらは、決して空想的な話ではなく、明日からでもすぐにできるものですが、しばらくは仕事がたてこんでいるので、やはり少し先の話になります。
 今後、森林プロジェクトの人たちと協力して、こういう新しい勉強を広げていきたいと思っています。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
構成図(25) 作文教育(134) 発表学習クラス(0) 

記事 3035番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
作文はできることに力を入れるから楽しく書ける(2) as/3035.html
森川林 2017/09/12 20:35 


【前号までの話】

 作文の指導が難しいのは、直さなければならないところがたくさんあるからです。
 30人の生徒がいれば、30人それぞれに様々な作文の欠点があるのが普通です。

 そこで例えば、「字をもっとていねいに書きなさい」とか、「漢字を使って書きなさい」とか、「姿勢をよくして書きなさい」とか、「鉛筆の持ち方に気を付けなさい」とかいうことを注意していると、作文はどんどん暗い勉強になっていきます(笑)。

 そして、そういう注意を受けない、よく書ける子の作文を模範作文としてみんなに見せるようなことをすれば、書けない子はますます作文が書けなくなります。

 言葉の森に来る子供の中には、作文が好きでたまらないという子と、作文が嫌いでたまらないという子の両方がいます。

 作文が嫌いでたまらない子というのは、これまで注意されたり比較されたりして作文を評価されてきた子です。

 そういう子が、体験学習で楽しく作文を書けるようになるのはなぜかというと、できないことを教えるのではなくできることを教えているからです。

 「字をもっとていねいに書く」などということがすぐにできればもちろんよいことです。
 しかし、そういうことは、すぐにはできないのが普通です。

 親がこれまで注意してできなかったことが、初めて教える先生にできるわけがありません。

 それなのに、「先生の言うことなら、うちの子はよく聞くんです」などという適当なことを言うお母さんが結構多いのです(笑)。

 字の間違いがある場合も、なぜ間違えているかというと、できないから間違いが続いているのです。

 このできないことをやらせることに力を入れるのではなく、できることをやらせるのが作文指導のコツです。

 例えば、「そのときの会話を思い出して書こう」とか、「『どうしてかというと』という言葉を入れて書こう」とか、「数字や名前がわかるように書こう」とかいう明確な指示があれば、子供は作文を書く目標が分かります。

 さらにこの指示も、いくつもするのではなく、その中の一つができれば合格というようにしていくのです。

 もっと大事なことは字数です。

 「100字まで書けるようにがんばろう」という、誰でも書けそうな字数の指示があれば、子供は俄然やる気を出します。

 そして、ほとんどの子が、頑張って全部できるように作文を書こうとします。
 そうしたら、できたところを大いに褒めてあげればよいのです。

 子供が先生の言ったとおりにせっかく頑張って書いたのに、先生が指導していないこと、例えば、「字をていねいに書く」とか「漢字を使って書く」とかを言ってしまうと、子供の努力を無視したことになります。

 「先生、これとこれとこれができました」と、嬉しそうに作文を持ってきた子供に向かって、「あ、でもこの字じゃねえ。もっときちんと書かなきゃ」というような対応してしまう先生が、初心者のうちは意外と多いのです。

 言葉の森に体験学習に来た子が、最初は来るのを渋っていたにもかかわらず、書き終わると晴れやかな顔をして帰るのは、できることを指導して評価しているからです。

 このできることを指導する教え方と並行して、もう一つ重要なことは読む力をつける毎日の家庭学習です。

 この毎日の家庭学習をスムーズにできるようにするために、言葉の森では、オンラインで家庭での勉強や読書をモニターする自主学習クラスというものを行っています。

 この褒める指導と毎日の家庭学習で、途中でやめさえしなければ、どの子も確実に力をつけていくのです。


◆誰でも楽しく書けて実力がつく。――Online作文教室言葉の森◆

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20170912 1 
 誰でも作文が書けるようにするコツは、その子ができそうなことよりももっと易しいことを目標にすることです。
 例えば、「字数は100字までがんばろう」というような目標です。
 100字は普通の原稿用紙でわずか5行ですから、誰でもすぐに書けそうな気がします。
 それで、安心して書き出せば、必ずそれよりも長く書いていきます。
 作文指導がうまくいかないのは、難しいことを言い過ぎるからです。


nane 20170912 1 
 子供が作文を書けなくなるのは、先生が難しいことを言い過ぎるときです。
 例えば、「心を込めて書こう」とか、「自分らしく書こう」とか、「具体的に書こう」とかいうアドバイスです。
 「もっと具体的に」などというアドバイスは、全然具体的ではありません。
 「ここをこう書く」という、誤解の余地のないことを言わなければ、子供は安心して書き出せないのです。


同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
言葉の森の特徴(83) 作文教育(134) 
コメント21~30件
……前のコメント
読書を阻むもの 森川林
暇なときは読書をすればいいのですが、今は、スマホで情報に流さ 6/10
記事 5096番
国語の読解検定 森川林
国語読解の問題は、適当に解いて「当たった」「外れた」と言って 6/9
記事 5095番
デジタル教科書 森川林
デジタル教科書という考えがありますが、教科書とか自分の好きな 6/8
記事 5093番
国語読解クラス 森川林
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生 6/7
記事 5092番
国語力はテクニ 森川林
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あ 6/6
記事 5091番
リアルな通学教 森川林
 未来の教育は、対話型の少人数オンラインクラスの教育になりま 6/5
記事 5090番
クリティカル・ 森川林
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想 6/4
記事 5089番
優しい母が減っ yori
私の母は、もう中学2年生なのに、スマホをもたせてくれません。 6/3
記事 979番
日本を復活させ 森川林
 日本を復活させる道筋は、創造教育文化国家を目指すこと。 6/1
記事 5081番
4月の森リン大 森川林
 大学生や社会人になった元生徒の子供たちが、自分が中学生だっ 5/31
記事 5085番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習