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国語力アップの秘訣(5)――記述の練習 as/3050.html
森川林 2017/09/25 05:49 


 次は、記述力の練習方法です。

 問題集などから、一つの問題文を選び、その感想を書く練習をします。
 1文の平均は約50字と考え、指定した字数でまとめるようにします。

 この感想の書き方で大事なところは、ある考えともう一つの考えを対比して書くことです。
 しかし、それが難しいようであれば、ただ字数を指定して書くだけでもかまいません。

 字数は、50字にまとめるとか100字にまとめるとかを自分で決めて、その字数の感覚をつかめるように練習します。

 この場合、決めた子数ぴったりにまとめるということを心がけると、細部の表現を工夫する力がついていきます。

 記述のコツは、対比して書くことです。

 対比して書くとは、「Aだと思う」とだけ書くのではなく、「BではなくAだと思う」とか、「確かにBという考えもあるが、Aだと思う」というように、自分が書こうと思うことと対比する考えや事実がわかるようにするということです。

 記述の問題の多くは、この対比が重要なポイントとなるところで出されています。

 対比の仕方には、ほかに、「Bではなく、Aになった」とか、「Bでありつつ、Aであった」とかいうものもあります。

 この対比を自覚して書いていくと、輪郭のはっきりした記述になってきます。

 この記述の練習も、毎日やるためには、親が簡単に評価する仕組みを作っておく必要があります。

 そのためには、元の問題文と照合して内容が合っているかどうかまで見る必要はなく、ただ書かれた記述の文章を見て、それが意味の通ったものであるかどうかだけを見ておけばよいのです。

 というのは、もし内容とずれている記述であっても、それは注意して直るものではないからです。

 読む力と書く力がつけば、自然に内容に合った記述になってきます。
 国語の勉強は、繰り返しているうちに、次第に中身が伴ってくるという特徴があります。

 だから、何度も練習するという基礎力をつけておくことが大事なのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20170925 1 
 算数・数学の勉強は、ただ繰り返しているだけではできるようになりません。
 理屈を理解するのが勉強の基本です。
 国語の勉強とは、これとは反対です。
 理屈を理解するより以前に、何しろ繰り返すことが大事なのです。
 繰り返しているうちに、自然に読む力、書く力がついてきます。
 理屈による理解は、そのあとの最後の仕上げになるのです。


nane 20170925 1 
 「読書百遍意自ずから通ず」という言葉があるように、国語の勉強は繰り返しているうちに、自然にできるようになる面があります。
 これは、国語だけでなく、英語など語学の勉強にも共通するものだと思います。
 理屈により理解は、まず繰り返して慣れたあとにしていくものです。
 理屈による説明を先にすると、かえって難しくなるのです。


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森川林 2017/09/24 12:21 


 国語力には、読む力のほかに書く力もあります。
 例えば、要約の問題、記述の問題、作文や小論文の問題などです。

 読む力の基本が、難しい文章を読みなれることだったのと同じように、書く力の基本は、書き慣れることです。

 その書き慣れるという基礎力の上に、書き方のテクニックがあります。

 大事なことは、テクニックよりも時間のかかる基礎力を早めにつけておくことです。

 書く基礎力をつけるためには、週に1回や2回、国語の教室に通って勉強をするのでは間に合いません。

 短時間でよいので、家庭で毎日書く練習をすることが大切です。

 では、書く練習はどのようにするのでしょうか。

 まず、要約の練習です。
 要約の練習で大事なことは、素早くまとめる力をつけることです。

 時間のかかる練習方法では、子供が飽きてしまいます。
 簡単にできるやり方で、毎日続けていくのです。

 まず、要約のもとになる文章を読みながら、自分なりによくわかったところ、大事そうだと思うところに、線を引いていきます。

 この場合、中心になるのは、よくわかったというところです。

 よくわかったところが、大事なところだと思えなくてもかまいません。
 自分なりに、なるほどと思ったところに線を引いていくのです。

 一通り読み終えたら、自分が線を引いたところだけを選んで飛ばし読みをします。

 その飛ばし読みを何度か続けると、文章の全体の流れが頭に入ります。
 そこで改めて大事なところを選ぶようにします。

 1文の平均の長さを50字と考えると、150字の要約であれば3文です。
 最初は3文にまとめるぐらいを目標に、大事だと思うところを3か所選びます。
 そして、その3か所の文をつなげれば要約の出来上がりです。

 これを言葉の森では、三文抜き書きという呼び方で練習しています。

 最初は、文章の中心とずれたところで三文抜き書きになってもかまいません。

 要約らしい形ができていれば、練習を続けるうちに、あとから内容が伴ってくるようになります。

 この、形を先にする練習であれば、どの子も要約の練習ができるようになります。
 この練習を毎日するのです。

 元にする文章は、国語問題集の問題文から選びます。

 ところで、要約のあと、その文章を見てあげる人がいなければ、子供にとってはやはり張り合いがありません。

 そこで、お父さんやお母さんが、その要約の文章をチェックします。

 このときに大事なことは、その要約が元の文章の内容と合っているかどうかということではありません。

 そこまで考えると、要約のチェック自体が負担になるので、親の都合で要約の練習が毎日はできないということになりかねません。

 要約の練習は、要約に慣れることが目的ですから、チェックはもっと簡単でいいのです。

 要約した文章が分かりやすく書かれているかどうかがチェックの基準です。

 この練習を繰り返していると、誰でも楽に要約ができるようになります。

 そして、要約の仕方に慣れてきたら、次は、字数を指定して150字なら150字ぴったりに1文字の過不足もなくまとめる練習をします。

 それができたら、時間制限をして、その時間内にまとめる練習をします。

 こういう目標があると、要約の練習は楽しくなってくるからです。

この記事に関するコメント
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森川林 20170924 1 
 書く力の練習には、テクニックを覚えるより前に、書き慣れるという基礎力をつけておくことが大事です。
 基礎力をつける練習には、家庭での毎日の自習が必要です。
 そして、家庭での自習でいちばん大切なのが、できるだけ簡単なやり方で続けることなのです。
 簡単なやり方で、短時間で、毎日欠かさず、そしていつも褒める、というのが勉強の基本です。


nane 20170924 1 
 勉強を教えることに慣れていない人ほど、難しい複雑なやり方で完璧に理屈どおりに勉強を教えようとします。
 そういう勉強のさせ方は、2、3回はうまく行きますが、やがて子供が負担になり、叱る回数が増えてきて、そのうちに続かなくなります。
 できるだけ手を抜いて、楽にできる方法で、毎日続けていくのがいいのです。
 昔、ケセラセラという言葉がありましたが、ちょうどそんな感じでやっていくといいのです。


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