小1オンライン相談会で出された質問に関して、こちらからお答えした内容を一部加筆して載せておきます。
1.
学校で国語の音読の宿題があるが、それとは別に音読をする余力がないという声がありました。
勉強の中心は、家庭で決めた学習で、その補助的なものが学校の宿題です。
音読を2つ別々に同じ時間に続けるのは、子供にとって心理的な負担があります。
家庭で独自に決めた音読は、朝ご飯前に、学校の音読の宿題は夕方の勉強に、と分けておくと負担がありません。
家庭で独自に決めた方が優先で、学校の方はできないことがあっても構わないというふうに重点を変えておくとよいと思います。
勉強は家庭で決めた方針を最優先にしておくことです。
2.
幼稚園年長で、入学前の準備としてやっておくことという質問がありました。
勉強の先取りはする必要はありませんが、読書と対話によって日本語力を育てることだけは重点的にやっていくとよいと思います。
また文字を書く練習は、小学校に上がってからという考えもありますが、子供が書くことに興味を持ったまま放置しておくと自己流に書き方を覚えてしまいます。
興味を持ったときが、その勉強を始めるのに最適な時期ですから、文字をていねいに書く練習だけをさせておくとよいです。
ただし、やりすぎないようにすることが大事です。
3.
ゲームを禁止するかどうかという質問がありました。
小学校3年生までの子は、親が禁止すればそれを守らせることができます。
しかし、高学年になってもその禁止のスタイルを続けることはできませんから、低学年のうちから子供が自分でコントロールする練習をさせておくとよいのです。
時間を決めてゲームをやらせる、あるいは退屈なときは本を読んだらゲームを何分してもよいというふうにするやり方が考えられます。
ただし、子供が自分で時間をコントロールすると言ってもできないのが当然ですから、何度も忍耐強く親が子供に関わって少しずつ自分でコントロールする力を育てていくということです。
子育ては、一度言っただけでできるようになるということはありません。
親子で協力して、子供の自立心を育てていくということでやっていくといいと思います。
4.
漢字の勉強を嫌がるという質問がありました。
その原因は、難しい問題集をやらせているかからではないかと思います。
答えを書いて○×をつけるような漢字の勉強は、時間がかかるだけで身につきません。
単純に、学校の教科書の漢字をきれいに何回か書くというパターン化した練習にしておくとよいと思います。
5.
小3まで英語はやらない方がよいというが、英語を聞くだけならいいかという質問がありました。
聞くことがいちばんよくないので、CDなどをかせるのは避けた方がいいです。
また、親が英語と日本語の両方を話すということも子供にとってはよくありませんから、海外で暮らす場合も親は家庭の中では日本語だけで子供と話すようにするといいです。
日本で英語の勉強をする場合は、小4からで、最初は英語の音読暗唱を中心にしていくといいです。
ただし、学力の中心は日本語ですから、何よりも日本語の生活を充実させていくことが大事です。
6.
小学生新聞は、何を取ったらいいかという質問がありました。
読み応えがあるのは毎小です。
説明文的なコラムが充実しています。
朝小は見栄えがいいですが、時事的なニュースのような記事が多く読むところがあまりありません。
作文の投稿欄が充実しているのは朝小です。
しかし、つい先日から毎小も投稿欄に作文を載せられるようになったようです。
(つづく)
▽構想図
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今回は、小1の生徒を中心にしていましたが、次回からはそのほかの学年についても行っていく予定です。
ふと思ったのは、いろいろと悩みの深いお母さんは、お父さんがあまり話し相手になっていないのではないかというということです(笑)。
身近にちょっと相談できる人がいるというのは大事だと思いました。
私は、いつも同じことを言っていますが、やれ英語だ、漢字だ、問題集だなどと勉強を工夫するよりも、いちばん大事なことは、毎日しっかり本を読んでいることです。
読書さえできる子であれば、勉強は何もしなくても大丈夫です。
学校でちゃんと教わらなくても、家で少しやればすぐにできるようになるからです。
むしろ工夫するのは、その読書の内容を充実させていくことです。
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現代は、何でも素早く処理のできる時代です。
ボタンを押せば、すぐに答えが出てくるというような環境が増えてくると、学力についても特別なよい方法やよい教材があれば、明日からでもすぐにうまくいくように思いがちです。
それでも、大人は、現実世界でいろいろな苦労をしているのでそれほど単純にはなりません。
問題は、子供です。
子供は、今のようなスピーディーな環境のもとでは、何でもすぐに成果が出て当然のように思ってしまうのです。
しかし、どんなことでも、価値あるものは、長い時間をかけて身につくというのが本当の姿です。
何度も繰り返しているうちに、自ずからできるようになるというところに学力向上の秘訣があるのです。
それは、もちろん「よい方法」というものを否定するわけではありません。
しかし、たとえどんなによい方法であっても、それを続ける意志がなければ自分のものとして定着することありません。
その点で、子供に繰り返しの大切さを教えるもは、勉強の出発点とも言えるのです。
その繰り返しの大切さを実感させるのによい方法として暗唱があります。
暗唱検定の一つの級は、約3千字の暗唱です。
これを一文字も間違えないように暗唱できるようにするのに約3か月かかります。
逆に言えば、毎日10分間、3か月続ける意志力さえあれば、幼稚園の子供から社会人の大人まで誰でも暗唱できるようになります。
先日、言葉の森の暗唱検定で、初めて初段に合格した小学4年生の生徒がいました。
初段の暗唱は、約1万2千字を30分以内に読むことです。
もちろん、何も見ずにです。
この生徒は、たぶん何ヶ月も、毎日10分の暗唱を日常生活の中で続けていたのでしょう。
このように、毎日同じことを続けていくという意志力があれば、こういう生徒はただ記憶力が鍛えられというだけではありません。
もちろん、記憶力は、将来かなり役に立つと思いますが。
続ける意志を持てる人は、これから、どのようなことに取り組むことがあっても、「続けていればできる」という気持ちを持つことができるのです。
これが、「雨だれ岩をも穿つ」という言葉を実感として理解できるようになることです。
この続けられる人とすぐ諦めてしまう人の差が、実は世の中で最も大きな差です。
学力向上の秘訣は、続けることができるかどうかにあります。
それを無理なくできるようにする機会のひとつが、暗唱検定なのです。
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思いつくことや始めることは、誰でも比較的簡単にできます。
差がつくのは、それを続けることができるかどうかです。
もちろん、時には方向転換が必要なときもあります。
しかし、圧倒的に大事なのは続けることができるかどうかなのです。
知っていることと、できることは、かなり違います。
それがわかる身近な例は、テストです。
実力よりも成績が悪いという場合は、知っているところでとどまっているのです。
先日も、高校1年生の生徒が、「物理ができなかったのですが、どうしたらいいですか」と聞きに来ました。
いろいろなアドバイスはできるでしょうが、私が言ったのは、「それは、勉強していなかったからだと思うよ」(笑)。
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