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都立中高一貫校の海外帰国子女枠の入試と、オンライン作文の学習 as/3131.html
森川林 2018/01/11 07:47 


 東京都教育委員会は1月9日、平成30年度の都立中高一貫校の入試について、海外帰国生徒枠の応募状況を発表しました。
 最終応募倍率は、白鴎高附属中が募集人員24名で2.04倍、立川国際中が募集人員30名で1.93倍でした。

 受験できる条件は、海外に2年間以上在住し、日本国内に戻って2年以内となっていますから、かなり限られてきます。
 しかし、一般枠の受験の例年の倍率は、白鴎高附属中が約7倍、立川国際中が男子約5倍、女子約6倍ですから、倍率の面だけから考えてもかなり有利な条件になっています。

 しかも、試験の内容は、一般枠の受験が全教科で難度の高いものであるのに対して、海外帰国子女枠の試験は、作文(45分600点)、面接(20分400点)の二つだけですから、無理な受験勉強をする必要は全くないと言っていいと思います。

 海外帰国子女枠の入試は、この都立中高一貫校以外にも、全国の多くの公立・私立中学校で行われています。(資料参照)
 また、中学入試だけでなく、高校入試も、大学入試も海外帰国子女を対象とした入試は増えています。


 以上のことから考えると、条件さえ合えば、海外帰国子女枠の受験は、言葉の森の勉強と一致する点が多いと思いました。

 その理由は、第一に、無理な受験勉強をしなくて済むことです。
 今の受験は、小学生の貴重な読書や経験などの時間を犠牲にして、難問の解き方を身につけるという無理なところがあります。
 そういう受験勉強に疑問を持つ家庭にとっては、帰国子女枠の受験は、生徒本人の実力を素のまま生かせる理想的な受験になると思います。

 第二は、言葉の森の作文指導が、小1から高3までの一貫した勉強で、自然に小論文の学習に進むカリキュラムになっていることです。
 受験などまだ意識しない小学校低学年のうちから楽しく作文を書くことが、そのまま中学入試や高校入試、更には大学入試の作文小論文試験の勉強につながっています。
 そして、このようにして身につけた文章表現力は、大学入試で終わるわけではなく一生使える力になっています。

 第三は、言葉の森が今行っているオンラインの学習が、海外在住の生徒にとっては、貴重な勉強の機会になることです。
 海外に暮らしていると、子供の学習環境は、周囲の子供たちの影響で、どうしても日本語力を伸ばしにくいものになってきます。
 ところが、言葉の森で、毎週1回、同学年の子供たち5、6名で、作文の構想図を発表し合ったり、自分の研究成果を発表し合ったりする機会があれば、日本語力や作文力だけでなく面接対応力も十分に育ちます。

 ただし、言葉の森の海外の生徒の作文指導は、今は時差の関係で教える先生がまだ少ないのが現状です。
 そこで、当面は、時差が少ないアジア在住の日本の子供たちを中心に、オンラインの学習指導を広げていくことを考えました。

 また、言葉の森では現在、作文講師資格講座の森林プロジェクトを広げていますが、この森林プロジェクトの海外の講師がオンラインの思考発表クラブを担当すれば、同じタイムゾーンの時差の問題はなくなります。
 そこで、今後は、アジア在住の教育に関心のある方を対象に、森林プロジェクトの作文講師資格講座を広げていきたいと思っています。

【関連URL】

【中学受験2018】都立中高一貫校の最終応募状況…帰国在京枠は白鴎2.04倍・立川国際1.93倍
https://resemom.jp/article/2018/01/10/42176.html

<都立中高一貫校>特別枠、海外帰国・在京外国人生徒枠募集
http://toritsu-chugaku.com/tokubetsuwaku/

帰国子女枠中学受験の学校情報・入試対策方法|海外子女向けオンライン ...
http://www.edubal.net/eduexaminfo_cat/jse/

帰国子女受入校 | 海外子女教育振興財団コーポレートサイト
http://www.joes.or.jp/g-kokunai

平成30年度 東京都立白?高等学校附属中学校 募集要項
http://hakuo.ed.jp/web/pdf/EntranceExam-J/30AdmissionOutline.pdf

都立立川国際中等教育学校平成30年度 海外帰国・在京外国人生徒枠募集について
http://www.tachikawachuto-e.metro.tokyo.jp/site/zen/page_0000000_00174.html

この記事に関するコメント
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森川林 20180111 1 
 最初のころの公立中高一貫校の入試は、理想的な内容でした。
 小学6年生の向上心のある生徒が、無理な詰め込み勉強をせずに自然体で受験できる入試だったからです。
 しかし、その後急速に難化が進み、今では私立中学の受験と同じように、早期から長時間の難問対応のテクニックを身につけないと対応できないものになっています。
 ところが、今回の都立中高一貫校の海外帰国子女枠の受験については、条件さえ許せば特に受験勉強などせずに実力のままで取り組めるものになっています。
 試験科目は、作文と面接だけですから、言葉の森のウェブ会議を使ったオンライン学習で、作文力と発表力を身につけておけば万全です。
 当面、日本と時差の少ないアジア在住の小学1年生からがオンライン学習の対象になると思います。


nane 20180111 1 
 日本では、Facebookの利用人口は約2400万人(21%)ですが、東南アジアではシンガポールの約3800万人、インドネシアの約3500万人など、70%から80%、中には90%近くの人が利用しています。
 Facebookでコミュニケーションを取りながら、Zoomでリアルなオンライン学習を受ければ、理想的な学習環境ができます。
 時差の少ないアジアにいる日本人の子供たちを対象にしたオンライン作文学習は、帰国子女枠の受験だけでなく、日本語能力の維持や向上にも役立つと思います。


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好奇心や向上心から学ぶ勉強 as/3130.html
森川林 2018/01/10 07:19 



 年末年始の休みも終わり、9日から作文も自主学習クラスも思考発表クラブも一斉にスタートしました。

 19時から授業のあった思考発表クラブの小学4~6年生の発表は、休みの期間が長かったせいもありとても充実した内容で、一人ひとりの発表がまるで専門家の講義のような感じでした(笑)。

 こういう発表が、誰に言われるわけでもなく、ただ友達の前で自分が調べたり考えたりしたことを発表したいという健全な動機で行われているところにとても感心し感動しました。

 こういう勉強の様子を見ていると、人間には本来向上心があり、自然に任せておけば自分の意思でどんどん前に進もうとするものだと思いました。

 それが今、勉強という言葉を聞くとなぜ嫌いという言葉が連想されるかというと、そこに点数を上げるための強制という無理な要素が働くからだと思います。

 小中学校の勉強は学力の基礎ですから、本来難しいものではありません。

 誰でもすぐに百パーセント理解して使えるようになるはずのものなのに、点数で差をつけることが目的となっている勉強の仕組みのために、不必要に難しいことをやらなければならなくなっているのです。

 もちろん、勉強には難しい面があるのは当然です。

 しかし、それは本来の自然を理解することの難しさであるべきであって、人工的に作られた難問の難しさである必要はありません。

 小中学校で普通の学力をつけ、それで余裕ができた時間に、自分が本当に興味を持ったことを自分自身の好奇心から学ぶというような理想の勉強スタイルが、多分これからはできる時代になってくるのだと思います。

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森川林 20180110 1 
 思考発表クラブの約1時間の勉強の様子は、そのクラスの4、5人で共有しているだけではもったいないので、いつか差し支えない範囲で録画して、同じぐらいの学年の子供たちに見せたいと思っています。
 こういう自主的な勉強の様子を見ていると、子供たちの成長に本当に必要なのは、いい友達と家庭環境なのだということがよくわかります。


nane 20180110 1 
 今年は、日本語の環境が乏しい海外に住む日本の子供たちに、思考発表クラブのようなオンライン学習の機会を作っていきたいと思っています。
 当面は、時差の少ない東南アジアにいる日本の子供たちですが、教える先生が海外に増えればヨーロッパの子供たちも対象になります。


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