この春から、言葉の森が新たに開始する作文の学年別少人数クラスは、ある意味で作文の最先端の授業となります。
作文指導の内容については、もちろん言葉の森が日本の民間作文教育の最古参であり最先端ですから、その内容は保証できます。
それ以上に重要なことは、作文を書く側にとっても、教える側にとっても、これまでの作文指導とはかなり違う先進的な授業を行うようになることです。
新しいクラスは、同学年で同レベルの子供たち5、6人の少人数で授業を行います。
これが、通信教育の優れているところです。
つまり、通信教育は生徒の対象が全国規模ですから、それぞれの生徒の進度に合わせたきめこまかなクラス分けが可能になるのです。
授業は、Zoomの画面で、担当の先生が、全員に共通する課題の話をするところから始まります
次いで、それぞれの生徒から似た例や感想などの話を聞き、書く前の事前の準備の交流を行います。
その後、各自が一斉に作文を書き出します。
書き終える時間は生徒によってまちまちですから、書き終えたものは各生徒がスクリーンキャプチャーで保存し、画像の泉にアップロードしておきます。
スクリーンキャプチャは、次のように行います。
1.カメラの前に自分の作文を映します。
2.パソコンのキーボードの「Prt Scr」(プリントスクリーン)を押します。
すると、クリップボードにその画像がコピーされたことになります。
3.ウインドウズの場合は標準でついているペイントを立ち上げます。(左下のウインドウマーク→Windowsアクセサリ→ペイント)
ペイント以外に、画像編集ソフトを持っている場合はそのソフトを立ち上げます。
4.そのペイント又は画像編集ソフトに、クリップボードにコピーされているはずの画像を貼り付けます。(Ctr+Vで、貼り付けられます)
5.その画像を名前をつけて保存します。(アロするときにわかりやすいように、デスクトップなどに保存しておくといいと思います)
6.画像の泉に行きます。
https://www.mori7.net/izumi/
7.そこにアップロードします。
担当の先生は、あとでその「画像の泉」の画像を引き出し、ペンタブレットで赤ペン添削を行い、それを先生のパソコンに保存しておきます。
次の週の授業では、課題の説明とともに、前の週にそれぞれの生徒が書いた作文の赤ペン添削を一人ずつ説明していきます。
その先生の説明を、生徒はレコーディングで保存しておくことができます。(Zoomの画面の右下にあるレコーディングボタンを押します。
自分の書いた作文に対する赤ペンと先生の口頭による解説が共有画面で表示されますから、それをレコーディングしておくのです。
保存したい部分がが終わったら、レコーディングを終了します。
このレコーディングされた動画は、Zoomを終了したあとに保存が開始されます。)
先生の添削と講評をレコーディングしておくとあとで保護者にもその授業の内容が分かようになります。
オンライン少人数クラスは、進度に合わせた共通の課題と項目で指導していますから、5、6人の同年齢の子どもたちのアドバイスは、本人だけでなく他の生徒にとっても参考になります。
このようにして、郵便物を使わず、また電話やSkypeも使わず、Zoomと画像の泉で授業が成り立つようにします。
郵送を使わないので、作文を書くのは、作文用紙ではなく、作文ノートになります。
作文ノートだと、書いたものが散逸しないので、保管しやすくなります。
作文ノートは、各自ご用意ください。おすすめするのは、
「コクヨ キャンパスノート 用途別 B5 作文罫 200字 30枚 ノ-30K20」(小学校中高学年向き)
「コクヨ キャンパスノート 用途別 B5 漢字罫 150字 30枚 ノ-30KA15」(小学校低学年向き)
です。
お近くの文房具店にない場合は、アマゾンなどでご購入ください。
オンライン少人数クラスのいいところは、子供たちが互いの交流の中で、作文を通した友達関係を作っていけることです。
作文を通じての友達というのは、ある意味で極めて深い繋がりを持った友達になります。
また、指導する先生の側も、普通の通信教育のような赤ペン添削だけの指導ではなく、赤ペン添削をきっかけにした口頭説明による指導内容ですから、同じ時間の指導の密度は5倍から10倍になります。
というのは、例えば400字の赤ペン講評の場合、文章で書けば5分から10分はかかりますが、口頭で5分から10分説明すれば、その文字数は2000字から4000字になるからです。・
現在の作文教育のいちばんの問題点は、指導に時間がかかり、評価に時間がかかることから、先生の負担が大きくなることです。
それが、作文教育の普及を妨げる最も大きな要因となっています。
作文評価の能率化については、言葉の森が開発した自動採点ソフト森リン(もりりん)を使うことによって、かなり客観的な評価ができるようになりました。
そして、今回の少人数クラスの画面を使った口頭説明によって、指導についてもかなり密度の濃い教え方ができるようになります。
こういう口頭による少人数対象の説明が可能なのは、言葉の森が独自の項目指導を行っているからです。
事前指導のノウハウがない中で、口頭説明をするのであれば、先生の思いつきで話すような内容しか出てきませんから、指導が先生の力量に左右されることになります。
また、共通の指導項目がない場合は、生徒にとって、他の生徒に対する講評を聞くことはそれほど参考になりません。
同じ指導項目の中で先生の話があるから、他の人に対する講評が、自分にとっても役に立つのです。
このように、指導のしやすさと、学習の密度と、人間的な触れ合いという三つの長所を同時に実現するのが、この春から始める作文のオンライン少人数クラスです。
知能の高さは、国語と理科の成績に相関が高いという調査結果があります。
考えることの好きな子は、自然に国語や理科が好きになるからです
昨日26日の発表交流会の内容は、理科的な話が多く、みんなお互いに興味深く聞いていました。
感想文の練習の場合でも、生活の中の新しい経験の場合でも、「なぜだろう」と思うことはよくあります。
昔は、その「なぜだろう」という疑問はそのまま忘れられてしまうことが多かったと思いますが、今は、自然や社会の仕組みを説明する本が数多く出ています。
また、インターネットで検索すると、それ以上にわかりやすい情報が出ていることがあります。
子供たちの中には、それを見て、自分でも実験してみようと思うことも多いのでしょう。
学力が身につく度合いは、人の話を聞いたり、本を読んだりすることよりも、自分で実験したり、発表したり、人に教えたりすることの方がずっと高いと言われています。
自分でやってみたことは、聞いただけのことよりも、確実に自分の中に定着します。
その意味で、こういう勉強的な発表の機会があることは、子供たちの知的生活に大きなプラスになっていると思いました。
思考発表クラブでも、作文の課題の解説を、できるだけ理科や社会の話と結びつけて紹介しています。
今後、理科実験を特別に取り上げて話す場を設けてもいいかと思っています。