時間をかけているわりに成績が今ひとつという子の場合、勉強時間が長すぎることが多いようです。
それは、どうして長くなるかというと、勉強の量が多いからです。
そして、なぜ多いかというと、ぃろいろなものをやるという勉強の種類が多いからです。
勉強の種類が多くなると、1つの教材についてせいぜい1回しかやらないようになります。
本当は、1つの教材は4回から5回繰り返すぐらいで初めて身につくのです。
それは、読書も同じです。
1度しか読んでいない本は、結局自分の中ですでにわかっているものしか読んでいません。
2度、3度繰り返し読む中で、初めて自分の中に新しいものの見方や考え方が定着してくるのです。
しかし、同じものを繰り返す勉強というのは、子供にとっては飽きるものです。
それを飽きずにやるコツは、目標があり、一緒にやる仲間がいることです。
暗唱検定に合格する人が年々増えていますが、その理由の一つは、検定試験という目標があることです。
もう一つは、友達がやっているという話を聞くことです。
今度、言葉の森では、作文のクラスと、自主学習のクラスを、少人数の交流ができるオンラインクラスとして行える曜日と時間を設けました。
この中で、子供たちが勉強の交流を楽しめればいいと思っています。
▼参考記事
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「勉強で大事なのは学ぶ「物」ではなく学ぶ「事」――退屈な勉強を続けるには」
https://www.mori7.com/as/2533.html
寺子屋オンラインの勉強のよいところは、「物」ではなく「事」を中心に勉強していけることです。
「物」中心の勉強とは、教材中心の勉強です。教材が優れていることはもちろん大切ですが、どんなによい教材であっても、その教材を繰り返し使って自分のものにすることがなければ、価値は半減します。
しかし、多くの家庭で、子供たちは、学校の宿題、塾の宿題、通信教材、市販の教材など、ひとつの教科で複数の教材を使って勉強しているのです。
学校の勉強が時間的には最も長いのですから、中心になるのは学校の教材です。しかし、学校の教材は受験に対応するような難しい問題は載っていないことが多く、しかも学校で先生が教えることを前提に作られているために解説の部分が弱いのが難点です。
だから、学校の教材プラス家庭で選ぶ市販の教材というのが勉強の教材としては最もよい組み合わせになります。
しかし、同じ教材で勉強をするときの問題は、同じものを繰り返しやるという勉強の鉄則を守った学習は、実は退屈だということです。
そのため、子供が飽きないように、目新しいものを次々とやるような勉強スタイルに戻ってしまうことも多いのです。
退屈な勉強を続けるコツは、まず同じ時間に同じことを勉強するという勉強の習慣を作ることです。次に、タイマーなどを使った自分なりの記録で自分自身と競争できるような目標を作ることです。そして、もうひとつは、ほかの人と一緒に勉強することです。
寺子屋オンラインでは、まだ生徒どうしの交流はありませんが、それでも同じ時間に同じような勉強している人の姿が見えるということは、自分の勉強の励みになっています。
今後は、オンエア特別講座で、勉強以外の交流もできるようにする予定です。すると、勉強する「こと」自体がもっと楽しくなってくるはずです。
(2018年3月より、オンライン作文、自主学習クラスとも、思考発表クラブと同じように子供たちの交流ができる少人数クラスがスタートします。ただし曜日と時間はまだ限られています。)
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成績のいい子の教科書や参考書を見ると、あちこちに書き込みがあったり、背表紙がはずれかけていたりして使い古された感じがします。
それだけ、何度も使っているのです。
1冊を繰り返し使っていると、ある話がどのページのどの位置に書いてあったかという地図のようなものが頭の中にできてきます。
そのときに。その教材が自分の中に定着したことになるのです。
とは言っても、小学生にはまだそこまでは無理です。
だから、小学生のうちは、勉強は同じことを繰り返しやるものだという感覚だけをつけておくといいのです。
昔、生徒から、こんな話を聞いたことがあります。
「うちのおじいちゃん、英語の辞書を覚えながら食べちゃったんだって」
そして、表紙だけで中身のない英語の辞書を見せてくれたそうです。
気合いの入りすぎたおじいちゃんですが、本当に身につけたいものは、食べてしまうぐらい繰り返すといいのです。
シュリーマンの勉強も、本多静六の勉強も、塙保己一の勉強も、繰り返すという点で共通していました。
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世の中には、いろいろな習い事があります。
勉強的な習い事は、やっている子とやっていない子の差が大きく出ます。
しかし、そのほとんどは、誰でもやればすぐにできるようになるものです
生活の中で行う読書や対話は、差があまり出ません。
しかし、子供の本当の学力を考えたとき、この生活の中で行う読書や対話が実は最も大きな差になっているのです。
▽参考記事
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「もとになる勉強、枝葉の勉強――作文と結びつけて読む力をつける」
https://www.mori7.com/as/2789.html
教育に関する情報が豊富にあると、かえってその中で、何が重要で何が重要でないかを見失ってしまうことがあります。
親も子供も熱心にやっているように見えても、その方向が脇道にそれている場合も多いのです。
勉強の中心は、家庭で毎日取り組むと決めたことを繰り返す勉強です。生活の中で毎日当然のように行う平凡な勉強の積み重ねが、もとになる勉強のです。
これに対して、学校や塾から宿題で出されるような勉強は、枝葉の勉強です。宿題のプリントをもらってきて、それをやるような勉強は、繰り返して身につけるというようなことがしにくいので、結局一回きりの勉強にになってしまうことが多いからです。
子供が小さいときは、そういうばらばらのプリントをこなすような勉強も、親がファイルをして整理してやらせることができます。
しかし、子供がひとりでそういうプリント類の管理をすることは難しいので、学年が上がると、与えられた勉強を次々とこなすだけの勉強になりがちです。
宿題というと、やることが義務のように思うので、その勉強を第一に考えてしまう人が多いのですが、自分のペースでやると決めた勉強がもとになる勉強で、人から与えられた勉強は枝葉の勉強だという区別をしておくことが大切です。
勉強の内容として大事なものは、第一に読む力をつけることです。小学生時代は特に、速く、楽に、和多く読む力をつけておくことが勉強の中心になります。
第二に大事なものは、計算する力です。これも、速く、楽に、正確に計算する力をつけておくことです。
それは、計算が苦手だと、その延長で算数や数学が苦手だと思ってしまうことがあるからです。
ただし、計算力はあくまでも第二です。
計算は電卓に代わってやってもらうことができますが、読書は機械に代わってやってもらうことはできません。
計算力に比べると、読書力の差は表面には出ませんが、実はこの読書力の差がいちばん大きいのです。
読む力を更に発展させるものとして、音読、暗唱、親子の対話などの勉強もあります。これらは単独で取り組むよりも、作文の勉強の中で取り組むようにすると定着します。
習い事の中には、子供の個性にあったさまざまなものがあります。英語、プログラミング、スポーツ、音楽など、今は多様な学習の機会がありますが、それらは、読む力、計算する力の勉強に比べると、あくまでも枝葉の勉強と考えておくことが大切です。
子供の好きな分野で個性を伸ばすことは大事ですが、その個性も、もとになる土台の勉強ができて初めて生きてくるのです。
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読書力の差は、点数の差としてはほとんど表れません。
だから、後回しにしてしまう人も多いのですが、本当は最も優先して取り組むものです。
その方法は、簡単です。
毎日、自分の好きな本でいいから、10ページ以上読むと決めて、それを習慣にしていけばいいのです。
大事なことは、「毎日」ということと、「自分の好きな本」ということです。
読書力の差は理解力の差ですから、学力の中心となるものです。
しかし、読書力というものが点数として表されることはありません。
読書力の差は、語彙力の差となって現れます。
だから、作文には、その子の読書力が出てくるのです。
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