小学1、2年生のころは、何でも吸収できる時期です。
この時期に吸収するのは、しかし、勉強の中身ではなく、勉強の取り組み方という習慣なのです。
小学1年生のころに知識を詰め込むような勉強の仕方をすると、詰め込むというスタイルが勉強の形になってしまいます。
この時期に、自分で体験し、自分で考え、読書をしたり、対話をしたり、文章を書いたりするというスタイルの勉強を身につけると、自分で取り組む姿勢ができてきます。
与えられた知識を覚えて答えを書いて○×をつけてもらうという勉強の仕方ではなく、自分で主体的に考えるというスタイルの学習の仕方が身につくのです。
このような学習の仕方が身につくと、作文の課題が難しくなる小学校高学年以降になっても、その難しさを自分なりに克服していくことが向上心の喜びのようなものになり、難しい勉強でもくじけずに取り組んでいくことができます。
作文というものは、小学1年生のころはまだ十分に書けないのが普通です。
作文が楽に書けるようになるのは小学3年生のころからで、そのころになると、誰でも急に上手に書けるようになります。
しかし、小学3年生から始める子は、すでに勉強のスタイルが身についているので、自分から進んで書くという姿勢が取りにくく、課題が難しくなると書くのをあきらめてしまうことも多いのです。
これは、データにも現れていて、小学2年生から作文を始めた子は、小学3年生から作文を始めた子の2倍近く長続きするという結果が出ています。
小学校低学年のころの習慣作りは、意外と大きな影響があるのです。
私のうちの子供2人も、小学1年生から作文の勉強を始めました。
最初は字数も少なく、表記のミスもかなりありましたが、低学年のころに毎週作文を書くという習慣がついたので勉強を長く続けることができました。
言葉の森の生徒の中には、小学校1年生のころから始めて高校3年生のころまで勉強を続ける子もいます。
そういう子供たちは、自分で考えて取り組むという学習姿勢ができているので、社会に出てからも自分なりに考えて行動することができると思います。
小学校低学年の勉強は、勉強の中身ではなく、勉強の取り組み方を身につけることが第一の目的です。
この時期に、よりよい勉強の仕方を身につけるように考えていくことが大切なのです。
言葉の森の生徒で高校生まで勉強をしている生徒の内訳を見ると、小学校高学年や中学生から始めた子ももちろんいますが、やはり小学校低学年から始めた子が、割合としてはかなり多かったのです。
小学1、2年生のころから始めると、作文を書くことが生活の一部のようになっていくのだと思います。