子供の頭を良くするのは読書と対話です。
読書は、ある程度難しい本を楽しく読めるようにならないと力がつきませんが、親子の対話は、もっと直接的な効果があります。
それは、親が子供の反応を見ながら、その子の理解できる範囲で難しい話を面白おかしく話すことができるからです。
作文の勉強で力がつくのは、作文の予習シートなどで、この親子の対話ができるようになるからです。
ところが、この親子の対話が難しいと考えるお母さんもいます。
その理由は三つあります。
第一は、親が子供の話を聞き出そうとしていることです。
子供にはまだ予備知識が少ないので、親子の対話の中心になるのはあくまでも親の方です。
子供は、その親の話を聞きながら、だんだんと自分らしい考えとその考えを表す語彙力を身につけていくのです。
第二は、親が準備をしていないことです。
子供が小学校低学年のころは話す内容が身近なことなので、それほど準備をしなくても面白い話はできます。 しかし、子供が中学年になり感想文の課題を書くようになると、親もある程度その文章を読んで自分なりに子供の興味持ちそうな話を考えておく必要があるのです。
例えば、パスツールの話で、子供が、「お母さん、発酵と腐敗とどう違うの」などと聞いてきた場合、親が準備なしに辞書的な知識を話すだけでは、多くの場合そこで話は終わってしまいます。
しかし、事前に準備がしてあれば、子供の興味を持ちそうな面白い話ができますし、場合によってはそこから親子の実験、観察などへと話を発展させていくこともできます。
子供に面白い話をしてあげるための材料を探すということは、決して時間のかかる面倒なことではなく、大人であれば少し努力すれば実行できるむしろ楽しいことなのです。
第三は、親の話が知識や意見中心になり、子供が興味を持たなくなる場合があることです。
知識や意見が話の中心になると、その話は親の個性が感じられる話になりません。
本を読めばわかるような話をいくらしても、子供は興味を持たないのです。
大事なことは、親が自分の体験談を話すということと、そこにできるだけ自分の創造的な考えを入れるということです。
子供と話すときこそ、そういう努力と工夫が必要なのです。
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読書で難しい本を読ませるのは大変ですが、親子の対話で難しい話を面白く話すことは比較的簡単にできます。 そして、その対話の中で、子供の理解力、語彙力、表現力が伸びていくのです。
子供が、作文の予習として、「お母さん、○○のことで、何か似た話ある」と聞いてきたとき、親は、あっさり「ない」とか、「自分で調べなさい」とか言わないことです。
こういうときこそ、親子の知的な対話を始めるチャンスなのです。
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小学3年生まで素直に言うことを聞いていた子が、小学4年生になるころから、だんだん親の言うことを聞かなくなります。
すると、親は何とか昔のように素直に言われたことをやるような子に戻ってほしいと思い、無理にがんばってしまうことがあります。
しかし、子供が親の言うとおりに行動しないというのは、むしろ正常なことで、それまでの親の言うとおりに何でも素直にやっていたというのは、人間が本来の姿になる前の蛹(さなぎ)のような時期だったということなのです。
小学3年生までの子は、身近な人を模倣の対象として、その人のすべて真似するように行動して、社会性を身につけていきます。
だから、親の言うことを素直に聞いていたというのは、その子が親を模倣の対象として見ることによって成長していた時期だったからなのです。
模倣の時期のあとに来るのは自立の時期です。
もし、ここで、強い親が無理に模倣の時期を続けさせようとすると、その矛盾はあとになって更に大きくなって出てきます。
だから、子供が素直に言うことを聞かなくなってきたら、親は次のようにしていくといいのです。
第一は、その自立を成長の証と考えて肯定的に評価することです。
親の言うことを聞かないぐらいの子でなければ、社会でたくましく生きていくことはできません。
そういう子が、将来親を支えて助けてくれるたのもしい子に育つのです。
第二は、親と子が対等な人間として接するように心がけることです。親の方が人生経験が長いので、子供にアドバイスすることもたくさんありますが、その場合も同じ立場の人間に話すようにアドバイスすることです。
野性の動物は、子供の自立の時期になると、子供が親に甘えようとしても、親から子供を追い出すように行動します。
人間の場合も、親の方から、逆に子供の自立を促進するようにしていくといいのです。
第三に、子供には、自立の基準となる原則を話しておくことです。
それは、親の価値観によってさまざまですが、大きくは、世の中に役立ち、社会に貢献できる人間になることを基準として、自分の判断で行動するということになると思います。
第四に、これは番外編に近くなりますが、子供が中学生になると、どの子も多かれ少なかれもっと激しく反抗的な態度をとるようになります。
そういうときに、家に1匹犬や猫などの動物がいると、家庭の雰囲気が一転してなごみます。
今は、ペットの飼えない家庭も多いので、そういう場合は手乗り文鳥などを飼うのがおすすめです。
反抗的な子でも、引きこもりの子でも、いじめられている子でも、ペットにだけはなぜか心を開くことが多いのです。
しかし、子供がペットと親しくなるためには、子供が小さい時期からそういう動物に接する習慣をつけておく必要があります。
小さい子は誰でも動物が好きですが、ある年齢を越えると、だんだん動物に興味がなくなり、人によっては動物が嫌いとか怖いとかいうようになることもあります。
できれば小学校低学年のうちに、家族の一員となるペットを飼っておくといいと思います。
話がやや脱線したかもしれませんが。
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子供でも、子供なりに辛いことや苦しいことがあります。
そういうとき、誰にも相談できなくても、ペットが1匹いるとそれだけで救われることがあるのです。
だから、子供が小さい時期に、できるだけその子の好きな生き物を飼ってあげるといいと思います。
私が子供のころは、生まれたときから、犬とアヒルが一緒にいたので、そういう動物がいることが日常生活の一部でした。
それで、自分の子供にも、できるだけ小さいころから動物が一緒にいる生活をしてもらいたいと思い、子供が捨て猫を拾ってきたときもそれをそのまま飼ったり、犬を飼ったり、鳥を飼ったりしました。
それが何かの役に立つということではありませんでしたが、いつも動物が身近にいたので、何しろ楽しい子供時代を送れたと思います。
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保護者懇談会で出された質問をいくつか紹介します。
小学2年生の保護者の方から、理科の勉強をどうしたらいいかという質問がありました。
理科の勉強は教科書を読んでいればいいので、家で特にやる必要はありません。
学校の教科に合わせてすべての教科の学習を家庭でやろうとする必要はありません。
読む力を育てる読書を最優先し、次に、算数を苦手にしないように問題集を一冊仕上げることを家庭学習の目標にしていくといいです。
読書と算数が勉強の基本で、それ以外は特にやらなくていいのです。
小学3、4年生のころはまだ時間の余裕があるので、ついいろいろななことをやってしまいがちです。
しかし、そうすると、学年が上がったときに義務的な勉強の時間が増えて身動きが取れなくなります。
読書を中心に、自由な時間が確保できる生活にしていくのがいいのです。
もう一つは、子供がプログラミングをやってみたいと言うがどうするかという質問でした。
プログラミング教室には、いろいろなレベルのものがあります。
レゴを組み立てて走らせて楽しむというようなものから、発展的に人工知能の学習まで進めるようなものもあります。
ただ、プログラミングのようなブームになっているものに子供は関心を示しがちですが、プログラミングの技術は自分でやろうと思ったときに独学でも十分にできます。
プログラミングの知識や技術を身につけるよりも大事なことは、読む力をつけておくことで、読む力さえあれば必要になったときに何でもできるというふうに考えておくことが大切です。
しかし、もし子供がプログラミングに興味を持っているとしたら、お母さんも先に勉強してプログラミングの内容を把握しその面白さや難しさを経験しておくことが大切です。
そして、親子でプログラミングを共通の話題として話ができるようになれば、それがいちばんいいやり方になると思います。
以上のような話をしました。
懇談会では話しませんでしたが、理科の好きな子供を育てるには、家庭で理科実験などをしていくといいと思います。
思考発表クラブ(3月から寺オン思考発表クラスという名称になりますが)では、高学年の子供たちがよく理科実験を発表しています。
理科実験に関する本はいろいろ出ているので、それをもとに親子で実験をしてみると、大人でも面白い発見があります。
それをみんなの前で発表するということにすれば、知的な楽しい交流ができると思います。
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子供はみんな理科が好きです。
自然の不思議に接することに、知的な喜びがあるのです。
しかし、教科書で勉強する理科はだんだん面白くなくなります。
わざとわかりにくいことを覚えさせて、テストをして評価するような勉強になるからです。
だから、子供を理科好きにするには、家庭で理科のさまざまな実験や観察をしていくといいのです。
これまでの思考発表クラブで、オンラインの少人数クラスは結構楽しくできることがわかりました。
今後は、森林プロジェクトの人で自分の得意分野がある人は、例えば理科実験クラスなどを開設していくと面白いのではないかと思っています。
自分がやりたいと思っているのは、四コマ漫画クラスと、手乗り文鳥飼育クラスです。
文鳥クラスでは、みんなで手乗り文鳥を育てて、それを見せ合うということをします。
そして、たまにリアルで集まって、部屋の中で飛ばして遊ぶとか。
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言葉の森での作文の勉強は、中学1年生から意見文の課題になります。
題名だけの課題のときもありますが、ほとんどは、高校入試問題レベルの説明文を読んで、それについていろいろな構成で自分の意見を書くという練習です。
小学6年生まで実例中心の作文を上手に書けていた生徒が、中学生の意見文になると意見の語彙力が伴わないために急に作文がうまく書けなくなることがあります。
しかし、それも毎週難しい長文を読む練習をすることによって、中学3年生になるころにはどの生徒も自分らしい意見文が書けるようになります。
小学6年生で受験が終わると、もう作文の勉強は必要ないとばかりにやめてしまう人もいますが、本当はこの中学生からの意見文で、本格的に小論文の練習を始めていくといいのです。
言葉の森には、中学生から作文の勉強を始める人ももちろんいます。
そういう人たちに共通する動機は、中学受験などの勉強で国語が苦手だったということがわかったので中学生から本格的に国語の勉強をやり直したいということです。
勉強を始める目的がはっきりしているので、中学生から新たに勉強を始める生徒は上達するのも早いという傾向があります。
小学6年生の人は、ちょうど今の時期はこれからの勉強をどのように進めていこうかと考えているところだと思います。
塾や部活で忙しくなる人もいると思いますが、できるだけ時間の都合をつけて意見文の勉強を続けていきましょう。
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作文の勉強というのは、やったことのある人ならわかると思いますが、実はかなり大変なのです。
中学生以上になると、まず気合いが入っていないと書けません。
次に、まともに書こうと思うと、すぐに1時間半ぐらいたってしまいます。
そして、その結果が学校のテストなどで生かされることはありません。
学校に作文の授業というようなものがないからです。
では、なぜ作文の勉強をするかというと、深く考える力をつけるためなのです。
だから、今中学生の生徒たちが大きくなって、大学生や社会人になったころに、自分が中学生時代に書いた作文を読み直してみると、その作文のレベルの高さに改めて驚くことが多いのです。
中学生は、まともに書こうと思うと、1200字の作文を1本仕上げるのに1時間半ぐらいかかります。
時間のないときは要約と感想だけでいいと言っても、なかなかそれでは納得しない子も多いのです。
そこで、今度は、忙しいときは音声入力でやっていいとしようかと思っています。
音声入力なら、1200字の作文は10分ちょっとです。あとで手直しをする時間入れても合計20分ほどです。
必要な機材は、ICレコーダーとパソコンだけですから、誰でも用意できると思います。
もちろん時間の取れるときは、手書きで書いていいのです。
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静岡聖光学院中学 S.Iさん
(担当講師より)英検の準2級も合格したそうです。
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言葉の森では、生徒が作文を書く励みになるように、コンクールなどに自主的に応募することを勧めています。
そのため、毎年、学校の読書感想文コンクールや地域の様々な作文コンクールに応募して入選する子が数多くいます。
そのコンクールのひとつに、朝日小学生新聞の作品欄があります。これは隔週で2、3名の作文が入選作品として掲載され、ほかに月間の特選者の作品名がやはり1,2名掲載されます。
毎回、この入選、特選に掲載される生徒のほぼ8割が言葉の森の生徒です。
これらの作文には、先生は一切手を加えていません。すべて生徒が家庭から自主的に応募しているものです。
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海外で暮らすときも、日本語力が学力の前提
どこの国の人も、生まれつきの母語をもとにしてものごとを考えます。日本の子供は、日本語で考えたときに、最も深く考えることができます。
小中学生のころは、考える内容がそれほど深くないので、どの言語も同じように使えます。しかし、その使い方は、主に伝達の道具としての使い方です。
言葉には、伝達の道具としての役割とともに、思考の道具としての役割があります。
学年が上がり高校生以上になると、思考力が学力の基礎となっていきます。ですから、日本語力は、常に勉強の前提として育てておく必要があります。
日本語教育の方法は、日本語を話す友達や先生と、日本語を使って自分の好きな勉強を学ぶことです。
そのひとつが、言葉の森のオンライン作文少人数クラスです。
日本語力が学力の土台。
海外帰国子女枠での受験という見通しを持った勉強を小学1年生から
都立の中高一貫校で人気の高い白鴎高附属中と立川国際中は、海外帰国子女枠の入試を行っています。受験の条件は、海外在住2年以上、帰国後2年以内ですから、該当する可能性のある人は多いと思います。
しかも、一般枠が全教科の受験であるのにに対して、海外帰国子女枠の試験は作文と面接だけです。また、一般枠では5倍から7倍の倍率であるのに対して、海外帰国子女枠の倍率はわずか2倍です。
このような海外帰国子女の生徒を対象にした受験は、ほかの都府県の公立、私立の学校にも広がっています。また、中学入試だけでなく、高校入試や大学入試でも同じような形の試験が増えています。
海外在住で今後帰国する予定のある方は、将来の受験の見通しを立てて準備を進めていくことが大切です。その準備は、都立中高一貫校の試験にもあるように、日本語の作文力と、面接に対応する力、つまり面接力を育てていくことです。
この作文と面接の勉強を、小学1年生から楽しい勉強として取り組めるのが、言葉の森のオンライン作文少人数クラスです。
日本で受験。
作文力だけでなく、読解力、面接力もつく言葉の森のオンライン作文指導
これからの受験勉強は大きく変わります。従来の知識の詰め込みと、その再現力を評価するような試験は次第に少なくなり、読解力、思考力、作文力などを重視した総合的な学力を評価するものになっていきます。
言葉の森の作文指導は、長文を読んで感想文を書く形の読解力をつける練習を兼ねています。また、作文の準備として親子の対話を勉強の一部として重視しています。
更に、オンラインの少人数クラスでは、先生と生徒とのやりとりだけでなく生徒どうしの発表や意見の交換ができるようにしています。
このような読解、対話、作文、発表という勉強を毎週続けることによって、読解力、作文力、面接力が自然に育っていきます。
これらの学力を、小学1年生からの楽しい勉強として伸ばしていけるところに、言葉の森の作文指導の特徴があります。
これがこうで、あれがああで。
日本語力は作文力に表れる
日本語の学習というと、まず思い浮かぶのは漢字の勉強です。漢字を正しく書く力をつけるのは、簡単そうに見えてもかなり長い時間がかかります。
しかし、海外帰国子女の受験作文では、誤字はある程度大めに見られているようです。また、社会に出てからも、手書きで文章を書く機会は減っているので、正しい使い方さえ知っていれば漢字の書き取りにはそれほど力を入れる必要はありません。
日本語力で大事な力は、読む力と書く力ですが、中でも書く力は最も大事なものです。日本語の力を考えた場合、作文力が日本語力の集大成と言えます。作文がしっかり書ければそれで日本語の力は完成したと言えるのです。
ふもとから基礎力、読解力、作文力へ。
事前指導の充実――他の作文教室との違い
言葉の森の作文教室は、他の作文教室と次の点で大きく異なっています。まず言葉の森は、事前指導を充実させていることです。
他の教室の多くは、事前指導があまりない状態で子供に作文を書かせ、その後、事後の赤ペン添削でじっくり評価をするという形をとっています。
ところが、子供が既に書いた作文に対して詳しい添削を受けても、それで作文が上手になるわけではありません。事後の評価は、どこが良いか悪いかということは教えてくれても、次にどう書いたらいいのかを教えてくれるわけではないからです。
これに対して、事前指導を充実させ子供が迷わずに書き出すことのできる教え方をしているのが言葉の森です。
はい、事前の指導。ありがと。
親子の対話と予習――他の作文教室との違い
言葉の森は、作文の予習として親子の対話を重視しています。
子供が書く作文は、自分自身の体験が中心になりますが、それだけでは実例に広がりが出てきません。お父さんやお母さんという身近な家族に似た例を取材することによって、語彙力がつき考える力が育ってきます。
両親や家族と話すことによって身につけた実例の広がりと考える力が、受験作文に大きく生きていきます。
この親子の対話をしやすくするために、言葉の森は作文の事前の予習に力を入れています。
親子の対話は、子供にとってばかりでなく、親にとっても子供といろいろな話題について話し合うことのできる楽しい時間となっています。
似た話、あるかなあ。
読む力をつける感想文――他の作文教室との違い
言葉の森は、書く力だけでなく、読む力をつけることにも力を入れています。
小学校低学年までの作文は、自由な出来事が中心ですが、小学3年生からは、作文のほかに感想文の勉強が始まります。そして、小学校高学年になると、感想文中心の指導となります。
感想文のもとになる文章は、学年相応よりもやや難しい文章で、特に高学年の場合は中学入試の国語問題のレベルの文章となっています。そのため、感想文を書く練習が文章を深く読み取る練習となっているのです。
また、言葉の森では、子供たちが毎日10分の勉強で何千字もの文章を暗唱できるようになる暗唱検定の指導も行っています。暗唱の勉強に取り組む子は、長い文章を空で言えることに達成感を感じるので、検定の進級を目指して毎日自習を続けている子が多いのです。
読んで、書く。
担当の先生による電話指導――他の作文教室との違い
言葉の森は、担当の先生が毎週電話による指導を行っています。電話による個別指導によって、それぞれ子供の実力に応じたアドバイスをすることができます。
子供には、それぞれ得意な分野と苦手な分野があります。また、課題によって書きやすいものと書きにくいものがあります。
よく書ける子は更に深いレベルの指導を行い、あまり書けない子にはよりわかりやすい指導を行うことができるのが電話指導の特徴です。それぞれの子供に応じた指導を行えるのが、言葉の森の特に優れている点なのです。
もしもし、元気。はい。
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公立中高一貫校受験のことだけを考えると、海外で暮らしている生徒はかなり有利です。
受験勉強という特別の訓練をせずに、作文と面接という実力だけで受験できるからです。
本当は、すべての受験生がそういう訓練をせずに受験できるのが理想ですが、今はまだ教育体制がそこまで追いついていないのです。
海外生徒向けの作文クラスを始めると言っても、言葉の森の講師のほとんどは日本国内で、電話指導には時差の問題が出てきます。
そこで、最初はアジアにいる日本人の子供向けのクラスにしたのです。
しかし、今後、海外に森林プロジェクトの作文指導のできる人が増えれば、アメリカやヨーロッパにいる日本人の子供も、リアルなオンライン学習ができるようになります。
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読書力はあらゆる学力の基礎
読書をしたことのない子は、今の日本ではひとりもいないと言ってもいいでしょう。どの子も小さいころ、お母さんから絵本を読んでもらったり、自分で本を読んだりした経験があります。
そのため、読書というものはだれでもできるもので、それが子供たちの学力の差になっているとは考えにくいものです。しかし、小学校の低学年の時期から既に、読書力については予想以上に大きな差が生まれています。結果が表面に出やすい漢字の書き取りや計算の練習は、成績が悪ければすぐに力を入れることができます。しかし、読書力については、大きな差があってもそれが自覚されないまま見過ごされてしまう場合がほとんどです。
ところが、この読書力の差は、学年が上がるにつれて、子供たちの学力の大きな差として表われてきます。読む力のある子は、国語だけでなく、理科でも社会でも、文章を読むだけで内容を吸収していきます。
しかも、この読む力は、文章を読むことだけにとどまりません。
読書力は、物事の相互の関連を、理由、原因、方法、心の動きなどの立体的な構造として読み取る力にもつながっています。
読書力は、あらゆる学力の基礎となっていると言っても言い過ぎではありません。
本を読まない中学生・高校生・大学生
幼児期から小学校低中学年にかけて豊かな読書週間を持っていた子でも、
中学受験の時期になると、それまでの読書の習慣が途切れてしまうケースがかなりあります。
小学校高学年から中学生にかけては、読書の質が変わる時期にあたるので、小学校高学年で読書から遠ざかると、中学生でどういう本を読んでいったらいいかがわからずに、そのまま読書離れが続いてしまう傾向があります。すると、高校生・大学生となるにしたがって、更に読書離れが定着していきます。
読書力が伸びないから読書の楽しさがわからない、読書が楽しく思えないから読書をしないという循環が、大学生以降もずっと続いてしまうのです。
読書を阻害する環境
「私が子供のころは、自然に本を読んだのに」と嘆かれるお母さんがよくいます。子供のころ自然に読書好きになったお母さんほど、読書とは強制されてするものではなくだれでも自然に読むようになるものだ、という考えを持っています。
しかし、今の子供たちをめぐる環境は、昔とは全く違います。最も大きな違いは、読書以外の魅力的な時間つぶしがたっぷりあるということです。
テレビゲーム、ビデオ、インターネット、携帯電話などは、お母さんやお父さんが子供のころにはなかったものです。
これらの環境に抗して読書生活を続けることは、子供の力だけではできません。親や学校や社会が協力して、子供の読書環境を確保してあげなければならないのです。ところが、そういう体制はまだほとんどできていません。
そこで、少なくとも家庭で子供たちの読書環境を作っていくことが必要になります。
小学校低学年から読書を生活習慣に位置づける
小学校低学年の時期は、書店にも図書館にも読む本がたくさんあります。また、テレビゲームやインターネットなどの環境も、親の力でコントロールすることができます。
この時期は、読書を毎日の生活習慣に位置づけるということを優先して取り組んでいきましょう。そのためには、読書の時間を毎日必ず確保することが必要になります。
習慣というものは、日々欠かさずに続けていくことで定着します。何かの習い事があって遅くなる日は読書をしないというようなことがあると、習慣づけは難しくなります。
読書習慣は、どの勉強や習い事よりも優先させるつもりで取り組む必要があります。そのためには、読書時間を夕方だけでなく、朝食前に確保するのも一つの方法です。
小学校中学年は多読によって速度力を身につける
小学校中学年の時期は、読書のジャンルが広がり、読書量も増える時期です。この時期に読む本は、書店や図書館でも充実しています。ときどき、「どういう本を読ませたらいいでしょうか」という質問を受けますが、小学校低中学年の時期の読書選びは、困ることはありません。書店に行けば、フォア文庫、青い鳥文庫、岩波少年文庫など、出版社がこれまでに人気のあった本を再編集して出版しているシリーズが多数あります。この中で、子供が興味を持ちそうな本をどんどん読ませてあげればいいのです。
本というものは、最初は難しくてつまらなそうに見えても、読み進むにつれて読む力がついていき、最後には面白くなってくるという場合がほとんどです。特に、小学校中学年のころまでは、本の内容に対する好みの個人差はほとんどありません。「子供が興味を持って読んでくれるような本を」と考えるよりも、
何しろたくさんの本を読ませて読む力をつけるというのが、この時期の課題です。
小学校高学年からは難読に挑戦
小学校高学年は、中学受験とぶつかるために、読書習慣が途切れやすい時期です。この時期は、これまでと同じように多読を続けていくことは時間的にもできません。また、読書力は、当面の受験のための国語力とは部分的にしか結びつきません。中学受験の国語力として要求される能力は、普通の読書力ではなく、難しい文章を読む力(難読力)だからです。
高学年の読書は、限られた時間の中で、量よりも質を考えて読む力をつけるということになります。読書をする時間が取れない場合は、入試用の国語の問題集を読書代わりに読むというようなことも必要になります。
受験に追われている時期も、わずかずつでも読書の習慣を継続していくというのが、この時期の課題になります。細々とでも読書習慣を維持していくことによって、中学生以降の読書生活の継続が可能になるのです。
中学生は親と同じ本を
中学生になると、親が勉強のアドバイスをすることが難しくなります。そのため、読書についても自然に本人まかせになってしまいがちです。しかし、この時期に読書をしない習慣がつくと、そのあと読書習慣を復活させることはできません。
しかし、中学生のころに、子供たちが読むのにふさわしい本は、書店にはほとんどありません。売れないから書店に並ばない、書店にないから読まないという悪循環が、日本の中学生・高校生の読書環境となっています。
また、中学生になると、学校も読書指導をしなくなります。部活動や定期テストに追われ、書店に行ってもどういう本を選んでいいのかわからず、先生も読書のアドバイスをしないとなれば、中学生の読書離れは当然の結果と言ってもいいでしょう。
そこで大切になるのは、やはり家庭の教育力です。お父さんやお母さんが中学生のころに読んで感動したような本の多くは、既に絶版になっています。似たような本を説明文のジャンルから選ぶとすれば、現代では、「岩波ジュニア新書」「ちくま少年図書館シリーズ」などになるでしょう。
これらの中学生・高校生向けの説明文の本とともに、お父さんやお母さんが現在読んで感動した本をすすめるというのが、中学生の読書選びの方向になります。
このような方向づけがないと、中学生の読書は、たとえ読書好きの子であっても、小学校の延長で小説を読むレベルからなかなか抜け出せません。小説を読むこと自体はマイナスではありませんが、それが読書生活のすべてになってしまい、説明文意見文の本を読まないとなると、読書力は成長しません。
高校生・大学生は古典を
高校生・大学生に必要な読書は、ひとことで言えば古典です。日本の文学に限らず、世界中の古今の名著と呼ばれるものを読んでおくのが、この時期の課題です。高校生時代の歴史や倫理や政治経済の授業で書名だけ聞いたような本を、書名の暗記だけに終わらせずに実際に読んでいくことが、その後の人生のバックボーンとなります。
また、大学入試の小論文の勉強の際に読むようにすすめられた参考図書などは、良書を選ぶ上で参考になります。
現代の日本では、どの分野にも、わかりやすく書かれた入門書や概論書が用意されています。しかし、
わかりやすい入門書を何冊も読むよりも、その分野の原典となる本を一冊読むほうが、得るものは比較にならないほど大きいのです。ところが、こういう読書一般のアドバイスをしてくれる人は、高校生や大学生の周りにはほとんどいません。自分自身で自覚して読書を進めていくことが、高校生や大学生にとっては必要になります。
読書と作文を結びつけた感想文の勉強
言葉の森の作文指導は、読む練習と書く練習が密接に結びついています。
読む力をつけることによって書く力が伸び、書く力をつけることによって更に深く読むことができるというのが、言葉の森の教材の特徴です。
私たちは、受験に合格するためだけの読書指導や作文指導ではなく、子供たちの将来の人生に役立つような読書・作文指導をしていきたいと思っています。そのためにも、より多くの人が、読書や作文を、子供たちの勉強の重要な一部として認識してくれるように願っています。
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読書は読む楽しみのためにもありますが、それとは別に、読むことによって実行してみたくなる、読むことによって書いてみたくなるという面もあります。
読むことと書くことを結びつけたのが読書感想文ですが、学校で宿題として出される読書感想文は、読書にとっても作文にとってもどちらにもマイナスしかありません。
それは、指導もなく書かせて、優劣をつけるだけの行事になっているからです。
幼児のころに読み聞かせをたっぷりされた子は、中学生や高校生になっても文章の流れがスムーズだという傾向があります。
読み聞かせは、書き言葉の日本語を定着させるいちばんの方法です。
幼児期ほど、書き言葉の日本語をしっかりインプットしておくことが大事なのです。
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