子供の頭を良くするのは読書と対話です。
読書は、ある程度難しい本を楽しく読めるようにならないと力がつきませんが、親子の対話は、もっと直接的な効果があります。
それは、親が子供の反応を見ながら、その子の理解できる範囲で難しい話を面白おかしく話すことができるからです。
作文の勉強で力がつくのは、作文の予習シートなどで、この親子の対話ができるようになるからです。
ところが、この親子の対話が難しいと考えるお母さんもいます。
その理由は三つあります。
第一は、親が子供の話を聞き出そうとしていることです。
子供にはまだ予備知識が少ないので、親子の対話の中心になるのはあくまでも親の方です。
子供は、その親の話を聞きながら、だんだんと自分らしい考えとその考えを表す語彙力を身につけていくのです。
第二は、親が準備をしていないことです。
子供が小学校低学年のころは話す内容が身近なことなので、それほど準備をしなくても面白い話はできます。 しかし、子供が中学年になり感想文の課題を書くようになると、親もある程度その文章を読んで自分なりに子供の興味持ちそうな話を考えておく必要があるのです。
例えば、パスツールの話で、子供が、「お母さん、発酵と腐敗とどう違うの」などと聞いてきた場合、親が準備なしに辞書的な知識を話すだけでは、多くの場合そこで話は終わってしまいます。
しかし、事前に準備がしてあれば、子供の興味を持ちそうな面白い話ができますし、場合によってはそこから親子の実験、観察などへと話を発展させていくこともできます。
子供に面白い話をしてあげるための材料を探すということは、決して時間のかかる面倒なことではなく、大人であれば少し努力すれば実行できるむしろ楽しいことなのです。
第三は、親の話が知識や意見中心になり、子供が興味を持たなくなる場合があることです。
知識や意見が話の中心になると、その話は親の個性が感じられる話になりません。
本を読めばわかるような話をいくらしても、子供は興味を持たないのです。
大事なことは、親が自分の体験談を話すということと、そこにできるだけ自分の創造的な考えを入れるということです。
子供と話すときこそ、そういう努力と工夫が必要なのです。
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読書で難しい本を読ませるのは大変ですが、親子の対話で難しい話を面白く話すことは比較的簡単にできます。 そして、その対話の中で、子供の理解力、語彙力、表現力が伸びていくのです。
子供が、作文の予習として、「お母さん、○○のことで、何か似た話ある」と聞いてきたとき、親は、あっさり「ない」とか、「自分で調べなさい」とか言わないことです。
こういうときこそ、親子の知的な対話を始めるチャンスなのです。
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小学3年生まで素直に言うことを聞いていた子が、小学4年生になるころから、だんだん親の言うことを聞かなくなります。
すると、親は何とか昔のように素直に言われたことをやるような子に戻ってほしいと思い、無理にがんばってしまうことがあります。
しかし、子供が親の言うとおりに行動しないというのは、むしろ正常なことで、それまでの親の言うとおりに何でも素直にやっていたというのは、人間が本来の姿になる前の蛹(さなぎ)のような時期だったということなのです。
小学3年生までの子は、身近な人を模倣の対象として、その人のすべて真似するように行動して、社会性を身につけていきます。
だから、親の言うことを素直に聞いていたというのは、その子が親を模倣の対象として見ることによって成長していた時期だったからなのです。
模倣の時期のあとに来るのは自立の時期です。
もし、ここで、強い親が無理に模倣の時期を続けさせようとすると、その矛盾はあとになって更に大きくなって出てきます。
だから、子供が素直に言うことを聞かなくなってきたら、親は次のようにしていくといいのです。
第一は、その自立を成長の証と考えて肯定的に評価することです。
親の言うことを聞かないぐらいの子でなければ、社会でたくましく生きていくことはできません。
そういう子が、将来親を支えて助けてくれるたのもしい子に育つのです。
第二は、親と子が対等な人間として接するように心がけることです。親の方が人生経験が長いので、子供にアドバイスすることもたくさんありますが、その場合も同じ立場の人間に話すようにアドバイスすることです。
野性の動物は、子供の自立の時期になると、子供が親に甘えようとしても、親から子供を追い出すように行動します。
人間の場合も、親の方から、逆に子供の自立を促進するようにしていくといいのです。
第三に、子供には、自立の基準となる原則を話しておくことです。
それは、親の価値観によってさまざまですが、大きくは、世の中に役立ち、社会に貢献できる人間になることを基準として、自分の判断で行動するということになると思います。
第四に、これは番外編に近くなりますが、子供が中学生になると、どの子も多かれ少なかれもっと激しく反抗的な態度をとるようになります。
そういうときに、家に1匹犬や猫などの動物がいると、家庭の雰囲気が一転してなごみます。
今は、ペットの飼えない家庭も多いので、そういう場合は手乗り文鳥などを飼うのがおすすめです。
反抗的な子でも、引きこもりの子でも、いじめられている子でも、ペットにだけはなぜか心を開くことが多いのです。
しかし、子供がペットと親しくなるためには、子供が小さい時期からそういう動物に接する習慣をつけておく必要があります。
小さい子は誰でも動物が好きですが、ある年齢を越えると、だんだん動物に興味がなくなり、人によっては動物が嫌いとか怖いとかいうようになることもあります。
できれば小学校低学年のうちに、家族の一員となるペットを飼っておくといいと思います。
話がやや脱線したかもしれませんが。
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子供でも、子供なりに辛いことや苦しいことがあります。
そういうとき、誰にも相談できなくても、ペットが1匹いるとそれだけで救われることがあるのです。
だから、子供が小さい時期に、できるだけその子の好きな生き物を飼ってあげるといいと思います。
私が子供のころは、生まれたときから、犬とアヒルが一緒にいたので、そういう動物がいることが日常生活の一部でした。
それで、自分の子供にも、できるだけ小さいころから動物が一緒にいる生活をしてもらいたいと思い、子供が捨て猫を拾ってきたときもそれをそのまま飼ったり、犬を飼ったり、鳥を飼ったりしました。
それが何かの役に立つということではありませんでしたが、いつも動物が身近にいたので、何しろ楽しい子供時代を送れたと思います。
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