昨年、英語の暗唱講座の予定を記事に書きましたが、それを春から始める少人数の寺オン自主学習クラスの中で行うことにしました。
暗唱というのは、慣れれば誰でもできる勉強法で、しかも効果の高い勉強法なのですが、マンツーマンの指導ではかえって続けにくい面もあります。
だから、家庭で、お母さんが子供の自習として暗唱をさせようとすると、途中でやらなくなってしまうことがあるのです。
しかし、少人数クラスであれば、スランプに陥りそうな場合でも、友達とのゲーム的な感覚で乗り切ることができます。
この春から、自主学習の少人数クラスを始めるので、この少人数クラスで、国語、算数・数学のほかに、小学1・2・3年生は日本語の暗唱、小学4・5・6年生及び中学生は、日本語又は英語の文章の暗唱を行うことにしました。
詳細は、今後、言葉の森新聞でお知らせします。
▽関連記事(2017年の記事です)
「小4からの英語暗唱講座を企画中」
https://www.mori7.com/as/2908.html
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暗唱検定に合格する生徒が増えてきました。
ほぼ3ヶ月で1000字の文章を丸ごと暗唱してしまうのです。
この日本語暗唱で培った暗唱力と暗唱のコツを、英語の文章の暗唱にも生かしていくことができます。
英語の暗唱は、これまで中学生からの英語の教科書で行うようにすすめていましたが、今度は小学生から英語の暗唱に取り組めるようにする予定です。
小学4~6年生の英語学習の利点は、聞き取りと発音が、中学生になってからよりも自然に身につくことです。
中学生から英語は、文法の学習なども含めた知的なものですが、小4からの英語はもっと感覚的なものが中心になります。
小3までは日本語の暗唱を中心に行い、日本語力と暗唱力をつけておき、小4からそれを英語の暗唱に生かしていくという流れです。
この英語暗唱講座も、自主学習クラスで指導していく予定です。
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「森林プロジェクトで、小4からの英語暗唱講座を企画する予定」
https://www.mori7.com/as/2919.html
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先日、小4の生徒のお母さん方と話をする機会がありました。
小4から、英語が教科になるので、これまで英語などをやっていなかった子のお母さんは、勉強の仕方についてやや困惑しているようでした。
学校で全員がゼロから始めるのであれば、学校に任せておいてもみんなが同じように進むので何も問題はありません。
しかし、既に早くから英語の勉強をしている子がいる中で、本人がゼロから始めるのでは苦手意識を持つようなことになるのではないかという心配があるのだと思います。
私の基本的な考え方は、小学生は、基礎学力が最も大事なので、読書だけがしっかりできていればそれで十分で、英語やプログラミングやその他さまざまな習い事は、余技としてやっておけばいいという考えです。
読書のレベルが学年に応じて少しずつ上がっていけば、考える力はそれで確実についていくので、そのほかの勉強や習い事は、本人がやる気になった時点ですぐにできるようになるからです。
小学生は、本さえしっかり読んでいれば、勉強面は何も問題はないのです。
しかし、それでこの英語の話をおしまいにしたので身も蓋もないので、多くの人が関心を持っている英語の勉強を、言葉の森も独自の方法で取り組むようにしようと思いました。
それが、英語の暗唱です。
現在、思考発表クラブというオンライン講座を行っていますが、これは参加する子供たちが自主的に発表できる場があり、しかも、そのあと保護者とも話をする時間があります。
だから、このオンライン講座の中で英語の暗唱を行えば、かなり充実した勉強ができると思いました。
そして、週1回の講座に加えて、家で毎日自習ができるようにすれば、勉強は確実に進みます。
その生徒の毎日の家庭学習の中に暗唱の練習も10分間盛り込むようにすることができれば万全です。
この毎日の自習は、自主学習クラスの方でカバーできます。
毎日短時間の自習課題というのは、実は家庭だけで継続することは意外と困難です。
順調に進んでいるときは何も問題がありません。しかし、途中で風邪をひいては休んだり、どこかに出かける用事があって休んだりすることがあると、それでそれまでの習慣が途絶えてしまうことがあります。
いったん途絶えた習慣を再開するには、始めたときよりもずっと大きなエネルギーが必要ですから、そのままやらなくなってしまうことも多いのです。
自主学習クラスの場合は、その自習を先生がチェックするので、短時間の家庭学習を継続することができます。
そして、言葉の森では、森林プロジェクトの講師資格講座を行っているので、教える体制は、その森林プロジェクトの講師の協力を得ながら運営することができます。
話は少し飛びますが、この森林プロジェクトで取り組むオンライン講座には、ほかにもいろいろな可能性が考えられます。
オンライン講座は、現在、思考発表クラブという作文国語算数の発表する形の勉強を中心に行っていますが、このほかにもいろいろな企画が可能です。
例えば、一つの例は、幼児や低学年対象の読み聞かせサークルです。
読み聞かせとともに、その子が今読んでいる本や、その土地の話題を紹介してもらうとかなり楽しいサークルができると思います。
もう一つの例は、日本語を学びたいと思っているアジアの子供たちとの交流です。
オンラインですから、国境を越えて海外からでも参加できます。
アジアは、日本との時差の差が少ないので、同じ時間帯に勉強できます。
skypeの自動翻訳機能のようなものが、いずれGoogleハングアウトにつくでしょうから、それを利用すればかなりユニークな国際交流ができます。
ただし、これらの新しいオンライン企画は、今は言葉の森の新しいシステム作りでなかなか時間が取れないので、実際に企画に着手するのはもう少し先になると思います。
とりあえず、今は、森林プロジェクトでこの英語暗唱講座を小学4年生以上の生徒を対象に企画したいと思っています。
詳細は、Facebookの森林プロジェクトで進めていく予定です。
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2021/8/16追加
コメント欄に、読者の方からの投稿がありましたので、紹介します。
https://www.mori7.com/index.php?e=4228
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はじめまして。暗唱についての情報を求めてネットサーフィンをしていたところこの記事を発見しました。私は暗唱についてはものすごく効果が高い方法だと思っています。私は現在大学生なのですが、あるきっかけで暗唱をしようと思い、一ヶ月間毎日5時間以上は英語の暗唱に徹した結果、爆発的な英語の力の伸びと、明らかな記憶力の上昇を感じました。
具体的に暗唱したものを言うとZ会出版の速読英熟語に掲載されている200word程度の分50本と速読英単語上級編に載っている英文48本です。どれも、英文の番号とタイトルをセットで暗唱しており、一時間有ればそれぞれの本を通しで全てそらんじることができます。
暗唱についての書籍や情報は少ないのですが、脳の力を高める最強の勉強法だと思います。最初は暗唱に心理的な負荷を感じてもそこを、耐えて踏ん張るとある時とたんに負荷に感じなくなる時が来ます。暗唱最高です。====
子供の頭を良くするのは読書と対話です。
読書は、ある程度難しい本を楽しく読めるようにならないと力がつきませんが、親子の対話は、もっと直接的な効果があります。
それは、親が子供の反応を見ながら、その子の理解できる範囲で難しい話を面白おかしく話すことができるからです。
作文の勉強で力がつくのは、作文の予習シートなどで、この親子の対話ができるようになるからです。
ところが、この親子の対話が難しいと考えるお母さんもいます。
その理由は三つあります。
第一は、親が子供の話を聞き出そうとしていることです。
子供にはまだ予備知識が少ないので、親子の対話の中心になるのはあくまでも親の方です。
子供は、その親の話を聞きながら、だんだんと自分らしい考えとその考えを表す語彙力を身につけていくのです。
第二は、親が準備をしていないことです。
子供が小学校低学年のころは話す内容が身近なことなので、それほど準備をしなくても面白い話はできます。 しかし、子供が中学年になり感想文の課題を書くようになると、親もある程度その文章を読んで自分なりに子供の興味持ちそうな話を考えておく必要があるのです。
例えば、パスツールの話で、子供が、「お母さん、発酵と腐敗とどう違うの」などと聞いてきた場合、親が準備なしに辞書的な知識を話すだけでは、多くの場合そこで話は終わってしまいます。
しかし、事前に準備がしてあれば、子供の興味を持ちそうな面白い話ができますし、場合によってはそこから親子の実験、観察などへと話を発展させていくこともできます。
子供に面白い話をしてあげるための材料を探すということは、決して時間のかかる面倒なことではなく、大人であれば少し努力すれば実行できるむしろ楽しいことなのです。
第三は、親の話が知識や意見中心になり、子供が興味を持たなくなる場合があることです。
知識や意見が話の中心になると、その話は親の個性が感じられる話になりません。
本を読めばわかるような話をいくらしても、子供は興味を持たないのです。
大事なことは、親が自分の体験談を話すということと、そこにできるだけ自分の創造的な考えを入れるということです。
子供と話すときこそ、そういう努力と工夫が必要なのです。
読書で難しい本を読ませるのは大変ですが、親子の対話で難しい話を面白く話すことは比較的簡単にできます。 そして、その対話の中で、子供の理解力、語彙力、表現力が伸びていくのです。
子供が、作文の予習として、「お母さん、○○のことで、何か似た話ある」と聞いてきたとき、親は、あっさり「ない」とか、「自分で調べなさい」とか言わないことです。
こういうときこそ、親子の知的な対話を始めるチャンスなのです。