面白い動画を見ました。
フィンランドの教育がなぜ世界一になったかを、生徒や教師など当事者たちのインタビューで紹介している動画です。
この動画の中で特に印象に残ったところが六つありました。
第一は、学校のテストで選択問題がなかったという卒業生たちの証言です。テストの問題はすべて記述式だったので、その内容を自分が確実に理解していなければできない問題だったということです。
第二は、学校が宿題を出さないということでした。
国の方針として、子供は遊ぶことによって能力を育てるという考えだったのです。
第三は、学校における勉強の授業時間が少ないということでした。
小中学校の勉強の基本はほんのわずかです。テストで差をつけるための難問に時間を取られなければ、正味の時間はずっと少なくてよいのだと思いました。
第四は、学校がすべて公立で、できる子もできない子も同じように学んでいたということです。
これは子供たちが成長したときに、社会の問題を自分の身近な問題として考えることに役立っているということでした。
第五は、テストというものがほとんどなかったということです。これも第三の話と同様で、小中学校の勉強は基本をおさえるということであれば、テストをなどで評価しなくてもほとんどの子が授業の中で身につけられるということから来ているのではないかと思いました。
第六は、音楽や芸術も含めてすべての教科にバランスよく力を入れているということでした。主要教科だけに力を入れることは、かえって子供たちの人生にとってマイナスになるという考えでした。
ちょうどこの動画を見る前に、ある高校生の成績を見せてもらい、受験に関係のない科目は捨てているという話をその生徒から聞きました。
その生徒は普通に真面目な考えを持っている生徒だったので、多少照れ隠しに言っているのだろうと思いましたが、私は一応、
「高校時代の勉強は全部自分のプラスになるのだから、受験に関係なくどの教科もしっかりやっておくといいんだよ」
という話をしました。
そういう話をしたばかりでしたから、教育における文化というものが、フィンランドと日本ではすでにかなり違っているという印象を受けました。
もう一つ考えさせられたのは、選択問題がなく、すべてが記述式の問題だったということです。
日本では2020年度の入試改革に合わせて、記述式の問題をどのように客観的に評価するかということが話題になっていますが、これが問題になるのはテストの評価ということを前提にしているからです。
小中学生の本当の学力を育てるということが目的であれば、客観性云々よりもまず記述式の問題を中心にするということを考えなければいけないのではないかと思いました。
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フィンランドの人口は550万人ですから、小さい国だからこそできる教育改革という意見もあるでしょう。
しかし、すべては教師や親の取り組み方次第で、日本でもすぐにできることだと思います。
言葉の森の目指しているものも、同じようにバランスの取れた学力と、記述力を中心とした本当の学力です。
更に、それに加えて、創造性と文化性を育てる教育を、作文指導と少人数クラス指導で実現していきたいと思っています。
私がいつも疑問に思うのは、昔の子供たちは60人学級のような大人数の教室で勉強し、家に帰れば表で遊んでばかりいたのに、今の勉強の山に苦しんでいる子供たちよりも、頭がよかったのではないかということです。
しかも、その頭のよさは年を取れば取るほど伸びるような性格の頭のよさだったと思うのです。
それは、なぜかというと、机上の勉強だけでなく、自然や人間との関わりがある中で学んでいたからではないかと思います。
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小学校低学年のときから、勉強のとてもよくできる子がいます。
それは、お母さんが勉強をよく見てあげているからです。
単に出来合いの教材を渡して勉強の時間を決めて守らせるという外側だけの勉強ではなく、勉強の内容面も把握して、子供が楽しめるように能率よく勉強を見てあげているのです。
ところが、そのときは、それで全く問題ないように見えますが、小学校低学年までの親子の勉強が、小学4年生ごろからだんだん難しくなってきます。
それは、子供に自立心が芽生えてくるからです。
どんなにいい教え方を親がしていたとしても、子供は親に教えてもらうこと自体から自立したくなってくるのです。
その結果、多くの家庭では、親がもう勉強を見ることはできないからと、子供を塾に行かせるような方向に向かいます。
その結果、親が子供の勉強を把握できなくなっていくのです。
子供の勉強の能率を考えた場合、親が勉強の内容を把握しているかどうかは、大きな差になります。
子供の勉強を点数だけで見るのではなく、どういうところがわかって、どういうところがわかっていないかという内容的なところで見る必要があるのです。
そうすれば、学年が上がっても、時間をかけない能率のいい勉強を続けることができます。
そこで、言葉の森が勧めたいのは、子供が親の言うことをよく聞く小学校低学年のころから、少人数クラスで勉強をする時間を作っておくことです。
低学年のころは、親が教えているだけで十分に見えますが、その親子関係だけのつながりは、そのときは太いように見えても学年が上がると急に細くなるときが来るからです。
子供が少人数クラスの中で勉強をしていると、親子の関係だけでなく、子供どうしの友達関係ができます。
すると、子供の勉強に関して、親と子、子供と友達、子供と先生という3つのつながりができるのです。
これが、少人数クラスで勉強することの一つの利点です。
つまり、子供の勉強面でのつながりが何重にもできるので、親子の勉強も、そのつながりの一つとして続いていくのです。
言葉の森の少人数クラスの場合は、もう一つ利点があります。
それは、言葉の森の勉強の方針が、知識を詰め込み、それを評価し、互いに競争させるという勉強法ではなく、それぞれの生徒が自分で問題を作り、それをみんなの前で発表し、互いの創造を認め合うという形で進めることを基本にしているからです。
この創造する勉強は、実力のある子ほど熱心に取り組みます。
単に問題を解くだけの勉強ではすぐに飽きる子が、問題を作る勉強では何時間もかけて仕上げることがあります。
問題を解くだけの勉強は、訓練をすれば誰でもできるようになります。
できることがわかっていて、誰でも同じ答えになる勉強をするのは、実力のある子ほど退屈なことです。
問題を作り発表する勉強はそうではありません。自分の持てる力を全部出して取り組めるからです。
しかし、問題を創造する勉強は、やってみると意外に難しく、子供ひとりではなかなか完成しません。
実力のある子は、特に自分の力以上のことをやろうとするので、発想だけはよくても最後まで仕上げられないことが多くなります。
そこで、登場するのが、お母さんやお父さんです。
問題を解いて答えを出すだけの勉強であれば、親が関わる必要はあまりありません。
せいぜい、子供がわからないところを教えてあげるだけです。
そのわからないところも、学年が上がり子供が自分で解法を見て理解できるようになると、親がすることはほとんどなくなります。
しかし、問題を創造する勉強はそうではありません。
子供がうまく行かないときは、親も一緒に考えてあげないと、形として仕上がるところまで行かないことが多いのです。
少人数クラスの勉強では、親、友達、先生とい3つのつながりができると書きましたが、更に、創造する勉強では、親と子のつながりが深くなるのです。
しかも、その創造する勉強の発表で何が大事かというと、少人数クラスの場合、それは面白さなのです。
コンクールに出品する作品とか、宿題として提出する作品とかいうものであれば、同じ創造する勉強であっても、きちんと完成していることが条件になります。
正しいもの、完成したものを出そうとすれば、無理が出てきます。
まして、入賞をねらうような高度な完成度を求めるようになると、子供の興味関心よりも、親の意図の方が強く出てきます。
創造する勉強であっても、親が子供を引っ張るうような勉強では、子供にとって面白い勉強ではなくなります。
ところが、少人数クラスであれば、発表する勉強は、失敗も含めて面白いことがいちばんの条件になります。
それは、その発表を友達が見てくれているからです。
もちろん、完成度を高めてすばらしい発表をすることもできます。
しかし、たとえ失敗しても、面白い発表であれば、それも同じようにみんなに評価されるのです。
こういう勉強で何が身につくかというと、創造することの面白さを感じる心、つまり創造性です。
今の学校や塾の勉強では、創造性が評価されることは滅多にありません。
創造性を発揮して間違ったことをするよりも、先生に言われたとおりにやって正しい答えに到達することが求められるからです。
だから、勉強のよくできる子ほど、創造性を失っていきます。
勉強などは、本人がやる気になったときに、正しい方法で時間をかけて取り組めば、誰でも必要なところまではすぐにできるようになります。
その準備としては、家庭で毎日の自主学習をしていればいいだけです。
つまり、その学年で習う勉強が普通にできていれば、勉強はそれで十分なのです。
勉強ができることよりもずっと大事なのは、あらゆることに創造性を発揮して取り組む姿勢です。
それが社会に出てから、最も必要になるからです。
社会では、言われたとおりにすることよりも、言われた以上のことをすることが重要になります。
その言われた以上のことをするのが、創造性という姿勢です。
実は、子供はみんな、生まれつきそういう創造性を持っています。
いたずらっ子というのは、その創造性をよく発揮する子です。
ところが、今の教育体制の中では、創造性を発揮することを我慢しないといけないような空気があり、よくできる子ほどそういう空気に適応してしまうのです。
言葉の森のオンライン少人数クラスは、そうではありません。
ただし答えを出すことよりも、面白い問題や作文や発明や発見や実験や経験を発表するクラスなのです。
盛りだくさんすぎますが(笑)。
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親に言われたとおり、先生に言われたとおりにやる勉強は面白くありません。
やれば、誰でも同じようにできるようになるだけだからです。
能力のある子ほど、そういう答えの決まった勉強よりも、自分で創造する勉強を好みます。
実は、子供はみんなそういう創造性を持っています。
それが、今の教育体制の中では、創造性を発揮しない方が褒められることが多いのです。
創造性を発揮して失敗するよりも、言われたことをそのままやって成功する方が評価されるからです。
だから、よくできる子ほど創造性を失ってしまうのです。
難問を出すと喜んで取り組む子がいます。
能力も意欲もある子です。
しかし、そういう子は、本当は難問を解くような方向で勉強させるのではなく、新しいものを創造する方向で勉強をさせるといいのです。
というのは、難問というのは結局答えのある勉強なので、解法を理解すれば誰でも解けるようになるからです。
難問を解くというのは、受験期に受験勉強としてやればいいことであって、普段から、特に低学年からやることではないのです。
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勉強は子供がするもので、それを教えてくれるのは先生だと思っている人が多いと思います。
そうではありません。
勉強は親子でするものなのです。
小中学校の勉強の中身などは、大したものではありません。
教科書準拠の参考書や問題集を読めば、誰でもできるようになります。
なぜ、教科書でなく教科書準拠なのかというと、教科書は先生が教えることを前提に作られているため、子供の自主学習には向いていないからです。
では、その親子の勉強で何を身につけるかというと、勉強の中身は二の次で、本当は親の生き方や考え方を身につけるのです。
そして、子供が成長して世の中に出たときに、その親子の関わりの中で身につけたものが本当の教育だったとわかるのです。
だから、親は、仕事で忙しいからなどと言わずに、子供の勉強に関わることです。
しかし、それはつきっきりで何かを教えるというような関わり方ではありません。
子供が話しかけてきたら、すぐに対応できるように、近くにいるということなのです。
それは、場所の近さではなく、心の近さのようなものです。
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勉強ばかりしている子よりも、親子の関わりのある子の方が、本当の学力が身につきます。
子供が小さいときは、勉強をすれば誰でもすぐに成績は上がります。
しかし、学年が上がると、親子でコミュニケーションを取っている子の方が、成績も人間関係もよくなります。
子供の勉強を親が見てあげるとき、勉強は単なる手段で、本当の目的は親子の関わりの方なのです。
それが特にはっきり出るのが、作文の勉強をするときです。
子供の勉強を見てあげるとときは、それを時間の負担だと思わずに、これがやがて懐かしい思い出になると思ってやることです(笑)。
そうすれが、親子喧嘩の度合いはずっと減ると思います。
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言葉の森に、小学校低学年から来る子には、とてもいい子が多いです。
成績も優秀で、親の言うこともよく聞き、ていねいではきはきしていて、模範的な小学生であることが多いのです。
ところが、そういう子供たちの何割かは、大きくなると悪い子になるのです(笑)。
悪い子というと大げさですが、親の言うことを聞かなくなるとか、学年が上がるとやる気がなくなるとか、そういう意味の悪い子です。
なぜそうなるかと言うと、子供時代のいい子というのは、親の期待に沿う意味のいい子だったので、子供は我慢していい子を演じていたということなのです。
子供時代の悪い子というのは、親が何かを言っても、自分の意に沿わなければ「いやだ」というようなことを言う子です。
親が「こっちに行こう」と言っても、「いやだ。あっちに行きたい」と言うような子です。
その悪い子は、ある意味で自主性があるから悪い子になっていると言えるのです。
一方、子供時代もいい子でありながら、大きくなってもそのままもっといい子になる子もいます。
それは、親の関わり方の差のようです。
子供を、親の言うとおりに育てるのではなく、子供の自主性を尊重しながら親子の関わりを深めているというところにそのコツがあります。
この典型的な例として思い浮かべるのは、いつも同じことを書くようですが、さかなクンの子供時代です。
幼児のころ、さかなクンは、公園で暗くなるまでひたすら泥団子作りを続けました。それをお母さんはずっと見守っていたのです。
このように、自主性を尊重しながら関わりを持つということが子育ての極意です。
自主性を奪うような関わり方ではなく、また放任に近い自主性の尊重でもなく、温かく見守りながらその子のやりたいことを伸ばすとい微妙なハンドルさばきが必要なのです。
その意味で、子育てには、子供それぞれに異なっている面があります。
だから、大事なことは、子供のことをよく見、よく聞き、よく触れ合い、そしてすべてを子供の立場で考えることです。
子供に対する深い関わり方が親のエゴを実現することにならないように、視点をいつも子供の立場に置いておくといいのです。
子供がみんなに評価されるようなことは、親にとってうれしいことですが、コンクールに入選するとか、何かの賞をもらうとかいうことは、子供の成長にとって意味があるわけではありません。
親の自慢にとって意味があるだけです(笑)。
本当のいい子というのは、親にとってのいい子なのではなく、その子供の成長にとっていい子であるということなのです。
話は少し変わりますが、今度の保護者懇談会は、この子育てのコツについて、みんなで話し合うような場にしたいと思っています。
これまでのように、保護者の質問に先生が答えるという形式ではなく、保護者どうしが少人数のグループで子育ての経験を交流するというようなセッションです。
こういうワールドカフェ的な保護者懇談会の企画を考えています。
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子供が小さいうちは、やらせれば何でもできるようになります。
それだけ集中力と吸収力があるからです。
しかし、それを親の自慢の方向にではなく、子供の本当にやりたいことの方向に向ける必要があります。
子供が勉強が好きで、いつも学校で一番を取っているというのは親の自慢になります。
子供が泥団子作りが好きで、暗くなるまで公園で泥団子を作っているというのは、あまり自慢になりません。
その自慢にならない熱中の方が、子供の本当の身になっていることが多いのです。
本当のいい子というのは、素直でありながら反発もできるという子です。
そういう子でなければ、世の中に出てから、周囲の反対を押し切って自分の意志を貫くということはできません。
と考えれば、もっと大きな視野で子供を見ることができると思います。
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公立中高一貫校 海外帰国子女枠 作文受験の対策を、楽しく学べる小1から。
パソコンが苦手なお母さんでも大丈夫。
言葉の森の
少人数オンライン作文
学習の仕方 説明会
画像はオンラインで勉強しているときのイメージです。
|
パソコンの操作の仕方から、実際の学習の仕方まで、わかるまで説明します。
さらに、4週間無料体験学習の特典と、新規受講プレゼントのダブル特典あり。
◆公立中高一貫校の海外帰国子女枠の受験を目指す小学1年生から5年生の生徒対象。
◆言葉の森の豊富な受験教材を提供(過去問のオリジナル解説13年間分1,420件)。
◆小学校低学年のうちから、将来受験作文に要求される「考える作文」の書き方を練習します。
●しかも、単なる通信添削ではなく、また単なる通学一斉授業でもなく、全員参加型の少人数オンラインクラスで指導。
●友達と一緒に学べるので、やる気が持続し、ほかの生徒のよいところが吸収でき、文字どおり切磋琢磨の学習方法です。
●家庭でいながらにして学べる便利さと、授業後に先生と保護者の懇談が随時行える親密さを両立。
◆これまでになかった全く新しい勉強の仕方を、35年間作文指導を専門に続けてきた言葉の森が提供します。
◆作文力に代表される、思考力、表現力は、これからの学力に必須の要素です。
◆受験だけでなく、社会人になってからも役立つ文章表現力を、言葉の森の少人数オンライン作文クラスで身につけていきましょう。
【オンライン説明会への参加の仕方】
●「少人数オンライン作文」説明会に参加される方は、ウェブカメラ付きのパソコンをご用意してご参加ください。カメラはオフにしてご参加いただいて結構です。
タブレットやスマホでも参加できますが、レコーデイングなど一部の機能が使えませんので、できるだけパソコンでご参加ください。
●「少人数オンライン作文」は定員があるため、無料体験学習は先着順とさせていただきます。体験学習に参加できなかった方は、新しいクラスが開始されるまで、体験学習を予約してお待ちください。
●説明会、体験学習を行なわずに、すぐに受講を開始していただくこともできます。その場合、受講料は4週間分無料となります。
●説明会の参加フォームはこちらです。
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説明会参加フォーム
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海外帰国子女向けの受験作文対策のクラスです。
日本との時差の少ないアジア在住の日本人の子供たちが主な対象ですが、ゆくゆくはアメリカ在住の子供たちも参加できる時間を確保していく予定です。
海外帰国子女枠の受験では、作文と面接だけのところがあり、倍率は一般の受験よりもかなり低いのが普通です。
少人数オンライン作文クラスは、毎回お互いのやりとりがあるので、作文力と面接力が両方ともに身につきます。
小学5年生の子であれば、すぐに実践的な勉強ができますが、このクラスはもっと下の小学1年生から取り組めます。
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オンラインの少人数クラスでの勉強というものは、現在どこでも行なわれていないと思います。
マンツーマンの指導であれば、家庭教師のような形のものがすでにあります。
その家庭教師による指導をskypeなどで行えば、オンラインのマンツーマン指導となります。
しかし、その分コストはかなり高くなります。
マンツーマン指導の対極にあるものは、動画によって、いつでも誰でもどこからでも視聴できるネット授業です。
しかし、これは人間との触れ合いがないので、明確な意志を持っていないと長く続けることは難しいくなります。
この触れ合いの不足をカバーするやり方として、ときどきオフの集まりを行うということもあるようですが、それでも勉強面での日常的なつながりのなさは意欲の低下を招きがちです。
そこで、言葉の森がこれまで行ってきたのが、少人数のオンラインのクラスです。
少人数ですから、全員に発言の機会があります。
自分の勉強の発表がほかの人から認められ、また逆に、自分自身がほかの人の発表から刺激を受けるということが好循環のサイクルとなっていました。
しかし、ここで一時的な問題になるのは、学年の差です。
長期的には、同じぐらいの学年や進度の生徒がグループになる形でクラスが編成されていきますが、最初のうちはいろいろな学年の生徒が同じクラスに参加することも出てきます。
また、もう一つの問題は、少人数といっても、5、6人と7、8人とではコミュニケーションの密度に違いがあることです。
5人が3分ずつ話をすれば15分ですが、8人が3分ずつ話をすれば24分です。
10分と少しなら人の話を聞いているだけでも退屈しませんが、30分近く人の話を聞いているだけというのは結構退屈します。
そこで、考えたのは、少人数クラスでの授業を、その内部で更に同じぐらいの学年のいくつかのグループに分け、それぞれのグループごとに話をしていくことです。
これなら、密度の濃い話ができます。
そして、先生が一緒にいないときのグループは、どうするかというと、その間、決められた実習をするのです。
これは、ちょうど通学クラスでの授業と同じやり方です。
通学クラスでは、いろいろな学年の生徒が一度に集まります。
そして、それぞれの生徒が自分の作文の課題と取り組んでいるときに、先生が一人ずつ呼んで個別指導をします。
通学クラスの場合は、個別指導はあまり大きな声では行なえません。
話し声が聞こえると、勉強しているほかの子の邪魔になるからです。
しかし、オンラインのクラスであれば、そのクラスの中を分科会に分けて、その分室の中で自由に話ができます。
これがオンラインの、特にZoomの大きな長所です。
ところで、発表と交流をしていないときの実習は何をするかというと、作文クラスの場合はもちろん作文です。
自主学習クラスの場合は、国語、算数数学、暗唱です。
もちろん、このほかに読書もあります。
思考発表クラスは、これまでは特定の教材はありませんでしたが、今後は理科と社会にしたいと思っています。
これなら、発表と交流の勉強をしながら、作文、読書、国語、算数数学、暗唱(英語暗唱)、理科、社会の勉強もできるようになります。
オンラインの少人数クラスというのは、まだいろいろ発展の余地がありそうです。
オンラインクラスは、まだ始めたばかりで人数は多くありませんが、現在このような感じで行なわれています。
▽クラス一覧表
https://www.mori7.net/teraon/shlist.php
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反転授業というのは、家で勉強を行い、学校で発表と交流を行うという形の授業です。
オンラインクラスの場合は、どちらもいるのは家なのであまり反転している感じがありません。
それなら、反転にせずに、オンラインで発表も交流も勉強も全部行えばいいのではないかと思いました。
名付けて全転授業です(笑)。
静止摩擦係数は、動摩擦係数よりも大きいので、勉強でも仕事でも始めるときに大きな力が要ります。
だから、家庭でも、勉強を始めるときが難しいのです。
そこで、オンラインで発表と交流をしたあとに、そのまま勉強を始められるようにしました。
これなら、メールや電話による指示よりも、ずっと始めやすくなります。
そして、いったん始めればあとは自然に続くのです。
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受験作文の解説の例を載せました。
この解説を見てもわかるように、書く力、考える力以上に、よく出るテーマについて親子で話をして知識を増やしておくことが大事です。
そして、決め技は、作文の後半に書く「光る表現」です。
これも、その場で考えつくのではなく、普段の練習の中で自分なりのいい表現をストックしておくといいのです。
今回のテーマは、小学4年生ぐらいの子からでもそれなりに考えられることなので、家庭で話をしてみるといいと思います。
====
■問題
https://www.mori7.net/izumi/gazou/2017/9291020440.jpg
●解説
人に伝えることを目的とする文章なので、敬体で書く方がよい【8】。
第一段落は説明。
私が、美しいと思う日本語は、「いただきます」と「ごちそうさま」という言葉です。
第二段落は、詳しい説明。
「いただきます」は、食事の前にする挨拶のような言葉ですが、こういう挨拶は日本以外の国にはないと聞いたことがあります。【1】「ごちそうさま」は、同じく食事が終わったときにする挨拶ですが、これも習慣になっていて、誰も深い意味など考えずに使っています。それぐらい、日本の文化の中に定着している言葉です。
第三段落は、理由。
私が、この二つの言葉が美しいと思う理由は【2】、この言葉の中に、食事を作ってくれた人に対する感謝の気持ちがあるととともに、食事の材料やその材料を生み出した自然に対する感謝の気持ちがあると思うからです。【3】
私たちは、社会の中で【4】助け合って生きています。しかし、日々の生活の中では他人と競争するようなことも数多くあります。
そういう自分の利益だけを考えがちな生活から【5】、感謝の気持ちに戻してくれるのが、この食事のときの挨拶の言葉ではないかと思います。
第四段落は、まとめ。
言葉は、その国の文化を反映しています。【6】
日本の言葉は、日本の長い歴史の中で生まれてきた言葉ですから、ただ意味を伝えるだけでなく【7】、私たちの生きる姿勢も伝えていると思います。
これからも、こういう美しい言葉を大切にし、それを外国の人にも伝えていきたいと思います。
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こういう「日本語について」というようなテーマを、毎週子供がお父さんやお母さんと話していれば、考える力はかなりついてきます。
作文力の土台となっているものは、経験と読書と対話なのです。
「言葉」とか「日本語」とかいうテーマは、作文小論文の試験ではかなりよく出てきます。
だから、こういうテーマについて、1回でも書いたことがあれば、2回目以降はずっと書きやすくなります。
1回目は道を踏み分けながら書く感じですが、2回目からは踏み鳴らされた道を歩くような感じになるからです。
受験作文コースの先取りをするハイパー作文4.2週の解説です。
昨日、アップロードしたときに肝心の動画を載せていなかったことにあとで気が付きました。
動画は10分程度のものです。
これまでの経験上、10分以上の話をすると、子供たちは作文を書く気がなくなり、そのまま聞き続けるモードになってしまうからです。
ハイパー作文の授業は、寺オン作文少人数クラスの生徒向けのものです。
このクラスは、今年の受験生だけでなく、もっと下の学年の子もいます。
下の学年の子でも、こういう「日本語の美しさ」などというやや抽象的なテーマについて、家庭で親子で話す機会を作るといいのです。
こういう話に正解はありません。
正解のない話で、お父さんやお母さんが自分の体験をもとにできるだけ具体的な話をしていくと、子供はこの抽象的なテーマを自分の身近な話のように感じていくのです。
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これは、言葉の森の教室内部のことですが、現在、代表である中根がいろいろな作業を行っており、手続きが遅れたり十分なフォローができていなかったりするところがあるため、現状をお知らせしておくことにしました。
言葉の森の目的は、日本によりよい教育を作り上げることです。
それは大きく、次の四つの方向で行っていく予定です。
第一に、受験の教育から実力の教育へという方向です。
今の勉強の多くは、受験に合格するために間違えやすいことができるようになるところに力点が置かれています。本当の教育は、実力をつけるための教育です。
第二に、学校の教育から家庭の教育へという方向です。
これは、もちろん学校教育を否定するものではありませんが、小中学校の勉強のほとんどは、家庭学習でできるものです。そして、家庭で親子の対話をすることによって、子供は知識以外の多くのものを学びます。この家庭の教育力を生かした教育を行っていく必要があります。
第三は、点数の教育から文化の教育へという方向です。
今の教育は、点数がつけられるものを中心に行われています。しかし、人生で大事なものの多くは、点数のつかないところにあります。それは、例えば勇気だったり思いやりだったりするものです。
子供は、大人に要求されたことに応えて成長します。だから、大人がまず子供に点数のつかない部分の大切さを教えていく必要があるのです。
第四は、競争の教育から創造の教育へという方向です。
現在の教育は、競争に勝つことが目的になっています。それは、大人の社会が同じように競争に勝つことを主な目的として運営されてきたためです。
過去の社会では、競争が世の中を豊かにした面がありました。しかし、これからの社会では、競争よりも新しいものを作り出す創造の方が重要になります。
競争によって人の上に立つのではなく、創造によって独立した生き方をし、それが周囲も豊かにするという社会になっていきます。それに対応した教育を行う必要があります。
こういうことを随分前に考え、そのためにどうしたらいいかをずっと考えてきました。
そして、その結論として考えついたのは、オンラインで子供たちの教育を行い、それを担う人材を森林プロジェクトで養成するということでした。
そのオンラインの教育も、単に今の社会で普通に行われている知識中心の教育を代替するものではなく、作文教育という創造性を必要とする学習を中心に、どの教科にも創造的な要素を取り入れる方向で行っていこうと思ったのです。
そのときに参考になったのは、江戸時代の寺子屋教育でした。
寺子屋教育の特徴は、どの子も学べる方法で、誰もがのびのびと楽しみながら実力をつけ、家庭と地域に根ざした実践的な内容でありながら、高度な学力をつけることができ、しかも学力以外の文化力も育てるというものでした。
この寺子屋教育の本質を現代の科学技術の仕組みの中で実現することが、日本の教育や更には世界の教育をよりよいものにすることだと思ったのです。
ところで、私(森川林)は、作文教室を最初に始めたときから、自分でシステムのプログラムを組むようにしていました。
まだプログラミングのようなことが一般的になっていない初期のころから、独自にプログラムを作っていたので、その量も複雑さも今では半端なものではなくなっています。
いずれ、このシステム部門を専門的なところに引き継ぎたいと思っていますが、今のところは日常的なメンテナンスも含めてすべて自分がやらなければなりません。それは、仕組みがあまりにも独特で複雑になっているからです。
しかも、これは言い訳ですが、私はものごとを考えることが好きで、今の社会のいろいろな出来事をつい深く考えてしまうのです。
だから、日曜日などはほとんど朝からずっと考え事をしています。その考えている時間がいちばん楽しい時間で、今度の連休も今から楽しみにしているぐらいです。
しかし、この考えている時間が長いため、実務的な作業が、プログラミングのメンテナンスも含めてつい後回しになってしまうことが多いのです。
これが言い訳です。
さて、この春から、新しいオンライン教育の方向がはっきり見えてきました。
それは、今、寺子屋オンラインという名称で行おうとしているものですが、オンラインのウェブ会議システムを利用し、顔の見える少人数のクラスで、創造的で思考力を育てる教育を行い、それを森林プロジェクトのメンバーで支えるという方向です。
そして、ちょうど最近になって、教育界も知識の詰め込み教育から思考力を育てる教育という方向に大きく変わり、作文力や面接力がこれからの学力として重視されるようになってきました。
言葉の森は、日本でいちばん長く作文指導を続けてきた教室ですから、合格する作文を書く指導をすることなどは朝飯前です。それは、中学入試、高校入試、大学入試いずれも同じです。ただそれをあまり前面に出してこなかっただけです。
そこで、言葉の森の教育の理念を広げることを兼ねて、受験作文指導を、寺子屋オンラインという仕組みの中で行うことにしようと考えました。
受験作文と言っても、要するに、構成、題材、表現、主題、表記の各分野で内容の優れたものを書けるようにする勉強ですから、小学校低中学年の生徒は、コンクールに入選するような作文を書くことと同じです。
受験合格やコンクール入選が目的なのではなく、目的は、個性、知性、感性のある子供たちを育てることですが、その目的の延長に合格や入選という結果又は目標があるという関係です。
そのかわり、このハイパー作文指導には、保護者の協力が欠かせません。それは、まず作文に書く材料の段階で、よりよい準備ができていることが必要になるからです。
とは言っても、その協力は楽しいものになるはずです。やることは、子供と一緒にいろいろな経験をしたり、お喋りをしたりすることだからです。
そして、これは、親が子供を引っ張ってやらせるようなものにはなりません。というのは、少人数クラスの交流が勉強のスタイルになるので、子供たちがほかの人の作文の準備の取り組みを見て、自然に自分もよりよいものを準備しようという気になるはずだからです。
さて、今までは、作文指導の対象は主に日本国内の生徒でした。
海外の日本人の生徒からも作文を勉強したいというニーズはあるのですが、時差があること、郵送が簡単にできないこと、料金のやりとりが難しいことなどの障害があり、あまり海外に広げることをしてこなかったのです。
しかし、今後のウェブ会議を利用したオンライン指導であれば、指導の内容はかなりきめ細かくできるようになります。また、海外の森林プロジェクトの講師が増えれば時差の問題も解決します。更に、将来は仮想通貨によって海外との決済は今よりもずっと容易になります。
そして、ちょうど公立中高一貫校などが帰国子女枠で、海外生徒の作文受験を広げるようになってきました。
そこで、今後、平日の朝9時台、10時台も少人数クラスの指導ができるようにし、海外生徒もオンラインで作文を受講できる仕組みを作ることにしました。
ということで、先ほどの言い訳と同じですが、私の今の机上は、書類の山になっています(笑)。
新しい作文の本の出版なども、だいぶ前に頼まれていましたが、原稿が途中で止まったままでそちらも本当なら早急に再開しなければなりません。
プログラミングをやったことのある人ならわかると思いますが、システムを作り直すというのは、実に長い時間を取られます。自分で作ったシステムでありながら、時間がたつと最初から全部見直さなければ何がどうなっているのかわかりません。中断すると、また最初からやらなければなりません。
自分の中では、これはもう戦場状態だと割り切っていて、いろいろなミスや見落としがあっても、「あ、ごめん」で済まそうと思っています(笑)。済まされた人には申し訳ありませんが、そうでも考えないと話が先に進まないのです。
そして、たぶんあと何年か、又は何ヶ月かたつと、いろいろなことが軌道に乗ってきて、今のこの混乱状態が懐かしい思い出になるだろうと思っています。かなり気楽な考え方ですが。
そして、今世の中は、大きく変化しようとしています。
私は、これからやってくる社会の変化は、初期化という言葉で言い表せるのではないかと思っています。これまでの社会の古い仕組みが行き詰まり、小手先の改革では手の打ちようがなくなり、大きく根本から変えなければならなくなるのです。
ちょうど、徳川幕藩体制が行き詰まり明治維新が行なわれたような時代状況が、国際的に生まれてくるのだと思います。
そして、その初期化のあとにやってくる社会は、正常化という言葉で言い表せると思います。
インターネットの社会では、正しい情報が広まります。既にその兆候はありますが、それが更に加速され、社会の構成員の多くが、正確な情報とより妥当な見解を共有するようになるのです。
その新しい時代に、新しい教育を準備しておくことが、これからの言葉の森の役割だと考えています。勝手に自分の役割にするなと言われそうですが(笑)
ということで、言葉の森のこういう考え方に賛同される方は、ぜひfacebookグループの森林プロジェクトなどに参加され、いろいろな意見交換をしていけたらと思います。
森林プロジェクトは、作文講師資格講座を受講していない人も含めてどなたでも参加できます。
講師資格講座を受講した人のfacebookんグループは、森プロプロという名前で、こちらはもっと実践的な内容です。
いずれも、私がまだ運営をさぼっていますが、システム作りが一段落したら交流や研修にもっと力を入れていきたいと思います。
森林プロジェクトのみなさん、期待して待っていてください。
この記事に関するコメント
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ややとりとめない話になったかもしれませんが、言葉の森の現状を書きました。
未来は明るいが、現在はてんやわんやということです(笑)。
そして、これからはもっと面白い世の中になると思います。
一緒にがんばってやっていきましょう。
昨日、やっとシステム作りが一段落。
本当は、もう一つ大きな仕事があるのですが、それは連休にやることにして、しばらくは地道な仕事に取り組む予定です。
それが終わったら、お花見にでも行くかなあ。
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