今日は、「子供に読書をさせるには」ということで考えてみたいと思います。
まず大事なことは、何のために読書をさせるのかという目的を、大人がしっかり把握しているということです。
読書の目的がはっきりしていないと、次のような言い方になってしまいます。
「そんなに暇そうにしているなら、本でも読んだら」
こういう言い方では、子供は決して本を読むようにはなりません。(笑)
読書は、勉強の一つで、しかも勉強の中で最優先のものだと考えることが大切です。なぜなら、読書には四つの効用があるからです。
第一は、日本語力を身につけるということです。これは、広い意味での哲学、つまり思考力を育てることにつながります。
第二は、知識を身につけるということです。これは、広い意味での科学、つまり理科や社会も含めた科学の勉強につながります。
第三は、感性を育てる勉強になるということです。
第四は、読書によって、読書好きになるという力が育ちます。
もちろん、読書によってはカバーしにくい分野もあります。
一つは、数学です。数学は、日本語とは異なる独自の数学言語によって成り立っています。ですから、数学については独自に勉強する必要があります。しかし、読書で頭の構造化が進んでいれば、多少数学の勉強が遅れていてもすぐに追いつくことができます。
もう一つは、英語です。これも、日本語とは異なる独自の言語なので、独自に勉強する必要があります。しかし、これも日本語の読書によって読解力がついていれば、英語の読解力もより早くつくようになります。
このように考えると、読書の重要性がわかると思います。
食べ物には、玄米、卵、サツマイモなどのように完全栄養食品と呼ばれているものがあります。読書は、頭脳の完全栄養食品と言えるかもしれません。
しかし、漫画や雑誌は、食べ物で言えばお菓子にあたります。お菓子を食べ過ぎないことが、主食をしっかり食べるための条件になります。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
記事のもととなった構成図です。
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構成図をもとに音声入力した原稿を2倍速にしたものです。
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今日は、マインドマップ風構成図の効果について説明します。
構成図を書くことによって、文章の生産量がアップします。何しろ書く時間が早くなります。
私事ですが、日記を毎年1000枚弱書いています。ところが今年は、12月10日現在で2500枚ぐらいになっています。
これまで1200字程度の文章を書くときには、1時間ぐらい時間がかかるだろうという予想を立てていました。現在は、15分ぐらいで大体の見通しがつく、というようになっています。(この文章のマインドマップ風構成図は14分、音声入力が7分でした)。
また、構成図を書くようになってから、まとまった時間のとれないほんのわずかな時間でも書く気になれるようになったところが不思議です。これは、構成図によって、考えが煮詰まっていないことであっても、一応最後まで考え終わる展望が持てるようになったからです。
マインドマップ風構成図で書く文章は、作業の分割ができるので完成が早いという特徴があります。これまでの書き方は、考えながら文章を書くだけでしたが、構成図を書く書き方は、作業を三つの段階に分けることができます。一つは、構成図を書くことによって考える段階です。もう一つは、それを音声入力する段階です。最後は、音声入力したものを文章化する段階です。構成図のラフスケッチだけでも、とりあえずは完成した作品ができるので、とりかかりが早くなります。
さて、このマインドマップ風構成図のコツは、どういうところにあるのでしょうか。
言葉の森の中高生に書いてもらった構成図を参考に、気がついたことを五つ説明します。
第一は、書く前に判断して関連のあることだけを書く、というやり方はしないということです。自由奔放に判断を入れずに思いついたことをどんどん書くということが大事です。
第二は、できるだけ単語だけでは書かない、ということです。単語だけで書いたものは、考えが熟していないものですから、文章に組み込みにくくなります。これが従来のマインドマップとの違いになると思います。この違いは、日本語と英語の違いに起因しているように思います。
第三は、逆に長すぎる文章を書かない、ということです。一目で把握しにくいものは、素材として使いにくくなります。一目で読める短い文で書いていくことが大事です。
第四に、用紙を狭く使わないということです。A4の用紙の全画面を使うつもりで広くたくさん書いていきます。
第五に、かっちりと形式的に書かない、ということです。線の向きも九十度でしっかり書くのではなく、斜めの線も入れて自由に書いていくことが大事です。ただし、マインドマップのようにぐねぐねと書く必要はありません。また、線の太さを変える必要もありません。更に、絵をかく必要もありません。なぜかというと、時間がかかるからです。
しかし、これらはいずれも好みの問題ですから、ぐねぐねと線の太さを変えて絵を入れて書くのが好きな人は、そのように書いてももちろんかまいません。要するに、できるだけ制約なく自由に書くのがいいということです。
マインドマップ風構成図の本質は、脳の中にある思考を外化(がいか)することだと思います。外化するので、材料が操作しやすくなります。
外化する前の、脳の内側に思考の素材がある段階だと、目と手が使えません。短期記憶の狭い単眼鏡の筒を通して思考の素材を操作するような感じになります。外に出たものを目と手を使って操作することと、頭の中にあるものを記憶だけを頼りに操作することでは、能率が大きく違ってきます。
もちろん、次の二つの場合には、マインドマップ風構成図は必要ありません。
一つは、単純なことを書く場合です。小学生の出来事作文のような内容のものは、わざわざ構成図を書く必要はありません。書いてもマイナスではありませんが、構成図を書くことと作文の書くことの間にほとんど差がないので、ただ時間が二倍かかるだけになります。
もう一つは、自分が熟知していることを書く場合です。なぜかというと、既に頭の中に思考の構造ができているので、構成図を書かなくても、頭の中で整理されていることをそのまま文章にすることができるからです。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
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四行詩
イルカやゾウの賢さは、直感的、共感的なものだ。
サル科の動物の賢さは、外化的、操作的なものだ。
それは、サルが、離れた二つのものをつかめる両手と、それを見る前方についた両目を持っているからだ。
だから、マインドマップ風構成図は、サル科の人間にとってこそ有用なツールになる。
イルカは、構成図なんて要らない。
だから、……この先のダジャレはもう読まれていそう。(^◇^)
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ウェブ添削の試運転がスタートしました。
このウェブ添削は、理屈は簡単ですが、準備が大変でした。主なところでは、画像を自動縮小する、画像を自動回転する、ウィンドウズとマックのそれぞれに対応するページを作る、などです。更に、使い始めてから、IE6とIE7で表示に差があるということもわかってきました。
しかし、これまでのPDF利用は、今後は絶対にしないつもりです。なぜかというと、PDFはウェブ2.0にはならないからです。
PDFは単体で完成をめざしているソフトです。これは、ワードも似ています。つまり、HTMLの中に組み込むことができないということです。
こういうアプリケーションは、個人の仕事をする場合には便利です。しかし、最大の欠点は、共有ができないということです。他人と共有するためには、プリントアウトしてアナログ化しなければなりません。
これに対して、HTMLに組み込めるテキストやJPGは共有や再利用が可能です。しかし、HTMLの弱点は、仕様がアバウトすぎることです。しかも、日本語の縦書きやルビ付きに対応しているブラウザは、インターネットエクスプローラしかありません。サファリも、ファイアーフォックスも、グーグルクロムも、オペラも、全部だめです。今後は、中国のブラウザに期待するしかありません(笑)。本当は、日本が独自にブラウザを開発すればいいのですが。
このウェブ添削によって、作文2.0が可能になりました。これまでは、生徒と先生が単独で作文の勉強をする形でした。これからは、作文も指導も共有できるようになります。この結果、代講、振替、担当交代なども、更にスムーズにできるようになります。全生徒の勉強内容を、全講師がいつでもリアルタイムで論議できるというのが作文2.0です。
まだ、さまざまなブラウザの仕様に対応するために改良する点がかなり残っていますが、今後、日本初、世界初のウェブ添削を広げていきたいと思っています。
(この文章は、マインドマップ風構成図をもとに音声入力した原稿をテキスト化したものです)
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「日本の四重苦をどう克服するか」
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今日は、暗唱のコツを一つ説明したいと思います。
暗唱という勉強は初めてする人が多いので、覚えにくいやり方で勉強してしまうことも多いようです。また、親自身が子供のころ、暗唱という勉強をしたことがないので、子供に説明しにくいということもあります。これは、戦後、日本の文化から暗唱という勉強の伝統がいったんなくなってしまったからです。
暗唱の仕方は、朗読の仕方とは少し違います。朗読は、「、」や「。」で区切る読み方をします。これは、意味を理解しながら読む読み方です。逆に言うと、理解したつど記憶から消えていくような読み方をしているということです。文章をその場で噛み砕いて消化する読み方なので、読んだ文章は読んだ先から忘れてしまうのです。
暗唱は、朗読とは違い、抑揚なく早口で「、」や「。」で区切らずに読んだ方が読みやすくなります。つまり、意味を消化するよりも先に、文章をいったん丸ごと覚えるということを優先します。これは、落語の「寿限無(じゅげむ)」を覚えるのと同じような覚え方です。いったん覚えたあとは、いつでも思い出して意味を消化することができるので、まず覚えることを優先するということです。
昔は、五、六歳で四書五経を素読する練習をしました。また、貝原益軒は「百字を百回ずつ」読むことを提案しました。これらもすべて、覚えることを優先すれば、理解はそのあとについてくるという考え方をしていたためです。
マインドマップ風構成図
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笑い
「おばあちゃん、ジュゲムおしえて」
「はいよ。じゅげむじゅげむごこうのすりきれかいじゃりすいぎょのすいぎょうまつうんらいまつふうらいまつくうねるところにすむところ……」
「グー」
「やぶらこうじのやぶこうじぱいぽぱいぽぱいぽのしゅーりんがんしゅーりんがんのぐーりんだい……」
「スー」
「ぐーりんだいのぽんぽこぴーのぽんぽこなーのちょうきゅうめいのちょうすけー!」
「わっ、おどろいた。おばあちゃん、すごいね」
「寝てたのに」
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「Safariの短所、PDFの短所をなくすには」
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海外で受講されている生徒と、7月にファクス送信モニターに応募された生徒のみなさんを対象に、1月からウェブ添削を開始します。(一部、試験的に12月から開始しています)
このほかの一般の生徒のみなさんは、システムが安定的に運用できる見通しがつくまでご利用はお待ちください。
これまでは、ファクスで送られた原稿は、事務局で赤ペンを入れたあと、PDFファイルに変換して作文の丘にアップロードしていました。
これからは、ファクス原稿をJPGファイルに変換してアップロードします。このJPGファイルの作文画像に、担当の先生がウェブ上で赤ペンを入れるという形になります(12月中は、試験的に事務局で赤ペンを入れています)
また、JPGファイルのアップロードとともに、本文も一緒に送れるようにしました。本文はなくてもかまいませんが、空のままだとエラー表示が出ますので、「○月○週の作文を送ります」のような短い一言を一緒に送るようにしてください。
このウェブ添削は、これまでの郵送やファクスに取って代わる新しい作文送信システムです。
リアルタイムでカラーの手書き原稿を送ることができ、担当の講師がウェブ上で赤ペンを入れることができるというこの方法は、将来の作文通信添削の主流になると思います。(まだ添削の仕方などに慣れるまで時間がかかるので、教室の生徒全体に広げるのはしばらく先になります)
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「港南台のウインターイルミネーション」
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来春以降、実施することを考えている企画です。
1、通学教室を展開していきます。
これまでは、暗唱自習をノウハウ化していなかったので、通学教室は広げていませんでした。
しかし、言葉の森はもともと通学教室主体で運営していたので、通学教室の指導の蓄積はたっぷりあります。
通学教室のメリットは、生徒の勉強の敷居が低くなること、必要に応じて父母との面談が実施できることです。
今後、暗唱自習を取り入れながら、小規模の通学教室を全国に広げていく予定です。
2、中学生以上はマインドマップ風構成図の指導を取り入れていきます。
生徒のみなさんの中には、既に自分でマインドマップを使った書き方をしている人もいると思います。
通学教室でも、マインドマップ風構成図(以下、構成図)を書いてから作文を書くという方法によって、密度の濃い文章が早く書けるという効果が出ています。
今後、ノウハウを整理して、通信教室の中学生以上で構成図を書く練習を取り入れていく予定です。
3、3月末に作文検定試験
昨年3月末に実施したものと同じ作文検定試験を2009年3月にも実施します。
通信生は、自宅で試験を行うようになるため、正式の検定試験ではなく検定試験模試となります。
しかし、通信生でも、通学教室に来て検定試験を受ける場合は、正式の作文検定試験となります。
詳細は、3月に入りましたら、言葉の森新聞でお知らせします。
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これまで、言葉の森新聞で、長文暗唱の仕方を載せてきました。
これを見て、自宅で暗唱に取り組んでいる人の参考になるように、更に具体的な説明をします。
勉強のコツとして、いったん始めたことは最後までやり続ける、ということが大事です。始めたことを途中でやめると、子供は、始めたことを学習せずに、途中でやめたことを学習してしまうからです。
この長文暗唱は、これまでの音読よりもずっと面白いはずです。音読は、同じものを読むのが飽きるので継続しにくい面がありましたが、暗唱は、できなかったことが10分でできるようになるという手ごたえがあります。
また、暗唱は、読解力と作文力の実力向上により早くつながります。もちろん、より早くと言っても暗唱を始めてすぐに実力向上が目に見えるわけではありませんが、ほかの方法よりも確実に成果が上がります。
暗唱の代わりに、音読や読書でも実力はつきます。しかし、音読は毎日継続しにくいという面があります。また、読書は小学校高学年以降の多読が大事なのですが、多くの人は小学校高学年以降にだんだん読書量が減るという傾向があります。暗唱は、この音読と読書の不足をカバーし、更にそれ以上の効果をもたらすと思います。
以下、わかりやすく絵で説明をしていますが、絵が表示できない人のために、文章の説明を入れておきます。
「1枚目の図の説明」
1、暗唱の自習のために用意するものは、長文のコピー(課題フォルダのままでもよい)、10分間を計るタイマー(なくてもよい)、タイマーの代わりとなる回数カウンター(なくてもよい)、などです。
2、タイマーや回数カウンターがない場合、回数を数えやすくするために「正」の字を書くとか、おばあちゃんに数珠を借りるとかいう方法もありますが、もっと簡単に紙でカウンターを作ることができます(図解参照)
3、暗唱の分量は、1日100字(4行分)ぐらい、時間は10分ぐらい、時間ではなく回数で数える場合は30回ぐらいを目安としてください。
「2枚目の図の説明」
4、最初は、長文を見ながら、100字(4行分)を何度も音読します。この場合、ある程度早口で音読した方が覚えやすくなります。大体15回(4〜5分)で空で言えるようになると思います。
5、長文を見ないでも言えるようになったら、そのまま空で暗唱を続けます。大事なことは、長文を見てすらすら言えるようになるまでは、空で言おうとしないということです。つっかえたり考えたりしながら覚えようとすると、その「つっかえたり考えたり」を覚えてしまうので、かえってすらすらとした読み方を覚えにくくなるからです。
6、空で暗唱しているときは、歯磨きをしたり、お風呂に入ったり、ご飯を食べたりと、ほかのことをしながら暗唱を続けることができます。ですから、長文を見ながら暗唱する正味の時間は最初の4〜5分だけです。
7、長文を読み始めてから10分(30回)ぐらいで、すっかり暗唱できるようになります。
8、1日目に100字暗唱できるようになったら、それはもうそのまま何もせずに、2日目は新たに続きの100字を暗唱できるようにします。同様に、3日目、4日目と100字ずつ暗唱します。
9、5日目からは、4日間で覚えた400字分を通して暗唱します。6日目も7日目も同様です。
10、短時間の勉強は、毎日決まった時間にやる方が続けやすいので、原則として毎日暗唱する時間をとるようにします。
このようにして、毎日の暗唱を続けていくと、途中から自分でも頭がよくなっていく感じがつかめるようになると思います。
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早速息子に暗唱させてみました。
すらすら言えるようにするまでがまず一苦労なのですが、ただ長文を読むだけとは違って、目的があるせいか、目を輝かせて取り組んでいます。頭が輝くようになるにはまだしばらくかかりそうですが、目が輝くようになっただけでも十分だと思っています。
それから、息子に、チラシを折りながら数える方法を教えてみたのですが、面倒がってなかなかやらないので、この方法はボツになりました。とりあえずは、台所にあったタイマーを使っています。
チラシを折って覚える方法は、実は、暗唱することと同じぐらい大事です(笑)。
なぜかというと、こういう経験を積み重ねることで、自力で何かをするという姿勢が身につくと思うからです。
暗唱ができるようになると、最初はお母さんも褒めますが、この褒め言葉を最初のうちだけで終わらせずに、これからも飽きずにずっと続けていってください。
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