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記事 3321番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2025/1/1
答えのない勉強としての読書――子供の読書生活をどう発展させるか(その2) as/3321.html
森川林 2018/05/26 17:03 

 答えのない勉強としての読書をどう進めるかということについて、第二の重要な読み方となるのが多読です。

 読書は、毎日読むだけでなく、できるだけたくさん読むことが大切です。
 毎日10ページ読めばいいというのではなく、たくさん読めればその方がいいのです。
 毎日1時間読む子と、毎日10分しか読まない子との読書量の差は、1年間に直せば約300時間です。

 勉強でついた差は、集中学習をすればすぐに追いつきますが、読書でついた差はまず追いつきません。
 それどころか、年々その差は広がっていきます。
 これが、あとになって学力の決定的な差になっていくのです。

 では、どのくらい読んだらいいかというと、目安は学年の10倍ページです。
 小1は10ページ、小2は20分ページ、そして、小5以上は毎日50ページ以上読むというのが目安です。
 これは、大学生になっても、社会人になっても同様で、勉強や仕事が忙しくても、毎日50ページ以上は何かの本を読んでいくといいのです。
 毎日50ページ読むと、平均して週に2冊程度の本を読み終えます。
 これが、多読の基準です。

 子供たちの多読を妨げているものの一つが勉強のし過ぎです。
 勉強は、答えのある界なので点数という結果が出ます。
 そのために、限られた時間で、勉強と読書の両方をやる必要があった場合、勉強を優先させてしまう人が多いのです。

 ところが、本当は、小学生にとっては勉強よりも読書の方がずっと大切です。
 勉強は基礎ができていればいいのであって、基礎以上に難しい応用問題に対してもよい成績を取るということは、小学生には必要ありません。
 成績をあげる勉強をするよりも、その時間を読書や自由な遊びの時間に充てた方が、本当の学力がつきます。
 小学校低中学年のときの成績は、高学年や中高生になると、簡単に逆転します。
 しかし、それがわかるのは、学年が上がってからです。
 小学生時代は、読書が先で、勉強があとと考えておくといいのです。

 多読を妨げるもう一つのものは、ためになる本を読ませようとして、かえって読書量を減らしてしまうことです。
 子供がまだ興味を持てないような本を、よい本だからという理由で読ませようとすると、その結果読む量が減ります。

 よい本を読むこととたくさんの本を読むことを両立させるためには、本に付箋を貼るなどして、何種類かの本を並行して読めるようにすることです。
 小学生の間は良書を読むことよりも、良書を読むこともそうでない本を読むこともも含めて、たくさんの本を読むことが大切です。
 たくさん読むということの中には、同じ本を何度も読むことも含みます。
(つづく)

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森川林 20180526  
 宿題が多すぎて本を読む時間がないという人が時どきいます。
 そういう宿題は、お母さんが代わりにやってあげればいいのです。
 これは、冗談でも何でもなく、本を読む時間が取れないような小学校生活はおかしいのだという常識を持つことが大切です。



nane 20180526  
同じ本を何週間も読んでいる子がいます。
それは、その本がつまらないということです。
そのつまらない本と並行して、もっと面白い本も読んでいくといいのです。
本は1冊ずつ読むものではなく、何冊も並行して読んでいっていいのです。

森川林 20180526  
多読という言葉はやや曖昧なので、基準を学年の10倍ページとするといいと思います。小1は10ページ、小2は20ページ、そして小5は50ページ以上です。
大人も場合も、毎日50ページ以上読むというのが、読書生活の目安になると思います。
毎日50ページ読むと、1週間に平均して2冊の本を読み終えます。これは、現在の小学生の平均読書量です。


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答えのない勉強としての読書――子供の読書生活をどう発展させるか(その1) as/3320.html
森川林 2018/05/25 05:18 

 読書は、作文と同じように、答えのない勉強です。
 これが、算数の計算問題や国語の漢字書き取り問題など答えのある勉強と違って、一律の取り組みというものを難しくさせています。
 読書も、作文も、その子の個性が関係する勉強なのです。

 答えのある勉強が客観的な基準を持っているのに対して、答えのない読書には、これがよいと言えるものがありません。
 その反対に、こういうことはよくないということを、それぞれの子供に応じて言うことはできます。
 その子に応じた読書が必要になるので、ある子にはAがよいと言い、ある子にはBがよいと言うことがあるのです。


 どういう読書が大切かということについて、大きく四つのことが言えます。
 しかし、この四つを全部やればよいということではなく、それぞれの子供の読書力の状態に応じて、重点を決めていく必要があります。

 第一は、毎日読むということです。
 読書は習慣になるものなので、毎日本を読む時間があれば、それが生活の一部として無理なく続けられるようになります。
 しかし、読まない日が2、3日続くと、そのまま本を読まない生活が習慣になってしまうことが多いのです。

 したがって、どんなに本が苦手な子であっても、最初の出発点とするのは、毎日10ページ以上を読むということなのです。


 読書が苦手な子でも、10ページという基準は苦になりません。
 そして、毎日欠かさずに10ページ読んでいるうちに、あるとき、ふとその本の内容に引かれて10ページ以上読み、そのまま最後まで読んでしまうというようなことが出てきます。
 そこから、読書の面白さということに目覚めるのです・

 この、毎日10ページ以上必ず読むという読み方が、読書生活の出発点です。
 どんな本を読ませたらいいかということよりも、毎日10ページは読むということが最も大切なことなのです。

 しかし、ここで大きく誤解する人が出てきます。
 それは、毎日10ページ読んでいるから、それで十分だと考えてしまう人がいることです。

 毎日10ページという基準は、最初の出発点なのであって、それがゴールなのではありません。
 毎日読むというところから、それぞれの子供の読書力に応じて、読書を発展させていく必要があります。
 それが、以下に述べる、第二、第三、第四の読み方です。
 それは、多読、復読、難読という読み方です。
(「難読」というのは、難しい本を読むという意味の造語です。)
(つづく)

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森川林 20180525  
 勉強の差は点数ですぐに見えますが、読書の差というものは見えません。
 しかし、勉強の差は大きく見えても、やればすぐに追いつくものですが、読書の差は目立たないように見えても、どんどん広がっていくものなのです。
 だから、家庭では、子供の読書生活を発展させることを第一に考えていくことです。
 宿題が多くて読書の時間が取れないなら、宿題はお母さんがやってやり、子供には読書をさせることです。
 それぐらい、今の子供たちは、わけのわからない勉強で忙しいのです。


nane 20180525  
 「勉強は成績をよくするが、読書は頭をよくする。」
 これが、これからの子育ての標語です。
 勉強の差は、どんなに大きく見えても、集中勉強をすればすぐに追いつきますが、読書の差はいったんついたら、集中読書ぐらいではもう追いつきません。
 それぐらい、読書力は本質的な学力なのです。


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寺子屋オンライン通信2018年5月 as/3319.html
森川林 2018/05/24 16:18 

 言葉の森では、今後必要になる学力というものを考えて、この春から、作文と学習のオンライン少人数クラスを立ち上げました。
 しかし、これまでの既存のオンラインのクラスにつなげる形でシステムを作ったので、わかりにくい面が多かった思います。

 そこで、5月13日に、言葉の森のオンライン学習をまとめた「寺子屋オンライン案内」の内容を更新しました。
寺子屋オンライン案内

 これまで特に問題なくオンラインのクラスに参加されていた方は、これらの「案内」を改めてお読みいただく必要はありませんが、やり方がまだよくわからないという方は、ひととおり目を通してくださるようお願いいたします。

 なお、今回の「寺子屋オンライン案内」の更新で、次の点にこれまでと異なるところがありますので、ご確認くださるようお願いいたします。

■寺オン作文コース、学習発表コース(旧思考発表クラブ)の生徒向け

1.従来の思考発表クラブは、「発表学習コース」という名称にしました。
 内容は、これまでと同じ、作文構想図、読書紹介、自由な経験発表などです。
 なお、ここに、国語・算数・暗唱・理科などの勉強の発表も入れられるようにしています。授業の動画は、Google+コミュニティの資料室に入れてあります。

2.少人数の作文のクラスは、「寺オン作文コース」という名称にしました。
 まだ、学年が混在していますが、参加者が増えるにつれて、同学年に近い生徒で編成し直していきます。

3.1クラスの人数の上限は、今後は6名とします。
 既に7名のところは、そのまま運営していきますが、参加希望者が増えれば、6名上限としてクラス編成を行います。

4.1クラスの人数が6名以内であれば柔軟な運営ができるので、一部のクラスは、作文クラスと学習クラスの合同クラスとします。(クラス一覧表で同じ時間帯に[作文][学習]の両方が書いてあるクラスです。)

5.クラスの人数が固定してきますので、これから振替授業の参加は原則としてできなくなります。
 作文クラスの振替は電話指導でお願いします。言葉の森にお電話いただければ、すぐその場で振替ができます。
 学習クラスは、生徒数が多くなると振替ができなくなりますので、将来は、個別オンラインの自主学習コースで振替ができるようにする予定です。

6.1クラスの人数の下限は3名とします。現在2名のクラスは、そのまま運営していきます。
 ただし、今既にある人数の多いクラスに移動したいという方は、クラス一覧表を参考にして変更の希望をご相談ください。

7。寺オン作文コースや発表学習コースの作品アップロードの仕方などがわかりにくいという方は、「案内」に載せた動画の説明もごらんください。

8.週1回の発表学習はできるが、毎日の家庭での自学自習がなかなかできないという方は、発表学習クラスに加えて、個別指導の自主学習クラスへの参加もご検討ください。2回の無料体験学習ができます。

■自主学習コースの生徒向け

1.自主学習クラスで勉強している方で、ひとりだけの勉強ではやる気が出ないと思われる方は、自主学習クラスに加えて、発表学習クラスへの参加もご検討ください。2回の無料体験学習ができます。

2.毎月4週は、今後、保護者面談とまとめテストを行う定です。
 既にそういうご連絡を差し上げていましたが、体制が整っていないためにに一部しか対応ができていませんでした。

■オンライン作文コースの生徒向け

1.オンライン作文コースは、先生とマンツーマンでZoomの画面で話ができるという点がが特徴です。
 しかし、それだけではものたりないという方は、寺オン作文コースという少人数クラスの体験も2回できます。
 クラス一覧表をごらんになり、ご希望の曜日時間がある場合はご相談ください。

■オンラインの全コーズ共通

1.どのクラスの方も、欠席や遅刻は必ずご連絡ください。
 出席は保護者の方が必ず確認していただき、生徒が連絡なく休んだり遅刻したりすることのないようにお願いします。
 まだウェブからの連絡フォームができていませんので、ご連絡は電話で言葉の森までお願いします。

2.ご意見やご質問は、保護者掲示板のほかに、facebookグループ「言葉の森と家庭学習」でも受け付けています。
 また、寺オン作文コースと発表学習コースは、今後できるだけ毎回ミニ懇談会を行っていきます。
 懇談会の出席は自由ですので、ご負担の範囲でご参加ください。

3.7月21日から7月29日まで、2泊3日(連泊可)で「読書作文キャンプ」を行います。
 場所は、那須の言葉の森合宿所です。(現那須塩原駅集合、那須塩原駅解散)
 参加を希望される方は、言葉の森のホームページから仮予約をお申し込みください。
https://www.mori7.com/stg/stg_list.php

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