5月26日に音声入力講座を行いました。その動画の記録(一部)を紹介します。
音声入力の方法をマスターすると、作文を書く際の負担が大幅に軽減します。
それは、1200字の作文でも、10分程度でとりあえず書くことができるからです。
音声入力でテキスト化された文章を手直しする時間があるとしても、それはほとんど苦になりません。
手直しは、単なる作業としてできるからです。
大事なのは作文の中身であって、どういう方法で書くかということではありません。
作文を書く前の構想図の段階でしっかり考えを深めていれば、あとはどのような方法で書いてもいいのです。
だから、自分の最もやりやすい能率のよい方法で書いていくといいのです。
ところで、構想図を書くのは、もちろん手書きです。
考えを深めるためには、紙とペンによる手書きという組み合わせが今のところ、最も自然だからです。
しかし、ソクラテスの時代には、対話が思考を深める方法だったようですから、そういう方法もいずれは開発されるかもしれません。
今のところは、構想図を書くために、親子で対話をするということでやっていくといいと思います。
https://youtu.be/qC_g7rg11eg
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言葉の森が、子供たちの作文にパソコン入力を取り入れたのは、20年ほど前でした。今でもそのこのろ子供たちの作文がネットに残っています。
https://www.mori7.net/hana/
そのころは、ワープロ入力をすることが仕事として成り立ち始めた時期でした(笑)。
今はもうそういう仕事はありませんが。
しかし、世の中に次第にパソコン入力が普及し出したころ、言葉の森では、パソコン入力はやめて、手書きに戻したのです。
それは、構想図を書くという考える作業は、手書きでないとできないと思ったからです。
手書きは数千年の歴史がありますが、パソコン入力は百年の歴史もありません。
人間の思考と手書きは、長い伝統に支えられているのです。
しかし、手書きよりももっと長い伝統を持つものがありました。
それが、口頭で話をすることです。
音声入力は、新しいことのように見えますが、実は手書きよりもずっと人間の思考になじんだものなのです。
そして、その後、テレパシーの時代になるかどうかはわかりませんが(笑)。
手書きをもっと速く楽にしたいという思いから、行書や草書や速記が生まれました。
パソコン入力をもっと速く楽にしたいという思いから、さまざまな入力法が考案されました。
今は、人工知能の力によって音声入力ができるようになりました。しばらくは、音声入力の方法が発展していくでしょう。
しかし、音声入力の先にあるものがあるのです。
それが、四行詩の世界です。
四行詩は、1200字の作文を、四行にまとめて表すという方法です。
昔で言うと、短歌の世界です。
文章は速く書ければいいというのではなく、できるだけ短く美しく書くことの方が大事だからです。
その四行詩に四コマ漫画を組み合わせたものが、将来の文章表現のひとつのジャンルになると思います。
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答えのない勉強としての読書をどう進めるかということについて、第二の重要な読み方となるのが多読です。
読書は、毎日読むだけでなく、できるだけたくさん読むことが大切です。
毎日10ページ読めばいいというのではなく、たくさん読めればその方がいいのです。
毎日1時間読む子と、毎日10分しか読まない子との読書量の差は、1年間に直せば約300時間です。
勉強でついた差は、集中学習をすればすぐに追いつきますが、読書でついた差はまず追いつきません。
それどころか、年々その差は広がっていきます。
これが、あとになって学力の決定的な差になっていくのです。
では、どのくらい読んだらいいかというと、目安は学年の10倍ページです。
小1は10ページ、小2は20分ページ、そして、小5以上は毎日50ページ以上読むというのが目安です。
これは、大学生になっても、社会人になっても同様で、勉強や仕事が忙しくても、毎日50ページ以上は何かの本を読んでいくといいのです。
毎日50ページ読むと、平均して週に2冊程度の本を読み終えます。
これが、多読の基準です。
子供たちの多読を妨げているものの一つが勉強のし過ぎです。
勉強は、答えのある界なので点数という結果が出ます。
そのために、限られた時間で、勉強と読書の両方をやる必要があった場合、勉強を優先させてしまう人が多いのです。
ところが、本当は、小学生にとっては勉強よりも読書の方がずっと大切です。
勉強は基礎ができていればいいのであって、基礎以上に難しい応用問題に対してもよい成績を取るということは、小学生には必要ありません。
成績をあげる勉強をするよりも、その時間を読書や自由な遊びの時間に充てた方が、本当の学力がつきます。
小学校低中学年のときの成績は、高学年や中高生になると、簡単に逆転します。
しかし、それがわかるのは、学年が上がってからです。
小学生時代は、読書が先で、勉強があとと考えておくといいのです。
多読を妨げるもう一つのものは、ためになる本を読ませようとして、かえって読書量を減らしてしまうことです。
子供がまだ興味を持てないような本を、よい本だからという理由で読ませようとすると、その結果読む量が減ります。
よい本を読むこととたくさんの本を読むことを両立させるためには、本に付箋を貼るなどして、何種類かの本を並行して読めるようにすることです。
小学生の間は良書を読むことよりも、良書を読むこともそうでない本を読むこともも含めて、たくさんの本を読むことが大切です。
たくさん読むということの中には、同じ本を何度も読むことも含みます。
(つづく)
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宿題が多すぎて本を読む時間がないという人が時どきいます。
そういう宿題は、お母さんが代わりにやってあげればいいのです。
これは、冗談でも何でもなく、本を読む時間が取れないような小学校生活はおかしいのだという常識を持つことが大切です。
同じ本を何週間も読んでいる子がいます。
それは、その本がつまらないということです。
そのつまらない本と並行して、もっと面白い本も読んでいくといいのです。
本は1冊ずつ読むものではなく、何冊も並行して読んでいっていいのです。
多読という言葉はやや曖昧なので、基準を学年の10倍ページとするといいと思います。小1は10ページ、小2は20ページ、そして小5は50ページ以上です。
大人も場合も、毎日50ページ以上読むというのが、読書生活の目安になると思います。
毎日50ページ読むと、1週間に平均して2冊の本を読み終えます。これは、現在の小学生の平均読書量です。
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読書は、作文と同じように、答えのない勉強です。
これが、算数の計算問題や国語の漢字書き取り問題など答えのある勉強と違って、一律の取り組みというものを難しくさせています。
読書も、作文も、その子の個性が関係する勉強なのです。
答えのある勉強が客観的な基準を持っているのに対して、答えのない読書には、これがよいと言えるものがありません。
その反対に、こういうことはよくないということを、それぞれの子供に応じて言うことはできます。
その子に応じた読書が必要になるので、ある子にはAがよいと言い、ある子にはBがよいと言うことがあるのです。
どういう読書が大切かということについて、大きく四つのことが言えます。
しかし、この四つを全部やればよいということではなく、それぞれの子供の読書力の状態に応じて、重点を決めていく必要があります。
第一は、毎日読むということです。
読書は習慣になるものなので、毎日本を読む時間があれば、それが生活の一部として無理なく続けられるようになります。
しかし、読まない日が2、3日続くと、そのまま本を読まない生活が習慣になってしまうことが多いのです。
したがって、どんなに本が苦手な子であっても、最初の出発点とするのは、毎日10ページ以上を読むということなのです。
読書が苦手な子でも、10ページという基準は苦になりません。
そして、毎日欠かさずに10ページ読んでいるうちに、あるとき、ふとその本の内容に引かれて10ページ以上読み、そのまま最後まで読んでしまうというようなことが出てきます。
そこから、読書の面白さということに目覚めるのです・
この、毎日10ページ以上必ず読むという読み方が、読書生活の出発点です。
どんな本を読ませたらいいかということよりも、毎日10ページは読むということが最も大切なことなのです。
しかし、ここで大きく誤解する人が出てきます。
それは、毎日10ページ読んでいるから、それで十分だと考えてしまう人がいることです。
毎日10ページという基準は、最初の出発点なのであって、それがゴールなのではありません。
毎日読むというところから、それぞれの子供の読書力に応じて、読書を発展させていく必要があります。
それが、以下に述べる、第二、第三、第四の読み方です。
それは、多読、復読、難読という読み方です。
(「難読」というのは、難しい本を読むという意味の造語です。)
(つづく)
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勉強の差は点数ですぐに見えますが、読書の差というものは見えません。
しかし、勉強の差は大きく見えても、やればすぐに追いつくものですが、読書の差は目立たないように見えても、どんどん広がっていくものなのです。
だから、家庭では、子供の読書生活を発展させることを第一に考えていくことです。
宿題が多くて読書の時間が取れないなら、宿題はお母さんがやってやり、子供には読書をさせることです。
それぐらい、今の子供たちは、わけのわからない勉強で忙しいのです。
「勉強は成績をよくするが、読書は頭をよくする。」
これが、これからの子育ての標語です。
勉強の差は、どんなに大きく見えても、集中勉強をすればすぐに追いつきますが、読書の差はいったんついたら、集中読書ぐらいではもう追いつきません。
それぐらい、読書力は本質的な学力なのです。
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言葉の森では、今後必要になる学力というものを考えて、この春から、作文と学習のオンライン少人数クラスを立ち上げました。
しかし、これまでの既存のオンラインのクラスにつなげる形でシステムを作ったので、わかりにくい面が多かった思います。
そこで、5月13日に、言葉の森のオンライン学習をまとめた「寺子屋オンライン案内」の内容を更新しました。
寺子屋オンライン案内
これまで特に問題なくオンラインのクラスに参加されていた方は、これらの「案内」を改めてお読みいただく必要はありませんが、やり方がまだよくわからないという方は、ひととおり目を通してくださるようお願いいたします。
なお、今回の「寺子屋オンライン案内」の更新で、次の点にこれまでと異なるところがありますので、ご確認くださるようお願いいたします。
■寺オン作文コース、学習発表コース(旧思考発表クラブ)の生徒向け
1.従来の思考発表クラブは、「発表学習コース」という名称にしました。
内容は、これまでと同じ、作文構想図、読書紹介、自由な経験発表などです。
なお、ここに、国語・算数・暗唱・理科などの勉強の発表も入れられるようにしています。授業の動画は、Google+コミュニティの資料室に入れてあります。
2.少人数の作文のクラスは、「寺オン作文コース」という名称にしました。
まだ、学年が混在していますが、参加者が増えるにつれて、同学年に近い生徒で編成し直していきます。
3.1クラスの人数の上限は、今後は6名とします。
既に7名のところは、そのまま運営していきますが、参加希望者が増えれば、6名上限としてクラス編成を行います。
4.1クラスの人数が6名以内であれば柔軟な運営ができるので、一部のクラスは、作文クラスと学習クラスの合同クラスとします。(クラス一覧表で同じ時間帯に[作文][学習]の両方が書いてあるクラスです。)
5.クラスの人数が固定してきますので、これから振替授業の参加は原則としてできなくなります。
作文クラスの振替は電話指導でお願いします。言葉の森にお電話いただければ、すぐその場で振替ができます。
学習クラスは、生徒数が多くなると振替ができなくなりますので、将来は、個別オンラインの自主学習コースで振替ができるようにする予定です。
6.1クラスの人数の下限は3名とします。現在2名のクラスは、そのまま運営していきます。
ただし、今既にある人数の多いクラスに移動したいという方は、クラス一覧表を参考にして変更の希望をご相談ください。
7。寺オン作文コースや発表学習コースの作品アップロードの仕方などがわかりにくいという方は、「案内」に載せた動画の説明もごらんください。
8.週1回の発表学習はできるが、毎日の家庭での自学自習がなかなかできないという方は、発表学習クラスに加えて、個別指導の自主学習クラスへの参加もご検討ください。2回の無料体験学習ができます。
■自主学習コースの生徒向け
1.自主学習クラスで勉強している方で、ひとりだけの勉強ではやる気が出ないと思われる方は、自主学習クラスに加えて、発表学習クラスへの参加もご検討ください。2回の無料体験学習ができます。
2.毎月4週は、今後、保護者面談とまとめテストを行う定です。
既にそういうご連絡を差し上げていましたが、体制が整っていないためにに一部しか対応ができていませんでした。
■オンライン作文コースの生徒向け
1.オンライン作文コースは、先生とマンツーマンでZoomの画面で話ができるという点がが特徴です。
しかし、それだけではものたりないという方は、寺オン作文コースという少人数クラスの体験も2回できます。
クラス一覧表をごらんになり、ご希望の曜日時間がある場合はご相談ください。
■オンラインの全コーズ共通
1.どのクラスの方も、欠席や遅刻は必ずご連絡ください。
出席は保護者の方が必ず確認していただき、生徒が連絡なく休んだり遅刻したりすることのないようにお願いします。
まだウェブからの連絡フォームができていませんので、ご連絡は電話で言葉の森までお願いします。
2.ご意見やご質問は、保護者掲示板のほかに、facebookグループ「言葉の森と家庭学習」でも受け付けています。
また、寺オン作文コースと発表学習コースは、今後できるだけ毎回ミニ懇談会を行っていきます。
懇談会の出席は自由ですので、ご負担の範囲でご参加ください。
3.7月21日から7月29日まで、2泊3日(連泊可)で「読書作文キャンプ」を行います。
場所は、那須の言葉の森合宿所です。(現那須塩原駅集合、那須塩原駅解散)
参加を希望される方は、言葉の森のホームページから仮予約をお申し込みください。
https://www.mori7.net/stg/stg_list.php
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日大アメフト部の事件が問題になっていますが、ここで親が考えなければならないことは、こういう場面は長い人生の中では誰にでもあり得るということです。
そのときの子供の選択を決めるのは、幼少期の子育ての中で親が伝えたものしかありません。
今の世の中は、学校も社会も文化も、こういう肝心の教育については何も関与しません。
だから、親だけが子供に、「損の道か、得の道か迷ったら、損の道を行け」と教えることができるのです。
いつか日本の社会全体が、そういう本来の日本の文化を取り戻すと思います。
しかし、今は、家庭だけが日本文化を継承する場所になっています。
「葉隠」の中にある一節も同じことと伝えています。
それは、生きるか死ぬか迷ったら死を選べということです。
ここにあるのは、損得や生死を超えたもっと大きなものがあるという人生に対する信頼感です。
そういうものを子供時代に伝えるのが、親の役割なのだと思います。
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成績を上げるとか、体力をつけるとかいう教育は誰でもできます。
親だけができる教育が、文化を伝える教育です。
今のメディアが流す文化の多くは目先の話が中心です。
子供に遠くを見る目を教えるのが、親の役割です。
日本のロケットの父と言われる糸川英夫氏が、高校3年生のとき、音楽にするか理科にするか進路の選択に迷い母親に相談したところ、母の言ったひとことは、「自分の好きな方を選べ。しかし、入試の難易度で決めるな」という言葉だけでした。
親が言うのは、損か得かということではないのです。
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先日、中学生の生徒の保護者から、子供が学校の勉強が忙しく作文を書く時間がなかなか取れないという相談を受けました。
そこで、音声入力の講座を開くことにしました。
音声入力というと、多くの人は、口で話すようなやり方で、作文と同じようなことを書くのは難しいのではないかと言います。
確かに、話すのと同じようなスピードで作文を書くというのは、よほどその内容をよく知っているのでなければ難しいと思います。
文章というものは、書きながら考えるという面があるので、どうしてもスピードが遅くなります。それは、話すスピードとはかなり違うのです。
だから、音声入力で作文を書くコツの第一は、考えるスピードで話すということです。
たとえて言うと、日本の政治家の中に、「えー、……、あー、……、うー」というようなきわめてゆっくり話をする人がいます。それは、考えて言葉を選びながら話しているからだと思います。
ちょうどそのような話し方で、文と文の間に間を置きながら、次の言葉を選んで話していくのです。「あー」「うー」は入れません。
そのように考えながら話すやり方だと、スピードは1分間で100字程度になります。
普通の朗読は1分間で400字ですから、朗読の4分の1の速さでゆっくり話すというのが音声入力のコツになります。
もちろん、書く内容が既にすっかり頭に入っている場合は、1分間400字でも書けます。
1分100字(10分1000字)のスピードは、パソコン入力をかなり速く打つのと同じぐらいの速さです。
パソコン入力スピード認定試験というものがあり、4級が10分200字、初段が1000字、5段が2000字だそうですから、音声入力のゆっくり読みが初段と同じぐらいで、やや速く読むのが5段ぐらいになるのだと思います。
音声入力の第二のコツは、簡単な構想図を書いて話をするということです。
手で書く文章の場合は、自分が書いたものを読みながら書き進めることができるので、文章全体の構成と、自分がこれから書こうとうする文の関係がわかります。
しかし、音声入力の場合は、それまで自分が読んだ文章の全体が見えないので、文章全体の構造がわかりにくくなります。
ただし、1200字程度の文章であれば、書こうとする内容の全体像が頭に入るので、特に構想図のようなものがなくても書くことはできます。
しかし、将来、より長い文章を音声入力で書くことを考え、音声入力の準備として簡単な構想図を書いておくといいのです。
ところで、この自分が音声入力したものの全体が見えないというのは、後戻りをしないという点で音声入力の長所と考えてもよいと思います。
作文を書くのが遅い人は、少し書いては読み返し、消しゴムで消してまた書いて、というような書き方をしていることが多いからです。
さて、音声入力をしていると、作文試験など手で書くときに困るのではないかと言う人もいると思います。
これは、作文試験の3か月ほど前から手書きに戻して練習していくということで対応できます。
音声入力の意外な利点は、どこでも作文が書けるということにあります。
例えば、家から駅まで徒歩10分だとしたら、その道を歩きながら1000字の作文が書けます。
ただし、これは書く内容があることが前提になりますから、大事なことは作文以前に、読書、対話、思考の時間を十分に取っておくことです。
そして、その準備の上に、これまで1時間かけて書いていた作文を、10分で仕上げていくようにすればいいのです。
しかし、歩き作文は、そのうち問題になりそうですから(笑)、あまり勧めません。
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音声入力のいちばんの利点は、書くことが速くなることよりも、書く際の負担が少なくなることにあります。
高学年や中高生の難しい作文課題になると、書き出すのに、気合いのようなものが必要になります。
そのために、作文の勉強を後回しにして、結局書けなくなってしまうことがあるのです。
音声入力という方法を知っていれば、とりあえず10分あれば最後まで作文が書けるので、気軽に始めることができます。
この気軽に書き出せるということが重要なのです。
大事なことは、書くという作業ではなく、それ以前の考える過程だからです。
AIによって音声認識が実用可能なものになったとすれば、次に来るのはAIによる手書き認識です。
手書きの文章とテキスト化された文章のセットが大量にあれば、すぐに実用化レベルになります。
すると、入学試験に作文小論文が本格的に取り入れられるようになるはずです。
それを、森リンのような自動採点ソフトで採点します。
実は、そういうソフトをわざわざ使わなくても、あるテーマで1時間で1200字書けるかどうかだけで評価をしても、試験として十分に使えます。
字数と実力の相関はかなり高いからです。
特に、異なるテーマで作文試験を2回か3回行えば、実力ははっきり出ます。
3種類の異なるテーマの作文を、いずれも1200字書くというのは、作文の実力がなければできないからです。
そして、入学試験は、辞書でもスマホでも、何を持ち込んでも可となりますから、漢字の問題や計算の問題はなくなります。
(本当は入学試験そのものもなくなるのですが、それはもう少し先の話です。)
こういうことをまだずっと先の話だと思っている人が多いと思いますが、私は早ければ来年あたりからでもできることだと思っています。
子供の勉強を考える場合、こういう先の見通しを持っておくことが大事です。
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言葉の森は、作文の勉強をする日本で最も長い伝統を持つ教室ですが、単に作文を書く力をつけるだけではありません。
作文力とともに、次のような力もつけられるのです。
◆暗唱力がつき、覚える勉強が楽にできるようになる――暗唱検定と暗唱チェック
◆読書力がつき、よりレベルの高い本を読むようになる――オンラインの読書紹介
◆親子の対話が盛んになり、話す力、聞く力がつき、語彙が増える――作文の予習シート、構想図発表
◆受験作文力がつき、中学入試、高校入試、大学入試、就活で役立つ――受験作文コース
◆読解力がつき、国語の勉強だけでなく、あらゆる勉強の基礎ができる――問題集読書の練習
◆国語、算数数学の勉強の仕方がわかり、毎日の自学自習の習慣がつく――自主学習コース
◆子供の勉強や生活に関する相談がいつでもでき安心できる――電話面談、オンライン保護者懇談会
◆友達との交流の中で、毎週楽しく作文が書けるようになる――寺オン作文コース
◆国語、算数数学、理科の創造的な学習に取り組めるようになる――発表学習コース
大学入試がゴールではなく、その先にある創造的な仕事をするための実力をつけるのが言葉の森の勉強の目標です。
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言葉の森で真面目に作文の勉強をしていると、国語力、読解力がつきます。
それは、毎日難しい長文を読むようになるからです。
すると、勉強全体の力がつき、受験期にすぐに成果が出せるようになります。
作文力、国語力、読解力は目立たない学力ですが、いざというときに最も頼りになる学力なのです。
https://www.mori7.com/index.php?e=3316
普段の学校や塾でのテストは、出題範囲の知識を覚えるなどの準備が成績を左右しますから、本当の実力というわけではありません。
入試の場合は、そういう準備よりも、本来の実力の差が出てきます。
その実力のもとが読解力です。
受験期に成績の上がる生徒は、読解力のある生徒なのです。
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これまでの学力と言われるものは、覚えた知識を再現する力でした。
考える問題のように言われている算数数学の分野でも、解法を覚える勉強によって高得点を取るというパターンができたので、ほとんどの勉強が時間をかけて詰め込めば成績が上がるようになったのです。
その結果、優秀な成績で大学に入ったはずの学生が、意外に考える力がないということがわかってきました。
それが今、世界の大学ランキングで東大や京大がかろうじて後ろの方に入っているという状況を生み出しています。
このことに対する危機感から、日本の大学も、生徒の真の実力を見るためのテストとして手間のかかるAO入試を取り入れるようになりました。
このAO入試についても、合格することを受験テクニックのように教えるところがありますが、言葉の森の教育の目的はそうではありません。
東大の推薦入試に合格することが目的なのではなく、東大の推薦入試が目指しているのと同じような新しい学力をつけることが目的なのです。
それは別の言葉で言えば、考える勉強、発表する勉強、創造する勉強を目的とするということです。
そういう思考力、表現力、創造力を伸ばすような学習ができるようになったのは、オンラインのウェブ会議システムが誰にも利用できるようになったというインフラの力によるところがかなりあります。
しかし、それ以上に大事なことは、言葉の森の教育理念が、もともとそのような学力を育てることを目的としていたということなのです。
この教育には、家庭の協力が重要な要素となります。
従来の教育のように、学校や塾に任せるという勉強ではなく、家庭で親子の対話や協働を通して、学力だけでなく文化も育てていくというような勉強なのです。
教育は、単に成績だけを上げるものではなく、その子供のトータルな人間力を育てることを目的としているものです。
成績が上がるとか志望校に合格するとかいうことは、勉強の結果であって目的ではありません。
もちろんそういう理想だけでは受験期の最後の1年間は乗り切れないので、受験直前の時期には必要悪と割り切って詰め込む勉強もしていく必要があります。
しかし、それも、それまでの真の学力である思考力が備わっていれば、短期間で成果を上げることができるのです。
言葉の森では、この新しい教育を発表教育という名称で呼び、現在ウェブ会議システムを使った発表学習コースの少人数クラスを開いています。
まだ、このコンセプトがわかりにくいためか、参加する生徒は多くありませんが、私の子供がまだ小さかったらぜひやらせてみたかった勉強です。
将来は、こういう家庭と結びついた考える力を育てる勉強がもっと広がっていくと思います。
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「寺子屋オンラインの発表学習コース」
https://www.mori7.com/as/3308.html
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考える力のある子にとって、受け身で聞くだけの勉強は、それがどれほど優れた授業であっても物足りないものです。
実力のある子は、自分も参加できる勉強をしたいのです。
しかし、そういう機会は、今の教育ではあまりありませんし、そういうことを一緒にする友達というものもいません。
だから、言葉の森がそういう枠組みを作ることにしたのです。
それが、言葉の森の作文教育の出発点です。
そして今、それを発表教育という教科全体の勉強として取り組むことにしたのです。
寺子屋オンラインの発表学習コースの料金は、本当は、世間の普通の水準の料金よりも高いぐらいでいいととは思っています。
それは、やる気のある子にとっては、かなり密度の高い授業になっているからです。
そしてまた、料金というものは、高いほど誰でも一生懸命に取り組むものなのです。
しかし、こういう真に役立つ教育を広げるためには、今の日本の社会にある教育格差を克服しなければなりません。
だから、敢えて、常識ではあり得ない料金設定にしたのです。
それを、ひとつのビジネスモデルとしてやろうとしているところが、この寺子屋オンライン教育のもうひとつの挑戦です。
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