言葉の森の模範解答には特徴があります。
それは、書き方のパターンをいくつかに絞って書いていることです。
そのため、子供たちは、書き方の解説を見て、自分でも同じように書けるようになります。
世間にある受験作文小論文の参考書の模範解答には2種類あるように思います。
ひとつは、専門家があたりさわりのない模範解答を書くことです。
この場合は、減点のない解答ということが目的ですから、抽象的な説明が中心になります。
これは、模範解答とは言っても、不合格にならないための模範解答です。
中学入試の作文試験でも、最初のころはこういう模範解答のような作文を書く受験生が多かったのだと思います。
そのため、今の作文試験では、ほとんどが、「あなたの具体的な体験をもとにして」というような条件をつけて書く形になっています。
この場合、あたりさわりのない模範解答はあまり役に立ちません。
もうひとつの模範解答は、子供が実際に書いたものでよく書けたものをまとめたものです。
これは、確かに具体的な実例も入っているので、作文試験で合格するような内容になっています。
しかし、これを見て、自分でも同じように書けるかというと、そういうことはありません。
上手に書けた作文を見ても、それで自分でも上手に書けるようになるというわけではないからです。
上手に書けた作文をいくら見ても、では自分がどういうふうに書いたらいいのかということがわかりません。
それは、パターンが絞られていないからです。
では、パターンとは何かというと、それは構成の仕方です。
構成の方向がわかれば、子供たちはそこに自分らしい実例や表現を感想を盛り込んで書くことができます。
この、実例や表現や感想が、その生徒の実力となる部分で、その実力を伸ばすために、問題集読書や、事前の準備や、事後の推敲があるのです。
大事なのは、模範解答としてただ上手に書けた作文を見せることではなく、子供たちがどう書いたらいいかを示すことです。
模範解答は、子供たちが作文を書きやすくするためにあるものだからです。
中学入試ハイパー作文6.2週
https://www.youtube.com/watch?v=uFHCjFptSqs
高校入試ハイパー作文6.2週
https://www.youtube.com/watch?v=8qJz-Yx82xU
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言葉の森の作文指導の特徴は、どんなに難しい課題でも、そして、中学生でも高校生でも、得意な子でも苦手な子でも、どんな子でも、10分の説明で誰でも書けるようになることです。
ただし、事前に課題の文章を読んでいることが条件です(笑)。ときどき、中学生高校生で課題文を読んでいないのに説明を聞く生徒がいるからです。
さて、どうして、誰でも書けるかというと、構成の仕方を中心とした指導をしているからです。
この構成の仕方というのが、言葉の森のオリジナルなところです。
(ところで、今年度受験する小6、中3、高3の生徒の新規の募集は、すでに3月末で締め切らせていただいています。ご了承ください。m(_ _)m)
小学生には、表現の仕方を中心に指導します。例えば、「数字と名前と会話とたとえを入れて書こう」などと言えば、小学生の子供たちは喜んで作文を書きます。書く方向性がわかるからです。
しかし、中学生以上の生徒には、そういう指導をしても書けません。中学生以上には、構成を中心とした指導をします。「第一段落は……、第二段落は……、第三段落は……で、第四段落は……」と説明すれば、中身の実例や表現は自分で考えてすぐに書き出すことができます。
だから、どんな子でも、体験学習ですぐに書き出すことができるのです。
あ、あともう一つあった。それは、低学年でほとんど書けない子の場合で、そのときは一緒に構想図を書くのです。
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引き続き、天外伺朗さんの本からの話です。
山田昭男さんの会社では、伝票のチェックなどを省略していました。そして、社員には、「どんどんごまかせよ」と言っていたそうです。それで、ごまかしは全くと言っていいほどなく、岐阜県で利益率1位の会社だったのです。
天外さんの解説によると、「ごまかせよ」と言うのは、相手がごまかさない人間だということを前提にしているので、それを聞いた社員は無意識のうちにごまかすようなことはしなくなるというのです。
こういう例は、よくあります。
日経新聞の「私の履歴書」などで、「親から勉強しろと言われたことは一度もなかった」と、子供時代を述懐する人がよくいます。
むしろ、親からしっかり勉強させられたということで立派になった人はあまりいないのではないかとさえ思います。
「勉強しなさい」と、親が言うことは、その子供を、「言わなきゃ勉強をするわけない」と思っているところから来ています。
すると、子供は無意識のうちに、自分を勉強をしない存在として受け止めるので、逆に勉強しなくなるのです。
では、どうしたらいいかというと、「しっかり遊びなさい。勉強なんていつでもできるんだから」と言うのがいいのだと思います。
せめて、「よく学び、よく遊べ」の、遊びを重点にするぐらいがちょうどいいのです。
しかし、これは、すぐにできる人と、なかなかできない人とがいると思います。
なかなかできない人は、天外さんの話によれば、自分自身が無条件に受容された経験が少ないからだそうです。
だから、子供をコントロールしていないと不安になるのです。
できるだけ、子供をコントロールせず、子供が自主的にやるような形に仕向けていくことが、これからの子育ての最も工夫するところになると思います。
▽参考資料
「日本一労働時間が短い“超ホワイト企業”は利益率業界一!」 山田昭男のリーダー学 (人間性経営学シリーズ)
http://amzn.asia/0W5y2w6
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誰でも、相手が喜ぶことをしたいという気持ちがあるので、相手の無意識のメッセージをその人の期待していることとして受け取ります。
親が、「勉強しなさいよ」と言うと、子供は親の「どうせ勉強しないんだから」という無意識のメッセージの方を、これもまた無意識のうち受け取ってしまうのです。
褒められてよくなる子はいるが、叱られてよくなる子はいないというのは、こういう事情があるからです。
褒めていればよくなるというのは、特に、日本人の特性のように思います。
もともと、できるだけさぼろうとか、人の見ていないところでは手を抜こうなどということの少ない人がほとんどだからです。
子供の教育も、その特性を生かしていくことです。
勉強しなさいと言わないと、平気で一日中ゲームをします。放っておくことはできません。
勉強しなさいとと言っても言わなくても、やらない子はやらないのだと思います。
もうひとつの方でも書きましたが、それは子供の問題ではないのです。
もっと大きなところに問題があります。
今度、保護者懇談会で質問をしてください。
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