作文を書く準備として、子供がお父さんやお母さんに似た話を聞くことがあります。
特に、感想文の場合は、子供だけの体験実例では材料が不足することが多いので、お父さんやお母さんにも話を聞くことが必要になります。
高学年の感想文になると、元の文章が論説的な文章ですから、似た例を子供の人生経験の中だけで見つけるのは更に難しくなります。
この、作文や感想文の似た例を子供に聞かれたときが、お父さんやお母さんが子供とじっくり話をするチャンスです。
お父さんやお母さんの体験談を聞く中で、子供は、人間の生き方も同時に学んでいきます。
また、お父さんやお母さんと話をすることで、自然にものごとを説明する際の語彙力が育っていきます。
子供に似た例を聞かれとき、面白い話ができるように、お父さんやお母さんは、ときどき子供が場勉強している課題フォルダに目を通しておくといいと思います。
ときどき、子供に似た話を聞かれたとき、あっさりと、「そんなのない」と言う人がいます。
「自分の勉強なのだから、自分で考えなさい」と言う人もいます。
また、ネットで検索して関連のありそうなページをプリントして渡すという人もいました。
それでは、せっかくの家庭での勉強の効果が生きてきません。
お父さんやお母さんが、できるだけ自分の体験をもとに話してあげることが大事なのです。
野口悠紀雄さんは、最近の著書「『超』独学法」の中で、これからは大人も生涯勉強する時代になり、その方法として独学が最も効果的だと述べています。
子供の場合も、この独学的な方法が最も効率がよいというのは共通しています。
更に、子供の場合は、この独学に、親子で学ぶ家庭での対話が組み合わさることで効果が何倍にもなるのです。
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子供に何かを聞かれたとき、子供が興味を持つような面白い話をしてあげるのがお父さんやお母さんの役割です。
ときどき、「私は話をするのが苦手だから」と最初からあきらめてしまう人がいます。
しかし、これからは、子供だけでなく大人も勉強する時代です。
話をするのが苦手だったら、親も、子供に面白い話をしてあげられるように勉強する必要があるのです。
たとえすぐにはいい話ができなくても、そういう親の学ぶ姿勢が子供に大きな影響を与えるのです。
小学校高学年の難しい課題の感想文のときこそ、お父さんやお母さんの出番です。
子供の人生が十年ちょっとだとしたら、親にはその数倍の人生経験があります。
その人生経験から出てくる話が、子供の経験につけ加わるのです。
そういう話を子供とできるのは、あとからふりかえればほんのわずかな時期です。
「仕事が忙しいから子供と話す時間が取れない」なんて言っていたらダメなのです(笑)。
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料理の世界では、「材料七分に腕三分」ということが言われます。
料理にはあまり縁のない人でも、このことわざの言わんとしていることはよくわかります。
それがもっとはっきりわかるのは、子供たちの作文です。
事前に課題の長文を読み、身近な人に取材をしたり、作文のテーマについて話し合ったりしている子は、やはり上達が早いのです。
作文の勉強は、書いたあとの添削よりも、書く前の準備で主に力がついていきます。
オンラインの授業ができるようになって、この準備の学習も子供たちどうしで共有できるようになりました。
▽発表学習コースで、作文の構想図を発表してくれた小5と小6の生徒の動画です(一部)。
https://youtu.be/payCSxxTuuQ
▽寺子屋オンラインの資料を郵送しています。
https://www.mori7.net/teraon/teraform.php
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作文は、準備の段階で力がつきます。
しかし、ただ準備するだけだったら、あまり意欲はわきません。
友達の前で発表し交流する機会があるから、準備も自然に充実してくるのです。
作文の準備で、何が面白いかというと、取材を受けたお父さんやお母さんが、時どき面白い体験談を話してくれるのです。
これは、作文の勉強以上に、子供たちの人生の勉強になっていると思います。
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子供が、約束した勉強をしなかったとします。
そこで、お母さんがいくら叱っても、子供はなかなかできるようにはなりません。
叱ってできるようにさせるためには、何度も叱らなければなりません。
そうすると、できるようになる前に、親の言うことを聞かなくなるのです。
どうしたらよいかというと、できなかった時点に問題があるのです。
最初に、できるようにさせることに最も力を入れていくべきなのです。
叱ることに力を入れるのではなく、叱らない状態を作ることに力を入れていくのです。
そして、できるようにさせて、子供ができたら、そこで褒めてあげるのです。
大事なことは、できたかできなかったかということではなく、何よりもできるようにさせることで、それが親や先生の役割なのです。
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長年、先生のような仕事をしていると、評価することが仕事だと思ってしまうことがあります。
本当の仕事は、できるようにさせることであって、子供に点数をつけることではありません。
先生の仕事は、全員に百点を取らせるような指導をすることです。
はたから見ると、子供を教えることは簡単に見えます。
点数をつけてバンバン競い合わせれば、みんなできるようになると思いがちです。
ところが、当の相手は、自分と同じ人間ですから、そういう機械的な方法ではうまくいきません。
自然に子供が自分から進んでやろうとするような工夫をする必要があるのです。
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明日6月13日(水)の20:30から森林プロジェクトの交流会を行います。
(毎月第二水曜日に行う予定です。)
会場は、寺オン作文コース・発表学習コースをやっているところと同じ、こちらです。
https://zoom.us/j/104606743(Zoom会議室)
前回は、全体会で長話になってしまったので、今回は、テーマを決めて分科会に分かれて行います。
そのテーマを募集します。
「こういうテーマで話がしたい」ということがありましたら、コメント欄に書いておいてください。
参加する人は、それぞれ自分の関心のあるテーマのところに参加してください。
分科会のあと、全体会で、それぞれの分科会の概要を発表してもらいます。
※講師資格講座を受講していない方も参加できます。
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中根のテーマは、「寺オン作文コースの概要と今後の方針について」
(誰でも参加できます)
森林プロジェクトの交流会を行います。
日本の教育をよりよくしたいと思っている方は、ぜひご参加ください。
今回は、4、5人の分科会で話ができるようにします。
長時間は、やりません。
夜なので、カメラはオフで参加してください。
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寺オン作文コースは、5、6人の少人数で、ひとりずつ自分の作文を読み、先生の講評を聞き、次回の作文の構想図を発表します。
このあと、やはりひとりずつ読んでいる本の紹介や、互いの発表に対する感想などを言ってもらうと、すぐに時間がたってしまいます。
そのあと、ミニ保護者懇談会を行うので、時間をオーバーしてしまうことが時どきあります。
そこで、今後は、読んでいる本の紹介や互いの感想は、生徒どうしで別の会議室に移ってやってもらうようにしようと思っています。
先生がリードする部分を少なくし、生徒が自分たちで運営する部分を多くすると、やる気のある子ほど面白がるのではないかとと思います。
下の動画は、ある日の寺オン作文コースの作文と構想図の発表の様子です。(タイトルは「私の父」「水や土で遊んだこと」)
こういう発表を全員がしたあと、ひとりずつ感想を言ってもらうと、どの子も必ずと言っていいほど、ほかの人の発表のいいところや自分の似た話を、感想として言います。
そう言うように指示したことはないのですが、やはり毎回全員が発表するので、互いに身近な相手という感じがするからだと思います。
▽寺オン作文コースから2018/6/11
https://youtu.be/yb0dIEKTaXk
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作文も、勉強も、やらされて点数をつけられて評価されるだけではあまり面白いものではありません。
自分が発表して、ほかの人の感想を聞き、自分もほかの人の発表に対する感想を言うところが面白いのです。
勉強で大事なのは意欲です。
その意欲は、賞や罰によってではなく、人間どうしの交流の中から生まれてくるのです。
ちょっと専門的な話になりますが(でもないか)、生徒だけの自主運営のやり方をどうしようかと考えていて、いい方法を思いつきました。
Zoomのチャット機能で、生徒だけで運営する新しい会議室のリンクを連絡するのです。
「じゃあ、みんなの発表が終わったから、あとの読書紹介と感想は、このリンク先の会議室に移って司会を決めて進めてね」
という感じです。
たぶん、上級生がリードしてやってくれるでしょう。
昔の子供たちの集団のガキ大将役が生まれてくると思います。
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昔、夏祭りで焼き鳥屋をやらされて、暑い中、煙に咳き込みながら一日焼き鳥を焼いていましたが、そのときふと思いました。
たぶん、焼き鳥を買いに来る人よりも、焼き鳥を売っている人の方が、夏祭りが強く思い出に残るだろうと。
同じことが、勉強にも言えます。
人に教わる勉強の何倍も深く身につくのは、人に勉強を教えてあげるときです。
だから、高学年の生徒が低学年の生徒に勉強を教えていると、その高学年の生徒の成績も上がるのです。
発表学習コースの勉強の基本は、問題を作ることです。
問題に答える勉強ならどこにでもありますが、問題を作る勉強というのはあまりありません。
それは、問題を作っても、それを発表する機会がないからです。
その点、発表学習コースは5、6人の少人数なので、全員に発表の機会があります。
少人数というものには、レベルがあります。
30人学級が、20人になっても、10人になっても、人数が少なくなったというだけで本質的な差はありません。
しかし、5、6人になると、全員に発表の場ができるということで、質的な差が出てくるのです。
今の学校や塾の勉強では、全員が問題を作るようなことはできません。
だから、全員が答える側に回って授業を受け、その答える勉強を面白くするために、点数が用意されています。
子供たちは、百点を取ることが嬉しいことだと思って勉強をしています。
しかし、本当は、答える勉強で百点を取るよりも、問題を作る勉強の方がずっと面白いのです。
まだ、今の教育システムの中では、全員が主体的に問題を作るような授業は行なえません。
だから、言葉の森で一足先に、そういう勉強をしていきたいと思っているのです。
▽ある日の発表学習コースの授業の様子(一部)
https://youtu.be/3zbQ9ADbd6E
▽発表学習コースの資料をご希望の方は、
■寺子屋オンライン送信フォームから。
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子供たちは、誰でも一人ひとり個性的です。
その個性を生かして、将来みんな活躍していくのです。
ところが、今の教育システムの中では、その子供たちに、同じ一つの尺度で序列をつけて、人より上に行くことがいいことだと教えています。
だから、できる子も、できない子も、皆それぞれに劣等感を持ちながら成長していくのです。
本当は、学力は8割できていれば十分で、98点か99点かで競う必要はないのです。
そういうところにエネルギーを使うのではなく、もっと自分の個性と創造性を伸ばすことに力を入れていき、その分野で第一人者になることを大きな目標としていくといいのです。
高度経済成長時代は、上げ潮の時代でした。
その時代には、メジャーな分野に入っていることが、たとえ二番手でも三番手でも有利なことでした。
しかし、今の先進国は、引き潮の時代に入っています。
そして、引き潮が一段落すると、その海は大きな池のようになり、そこで文化が広がっていくのです。
引き潮の時代には、メジャーな分野は、レッドオーシャンになっていきます。
ブルーオーシャンを見つける力は、個性と創造性の中にあるのです。
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4月の森リン大賞の小6の部の1位は、「いつでも読書」という作文でした。
ここには、本が好きな子の読書生活の典型的な姿があります。
読書の好きな子は、ここに書かれている場面に、いくつも共感するところがあると思います。
この作文に書かれているような、互いに自分の好きな本を貸し借りできる環境にいる子は恵まれています。
言葉の森のオンラインのクラスでも、生徒どうしの本の紹介をするようになってから、特に高学年の生徒の読書の質が上がってきました。
友達や、家族の間で、いい本を勧め合うような関係がもっと広がっていくといいと思います。
いつでも読書
らみの
「あー!面白かった!」
本は、自分だけいれば楽しめるため、いつでもだれでも読むことができる。今では活字情報も、オーディオ・ヴジュアルの情報も発達しているが、おたがい、いいところもあり、悪いところもあるのだ。
私には、似た話がある。それは、本を読むタイミングについてである。私は、本が大、大、大、大、大好きなため、学校に行くときも必ず本を持っていく。少ないときでも二冊、多いときは五冊を手さげに入れている。その理由は三つある。一つ目は、本の貸し借りができるからだ。友達と本の貸し借りをすると、学校の図書館にはないような本や、新刊が読めるのである。この前も私は、Hくんと、「電車で行こう!スペシャル版・新幹線検定」と、「戦国ベースボール②」を貸し借りしたばかりだ。二つ目は、テストの残り時間で読めるからだ。先週の六時間目に社会の確認テストがあった。私は、三十分くらいで見直しも終わったので、残りの時間で、「おもしろい話が読みたい!マジカル編」に熱中していた。三つ目は、本なら、少しの時間でも読めるからだ。少し早く終わった授業の後や、朝の時間など、いろいろなところで楽しめる。うまくいけば、この時間だけで一冊読み終わることもある。この他にも、学校以外の待ち時間などでも読むことができる。例えば、歯科や眼科の待ち時間だ。私が行っているところは、どこも人気がある。その中でも待ち時間が長い方がラッキーだ。理由は本が読めるから。待ち時間は他にすることがないため、本を読んでいてもおこられないから、私にとっては最高の時間なのだ。
もう一つ、私には似た話がある。それは、テレビで見たときと本で読んだ時のちがいについてである。私は、「アナと雪の女王」をはじめ、本で読んだ。このときは、アナは自分勝手という印象があった。次にテレビで見たときは、アナとエルサはいい姉妹という感じがした。本で読んだときは、たぶん自分の想像した声や話し方になっていたからだと今は思う。私は、何でも、テレビより本が好きである。想像することが好きだからだ。父はテレビ好きだが、母は絶対に本が好きだ。これは、口に出さなくても、見ればわかる。常に読んでいるからだ。私にはおこるのに、自分は読んでいるためずるいと思う。そんな母の子供のころを聞いてみると、昔から本が大好きだったらしい。布団に入って電気を消されてまで、懐中電灯をつけて読んでいたのだという。これではまるで、寝ているときの二宮金次郎のようである。さらに、電車のホームで本を読んでいた時も、読むのに一生懸命になったため、乗ろうと思ったら最終電車だった、ということもあったらしい。
人間にとって読書とは、人生を変えてくれるものだ。知らなかった情報を得、想像のつばさで世界をとびまわることができる。私はこれからも本を読み続け、自分の知識を増やしていこうと思った。
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4月の森リン大賞
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学力の最初の出発点は、読書が好きかどうかです。
本が好きなら、勉強はやればやるだけできるようになるからです。
だから、家庭では、読書第一、勉強第二でやっていくのがちょうどいいのです。
読書好きの出発点は、好きな本を読むことですが、読書好きの次の段階は、難しい本を読むことです。
中学生や高校生になると、向上心のある子は、自然にそいういう難しい本を読むようになります。
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病気は治ったが、患者は死んだ。
それと同じことが教育の場でも起きています。
成績はよくなったが、頭は悪くなった。
人間の成長を総合的に考えるのではなく、成績向上又は志望校合格の一点に絞って、資本主義的な契約の中で教育が行われているのです。
大多数の生徒は、時間をかけて詰め込めば成績は上がります。
そのかわりに、多くの生徒が、勉強が嫌いになり、読書をしなくなり、頭が悪くなっていくのです。
対策は、三つあります。
ひとつは、小学校低学年から、考える勉強の面白さを伝えておくことです。
もうひとつは、受験は必要悪と割り切って、半年間だけは全力で取り組ませることです。
第三は、小学生のころは本当の実力をつけることに専念し、本人が自覚して勉強できる中学生後半から自覚した受験勉強に入ることです。
やらされた受験勉強は何ももたらしませんが、自覚して取り組んだ受験勉強はすべて本人の財産になるからでです。
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今の親の多くは、受験勉強がゴールだった世代です。
しかし、時代は先に進んでいます。
大学入試がゴールだったのは、はるか昔の大学生が一握りのエリートだった時代の話です。
今の子育てのゴールは、もっとずっと先にあります。
しかし、そのゴールはまだ名前がないので、多くの人には見えないのです。
宿題が多すぎて生活に余裕がないとか、勉強が忙しくて本が読めないとかいう話をときどき聞きます。
それが、小学校低中学年の子なのです。
高校3年生の受験勉強真っ最中の時期なら、そういうことはあるでしょうが、小学生がそういう生活をしていたら、確実に頭が悪くなります。
そういう小学校生活を送ってきた子が、勉強しない大学生になっていくのです。
では、どうしたらいいかというと、
1.基本となる勉強は、家庭学習と自主学習コース中心に行い、
2.好きな勉強はスタディサプリで先取りし、
3.発表学習コースで自分の得意な勉強に更に力を入れ、
4.小学生から高校生まで、作文の勉強を続けていくといいのです。
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