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繰り返し読むのは、やはり紙の本 as/3348.html
森川林 2018/06/19 12:44 

 今のキンドルは、必要な箇所に傍線を引けるようになっています。
 また、引用したい部分を選択して、自分のメールなどに送ることもできます。
 夜中でも読めるし、明るい日中の日差しの中でも読めます。
 しかも、何冊入れても場所を取りません。
 複数の端末で読んでも、ちゃんと同期してくれます。

 情報処理という点から読書を考えると、デジタルの本はアナログの本よりもずっと便利です。

 しかし、読書には、情報処理以上の面もあります。
 それは、座右の書と呼べるような繰り返し読みたくなる本です。

 アナログの本のよさは、どのへんに書いてあったかという身体感覚と本が結びついていることです。
 人は、情報だけを読み取るのではなく、その情報のあった空間と時間も同時に読み取っています。

 これが特に重要になるのは、繰り返し読む本の場合です。

 子供たちが繰り返し読む本の代表は教科書です。
 高校生の中には、教科書に書き込みをして参考書代わりにしている子もいます。
 こういうことは、アナログの紙の本でなければできません。

 日本は、ICT教育という点でまだ遅れています。
 しかし、何でもICT化すればいいというのではありません。
 教育の本質をふまえたICT化を進める必要があるのです。


 話は変わって、「子供の読書についてのオンライン懇談会」を6月4週に連続して行います。
6月22日(金)20:15~45分間程度
6月23日(土)11:15~45分間程度
6月25日(月)20:15~45分間程度
6月26日(火)20:15~45分間程度
6月28日(木)20:15~45分間程度

 この懇談会は、どなたでも参加できます。(無料)

 参加申し込みは、下記のフォームからお願いします。
https://www.mori7.com/kform_pre.php?f=hog201806

■懇談会の内容
(1)子供の読書の意義と方法――苦手な子から得意な子まで読書を進めるさまざまな方法(話:中根克明 約15分)
(2)参加者からの質問受け付け(自由)
(3)参加者からの読書の工夫紹介(自由)
・全体で45分間程度で終了の予定です。
・延長して話をしたい方は、自由に延長できます。
・途中の入退出は自由です。

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森川林 20180619  
 読書は、紙の本でなければ、人間の身体になじまない面があります。
 作文も同様に、手書きでなければ、身体感覚と結びつかないことがあります。
 どんなに社会が進歩しても、人間は手と足と目と耳と口を持って生きていくからです。
 科学技術が進んだことによって、かえってそういうことがわかってきたのが現代です。


nane 20180619  
 将来のデジタルブックは、ページが空間の中に配置され、いったん固定したら動かせない、よりリアルに近いものになると思います。
 この不便さと空間性と時間性が、デジタルと人間の共存のために必要になるのです。


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誰でも暗唱ができるようになる方法――成長期の子供の日本語力育成に有効 as/3347.html
森川林 2018/06/18 06:07 

 2016年4月からスタートした暗唱検定の合格者が、2018年6月の時点でのべ83名になりました。
 生徒の自主的な参加に任せる形で行っているにも関わらず、このように多くの生徒が合格していることに感心しました。

 暗唱検定の初段は、約12,000字の文章を30以内に読むという内容です。
 これに合格した子が、既に3人もいました。

 暗唱の経験のある人は、この30分の暗唱ができるようになるまで、毎日10分の練習をどれだけ続けたかわかると思います。
 12,000字の暗唱が完璧にできるようになるには、順調に行っても1年はかかります(普通の人の場合です)。
 これだけ時間をかけると、この暗唱はほぼ一生身についたものになります。

 この暗唱練習には、大きな効果があります。
 まず暗唱によって頭脳が活性化するだけではなく、気持ちも活性化し、何事も積極的に取り組むようになります。
 また、文章の理解力がつき、語彙力が増え、表現力が増し、ものの考え方が深まります。

 暗唱の練習は、これまで家庭の取り組みに任されてきましたが、オンラインの少人数クラスで暗唱チェックをすることで、誰でも楽に取り組めるようになりました。

 そこで、これからは、この暗唱練習の普及にも力を入れていく予定です。


 さて、この暗唱は、日本国内の生徒はもちろんですが、海外の日本人生徒には、更に大きな効果があります。

 海外で生活する小学生の子供がいる家庭では、その子の日本語力をどう維持していくかということで日々苦労していると思います。
 幼児期はまだしも、現地での学校生活が中心になると、子供はどうしても現地の言語を優先し、日本語は家庭の中だけで使うようになりがちです。
 友達との交流の中で使う言語が最優先されるというのは、成長期の子供にとって当然のことだからです。

 ところで、小学1年生から3年生にかけては、日本語脳が形成される臨界期だと言われています。
 現地の言葉(例えば英語や中国語)が自由に使えるようになっても、肝心の日本語がうまく使えなくなっては、総合的に見てプラス面よりもマイナス面の方が大きくなるのではないかと思います。

 そこで、言葉の森が考えているのは、この小学1年生から3年生の時期に、日本語暗唱検定を目標にして毎日10分間の暗唱の練習を続けることです。
 小学1年生から3年生は、ちょうど暗唱が最もたやすく身につく時期でもあるからです。

 友達と一緒に、オンラインで毎週の暗唱チェックがあるという環境であれば、半ばゲームのような感覚で暗唱の練習を続けることができます。
 そして、暗唱は、ある程度できるようになると、今度は、声を出してリズム感のある文章を暗唱することが楽しくなってきます。

 言葉の森の暗唱検定の暗唱文は、日本語の古典の、既に文化として定着している文章で、リズム感のあるものを中心にしています。 しかも、単に有名な文章だから選ぶというのではなく、その文章に、日本的な情景描写、心情感覚、人間観、人生観、自然観のあることを重視しています。

 この毎日10分間の暗唱練習による日本語力の育成が、海外で暮らす生徒にとっては、簡単でしかも効果のある方法になると思います。

▽発表学習コースでの暗唱チェックの例
(こういう暗唱チェックを、少人数クラスのオンラインの授業の中で毎週行っています。)
https://youtu.be/XIYCDBi6dn4


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nane 20180618  
 なお、暗唱検定試験は1回500円、オンラインで受検します。言葉の森の生徒以外の方も受けられます。
 5~2級に合格した人には、それぞれ認定証が送られます。初段に合格した人にはトロフィーが送られます。
 暗唱文集は、こちらですので、プリントして自由にお使いください。
https://www.mori7.net/mine/as2.php

森川林 20180618  
 国語力をつける方法としては、読書と音読と対話が最も効果があります。
 国語の問題集を解くというのは、あまり効果がありません。
 国語の得意な子は、問題集を解くような勉強をしていない子がほとんどです。
 ただ、問題集を読むことは、読書と同じで効果があります。
 さて、音読は特に大きな効果がありますが、音読で大事なことは少し難しい文章で同じものを5回以上繰り返し読むことです。
 しかし、これが退屈するのか、音読を家庭で続けられない子もかなりいました。
 そして、いちばんの問題は、子供が家庭で音読をしているかどうかを先生が確かめられないことでした。
 音読は、やったかやらないかがはっきりしなかったからです。
 ところが、暗唱の場合は、毎日10分やっていれば誰でも完璧にできるようになるという基準がはっきりしています。
 そして、オンラインで暗唱検定を受けたり、オンラインで暗唱練習をしたりということができるようになりました。
 これから、この暗唱練習を子供たちの日本語力育成の方法として広げていきたいと思っています。


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