言葉の森は、作文教育を出発点として、未来の教育を次のようにしたいと考えています。
第一に、受験を目的とした勉強ではなく、人生と社会に真に必要な実力をつける教育です。このことによって、余裕のできた子供たちは自由な創造の時間を過ごすようになります。
第二に、学校や塾に任せる教育ではなく、家庭と地域を基盤とする教育です。この教育を支えるのは家庭と地域の文化で、そこで人間性と社会性を育てる教育が行われていきます。
第三に、点数を重視した教育ではなく、文化を重視した教育です。それは点数にならない思いやりや勇気や本当の知恵を大切にする教育です。
第四に、競争で勝敗を分ける教育ではなく、それぞれの子供たちの創造性を生かす教育です。子供たちの描く未来の自分の姿は、自主独立の人間で、人生の目的は、幸福、向上、創造、貢献となります。
教育の場は日常的なオンラインと年に数回の合宿で、先生は人生経験を積んだ社会人です。それらの先生が、自分の個性を生かした新しい教育を作り出します。その新しい教育はさまざまな分野で子供たちの創造力を伸ばし、その教育と文化が日本と世界の新しい産業になります。
そして、日本文化の普遍的な本質が世界のそれぞれの文化に生かされることによって、やがて地球は愛と笑いと創造の惑星になっていくのです。
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誰でも、子供はのびのびと自由に育ってほしいと思っています。
しかし、いったん競争の中で教育が行われるようになると、とりあえず競争に勝つことが教育の第一の重点になります。
すると、やがて競争に勝つための教育だけが教育と考えられるようになり、試験に出ないところは勉強しなくてもいいというような考えが自然に生まれてくるのです。
教育の本来の目的は自分を向上させることです。それは、人間がもともと向上心を持っているからです。
これからの教育は、この向上心に依拠して行っていく必要があります。
今の教育は、「受験に勝つための知識と技術を詰め込みますから、親は家にいて受講料だけしっかり払ってください」という能率のよい分業体制で行われています。
だから、子供は、どうでもよいことにたっぷり時間を取られ、年々忙しくなっているのです。
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夏休み朝の作文体験学習は、日程を自由に選べるようにしたので、早めに2回目に入る人と、これから1回目に取り組む人とが一緒に授業を受けるような日もあります。
しかし、5、6人の少人数授業なので、先生の話は多少長くなりますが、どの生徒にも発表の機会があります。
昨日8月8日は、読書感想文の2回目と受験作文の2回目の人の授業がありました。
感想文は、家庭での事前の実験がいろいろ大変だったと思います。
受験作文は、昨年の実際の入試問題をもとにした練習だったので、かなり難しかったと思います。
しかし、どの子も、自分らしい作文を発表してくれました。
今回の作文体験学習のポイントは、他の生徒との交流の中で、家庭でのお父さんやお母さんと協力して作文の準備をするというところにあります。
これまでの子供の勉強は、既に答えのわかっている知識を詰め込むことに力点が置かれていました。
そういう勉強には、個性や創造性はあまり必要ではなく、苦しいことに耐えることが勉強のように思われていました。
しかし、AI時代には、勉強も仕事も、答えのわかっている分野は人間ではなく機械がカバーしてくれるようになります。
昔の自動車運転免許では、ガソリンエンジンの仕組みの知識なども必要でした。点火プラグがどうしたというようなことも一応理解しておく必要がありました。しかし、今はそういう知識は、自動車を利用する人には全く必要ではありません。
自動運転の時代になれば、運転する技術も必要でなくなります。ところで、自動運転で意外に早く実用化できそうなのは、狭い場所に縦列駐車をしたり、狭い車庫に車をぴったり入れたりするような自動化の仕組みではないかと思います。先日、知人が車庫入れに失敗したという話を聞いてそう思いました(笑)。
さて、車の免許の知識や技術と同じことが、これから仕事のさまざまな分野で起きてきます。すると、その社会の変化から少しタイムラグがある形で教育の世界にも変化が起きてきます。
その変化は、ひとことで言えば、答えのわかっているものは基本だけしっかり身につけていればよく、子供たちが最も力を入れていくのは、思考力と創造性を伸ばすことになるということです。
その思考力の要が日本語を駆使する力であり、その日本語力の基礎が読書力であり、集大成が作文力です。
また、創造力は、実際の体験と、ほかの人との対話と交流の中で生まれます。
今回の夏休み朝の作文体験学習は、そういう未来の教育の見通しのもとに行っている企画です。
お父さん、お母さんは、子供の作文の準備に時間がとられることがあると思いますが、その苦労を子供との対話を活かす楽しい苦労と思って取り組んでいっていただけるといいと思います。
なお、今回は平日の朝の体験学習でしたが、仕事で参加できないお父さんお母さんが多かったと思いますので、9月からは日曜日の朝の体験学習も行っていく予定です。
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夏休み朝の作文体験は、平日の日程だったため仕事で参加できないお父さんお母さんも多かったと思います。
9月からは、日曜日の朝の体験学習を企画していく予定です。
日曜日の朝から作文の勉強というのも、なかなか楽しいと思います。
Zoomで作文の勉強をする場合、面白いのは、他の友達との交流があることです。
最初はみんな遠慮していますが、次第に打ちとけて、他の人の作文に対する感想なども言えるようになります。
作文よりも早く交流できるのは、読んでいる本の紹介です。
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7月21日~29日にかけて行った読書作文キャンプの写真をアップロードしました。
子供たちの撮った写真が多いので、全体で3,000枚ぐらいになっています。
(写真を見るページは、参加者のコードとパスワードが必要です。)
以下、今回のキャンプの特徴と、今後の改善点などを述べたいと思います。
■家族キャンプ
今回は、子供中心のキャンプではあっても、できるだけ保護者の方も一緒に参加していただけるようにしました。
そのため、保護者どうしや保護者と講師との交流ができたと思います。
今後は、子供とは別行動の保護者だけの企画も行えるようにしたいと思います。
■雨天向けのダンボール秘密基地づくり
那須地方は、比較的雨量の多いところですが、昨年も今年も好天に恵まれました。
しかし、雨が降ると外出行動が制限されてしまうことを考え、合宿所内でダンボールの秘密基地を作る企画をテスト的に行いました。
作り方の見本がないと難しい面がありましたが、子供たちはそれぞれいろいろ工夫していました。
次回は、更に計画的に企画したいと思います。
■カレーライスとけんちん汁の炊飯
昨年は、調理の手間がかからないようにと弁当類の注文を中心にしましたが、せっかく自然の中に来たのに弁当では味気ないという声がありました。そこで、今年はカレーライス、けんちん汁、サラダなどを手作りにし、バイキング風に食事をとることにしました。調理にかかる時間はいずれも30分程度だったので、弁当の計画的注文よりもかえって楽にでき、しかもおいしかったと思います。調理や片付けを手伝っていただいた方、ありがとうございました。
■寺子屋オンラインのクラスの友達
今回は、寺オン作文コースや発表学習コースで同じクラスになっている子が誘い合って参加するケースがありました。毎週、一緒に勉強をしている仲なので、初めての合宿キャンプでもすぐに打ちとけた雰囲気になりました。しかし、その半面、同じクラスに入っていない子が、そのグループに入りにくいという面がありました。これは今後、子供たちの自覚をもっと促すようにしていきたいと思います。
■漢字集の暗唱
漢字集の暗唱は、今回の新しい企画でした。家庭で暗唱をしている経験のある子や、実際に漢字集を暗唱している子はすぐにできましたが、初めての人は、短い時間で難しい漢字の読みの暗唱までするのは少し難しかったようです。
しかし、時間をかければ誰でもできることなので、今後は「漢字読み検定」というシステムを作り、日常的に漢字の読みに取り組めるようにしたいと思います。
■読書2~3時間
読書は、ほとんどの生徒が静かに2時間以上集中して読んでいました。比較的易しい面白い本が多かったせいもありますが、十数人が水を打ったように静かに本を読み続けている姿は壮観でした。10冊程度の本を付箋を貼りながら読むという方法なので、このやり方を家庭でも応用すると、読みにくいために積んである本なども自然に読めるようになります。
今年は、家庭から持ってきた本を紹介してもらう機会を作りましたが、低学年の子も含めてどの子もしっかり本の紹介をしていました。
■作文発表会
作文発表会は、その日に体験したキャンプ場での川遊びなどを中心に書いた作文を順に発表してもらいました。高学年の生徒と中学生は、事実中心の作文ではなく、意見中心の作文を書いてもらうようにしました。上手にたとえを入れて書いたり、みんなの前で堂々と発表したりする子が多く感心しました。
この発表会は、合宿オンエアで自宅で待つご家族も見られるようにしましたが、照明が暗い面と、音声が聞き取りにくい面があったと思います。
■合宿オンエア
合宿の様子は、オンラインで見られるようにしていましたから、家庭で待つご家族の方は、子供たちの様子がわかって安心されたと思います。
オンラインで常時接続ができるという利点を生かして、将来は、オンラインの勉強をしながら合宿所の自然の中で遊ぶという形のキャンプにしていきたいと思います。
■虫捕りのできる場所
夏休みは、やはり自然の中で虫を捕まえたり、生き物を捕まえたりすることが、子供にとってはわくわくする体験になります。生き物を捕まえても、撮影したあと逃してやれば何も問題はないのですが、場所によっては生き物捕獲禁止という建前があり、網を持って遊ぶということがしにくい面がありました。今後は、自由に生き物を捕まえられる場所を探しておきたいと思います。
■カブトムシの飼育
港南台教室からカブトムシを十数匹持っていき、バナナをやっていました。蓋を開けっ放しにしていると、近所のカブトムシもやってきたようで、日に日にカブトムシが増えていきました。もう卵を産んでいるはずなので、来年はもっと増えると思います。
■ちょっと残念なこと
以上、全体にとても楽しい自由な読書作文キャンプでしたが、毎年、常に一部に子供たちどうしのトラブルに近いことがあり、それが残念なところです。
そのトラブルはどういうものかというと、昨年までの例では、女の子たちの中に、「あの子たちが私たちの方を見てひそひそ話していた」という他愛ないことが原因になり言い合いになるということがありました。また、昔は、合宿の最後の色紙の交換のときに、自分の気に入らない子に悪口を書くような子がいたこともあります。
今年は、男の子の間で、ちょっとした行き違いから言い合いになったり、また意地悪をしたりされたりしたことがあったようです。もちろん、それは一部の子でほんのわずかのことですから、子供たち全体はそういうこととは関係なく楽しく過ごしていましたが、当事者である子供たちにとってはやはりいい思い出にならなかったことだと思います。
しかし、どの子も一人ひとりはいい子なので、やがて成長するとともに、自分の至らなかったことに気づくようになると思います。意地悪をした子は、ほとんどが軽いノリでやっているのですが、やがて自分がいろいろな苦労を経験するようになると、そういうときの相手の気持ちがわかるようになります。また、意地悪をされた子は、いずれ誰かに何かをされたときでも、すぐにその場で反撃する力をつけていけるようになります。そういう将来の成長のための準備として、今のトラブルがあるのだと考えていくといいと思います。
そういうことも含めて、オンラインのやりとりだけでは経験できない、自然や他の人間との触れ合いが、こういうリアルな合宿キャンプの意義になっているのだと思います。
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7月21日から29日までの読書作文キャンプの記録です。
今年は、保護者の方もできるだけ参加していただけるようお願いしました。
今後、こういう家族キャンプのような形の親子で一緒に取り組める企画を増やしていきたいと思っています。
子供たちも、高学年になるほど、友達と一緒に遊べる時間があるというのが楽しくなるのだと思います。
子供も大人も、生き物を捕まえるというのが大好きです。
捕まえたあと逃してやるというルールを作っておけば、どこでも生き物を捕まえていいということにしておくといいと思います。
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