言葉の森の暗唱検定は、現在、初段の約10,000字分に続いて、二段の10,000字分もできました。このあと、三段、四段と暗唱検定の段階を上げていく予定です。
最近、暗唱練習に取り組む人が増えてきたので、ほぼ毎週のようにそれぞれの級で合格者が出ています。
暗唱は、子供がするだけでなく、大人がしても楽しいものです。
家庭によっては、お母さんも一緒に暗唱しているところもあります。
暗唱にはコツがあり、そのコツさえわかれば、誰でも楽にできるようになります。
年齢による差のようなものは、ほとんどありません。
何歳になってもできるのが暗唱のいいところです。
しかし、すぐにできるのは、暗唱の仕方を素直に受け入れる幼児から小学2年生のころです。
学年が上がると、音読を繰り返すという基本を忘れて、その文章を意識して覚えようとするようになるので、かえって暗唱が難しくなることがあるのです。
暗唱の練習を続けることによって暗唱力のついた子は、学校の勉強がすべてできるようになります。
これは、特に受験勉強のときなどには有利です。
今の入試問題は、考える問題が増えてきたとは言っても、基本は知識をベースにしたものになっています。
また、算数・数学のような、一見考える問題にように見えるものでも、その本質は解法の記憶です。
暗唱力のある子は、難しい算数・数学の問題でも、その解法を覚えてしまうので、似た問題にもすぐ応用できるようになるのです。
ただし、暗唱をしていれば自然に勉強ができるようになるというのではありません。
暗唱力のある子は、勉強をする気になればすぐにできるようになるということです。
ところで、この暗唱の練習は、家庭でスムーズに続けている人もいる一方、家庭ではなかなか続けられないという人もいます。
暗唱は、成果がはっきりわかるので、本当は続けやすいものなのですが、家庭でひとりで取り組んでいると、時には飽きてしまうということもあるようです。
そこで、利用できるのが、寺子屋オンラインのクラスでの毎週の暗唱発表です。
クラスによっては、参加している生徒が全員それぞれの暗唱の発表をするようになっている曜日もあります。
すると、自然に毎日暗唱の練習をするようになります。
この暗唱発表のいいところは、進度は各自で決められるので、たまに練習をしなかった週があっても、それまでに覚えた分の暗唱は確実に発表できるということです。
毎日10分程度の暗唱練習が定着すると、家庭学習の柱ができるので、ほかの勉強にも取り組みやすくなります。
暗唱力をつけることは、子供たちの勉強の基本と言ってもいいと思います。
言葉の森では、10月以降も、日曜朝のオンライン作文体験学習を行いますので、この寺子屋オンラインクラスで暗唱の練習に取り組んでいかれるとよいと思います。
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暗唱力があれば、数学も語学もそのほかの勉強もすべてできるようになるということのひとつの例は、本多静六です。
赤点を取るほどできなかった数学を、わずか数ヶ月の暗唱法で克服し、大学の卒業時には、「数学の天才だから授業に出なくていい」とさえ言われるようになりました。
留学先のドイツでは、最も難しいと言われる教授の著書をすべて暗唱できるようにし、口頭試問も完璧に合格しました。
その静六少年は、子供のころ、家が貧しかったために勉強をしたり本を読んだりする時間がほとんど取れず、家の仕事を手伝っている間、覚えた暗唱をただ繰り返す練習をしていたのです。
暗唱力のある子は、やる気になればすぐできるようになるという点で、この本多静六に似ているところがあります。
暗唱を順調に続けていた子が、いちばんよくつまずくのが百人一首のところです。
ひとつひとつの歌が独立しているので、次の歌を「思い出す」というワンクッションが入ってしまうのです。
暗唱のいちばんのブレーキになるのは、この「思い出す」という癖です。
思い出さない練習法をもっと徹底させるか、思い出して時間がかかってもいいことにするか、今、どちらがいいか考えているところです。
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読解力をつけるコツは、問題文と選択肢を大ざっぱに読むのではなく緻密に読むことです。
緻密に読むとはどういうことかというと、合っていそうなものを選ぶのではなく、必ずしも合っているとはいえないものをすべて選び出して、残ったものを合っているものとみなすことです。
この消去法という解き方は、よく言われているわりに、実行している人がほとんどいません。
国語の先生が具体的に教えていないのだと思います。
緻密に書く記述力は何かというと、問われていることを書くだけでなく、問われてないこととの対比を意識して書くことです。
例えば、「……はAだから。」と書くだけでなく、「……はBではなくAだから。」と書くか、あるいは「Bではなく」ということを意識しながら書くことです。
その書き方によって、記述の輪郭がはっきりとしてきます。
しかし、こういう記述指導をしている人はほとんどいないようです。
緻密な作文力は何かというと、構成を意識して書くことです。
何かの意見を書いたら、その理由や方法などを書き、その裏付けとなる実例を書くかたちで展開していくことです。
小学校低中学年までは、まだ構成を意識する年齢になっていないので、表現項目を意識して、「たとえを入れる」とか「会話を入れる」とかいう条件の中で書いていくことです。
これも、言葉の森の独自の指導法で、ほとんどの作文指導は、こういう教え方はしていないと思います。
読解力も、記述力も、作文力も、基本になるものは緻密に考える力です。
その緻密に考える土台として、読書による語彙力を育てていく必要があるのです。
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国語力の本質は思考力です。それは、読解も、記述も、作文もそうです。
ところが、国語を教える先生は、論理的に教えるよりも感覚的に教えることを好む人が多いのです。
そのため、子供たちも国語は感覚的に解くものだと考えるようになってしまうのだと思います。
国語をどうして理詰めに解くことが大事かというと、進歩の跡がわかるからです。
感覚的に国語の問題を解いているうちは、「当たった」「はずれた」ということでしか見ることができません。
理詰めに解くことによって、自分の不足しているところがわかるのです。
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日曜朝の親子作文の1回目の課題は、「しぜんとかがくのはっけん366」の本の280ページです。
このページを見て、親子でブーメランを作ってみます。
作文の時間というよりも、工作の時間です(笑)。
参考までに、この本の推薦者でもある米村でんじろう先生がが作っているブーメランの動画を紹介します。
▽【実験86】詳しいペーパーブーメラン / 米村でんじろう[公式]
https://www.youtube.com/watch?v=dLSDj5uyPy8
▽でんじろう先生オススメ 『ブーメラン』 遊び方説明ビデオ
https://www.youtube.com/watch?v=4SoFip3Ev3o
こういう工作や実験を通して、親子で構想図を書き、お母さんが作文を書くというのが、親子作文です。
そして、お母さんが書いた作文に、そのときの写真を貼ったり家族のコメントを入れたりしてひとつの作品とし、それを読み聞かせの本のひとつとして読んであげるのです。
小学校低学年のころの学力は、読書と対話によって育ちます。
その読書と対話のきっかけになるのが、親子で楽しみながらできる知的な課題に取り組むことなのです。
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作文のような苦しい勉強をどう続けさせるかというと、小学1年生のうちに、作文は楽しい勉強だと自然に思わせるようにしてしまうことなのです。
何事も最初の印象が大事です。
しかし、子供に作文を書かせて、間違いを直して、書き直しをさせるような勉強をしていたのでは、決して楽しい勉強にはなりません。
お母さんと一緒に作文を書くから、楽しいだけで負担のない勉強になるのです。
最近、実験や工作を含めた説明文の良書がたくさん出ています。
物語文には、感性を育てるという面がありますが、同じように、説明文には、知性を育てるという面があります。
そして、説明文には、そこに書かれていることを実際の世界でほかの人と共有できるという重要な役割もあるのです。
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■受験作文コースの受け付け開始
中学入試の場合は、試験の行われる月の4ヶ月前から受講できます。
高校入試の場合は、3ヶ月前から、大学入試の場合は2ヶ月前からです。
受験作文コースの受講料は、通常の作文受講料にプラスして月額3,240円です。
受講を希望される方は、志望校の過去問の情報も併せてお知らせください。
■9月4週に保護者懇談会
9月4週(9月22日~9月28日)の夕方に保護者懇談会を行います。
のちほど、ホームページに参加申し込みフォームを設けますので、参加を希望される方は希望日を送信しておいてください。
今回の主なテーマは、「幼長、小1の親子作文について」「受験作文コースについて」です。
そのほか、自由なご質問ご相談を受け付けます。
■9月17日は休み宿題、
言葉の森のカレンダーの9月17日(月祝日)が「休み」と表示されていましたが、正しくは「休み宿題」です。
申し訳ありませんが、課題フォルダの訂正をお願いいたします。
https://www.mori7.net/ca/
■9月6日は言葉の森のホームページ記念日
言葉の森がホームページを解説したのは、記憶では今から22年前の1996年9月6日でした。
ふと、思い出して、昔のホームページのアーカイブを残しているサイトを見てみました。
▽Wayback Machine
https://web.archive.org/
すると、このサイトが保存を始めたのが1998年以降でしたから、言葉の森の最初のころのホームページはなく、1999年10月23日のページが最初のページになっていました。
それが、上の写真です。
画像、テーブルタグ、カウンタなど、全部手作りでした。
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9月の日曜日朝の「親子作文」体験学習の仕方の説明です。
■参加一覧表
ご参加いただく日程は、参加フォームの一覧表に記載されています。
変更などがある場合は、ご連絡ください。
https://www.mori7.com/kform_pre.php?f=tkg201809
■教材
参考にしていたく教材は、「しぜんとかがくのはっけん366」(主婦の友社)と、言葉の森の教材、「実行課題集9月」です。
また、「暗唱検定文集」で暗唱の仕方の説明もしますが、暗唱の取り組みは自由ですので、ご希望の方だけ練習してください。
▼「しぜんとかがくのはっけん366」
http://amzn.asia/d/1SzBWd7
▼「実行課題集9月」
https://www.mori7.net/jk/index.php?n=p&p=9&tuki=9
▼暗唱検定文集
https://www.mori7.net/mine/as2.php
■授業の流れ
全3回の授業の流れは次のとおりです。
決められた課題で取り組みにくい場合は、「しぜんとかがくのはっけん366」の別のページ、又は、「実行課題集9月」から自由に選んでいただいて結構です。
授業は約45分間で、そのあとミニ保護者懇談会を行います。懇談会の参加は自由です。
●1回目 ブーメラン(「しぜんとかがくのはっけん366」P280)
1回目の授業では、勉強の仕方を説明するだけですので、事前の準備をしていただく必要は何もありません。
お母様又はお父様とお子様が一緒に参加していただければ結構です。
なお、読んでいる本の紹介をしていただくので、今読んでいる本があれば手元に用意しておいてください。(本の表紙を見せるだけで結構です。特に中身の説明をしてもらう必要はありません)
1回目の授業のあと、ブーメランの工作をし、そのときの写真などを撮り、作文を書き、指定のページにアップロードしていただきます。
1回目に暗唱の仕方の説明をします。
●2回目 パン(しぜんとかがくのはっけん366」P295)
1回目に書いていただいた作文の紹介をします。
そのあと、2回目の作文の説明をします。
授業のあと、2回目の作文の実験をし、写真などを撮り、作文を書き、指定のページにアップロードしておいてください。
暗唱の練習をした方は紹介してください。(自由参加)
●3回目 わゴム(「しぜんとかがくのはっけん366」P303)
2回目に書いていただいた作文の紹介をします。
そのあと、3回目の作文の説明をします。
授業のあと、3回目の作文の実験をし、写真などを撮り、作文を書き、指定のページにアップロードしておいてください。
暗唱の練習をした方は紹介してください。(自由参加)
●4回目はありませんが、3回目の作文がアップロードされたあと、コメント欄に講評を入れておきますのでごらんください。
■掲示板
ご質問やご相談を受け付ける掲示板を設置しています。
ご自由にご利用ください。
▼寺子屋オンライン体験学習掲示板
https://www.mori7.net/ope/index.php?k=103
(メールやパスを入れる欄がありますが、空欄のままで送信できます。)
(2018年8月以前の投稿は、夏休みの体験学習に関する投稿ですので、今回の体験学習とは関係がありません。)
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9月の親子作文は、日曜日の朝9時からです。
おかあさんとお子さんだけでなく、お父さんも一緒に参加できます。
幼児や小学1年生ですから、作文を書くにはまだ少し早いと考える人もいると思いますが、大事なのは、書く前の準備で親子の対話ができるというところにあります。
そして、お母さんやお父さんと一緒に勉強する中で、自然に作文の書き方と、書くことの楽しさがわかってくるのです。
もうだいぶ前になりますが、うちの子2人が小1で作文を始めたのも今ごろでした。
そのころは、作文教室などは、たぶん日本中どこにもなかったので(笑)、かなり特殊な習い事でした。
しかし、そのあと、子供の友達が、誘ったわけではないのに次々とやってきて、にぎやかな教室になりました。
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学校や塾で行われている勉強は、答えがあれば誰でもできるようになるものです。どうしてもわからないという難しいものはありません。
わからないということが本当の問題になるのは、最先端のまだ誰もやっていないことに自分が取り組んでいるときだけです。
学校の勉強の世界は、だれでもわかるし、またできるようになっているのです。
特に、今は、インターネットでさまざまな情報、教材、先生、相談相手、友達を見つけることができます。
何をどう取り組んでいいかわからないというのは、ものごとの最初のときだけで、方向さえわかれば、あとは自分でどんどん進めていけるのです。
しかし、現在の社会は、教育環境があまりにも充実しているために、勉強のどの分野でも、人に教えてもらえる環境が整っています。
教えてもらうのが必要になるのは、運動や音楽やものの考え方や生き方など、主に身体的、精神的、文化的な分野です。
勉強として行われている知識的な分野は、教材さえあれば本来誰でも自分の力でやっていけるものなのです。
この知識的な分野は、人に教えてもらおうとすると、わかっていることもよくわからないことも同じように教えられるので、かえって学習の能率が低下します。
それでも、ひとりでやるよりも人に教えてもらう方が迷わずにできると考えていると、次第に自分で工夫するとか、自分で決断するとかいうことをしなくなってきます。
方法を他人に任せていると、次第に目的も他人に任せるようになるのです。
世の中に出れば、勉強はすべて自分で選び、自分の力で取り組まなければなりません。
特に、新しいことや自分らしいことを始めるときには、塾や予備校などはないのが普通です。
そのときに、自分で工夫し、自分で決めて勉強する力が生きてきます。
野口悠紀雄さんの「『超』独学法 AI時代の新しい働き方へ」には、これからの時代に、独学力がいかに必要になるかということが述べられています。
教わらないとわからないと考えていると、やることは限られてきます。
しかし、独学で学べばいいと考えると、現在はほとんどのことができるようになっているのです。
しかし、自分で行う勉強の難点は、強制力がないことです。
特に、小中学生のころはそうです。
定期テストや受験など当面の目標がないときは、地道に実力をつけるという気持ちにはなかなかなれないのが普通です。
人間は、テストや締切や競争がない中では、努力をつづけるということがなかなかできない存在なのです。
ここをどういう工夫で乗り越えていくかということが大事になります。
MOOCやスタディサプリなどのシステムが今後に更に普及すると、勉強は自宅で自分でするものという考え方が普通になってきます。
また、オンライン教育が更に発展すると、今度は、入学試験ということ自体がなくなり、誰でも好きな学校で好きなだけ勉強するということもできるようになります。
そのときに、自分の勉強に欠かせないものとして残るのは、一緒に同じ分野を興味を持って学ぶ友達だけになるでしょう。
しかし、こういう友達はすぐにはできません。何よりも自分が進歩向上していなけれが、同じように進歩向上している友達とは出会わないからです。
これからの勉強で大事なことは、自分で学ぶ力をつけておくことです。
それは、勉強にコストがかからないのはもちろんですが、それ以上に、無駄のない能率のよい勉強が進められるからです。
この自分で進める勉強が怠惰に流れないようにする枠組みが、友達と一緒に学び、担当の先生が勉強内容をチェックし、定期的に保護者と勉強の方向を相談するというシステムです。
学校や塾では、勉強の枠組みとしてテストを行います。
これは、生徒にとっても勉強の目標ができるというよい面がありますが、逆に言うと、他人のペースで勉強の目標を決められることによって、テストに間に合わせるための勉強になってしまう可能性があります。
勉強の目標を決めることは、長い目で見れば、自分の人生の目標を決めることにもつながります。
人に言われて行う勉強ではなく、自分の意思で行う勉強こそが、どの時代にも通用する本当の学力になっていくのです。
今の受験勉強は、得点差の大きい算数数学の成績が合否を左右する仕組みになっています。
この算数数学の学力を、自主学習でつけるということがひとつの目標になります。
本当は、算数数学の試験よりも、複数の小論文を書かせる試験の方が、生徒の実力を正しく反映すると思いますが、採点する側の手間の問題から小論文試験が普及するのは少し先になると思います。
しかし、AI採点の時代になれば小論文の試験はもっと広がるでしょうから、算数数学の勉強とは別に、難しい文章を読む勉強、つまり思考力をつける勉強を独自に進めていくことが、自主学習のもう一つの目標になります。
算数数学の勉強は、1冊の問題集を完璧に解けるようにすることですが、受験勉強に合わせるためには、1学年先までの勉強を早めに終わらせておく必要があります。それは、受験期の1年間に受験問題に特化した勉強をするためです。
これまで、紙ベースの問題集の独学では、この先取りの勉強というものがなかなかできませんでした。
しかし、スタディサプリなどの授業を利用すれば、高学年の先取り勉強はかなりやりやすくなっています。
算数数学の先取り勉強にしても、国語の問題集読書を中心にした難しい文章を読みこなす勉強にしても、またテーマを決めて作文を書く勉強にしても、いずれも今の学校では強制力を持った指導はしにくいのが現状です。
そこで、言葉の森では、子供たちが自分で必要な勉強を進めることのできる枠組みとして、自主学習コースを作りました。
これは、Zoomの会議室で、自分のペースで勉強を進め、その勉強の終わりに先生が勉強の内容をチェックするという学習システムです。
これまでは、先生と生徒との一対一の勉強でしたが、今後は発表学習コースと同じように、同学年の生徒がどういう勉強をしてどのへんまで進んでいるかといいうことが共有できるように、友達との交流という要素を取り入れていく予定です。
また、小中学生の勉強は、親の関わりがなければ、軌道修正がなかなかできません。
決められたことをただやるだけでなく、必要に応じて重点を変えるというのは、やはり保護者の協力が必要になるからです。
自主学習コースで基本的な勉強をする習慣をつけた子は、学力が能率よく伸ばせることはもちろんですが、それよりも大きなことは、高校生になっても大学生になっても、自分で決めた勉強を行う姿勢ができることです。
今の社会では、家庭でいながらにして手軽に楽しめる娯楽がいくらでもあります。
これに対して、子供たちの生活を外からの強制力でコントロールしようとすれば、そのコントロールがないところではかえって際限なく娯楽に埋没するようになります。
娯楽とも上手に共存しながら、向上心を持ち続けて勉強をするためには、自主学習の習慣と、それをときどきチェックしてくれる先生と保護者と、一緒に勉強を続ける友達というものが必要です。
そういう新しい勉強のスタイルを、自主学習コースで広げていきたいと思っています。
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短期間で成績を上げる方法は自学自習です。
自分で決めた勉強を自分のペースで行い、どうしてもわからないところだけ人に聞くのです。
これを最初から人に教えてもらう勉強にすると、途端に能率が下がります。
長時間勉強している割にあまり成績が上がらないというのは、人に言われた勉強をしているからです。
しかし、自分で行う勉強は、最初は試行錯誤があるので、軌道に乗せるまで時間がかかります。
この最初の遠回りに見える過程こそが、実は大切なのです。
算数数学の苦手な子が短期間で得意になる方法が自学自習です。
1冊の問題集を用意して、その問題集をすべて解けるようにするのです。
1回で解けた問題はもうやりません。
解けなかった問題だけを何度も繰り返して解けるようになるまで繰り返します。
そして、解法を見てもどうしてもわからないところだけ人に聞くのです。
問題集は、普通のレベルの薄いものでかまいません。
1ヶ月で見違えるほど成績が上がります。
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今、馬に乗ったり、剣術の練習をしたりする人はいません。しかし、江戸時代はそれらが誰でもできるということが常識でした。
世の中は大きく変化しています。身近なところでは、小売業の世界ではアマゾンの一人勝ちが更に進み、その他のプレーヤーはすべて負け組になりつつあります。(「the four GAFA 四騎士が創り変えた世界」より)
そして、アマゾンの一人勝ちが進むことによって、これまで小売業が吸収して雇用は、急速に失われています。
これと同じことが、社会のあらゆる面で起きてくるというのが、これから来る未来の社会に待っている事態です。
ときどき、生徒のお母さんから、「漢字が苦手なのですがどうしたらいいでしょう」という相談を受けます。漢字の書き取りは、勉強時間に比例します。既に書ける人から見れば簡単に見えることであっても、その習得にはかなり長い時間がかかっています。しかし、それに必要なのはかけた時間だけです。
漢字のテストは毎回満点、計算は人よりも何倍も速く正確にできるという能力を子供が持っていたとしても、その能力が、今後社会に出てから世の中を渡っていく武器になるかというとそういうことはもうありません。できないよりもできた方がいいが、できなくても特に問題はないという程度の能力なのです。
同じことは、今行われている勉強のかなりの部分で言えることです。小中学校の義務教育時代の勉強は、誰でも大体できていればいいのであって、そこで高得点を目指すものではありません。
しかし、実際には、試験に合格するために、80点を90点にしたり、90点を100点にしなければなりません。
それは、時間をかければ誰でもできることですから、そこに時間をかけた分、もっと大事なことに費やすべきだった時間が削られているのです。
では、費やすべきだった時間は何かと言えば、それはこれから来る社会でたくましく生きていく能力を育てるための時間です。
その能力さえ育てておけば、今勉強として行っているようなことで80点を90点にするとか、90点を100点にするとかいうことは、あとからいくらでもできます。
大事なのは、真の学力を育てておくことであって、テストの点数に表れる表面の学力を育てることではありません。テストの学力は、真の学力の結果であって、テストの学力が目的ではないのです。
では、その真の学力は何かと言えば、それは、学校で行われている勉強をもとにした思考力と創造力です。
学校で行われている勉強ができるということは、出発点にすぎません。それは、やればだれでもできるようになることだからです。大事なことは、その出発点から自分なりに考える力と、それを更に創造的に発展させる力を育てていくことです。
しかし、思考力と創造力は、何もないところから生まれるわけではありません。ぼんやりテレビゲームをしながら思考力と創造力を伸ばすということはまずありません。やはり、現在の学問の世界をもとにして伸ばす能力なのです。
言葉の森では、発表学習コースという名称で、子供たちが自分なりの勉強や実践を毎回発表するという勉強を行っています。
発表する素材の中には、理科や社会の勉強もあれば、教科の範囲にない自分の興味の分野もあります。国語や算数数学の分野もあれば、作文や暗唱の分野もあります。また、自分が行ったさまざまな経験の発表もあります。
それぞれ、自分の行った勉強や実践を、自分なりに学問的に深め、それらを創造的に発表しています。
小学校低中学年の場合は、保護者の協力も必要ですが、その保護者との協働や対話の中で、子供たちは学問の面白さや創造の面白さに目を開かれていきます。
そこで行われている勉強は、ただ知識を覚えてテストで百点をとればいいという勉強ではなく、自分なりに考えて表現する勉強です。
こういう勉強を通して身につけた思考力と創造力が、これからの社会で子供たちが生きていくための本当の武器になるのです。
今はまだ多くの人が、理屈では、世の中が大きく変わるらしいとは思っていても、実感としてそう感じているわけではありません。
そのため、とりあえずは学校の成績さえよくしておけば、あるいは、いい学校に入ることさえできれば、それから先は子供が自分でうまくやっていくだろうと考えています。
しかし、時代はもうそういう牧歌的な見通しが通用する社会ではなくなっているのです。
未来の社会は予測できません。ある程度の予定は立てられても、本当のことはわかりません。しかし、どういう時代になっても、思考力と創造力さえ育てておけば、その社会で自分なりに活躍する場を作ることができます。
そして、それは単に試験でいい成績を取るということとは別の、独自に育てていく能力と、そのための生きる姿勢なのです。
発表学習コースの時間割はこちらです。
▽発表学習コースのクラス一覧表
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 |
1700 | ■なね先生[学] | ■なね先生[学] | | | ■なね先生[学] |
| | ちはや 小3 女 | | | |
| | かんたろ 小3 男 | | | |
| | ゆう 小1 女 | | | |
1800 | ■なね先生[学] | ■ゆり先生[学] | ■かなた先生[学] | ■むらた先生[学] | |
| | 花 小2 女 | リンリン 小3 女 | 瑞風 小3 男 | |
| | リリー 小3 女 | なおや 小3 男 | ゆうゆう 小4 男 | |
| | あーちゃ 小4 女 | ねこ 小3 女 | | |
| | | ばら 小3 女 | | |
| | | | ■とおか先生[学] | |
| | | | バレリー 小3 女 | |
| | | ■きら先生[学] | なつ 小3 女 | |
| | | 謙信 小2 男 | ゆり 小4 女 | |
| | | ドラゴン 小4 男 | | |
| | | こうき 小3 男 | | |
| | | ヨーヨ 小3 男 | | |
1900 | | ■つかだ先生[学] | ■おおにし先生[学] | | ■きら先生[学] |
| | 紫式部 小4 女 | リリー 小5 女 | | 金メダル 小3 男 |
| | 毛利元就 小4 男 | あお 小6 男 | | さとしゃ 小4 男 |
| | 信玄 小4 男 | Jupi 小6 女 | | クレヨン 小3 男 |
| | 清正 小5 男 | | | カレー君 小5 男 |
| | 早雲 小5 男 | | | E231 小5 男 |
| | 忠勝 小5 男 | ■とうこ先生[学] | | もりちゃ 小3 男 |
| | 政宗 小6 男 | 四季島 中1 男 | | |
| | | さやさや 中1 女 | | |
| | | さとみ 中1 女 | | |
| | | サーサ 中1 男 | | |
※現在は、言葉の森の生徒であることが受講の条件になっています。それは、勉強の一部が作文の勉強と関連しているからです。
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発表学習コースは、これまでの勉強の枠に収まらない教育です。
しかし、将来はこれが子供たちの勉強の一つの新しいスタイルになってくると思います。
それはなぜかというと、発表のレベルが高いこともありますが、それ以上に子供たちが自由に生き生きと参加しているからです。
発表学習コースは、普通の勉強らしい勉強ではありませんが、むしろそれよりももっと知的です。それは、子供たちが自分で考えながら発表しているからです。
学校の勉強で余裕のある人はぜひ参加してもらいたいのですが、今はそういう子はあまりいないかもしれません。しかし、もちろん勉強で忙しい人にとっても、将来必ず役に立つ勉強になると思います。
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言葉の森では、現在、寺子屋オンライン作文という、ウェブ会議システムを使った少人数の作文クラスを開いています。
5、6人までの少人数で行うクラスなので、全員が発表をしたり感想を述べたりすることができます。
学校などで少人数学級という場合、その人数は20人から30人ぐらいです。
これぐらいの人数であれば、先生の目もある程度行き渡りますが、一人ひとりが発表するようなことまではできません。
それは、発表に1人3分かかったとしても、20人なら1時間、30人なら1時間半です。質問や感想を述べる時間を確保しようとすれが、すぐに2時間や3時間はたってしまうからです。
だから、20人や30人の少人数というのは、参加型授業ではなく、従来の一斉指導をもとにした少人数なのです。
しかし、人数が少なければいいというのではありません。
最も少ない少人数は、先生1人に生徒1人という関係です。
この場合は、家庭教師のような感じになりますが、じっくり面倒を見てもらえるというプラス面もあると同時に、次のようなマイナス面もあります。
それは第一に、コストがかかりすぎることです。コストというものは、成果との関係で評価できますから、きわめて高い成果を出すのであれば、そのコストはそれに見合って高くなっても問題はありません。
しかし、1対1のコストをカバーできるような成果を上げる教育は、受験期の集中指導やきわめて高度な指導かのいずれかだけで、通常はそういう指導は成り立ちません。
1対1という少人数のマイナス面の第二は、生徒に先生に対する依存心が出ることです。
売りて市場、買い手市場という言葉がありますが、相対的に少ないものの方が多いものよりも優位に立つという関係はどの分野でも成り立ちます。
生徒の数が少ないと、生徒は先生に甘える面が出てくるのです。
例えば、
先生「宿題やってきた?」
生徒「あ、ちょっと忙しくてできなかったんです」
先生「そう。じゃあ、今度はちゃんとやってきてね」
という流れになってしまうことがあるのです。
では、生徒一人ひとりが参加できて、しかも、生徒が先生に依存しないぐらいの少人数はどのくらいかというと、これまでの経験から考えると5人前後です。
しかし、この5人前後の少人数というのは、実はきわめて作りにくい人数なのです。
たまたま5人前後になるということはあっても、意識的に5人前後を維持して授業を行うというのは、普通の学校や塾ではまずできません。
大人数の一斉指導か、1対1の個別指導か、どちらかになるのが普通です。
しかし、もしこの5人前後の少人数を維持できるのであれば、その少人数は、授業に新しい面白さを生み出します。
それは、生徒どうしが交流できるということです。
小学校1、2年生のころは、子供の関心は主に親や先生に向かっています。
友達にどう思われているかということはあまり意識にのぼりません。
ところが、小学4年生以上になると、親や先生にどう思われるかということよりも、友達にどう思われるかということが重要な関心になってきます。
これがいたずらの方向に進めば、ギャングエイジの行動となりますが、勉強の方向に進めば、切磋琢磨という方向に進みます。
言葉の森の寺子屋オンライン作文クラスは、まだ始めたばかりなので、交流を重視しすぎたり、指導を重視しすぎたりという多少試行錯誤の面がありました。
しかし、だんだんと指導と交流の配分がわかってきました。
先生がある程度教えるが、教えるばかりでは生徒は面白くない、しかし、生徒の交流ばかりでは指導が後回しになってしまう、また、生徒の交流でも、小4以上の他人を意識した交流と、小3以下の他人をあまり意識しない交流では、生徒の間でもずれがある、などいろいろな要素を考えなければならないことがわかってきました。
こういうことを一から考えなければならないのは、やはり5人前後の少人数指導で、特に作文指導というものが、まだ世の中にないからです。
この新しい少人数指導が言葉の森でできるようになったのは、第一に独自の項目指導と事前指導という方法があったからで、第二にZoomやgoogleハングアウトというウェブ会議システムの作れるクラウドサービスがあったからです。
だから、ほかの学校や塾の作文講座では、まず同じことはできないと思います。
学校や塾では、従来の一斉指導と、個別添削と、優秀作品の発表というようなある意味でどこでもできる方法で作文指導をせざるを得ません。
ところが、それで子供たちが熱心に作文の勉強に取り組むようになるかというと、それはかなり難しいのです。
作文の勉強は、○×のつく勉強と比べると、手を抜いて書こうと思えばかなり手を抜いて書くことができます。
そのかわり、熱心に書こうと思えば、その子の実力いっぱいの力作も書けます。
こういう熱心さが、作文指導の効果を左右します。
5人程度の少人数の作文指導の意義は、子供たちが互いの交流の中で、自然に熱心に作文を書くようになるというところにあります。
そして、作文の交流以外に、読んでいる本の紹介など、より幅広い交流もできるようになります。
この新しい作文指導の方法をこれから広げていきたいと思っています。
▽現在、寺子屋オンラインの体験授業ができるようになっています。
詳細は、こちらに。
https://www.mori7.com/kform_pre.php?f=tkg201809
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作文が楽しく書けて上達する、というのは言葉の上では簡単に言えますが、実際にはなかなかそういうことはできません。
作文はもともと苦しい勉強ですし、また、もし準備もあまりせずに楽に書いているだけだとしたら今度はなかなか上達しません。
しかし、友達との交流のある作文指導の場合は、楽しく書けて上達するということが起こりうるのです。
それは、少人数クラスでは、ほかの人にどう見られるかという意識が働き、自然によりよいものを書こうと思うようになるからです。
Zoomのウェブ会議教室は、リアルな通学教室よりも、生徒の交流度が高まります。
通学教室では、生徒は横並びですから、互いに話すときは横を向いたり後ろを向いたりして話さなければなりません。
ウェブ会議教室では、みんなが正面を向いて話せます。
だから、よけいに相手のことが身近に感じられるようなるのが早いのです。
これは、ウェブ会議システムの大きな長所です。
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