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7月の森リン大賞、小6、中2,高2の作文――森リン点の高い子は学力も高い as/3401.html
森川林 2018/09/12 08:07 

 言葉の森では、毎月、パソコン入力で送られてきた作文を、森リンという独自の自動採点システムで採点し、そのベスト10の作品名と、最高得点を取った代表作品をホームページに掲載しています。

 今回は、7月の学年別の代表作品のうち、小6、中2、高2の3人の生徒の作品を紹介します。

 森リンの採点は、作文に対しての採点というよりも、その作文を書いたその生徒の作文力に対する採点です。
 作文力は、その生徒の潜在的な学力と関連しているので、森リン点の高い作文を書く生徒は、学力のある生徒と言ってもよいのです。

 ところが、学力と成績は必ずしも結びつきません。
 成績は、その勉強にかけた時間に比例しますから、学力があっても勉強に取り組んでいなければ成績はそれほど上位とはなりません。
 しかし、学力のある生徒は、受験前などに本気で勉強をし始めると、すぐに成績を上げることができるのです。

 今回、紹介する小6、中2、高2の生徒の学校の成績は、聞いていないのでわかりません。
 しかし、読んでみると、学力が高いことはわかると思います。

 作文力を育てることは、こういう本質的な学力を育てることなのです。

 なお、言葉の森の作文指導は、課題だけでなく、構成の仕方や表現の項目も一定の条件で書くようにしているため、部分的に読み取りにくいところもあると思います。
 また、生徒が自分でパソコン入力しているために、入力ミスが残っているところもあります。
 しかし、それでも全体の文章の流れは、いずれもよく書けていると思います。



■小6の部

   僕の部屋

 (長文を読んでの感想文)
 僕が一番心に残ったのは、先生がももこの机を開けたときのももこの感情である。なぜなら僕は普段、整理、整頓、清潔、しつけ、志賀家ルールというお父さんが作った5Sルールを心がけ、自分からも整理整頓をするようにしているからだ。普段から僕と同じ事をすればいいと思う。しかし、それでもたまに遊んでいるときにでもたまに遊んでいる時は次の遊びをする前に、遊んだものを片付けなさいと言われてしまう。しかし普段はあまり言わないがいうときはしっかりという母でさえ、母の部屋へ行くと洋服がベットの上に積み重なったりクローゼットの中にパンパンに詰め込まれている。たまにその風景をみると僕にいう前に自分のことをしたらどうだとたまに思う。しかし母は忙しい中で僕のことを思っているんだと思うと余計なお世話とかおせっかいと思うかも知れなけれど、嬉しことである。
 僕にもそれなりに整理できていないことがあるそれは、例えば写真や賞状などといったものである。その一つ写真では僕の小学一年生のアルバムの中にたまに不思議な写真が混ざっている。それはおそらく幼稚園での年中の頃と思はれるお泊まり会の写真だ。僕はそのような写真を見るとたまに、
「いつのだこれ(笑)」
などとつい言ってしまうことがある。(笑)そしてもう一つの賞状でも一年はたったっと思える図工や作文の賞状が残っている(笑)さらに賞状をしまうファイルの中には5歳ごろの賞状が未だ眠っているはずだ。他にも満点とか九十五点とかいろんなテストが一年生の時からずっと溜まっているこれは母がしっかりと残してと言ったからである。このように溜まったものを捨てようとすると止められる。理由を聞くと、僕にとっては昔のものでも母にとっては最近で思いで詰まっているかららしい。僕もその思いには納得がいく。それに自分の年齢を忘れたり間違えるほど人生が一瞬に感じられることがきっと僕にもくると思うからである。
 話に戻ろう。他の兄弟や父の部屋はどうだろうか。まず父は、5Sを考えただけあって、しっかりと整理整頓されていた。次に兄はどうだろうか普段はあまり入れてくれないので、兄のいない好きに覗いてみよう。ドアを開けると兄の汗をたくさん吸った服の匂いが僕の鼻を直撃した。まず布団がぐちゃぐちゃで次に棚には教科書や中途半端に使ったノートでパンパンだった。机の上は定規やらシャープペンシルが散乱していた。しかし兄はいつも9時ぐらいに帰ってきていて忙し体と考えてもいいだろう。しかしあまりに汚いので少し整理しておくことにした。妹の部屋は比較的綺麗だったがおもちゃがいたるところに少しずつあった。
 このように書いて行くとあることに気が付いた。それは人間にとって、整理整頓とは、やらなくてはいけないと知っていてもなかなかできない事という事である。さて今日は賞状を綺麗にしようか。



■中2の部

   言葉の意義

 「わぁ、すごいね。」
一昨日、住んでいるマンションのエレベーター前で同じ階に住む二つ隣に住む4歳の女の子と偶然、出会いその子と話をした。つい最近、その女の子は、近くのスイミングスクールに通い始めたらしい。そこは、私も通っていたところだったので話が盛り上がった。私は、エレベーターに乗るまでの待っている間、そのこと目線を合わせるために膝を折り曲げてかがんでそのこと目線を合わせた。そのほうがそのこと意思疎通ができると思ったからである。それに加え、こちらのほうが年齢も身長も高く目線を合わせることによってその女の子が私へ対する恐怖を持たなくて済むからである。このようにして、私だけでなく多くの人が小さな子と話をするときは、目線を合わせたり話し方をゆっくり穏やかにしたりと普段の話し方とは違う口調になるのではないだろうか。
 確かに、小さな子供に対しては赤ちゃん言葉のようななじみやすい言葉は良いという意見がありる。赤ちゃん言葉のようなオノマトペは、私は今でも生活の中で使うことがある。例えば、店頭でどこまでも押しつぶせそうな人形があれば、「モチモチ」と表現し、幾重にも真っ白いレースが飾りとなっている服やハンカチを見れば、「フリフリ」と表したりする。「ふわふわな人」と天然要素がありどことなく鈍感そうな人のことをこう言ったりするときも多々ある。このように、私は、幼いころに擬音語を使って物事を表し始め、いろいろなことに興味を持ち始めたという名残が今でもある。まるで、オノマトペは人間の言葉の一部であるかのようだ。赤ちゃん言葉とは、その名の通り赤ちゃんでも分かりやすい言葉で、意味を理解しやすいものの象徴といえると私は思う。
 しかし、小さな子供でも大人と対等に扱うほうが良いという意見もある。人間は、対等に扱われることで自信が持てる。人類の歴史を見ても日清戦争の講和条約で朝鮮は清の従属国であったが独立国となった。そして、当時は清のみしか「帝国」の名を語ってはいけなかったが朝鮮は、対等な関係を改めて世界に発信するために「大韓帝国」と改名した。これからも、幼いころから大きな大人と言葉だけでも対等に話してもらうことによって、人間の発達に欠かせない「自尊感情」が早く芽生えるのではないかといえると思う。
 赤ちゃん言葉のようなものになじみやすい言葉もよい、小さな子供でも大人と対等に扱うのも良い、しかし、一番大切なことは、言葉を通して世界の万物に対して興味を持ち自らの発達を促せるようになることだ。「読書は人間を豊かにし、討議は人間を役立つようにし、文章を書くことは人間を正確にする」という名言がある通り、ここに書かれていることは、言葉はこの地球に生きる我々にとってとても大切なことである。私は、これから、さらに多くのことを知り、社会に役立つ人間になれるよう言葉を様々な方向から研究していくことを決意した。



■高2の部

   異文化の取り入れ

 あなたの部屋は綺麗か。私の部屋は時と場合による。必ずと言ってよいほどテスト前には綺麗にしていたのだが、今回のテストでは一度も綺麗にしなかった。(いや、もとからきれいだったのかもしれない。(笑))正確には自分の部屋で勉強する機会が少なかったからだ。部屋が汚くなることは大昔の日本人の祖先たちが暮らしてきた森に逆戻りしようとしている心的作用なのかもしれない。今回に限ってはそのように開き直ることにした。日本人は流行に流されやすい。渋谷、原宿には同じような格好とメイクをしている人が多いと思う。まるでAKB48のメンバーの区別がつかない世界に入り込んでしまったようである。このように自分の主張を失ってしまっているのは問題だと思う。その原因は何なのであろうか。2つの原因が考えられる。
 その問題を生じさせた原因としては第一に、日本が西欧に追い付くことを進歩だと考えてきた歴史があるからだ。日本は西欧の進んだ文化を取り入れることに必死になってしまって、自国の文化と調和することをしてこなかった。まずは形からという事であろうか。日本で売られている服には英語が書かれているものが多い。一時期前(私が小学6年生のくらい=5年前)の子供服売り場は英語だらけだった。日本は欧米や西欧に憧れが強いのだろう。英語圏の人は日常的に英語の書かれた服を着ていなかったと思うが、形から真似をしていく、日本らしい方法だと思った。
 その問題を生じさせた原因としては第二に、日本人が日本の文化について学ぼうとしなかったからである。私たちの生活をしている場所を客観的に見ることは難しいが自国の文化を見つめ直すことは必要だ。私は今月の後半(7月29日から8月4日まで)にカナダのサスカツーンから男の子二人がホームステイをしに来る。その子たちのためにも!と日本を案内するために調べてみた。その中には自分が知らない日本のことも書いてあって、ある意味勉強になった。自分は日本に住んでいるのに、日本の日常生活や日本文化に触れていないような気がする。学ぼうとしていなかったこともいえるが、そもそも身に付いていなかった可能性も考えられる。
 確かに、西欧の発展した文化を取り入れることによって生活は便利になったと思う。しかし、取り入れることに集中したため、自国の文化がおろそかになってしまった。これは悲しいことである。便利を追及することも大切だが自国の文化・環境を知ることの方がもっと大切なことだ。文化とは自然と身に付くものでなく、海外に行って(外に出て自国を客観的に考えることによって)気付くものだ。私たちは上辺だけの西欧化に走り続けてしまった。そして、日本らしさや主張を失ってしまった。これは問題だ。
 あなたの部屋は綺麗か。
 部屋が汚いことを良しとはしないが、日本の文化をもう一度見直すべきだと思う。

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森川林 20180912  
 作文の勉強のいちばんの問題点は、どのくらい進歩したかという基準がわからないことです。
 しかも、作文力は、国語力の集大成とも言えるものですから、一犯に進歩はかなり時間がかかります。
 ところが、森リン点の推移を見ると、平均して年間2ポイントほど上昇しているのです。
 だから、小学6年生以上は、この森リン点を参考にして勉強していくといいと思います。
 なぜ小学6年生以上かというと、低中学年の作文だと、漢字の使い方や字数の関係で誤差が大きくなる面があるからです。


nane 20180912  
 森リン点の基準となっているものは、語彙の多様性とバランスです。
 なぜバランスが大事かというと、多様なだけだと、冗長な文章になったり、重すぎる文章になったり、硬すぎる文章になったりすることがあるからです。
 ただし、大学入試の小論文の場合は、多少重すぎたり硬すぎたりするぐらいでちょうどいいのです。


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暗唱力のある子は何でもできるようになる as/3400.html
森川林 2018/09/11 08:05 

 言葉の森の暗唱検定は、現在、初段の約10,000字分に続いて、二段の10,000字分もできました。このあと、三段、四段と暗唱検定の段階を上げていく予定です。

 最近、暗唱練習に取り組む人が増えてきたので、ほぼ毎週のようにそれぞれの級で合格者が出ています。
 暗唱は、子供がするだけでなく、大人がしても楽しいものです。
 家庭によっては、お母さんも一緒に暗唱しているところもあります。

 暗唱にはコツがあり、そのコツさえわかれば、誰でも楽にできるようになります。
 年齢による差のようなものは、ほとんどありません。
 何歳になってもできるのが暗唱のいいところです。

 しかし、すぐにできるのは、暗唱の仕方を素直に受け入れる幼児から小学2年生のころです。
 学年が上がると、音読を繰り返すという基本を忘れて、その文章を意識して覚えようとするようになるので、かえって暗唱が難しくなることがあるのです。

 暗唱の練習を続けることによって暗唱力のついた子は、学校の勉強がすべてできるようになります。
 これは、特に受験勉強のときなどには有利です。
 今の入試問題は、考える問題が増えてきたとは言っても、基本は知識をベースにしたものになっています。
 また、算数・数学のような、一見考える問題にように見えるものでも、その本質は解法の記憶です。
 暗唱力のある子は、難しい算数・数学の問題でも、その解法を覚えてしまうので、似た問題にもすぐ応用できるようになるのです。

 ただし、暗唱をしていれば自然に勉強ができるようになるというのではありません。
 暗唱力のある子は、勉強をする気になればすぐにできるようになるということです。

 ところで、この暗唱の練習は、家庭でスムーズに続けている人もいる一方、家庭ではなかなか続けられないという人もいます。
 暗唱は、成果がはっきりわかるので、本当は続けやすいものなのですが、家庭でひとりで取り組んでいると、時には飽きてしまうということもあるようです。

 そこで、利用できるのが、寺子屋オンラインのクラスでの毎週の暗唱発表です。
 クラスによっては、参加している生徒が全員それぞれの暗唱の発表をするようになっている曜日もあります。
 すると、自然に毎日暗唱の練習をするようになります。

 この暗唱発表のいいところは、進度は各自で決められるので、たまに練習をしなかった週があっても、それまでに覚えた分の暗唱は確実に発表できるということです。

 毎日10分程度の暗唱練習が定着すると、家庭学習の柱ができるので、ほかの勉強にも取り組みやすくなります。

 暗唱力をつけることは、子供たちの勉強の基本と言ってもいいと思います。


 言葉の森では、10月以降も、日曜朝のオンライン作文体験学習を行いますので、この寺子屋オンラインクラスで暗唱の練習に取り組んでいかれるとよいと思います。

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森川林 20180911  
 暗唱力があれば、数学も語学もそのほかの勉強もすべてできるようになるということのひとつの例は、本多静六です。
 赤点を取るほどできなかった数学を、わずか数ヶ月の暗唱法で克服し、大学の卒業時には、「数学の天才だから授業に出なくていい」とさえ言われるようになりました。
 留学先のドイツでは、最も難しいと言われる教授の著書をすべて暗唱できるようにし、口頭試問も完璧に合格しました。
 その静六少年は、子供のころ、家が貧しかったために勉強をしたり本を読んだりする時間がほとんど取れず、家の仕事を手伝っている間、覚えた暗唱をただ繰り返す練習をしていたのです。
 暗唱力のある子は、やる気になればすぐできるようになるという点で、この本多静六に似ているところがあります。

nane 20180911  
 暗唱を順調に続けていた子が、いちばんよくつまずくのが百人一首のところです。
 ひとつひとつの歌が独立しているので、次の歌を「思い出す」というワンクッションが入ってしまうのです。
 暗唱のいちばんのブレーキになるのは、この「思い出す」という癖です。
 思い出さない練習法をもっと徹底させるか、思い出して時間がかかってもいいことにするか、今、どちらがいいか考えているところです。

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