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移転先はオープン教育掲示板に――今後の大方針変更――言葉の森の教室も引越しに as/3428.html
森川林 2018/10/15 06:35 

 google+が来年廃止されることになったので、その代わりになるコミュニティツールを探していました。
 slack、chatwork、workplace、G suiteなど、いろいろ見てみましたが、どれも一長一短でした。

 最初、workplaceがよいと思ったのですが、同じドメインでないと使えないので、生徒に新たなメールアドレスを渡しても煩わしいだろうと思い、やめました。
 chatworkも見せてもらいましたが、記事のスレッド表示ができず、チャットがどんどん流れていくだけなので、じっくり話をするコミュニティとしては使えないと思いました。
 slackもたぶん同じです。
 G suiteは、無料版がないのでだめでした。G suiteは、ビジネスモードのgoogleハングアウトやgoogle+が使えるので、それなりにいいとは思いますが、生徒全員が参加するのはすぐには難しいと思いました。

 そして、結局、自前で作ったオープン教育掲示板を利用することにしました。
 しかし、画像や動画をオープン教育掲示板に直接アップロードするとサーバが重くなるので、今後は、自分のgoogleフォトにアップロードした画像や、youtubeにアップロードした動画のリンクを貼り付けてもらうことにしたいと思います。
 長期的に考えると、そのように自分の作品は自分のgoogleフォトで管理しておいた方がいいと思います。それは、自分のgoogleフォトのページで、削除も、共有の開始停止も、すぐにできるからです。

 さて、今回のgoogle+移転問題で、新たに確信したことがありました。
 それは、言葉の森の生徒は、単に何年間か作文の勉強をするお客さんと考えるのではなく、今後始める同窓会のメンバーになってもらうことも含めて、一生、教育と文化の面で付き合いを継続できる仲間にしていきたいということです。

 そのために、言葉の森は、次のように方針を大きく変更することにしました。
 それは、第一に、作文教育から全教育へと守備範囲を広げることです。
 その全教育の目的は、これまでと同じ、子供たちの真の実力を育て、家庭と地域を基盤に、点数よりも文化を重視し、競争ではなく創造を目指す教育を行うということです。
 具体的には、作文だけでなく、読書、暗唱、国語、算数数学、英語、理科実験、プログラミングなどの教育も行っていくことです。

 それを例えば、今後、寺子屋オンラインの次のようなコースで実現していく予定です。
・作文コース+読書紹介
・発表学習コース+暗唱チェック+その他
・自主学習コース(作文・読書・暗唱・国語・算数・数学・英語・その他)
 作文と発表学習は、発表と交流を中心としたコースで、自主学習は、自学自習と先生の個人チェックを中心としたコースです。

 第二は、幼児から社会人までの全年齢の生徒を対象にすることです。
 これまでは、「作文を書く」という力を本人が持てる小1あたりからスタートし、大学入試に向かう高3あたりまでを一区切りとしていました。
 しかし、全教育ということを考えれば、読書と対話を中心とした教育や、親子作文の教育などに力を入れることができます。
 また、子供が本当に書く力と考える力をつけるのは、高3から20代前半にかけてですから、その時期に読書、特に難読を中心とした交流を進めていけば、ほかではできない価値ある教育になります。
 そして、社会人になっても、同窓会に参加して知的な交流を深めていくことができます。
 そのような一生続けられる教育を提供する教室にしていきたいと思います。

 第三は、全教育、全年齢と語呂合わせ的になりますが、講師も全生涯を言葉の森の指導に充てることができるようにすることです。
 言葉の森の講師は、定年はありませんが、それでも90歳や100歳になれば、子供を教えるのが難しくなる時期が来ます。
 しかし、そのときまでに、自分の後を継ぐ講師を育てておけば、親講師と子講師の関係で、間接的に子供の教育に携わることができます。
 それが、同時に私設年金制度のような形になるのです。(森林プロジェクトの植林システムという名前をつけています。)
 これからの世の中であてになるものは、資産でも、資格でも、投資でもなく、日々人に喜ばれる仕事ができることです。
 そして、自分が仕事ができなくなっても、それまでに仕事のできる人を育てておけば、その人を通して仕事をしていることになるのです。

 以上が、おおまかな言葉の森の今後の方針です。
 この方針の前提となる考え方は、この世界で根本的に価値あるものは「創造」だということです。

 例えば、人類が最初に火の利用を考えついたとき、そこで創造が生まれました。
 その後の火の利用の普及は、便利さの普及であって創造ではありません。
 最初の発見又は発明のときに創造があったのです。

 同じように、人類が最初に車輪を発明したとき、そこに価値ある創造が生まれました。
 その後の車輪の利用の普及は、便利さの普及であって創造ではありません。
 最初の発明のときにだけ創造があり、したがって価値が生まれたのです。

 現代の社会でも同じです。
 今は、お金の流通が、創造ではないところで大きく動いているので、何が本当に価値あるものかが見えにくくなっています。
 宝くじが当たったなどということは、お金の移動を生み出しはしますが、何も価値あるものを生み出していません。
 真に価値あるものは、この世の中にまだないものを創造したときに生まれます。

 短期間の狭い範囲に限って言えば、宝くじに当たることは富を生み出したように見えます。
 しかし、長期間の人間社会全体に関して言えば、創造が行われたときだけ富が生み出されるのです。

 だとすれば、これからの日本の社会が目指す道は、多くの人が、自分の今いるところで小さな創造を積み重ねることです。
 その中には、火の発見や車輪の発明のような大きな創造もあるかもしれません。
 しかし、それも、小さな創造の幅広い裾野によって生み出されるはずです。

 このように考えれば、価値ある創造を生み出すもとになる、子供たちの創造教育こそが社会の中心的な関心になる時代が来るのだと思います。
 今の世の中は、子供たちの教育が中心になっているのではなく、もっと別の大人の都合が中心になって回っています。
 これを、すべての社会人が子供の教育に関心を持ち、子供の教育中心に社会の運営を考えるような社会にしていく必要があります。

 言葉の森が、今後の方針として、全教育、全年齢、全生涯を考えているのも、こういう教育に対する考えがあるからです。

 さて、このような大きな方針の変更を考えて数日してから、突然引越しの機会がやってきました。
 今の通学教室は、特に不便はないのですが、3階でエレベーターがないので、荷物運びの人がいつも大変な思いをしていました。
 そして、1、2階の飲食店の入ったビルの上にあるので、教育の場とは少し雰囲気の違う感じがありました。

 たまたま、今の教室から距離として600メートルぐらい離れたところで、駅から徒歩4分ほどのところに、小さな4部屋が取れるフロアがありました。
 全体のスペースは今よりも狭くなりますが、今はほとんど使っていない空間もかなりあるので、毎日の授業や仕事には差し支えありません。

 そこで、この10月から11月にかけて引越しすることになります。


 さて、それとはまた別の話ですが、たぶん来年早々、新しい本がもう1冊出る予定です。できれば、今年中に出るといいのですが、それは今後の進み具合によってです。
 今度の本の内容は、国語の読解、記述、作文に関する参考書です。
 これまで、生徒の保護者から、よく読解問題の解き方や、記述問題の書き方の質問を受けていましたが、この本を読めばすぐにわかると思います。
 読解については、この本のとおりに勉強すれば、必ず成績が上がります。
 小学生を対象に書いていますが、中学生でも、高校生でも同じように役立ちます。
 センター試験の国語の成績を上げたい人は、ぜひ読んでみるといいと思います。
 小学生の場合は、子供が読むには少し難しいので、保護者が読んで理解し、子供の国語のテストに当てはめて考えるようにしてください。


 このように、いろいろなことが重なる10月、11月になりますが、最近読んだショートスリーパーの堀さんの本を参考にしながらがんばってやっていきたいと思っています。

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森川林 20181015  
 真に価値あるものは、創造です。
 これから世の中が大きく変化すると思いますが、資産も、資格も、資源も、本当の意味ではあてになりません。
 世の中で、人に喜ばれることをすることと、何かを創造することが、最後に残る価値あるものです。
 その根本に立ち返れば、子供の教育の方向も自ずから決まってきます。
 そういう原点をときどき振り返りながらやっていきたいと思います。


nane 20181015  
 今月は、寺子屋オンラインのやり方を変えるので忙しくなりそうだと思っていたら、それに輪をかけて忙しくなる話が出てきました(笑)。
 突然引越しが決まったのです。(ほぼ決まったということですが。)
 これから世の中の変化が速くなるから、それに追いつけということなのだと思います。

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森川林 2018/10/12 08:16 

 普通、勉強というと、答えが一律に決まっているもののことを言います。
 だから、一斉指導の形の授業が有効で、それが能率のよい勉強の仕方になっています。

 しかし、答えが決まっている勉強でも、学年が上がるにつれて内容が難しくなると、それに応じて習熟度によるクラス分けが必要になってきます。
 特に、今のように家庭環境の差が大きくなると、低学年のうちから、読書習慣などによって勉強以前の差が生まれてきます。
 その習熟度の差に対応した教え方が、個別指導です。

 しかし、答えのある勉強の世界で最も能率のよいのは、一斉指導でも個別指導でもなく自学自習です。
 子供がまだ自分で勉強を進められない年齢のときは、親が協力して親子で進める自学自習が最も能率のよい勉強法になります。

 ただし、この家庭での自学自習の難点は、一般に親が性急に成果を求めすぎるところにあります。
 読書習慣などは、子供本人の好きな本を、短いページ数でよいので、毎日休まずに気長に続けていくことが大切なのですが、多くの親は、子供にとって難しすぎる本を、週に1回か2回、集中して読ませて、その読んだ結果についてテストをするような濃い勉強的な読書をさせがちです。
 そのために、力がつく前に、親子喧嘩になってしまうことが多いのです。

 この家庭での自学自習をやりやすくするために、言葉の森では寺子屋オンラインの自主学習クラスを開いています。
 ただし、今の自主学習クラスのやり方はまだ子供たちの交流がなく、定期的な評価などもないので、今後はこの面を改善していく予定です。

 さて、答えのある勉強は、今後寺子屋オンラインを利用した自学自習でカバーしていけるようになりますが、これからの学力の中心は、答えのない勉強になります。
 AI化が進む時代には、この答えのない勉強の実力をいかにつけていくかということが大事になってきます。

 その答えのない勉強では、子供たちが、個性的で創造的な研究をし、それを友達の中で共有し、互いに交流する形の勉強が中心になります。
 そういう勉強の代表が、読書と作文とプログラミングです。
 これらの勉強は、初心者のころは一斉指導でもできますが、学年が上がりレベルが上がってくると、同じレベルの子どうしの発表や交流が勉強の意欲につながるようになります。

 そして、これらの勉強は、高校3年生になったから卒業というものではなく、更に長期間、自分の力を向上させていけるものです。
 実は、子供たちの学力が深いレベルで成長するのは、高校3年生の18歳から20代前半にかけてです。
 もし大学生になったあとも、年に何回か、小学1年生時代から一緒に寺子屋オンライン勉強してきた友達と、読書や作文やプログラミングやさらには将来の仕事などについての交流ができれば、これはかけがえのない学習の機会になると思います。

 今行っている、寺子屋オンラインの作文クラスと発表学習クラスは、このような長期的な勉強として進めていきたいと思っています。
 そのために、今後は寺子屋オンラインクラスの生徒募集に力を入れ、その生徒増とクラス増に対応するため、森林プロジェクトの講師育成に力を入れていこうと思っています。

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森川林 20181012  
 答えのある勉強は、個性のない勉強です。
 個性のない勉強が最も得意なのはAI(人工知能Z)です。
 漢字や計算の勉強で人間とAIが競争したら、絶対に人間が負けます。
 そして、そういう分野は年々広がっています。
 だから、人間は、漢字や計算などの学力は8割押さえておけばそれで十分で、あとの余力は個性のある学力づくりに向けていくことです
 そして、もし、試験などで漢字や計算も10割近くにする必要があるときは、試験直前に集中学習をして間に合わせればいいのです。
 狭い日本の、さらに狭い学校や塾の先生の評価に合わせるのではなく、将来の世界という大きな枠で考えていくことです。


nane 20181012  
 個性が大事な時代と言っても、基礎学力は必要です。
 その基礎学力とは、昔ながらの読み書き算盤です。
 その中でも、最も大事なものは暗唱です。
 暗唱力があれば、読解力、思考力、表現力も伸びるからです。
 そして、暗唱は小1以前からでも、誰にでもできて、しかも慣れると楽しくなってくるからです。


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学力は8割でよいという考え――では何を伸ばすのか as/3426.html
森川林 2018/10/11 16:42 

 東大の2020年からの大学入試入試における英語の方針が発表されました。
 それは、民間試験利用の英語の成績が、国際的な尺度であるCEFR(セファール)でA2以上だということです。
 そして、これは出願の要件であって、得点としては加算しないということです。

 CEFRでA2のレベルというのを英検で見てみると、準2級から2級の実力で、高校卒業時に生徒の半分が達成すべき基準だとされている水準です。
 以前、東大の推薦入試で、「学力は、センター試験で8割取れればよい」とされていましたが、それと同じ発想です。

 つまり、学力はある程度あればそれでよしとして、あとは思考力とか、創造力とか、個性的な関心や意欲のようなものを優先するということなのでしょう。
 これは、これまで東大の入試に合格してきた成績優秀な子供たちの中に、優秀なのは成績だけで、論文もまともに書けないとか、学問に対する意欲もないとかいう子が目立ってきたためではないかと思います。

 この入試の成績と真の学力との乖離は、予備校の入試対策が充実してきたことと比例しているはずです。
 言い換えれば、大学入試の対策が充実すればするほど、入試が科挙化していったのです。
 そして、これは、大学入試に限らず、高校入試でも、中学入試でも起きつつある現象です。

 成毛眞(なるけまこと)さんは、最近の著書の中で、面白いことを述べています。
 それは、今活躍している若者たちの多くは「ゆとり世代」で、勉強漬けにならなかった中高生時代を過ごしていたというのです。
 AI時代に、学力の基準は大きく変わってきます。
 これまで優秀とされてきた学力の中には、AIでカバーできるものがかなりあるのです。
 では今後、子供たちの真の学力を伸ばすという場合、何を伸ばしていったらいいのでしょうか。
 私は、それは広義な意味での国語力だと思います。
 その国語力とは、漢字書き取り力とか、選択式の読解力とか、文学の読み取り力とかいうものではなく、もっと根本的な哲学に近い思考力なのです。

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森川林 20181011  
 今、ゆとり教育が見直されつつあります。
 確かに、一部では低学力の子供たち生み出し、その負の側面が大きく取り上げられましたが、その一方で、勉強漬けにならない子供時代を送り、個性と能力を開花させていった子供たちもいたのです。
 このゆとり教育のプラスの面をどう伸ばすかということが、これからの教育の課題です。

nane 20181011  
 勉強はどの教科も一応できた方がいいのです。
 しかし、どれもオール5を目指すような勉強の仕方は、かえって害があります。
 ところが、小学校低学年で普通にできる子の場合は、親がつい全部できるようにさせてしまうことが多いのです。
 本当は、それよりももっとその子の自由な時間を作ってあげる方がいいのです。
 これが、「8割できたらいい」という考え方です。

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