「寺子屋オンライン案内」、「寺オン作文案内」、「発表学習案内」、そして、「親子作文」のページを新しくしました。
大きな変更があったのは、googleコミュニティを使わずに、生徒掲示板「鳥の村」を使うようにしたたことです。
これは、googleコミュニティが4月から廃止になることがきまったためです。
しかし、「鳥の村」のように自前の掲示板を利用すると、動画などの重いファイルはアップロードしにくくなるので、googleフォトなどのクラウドサービスを使って、そのリンクを貼ってもらうようにしました。
そのちょっとした手直しですが、小さな変更箇所があちこちにあり、直しているうちにほかの直したいところも出てきて、次々に直しているうちにスクリプトエラーになったりそれをまた直したりということを繰り返して、かなり時間がかかってしまいました。
まだ手直しは途中で、このあと、「自主学習コース」の内容を編集する予定です。
そのあと、寺オン講師育成講座に関連する仕事でたまっていることをやる予定です。
いろいろお待ちいただいている方も多いと思いますが、もうしばらくお待ちください。
さて、寺子屋オンラインの関係のページを直しながら思ったことは、オンラインで少人数で学習する仕組みというのは、これからの時代の教育を考えるうえで、やはり大きな可能性を持っているということです。
今、アクティブ・ラーニングに取り組むところが増えていますが、アクティブ・ラーニングは、参加する生徒が積極的で創造的でないと、ただの遊びのような集まりになってしまいます。
また、一緒に行う人数が多すぎると、一人ひとりがただのパソコンを使うだけの授業のようなものになってしまいます。
これを克服するのが、少人数で必ず全員が発表し感想を述べることができるような形の運営をすることです。
まだこういうやり方をしているところはほとんどないと思うので、言葉の森も試行錯誤中ですが、大体の見通しがついてきたので、今後よりよい運営をしていけると思っています。
発表型の学習のどこに可能性があるかというと、個々人がいくらでもレベルの高い個性的な学習ができるというところです。
これがもし、教わる形の学習であると、それが一斉指導であれ個別指導であれ、低学年のときはその方がずっと能率がよいのですが、高学年になってくるとレベルを高めることが難しくなってくるのです。
想像してみるとわかりますが、どんな教科の勉強でも、生徒が中学生になっても高校生になっても、みんなが目を輝かすような授業のできる先生というのはごく限られています。
すると、そういう魅力のある授業でレベルを高めるかわりに、解きにくい難問を解くような方向に進んでしまうのです。
入試問題を使えば、そういう難問には事欠きませんから、優れた子の多い優れたクラスほど、みんなが同じような難問を解く方向に向かうのです。
それは、勉強というものの本来の姿ではありません。
もちろん解きにくい問題を解くというのは、人間の知的好奇心をかきたてますから、それはそれで面白いのですが、それが答えのある与えられた問題であり、結局みんなの行き着く先は同じだというところに限界があります。
その限界を意識しないで済むように、時間制限と点数があり、その点数を比較してやる気を高めるような仕組みになってしまうのです。
本来の勉強というのは、面白いからやるというものです。
その面白い勉強をする土台を作るために、言葉の森では、寺オン作文や発表学習のようなオンラインの発表型の勉強を広げていきたいと思っています。
▽寺子屋オンライン案内
https://www.mori7.net/teraon/
▽寺オン作文クラス案内
https://www.mori7.net/teraon/ts/
▽発表学習クラス案内
https://www.mori7.net/teraon/hg/
▽自主学習コース案内(編集中 2019/1/23現在))
https://www.mori7.net/teraon/jg/
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
優れた学者には、高校生のころに何かの学問に感動したという経験があるようです。
それはもちろん学者に限りません。人が何か新しいことに挑戦したいと思うときは、そこに感動があります。
しかし、感動というのは、人が与えてくれるのを待っているものではありません。
自分から進んで行動したときに、そこに感動が生まれる機会があるのです。
寺オン作文クラスと発表学習クラスの案内の編集が終わったので、あとは、自主学習コースの編集です。
自主学習コースの原理は、今アメリカで急速に広がっている(らしい)ブレンディッドラーニングと同じでした。
このブレンディッドラーニング、別の言葉で言えば「オンオフ学習」あたりになると思いますが、これがこれからの教育の主流になると思います。
すると、学校でも、大手塾でも、中小塾でも、どこでもブレンディッドラーニングで教育を行うようになります。
また、学校や塾に行かずに、自宅でブレンディッドラーニングをやるという家庭や家庭の集まりも出てくるでしょう。
この場合、ネットに広がる世界はどこでも同じですから、リアルな教室が差を出すことは難しくなります。
どこに行ってもオンラインで同じような充実した勉強ができるとなれば、違いは、ランド&ブラッドになります。
つまり、気持ちのいい場所で、仲のいい友達と勉強ができるということが、最も重要になってくるのです。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。寺子屋オンライン(101) アクティブ・ラーニング(0)
暗唱は、作文力を高め、思考力を深めます。
その暗唱について、三つの話をします。
第一は、暗唱のコツです。
よく、若いときでないと暗唱できないとか、小さい子の方がよく暗唱できるとか言いますが、その差は年齢にあるのではありません。
暗唱というものの考え方にあるのです。
小さい子は、音読を繰り返すので、すぐに暗唱できるようになります。
学年が上がり、知識がついてくると、文章を覚えようとしてしまうのです。
覚えるということは、思い出そうとすることです。すると、思い出すことが癖になり、暗唱の練習ではなく思い出す練習になってしまうのです。
暗唱というのは、最初の一読目が大事です。
一回目の読みで読み間違えると、その読み間違いが癖になり、いつもその箇所で読み間違いをするようになります。インプリンティングというものに似ています。
だから、最初はゆっくりていねいに、読み間違いがないように読んでいく必要があるのです。
しかし、間違いなく正確に読めるようになったら、今度はできるだけ速く読むようにするのです。
人間の理解力はかなりスピードがあります。どんなに速く読んでも、内容についていけないということはありません。
そして、できるだけ速く読むことによって、文章が一文一文のつながりでなく、まるごと一つながりのものとして頭に入ってくるのです。
こうなると、道を歩いていて、ふとそのフレーズが頭に浮かぶということも出てきます。作文を書くときも、自然にいいリズムがやいい表現が思い浮かぶというようになるのです。
それは、ただ表現が思い浮かぶということだけではありません。その文章の考え方やものの見方も同時に思い浮かぶのです。
暗唱によって、作文力も思考力もつくというのは、こういう理由からです。
このできるだけ速く読むというのは、特に百人一首の暗唱のときなどに必要になります。
というのは、かなり多くの生徒が、この百人一首の暗唱でつまずいているからです。
そのつまずきのいちばんの要因は、次の句を思い出そうとすることにあります。
暗唱とは、覚えたり思い出したりすることではなく、繰り返し音読することだという点をしっかり確認して取り組む必要があります。
そのできるだけ速く読むということについて、とても参考になる作文があったので、紹介します。
小学5年生の作文の一部です。
====
……
僕は、繰り返すことに時間をかけたことがある。それは、暗唱だ。最初は、「雨二モマケズ」を繰り返し読んでいるうちに覚えてしまった。なぜ始めたのかというと暗唱検定ができたからと、覚えるのが楽しかったからだ。
難しい言葉もあるが、つながった文章のものは、まるで早口言葉のように読んで覚えていった。むしろ早口の方がいい。百人一首は、一句一句につながりないため覚えきれないで苦戦した。どうしたら上手く覚えられるかしばらく考えて、いい案を思いついた。百人一首には一句一句つながりがないから句と句の間で息継ぎせずに句の途中で息継ぎをするようにした。すると全部を暗唱することができた。
====
朗読と暗唱は、似ているが違うものです。
朗読を繰り返しているうちに暗唱ができるようになるというのは、かなり時間がかかります。
しかし、覚えることと暗唱することも、似ているが違うものです。
暗唱とは、ただ早口で繰り返し音読することです。
そして、その文章がまるごと自分のものになってから、ゆっくり味わうという読み方をしていくといいのです。
この記事に関するコメント
コメントフォームへ。
暗唱が作文に役立つというのは、いくつも例があります。
生徒の場合は、長文を何度も音読しているうちに、その長文の表現が自然に自分の作文の中に生きてくるということがあります。
いろいろな文章を音読し暗唱していると、どんなテーマが与えられても、それに関連したそれまでに読んだ文章が思い浮かべられるので、そこを出発点にして作文を書き始めることができるのです。
言葉の森の暗唱練習の特徴は、説明文の古典も含めた高度な暗唱文が多いこと、暗唱検定という目標があること、少人数クラスで暗唱ができるので楽に続けられること、暗唱の手順や方法がはっきりしていることにあります。それに加えて、今後は小4以上の英語暗唱にも力を入れていきたいと思っています。中学生で英語の知識的な勉強を始めるまえに、小4からまるごと英語の文章を覚えてしまうようにするのです。
同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。暗唱(121)