「父母の広場」に、生徒の保護者の方から暗唱の自習に対する質問がありました。
1月から新たに始めるようにした暗唱の自習は、かなりとまどわれた方も多かったと思います。
暗唱をするという勉強の仕方は、親も子も通常やったことがないからです。(しかし、おじいちゃんおばあちゃんの世代の方はやったことがあると思います)
ここに書かれた質問は、多くの人に共通すると思いますので、質問と回答を整理して紹介します。
質問:中学生で、学校の勉強に追われるので、10分間の暗唱という自習を新たに取り組ませることは難しい。
回答:中学生以上の生徒は、できない人が多いと思います。子供自身がそういう勉強に慣れていないからです。
ですから、あまり無理をせずに、これまでどおり長文を読むということで続けていってください。
その場合は、これまでと同じように穴埋め問題を出していきます。
ただし、将来の展望として、暗唱を発展させる形での作文読解指導を考えていますので、今後は、そういう具体例を紹介して、生徒自身が意欲を持てるようにしていきたいと思っています。
質問:本当に、長文の最初の300字の暗唱がそれほどに効果があるのでしょうか。
回答:効果は絶対にあります。これは実際にやってみて確信を持って言えます。
しかし、初めて暗唱の自習を取り組むときには心理的な摩擦がきわめて多いこともわかります。
もし、ドリルをこなすような自習であったり、音読をするだけの自習であったりすれば、お母さんもお子さんもあまり負担を感じずに取り組めると思います。しかし、それでは実力がつかない、又は、実力がつくのが遅いということがわかってきたので、敢えてこの負担の大きい暗唱という自習を開始したのです。
質問:古文などの素読はわかりますが、特に良質かどうか不明な長文の冒頭300字の暗唱は意味があるのでしょうか。
回答:暗唱する長文の質は、比較的良質です。今後、更に良質のものをそろえていきたいと思います。
しかし、言葉の森の自習は、有名な文章を覚えることを目的とした勉強ではなく、暗唱の仕方を身につけることを目的とした勉強です。ですから、この自習で冒頭300字の暗唱のコツをつかんだ子は、今後自分の好きな文章を同じように暗唱していけます。これがいちばん大事なことになると思います。
質問:学校で毎日教科書を5回音読する宿題がある上に、暗唱の自習をさせるのは難しい。
回答:暗唱の自習が、学校の教科書音読5回の勉強と重なると、子供さんにとっては負担が大きくなります。その場合、言葉の森の自習は朝のうちにやって、学校の宿題は夕方にやるというように、一日のうちで時間の感覚を空けておくといいと思います。我が家でも(森川林)、学校の音読の宿題があったときはそういうやり方をしていました。
質問:暗唱の仕方が、実感として今ひとつつかめません。
回答:実際の暗唱の仕方については、ビデオをごらんいただくとわかりやすいと思います。
https://www.mori7.com/mori/mori/20081230.php
また、言葉の森の通学教室の生徒が、低学年の子から高学年の子まで、先生の前ですらすら暗唱している様子もビデオに撮りました。しかし、後ろ姿の撮影でもプライバシーの問題があるので公開はしていません。もし、お子さんに、「こんなふうにできるんだよ」と説明したいからそのビデオを見たいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください(生徒限定)。
質問:低学年なので、暗唱は、音読よりも難しいように思ってなかなかできません。
回答:低学年であればあるほど、暗唱の自習はすぐにできるようになります。そして、暗唱10分の方が、これまで音読よりも面白いと思うはずです。ぜひ、やってみてください。
そして、できれば、お母さんも一緒にやってください。暗唱の自習が面白いことと、暗唱が頭にいいことが実感としてわかってきます。
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1月から、通学教室の中学生以上を対象に、マインドマップ風構成図と音声入力の指導をします。
音声入力の仕方は、下記の図をごらんください。
【図の説明】
1、課題をもとに構成図を書きます。
構成図をきれいにわかりやすく書くために、5−10色のカラーペンを用意するといいと思います。
構成図の段階では、自由にできるだけたくさん書きます。構成図には、できるだけ短文で書きます。長い文で書くとそれに時間がかかります。単語が多いとあとで文章化がしにくくなります。
構成図を書く時間は10分程度です。
2、構成図を書き終えたら、その図を眺めて全体の話の流れを決めます。
3、ICレコーダー(オリンパスVoice Trek V-61、ヘッドセットHST402-BK)を使って、原稿を音声で入力します。
1文ずつ録音しては停止します。(録音ボタンを押して1文を入れ、停止ボタンを押して止める)
入力ミスをした場合は、戻って消去してから同じ文を入れます。
頭の中で1文を全部考えてから入れます。途中で詰まったら、その1文は消去して新たに入れ直します。
読み方は、普通の速度で、はっきりした声で、普通の語彙で、読みます。
(カイギョーと入れると改行しますが、これは手作業のときにまとめてやればいいので、普通に読んでいきます)
音声を入力する時間は10分程度です。
4、ICレコーダーをはずして、音声ファイルをパソコンに取り込みます(ここは先生のする作業)
5、1文ずつの音声ファイルを1つの音声ファイルにまとめます(フリーソフトUniteMovie)(ここも先生のする作業)
6、音声をでテキスト化します(AmiVoce Es-2008)(ここも先生のする作業)
7、テキストを修正して完成させます。
最初から手入力で書く場合は、テキストはそのままにして、構成図をもとに新たに書いてください。
【図】
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海外の生徒は、ファクスでも送れますが、ご自分で手書き作文をアップロードする場合は、次のようにしてください。
国内の生徒でも、ご自分で手書き作文をアップロードすることができます。
1、作文の丘に行き、コード、パスワードなどを入れ送信します。
↓
2、本文の欄には、「手書き原稿」などと書いて送信します。
↓
3、JPG原稿アップロードの「参照」ボタンをクリックします。
↓
4、自分のパソコンの中からアップロードするJPGファイルを探します。(例の場合は4つ)
↓
5、1つずつ順に「参照」でアップロードします。
(図では1つ目のファイルがアップロードされる状態になっています)
↓
6、全部を「参照」でアップロードしたら「送信」ボタンを押します。
(図では4つのファイルがアップロードされる状態になっています)
送信ボタンを押したあと時間がかかることがありますが、何度も押さないでください。
↓
7、アップロードが成功すると画面が切り替わります。
↓
8、手書き原稿がアップロードされた状態です。
↓
9、「山のたより」の画面では、このように表示されます。
(評価と講評は別に書かれます)
↓
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1、長文暗唱の自習を定着させ、高速聴読、読解マラソン、記憶術などと結びつけた魅力ある指導を行ないます。
2、ウェブ添削を軌道に乗せ、郵便・ファクス・メールを使わないリアルタイムの手書き添削を広げます。
3、mixiのようなSNSを作り、学年別、先生別、テーマ別のコミュニケーションを盛んにします。(仮称moxi)
4、マインドマップ風構成図のノウハウを蓄積し、中学生以上の考える作文指導を更に強化します。
5、音声入力のノウハウを確立し、高校生以上の新しい作文技能を開発します。
6、google bookなどを利用した読書の広場を作り、新しい読書指導を提案します。
7、勉強アドバイザー制度を設置し、作文に限らず勉強全般のアドバイスを実施します。
※更に来年は、言葉の森を、作文以外、ネット以外、日本以外にも広げていく予定です。
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為政者が何度か国を誤ることがあっても、日本はそのたびに復活しました。
その鍵は、素直さと調和と思いやりを大事にする日本文化の中にありました。
その日本文化の鍵は、日本語文化の中にあります。(和食や和服や日本の自然などの中にもありますが)
言葉の森は、今年、日本語文化の創造、復活、教育、開発を目指します。
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小学校低学年からの学習の中心は、日本語を駆使する力を育てることです。これは、低学年のうちは特に読む力を育てることになります。
読む力をつけることによって、読書による知識が身につくことはもちろんですが、もっと大事なことは読書好きになる力がつくようになります。文章を読む力のある子は、文章が目の前にあると、すぐに読もうとします。読む力のない子は、最初から読もうとしません。この姿勢の違いが、実はあとになるほど大きく響いてくるのです。
読む力があると、国語の成績がよくなるだけではありません。英語や数学など、ほかの教科の勉強でも、読めばわかるはずだという確信が育ってきます。もちろん数学は、言語の操作とは少し違う発想の仕方をするので、その違いを学習することは必要です。しかし、基本にあるものは、読んで理解するという力なので、国語力がすべての教科につながると言われているのです。
中学生や高校生の学習の中心は、読む力とともに書く力になってきます。これは、書くことによって考える力の基礎ができるからです。しかし、現在の学校と受験のシステムでは、指導と評価に時間がとれないという理由から、書く力を学習する機会はあまりありません。書く力は、独自に育てていく必要があると思います。
言葉の森で勉強している子に共通する特徴として、書くことが苦にならない、書くことが好きになる、更には書くことが得意になる、ということがあります。これは、作文や小論文の試験でももちろん役に立ちますが、それ以上にその子の生涯の生活において大きなプラスになっています。
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