小学1年生の段階では、学校で習う勉強もかなり易しいものですから、勉強面で大きな差があるようには見えません。
そして、少し熱心に取り組めば、成績もすぐに上げることができるような気がします。
しかし実は、成績に表れないところで、小学1,2年生の子供の実力はすでにかなり大きく開いているのです。
だから、小学1,2年生の勉強は、教科の勉強として行う以前に家庭の文化として行なっていく必要があります。
この文化の差が、かなり大きいのです。
例えば、食事中にテレビを見ながらご飯を食べている家庭と、食事中にさまざまな話題を楽しみながら食べている家庭とでは、子供の読解力や表現力は大きく違ってきます。
それは、国語の問題集を何時間か行ったぐらいで逆転できるものではありません。
読書についても、本の好きな子は毎日必ず本を読んでいます。
しかし、小学生の中には、たまにしか本を読まないという子もかなりいます。
表面にはあまり表れてこないこの読書量の差が文化の差なのです。
言葉の森の寺子屋オンライン学習は、単に勉強を教えるだけでなく、この家庭の文化を豊かにする方向でも取り組んでいきたいと思っています。
受験勉強は、学年が上がり必要になってから行うものではなく、ある意味で小学1年生から勉強ではない家庭の文化の面で始まっていると言えるのです。
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小学校低学年の家庭における教育文化とは、楽しい読み聞かせ、又は楽しい読書と、楽しい対話です。
つまり、楽しく日本語を豊かにしていくことが、その子の情緒を育て、学力を育てていくのです。
子供と楽しくお喋りしながら、子供の日本語を豊かにしていくためには、親は単に知識だけで話をしないことです。
大人の知っている知識を子供に教えるような対話では、子供は楽しさを感じません。
それは、学校で授業を聞いているようなものだからです。
そうではなく、親の体験談と、そのときに思ったことをアドリブで話すのです。
子供の語彙を豊富にするのは、そういう生きた会話なのです。
うちの子はとても漫画本に最近はまっています。
この記事での読書に漫画本を読むことは含まれないと思いますが、
漫画本では補えない読書の効果について教えてください。
よろしくお願いします。
YYYYさん、こんにちは。
読書好きの子は、漫画も好きです。
だから、漫画自体が良いのでも悪いのでもありません。
大事なのは、漫画以外の、つまり字のスペースが絵のスペースよりも多い本を読んでいるかどうかです。
読書とは、絵の助けを借りずに文章だけで内容をイメージ化し読み取る力をつけることができるものだからです。
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勉強というと、たいていの人は実力をつけるための勉強を考えます。
学校や塾のテストができるようになることが、実力をつけることで、それが勉強だと多くの人は考えています。
普通の勉強はそれでいいのです。しかし、受験に関してはこれは大きな勘違いになります。
小学生ばかりでなく、中学生や高校生でも、受験に臨む際の勉強を普通の勉強に臨むときと同じものとして考えている人がいます。
それは、分かりやすく言うと、勉強の実力を全体的に付けておき、その実力で合格しそうなところを受けるという考え方です。
学習塾でも、この考え方で勉強を教えているところがあります。
そのひとつの例は、受験直前になるまで過去問はやらないで取っておくという方針です。
つまり、受験直前になるまで全体的な勉強の実力をつけておき、いよいよ受験が近づいたら、過去問をやってみて、その時点の実力で受かりそうなところを受けるというのです。
受験というものは、まずどこに合格したいかということが先にあって、その学校の出題の傾向調べ、その出題傾向に対して本人の実力はどのぐらいであるかを見極め、そしてその学校に受かるための勉強計画を立てるというやり方で取り組むものです。
ですから、過去問は、受験に入る1年前の春休みに取り組むものであって、秋になってから過去問に取り組むというのは勉強の仕方を全く分かっていないやり方なのです。
ところが、今のお父さんやお母さんの世代も、ほとんどの人が過去問は秋になってから取り組むというような勉強の仕方をしてきたので、早めに過去問に取り組むという発想はなかなか出てきません。
そのため、多くの人が長時間の無駄の多い勉強をして、たまたま合格したり合格しなかったりという状態になっているのです。
志望校の過去問分析が大事だということは、学習塾などでも、どこそこの学校に強い塾というような言われ方がされるのを見ても分かります。
どの学校にも受かるような全体的な学力をつけるのではなく、ある特定の学校に合格しやすい勉強に絞って行うという方法があるということなのです。
ところが、大勢の生徒を教えなければならない学習塾の場合、個々の生徒の志望校に合わせ、その生徒の実力に応じた指導を行えるようなところはまずありません。
そこまで行うには、家庭教師のような個人指導をしてくれる先生に頼むことが必要になります。
しかし、家庭教師であっても志望校の過去問の分析にはかなり時間がかかりますから、そこまでやれる人はほとんどいないと言ってもいいと思います。
だから、いちばんいいのは、保護者が子供の目指す志望校の過去問を研究し、その子の実力のどこを伸ばすべきかを考え勉強の計画を立てていくということなのです。
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実力を、その名のとおり「力」そのものだとすると、方法というのは、テコにあたります。
同じ力でも、テコの支点、力点、作用点の位置によって効果は大きく違ってきます。
受験もそれと同じです。
受験の合否は実力よりも、方法によって決まってくるのです。
受験の1年前に過去問に取り組むと言っても、それは問題を実際に解いてみるわけではありません。
問題にあらかじめ答えを書き込み、その問題と答えを読むのです。
すると、自ずから今後自分がどういう方向で勉強すべきかがわかってきます。
そこで、初めて自分に合った教材を探すのです。
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