塾に行っても国語の成績がなかなか上がらないという人が多いと思います。
それは当然です。
塾の国語の授業で国語力が上がることは、たぶんほとんどありません。
学校でもそうですが、国語の授業の多くは、国語の文章を味わうためのもので、国語の点数を上げるためのものにはなっていないからです。
塾で国語の点数をあげるために行われていることの代表は、国語の問題集を解く勉強です。
ところが、国語の問題集をいくら磨いても国語の成績は上がりません。
その証拠にはならないかもしれませんが、国語の得意な子は、国語の問題集を解くような勉強をまずしていないからです。
では、どうしたら国語の成績を上げることができるのでしょうか。
その方法は、たった二つです。
■読む力をつける
一つは、問題集読書で難しい文章を繰り返して読む練習を続けることです。
要約をしたり穴埋め問題を解いたりするのではなく、ただ読むだけです。
なぜ、ただ読むだけがよいかというと、要約をしたり穴埋め問題を解いたりする勉強の何倍も早く、しかも簡単に勉強ができるからです。
なぜ、簡単に勉強ができるのが大事かというと、その勉強を繰り返し行うことができるからです。
文章の要約や書き写しを5回繰り返して行うことはまずできません。
ところが、文章を繰り返して読むだけであれば、5回以上の繰り返しは簡単にできます。
これが、言葉の森の提案している問題集読書です。
要約であれば、要約の正解のようなものか、要約をチェックする人が必要になります。
穴埋め問題集であれば、その問題集がなければ勉強が続けられませんが、そういう問題集はもともと数が限られています。
問題集読書は、1冊の市販の問題集を買ってくれば、だれでもすぐに始められます。そして、そういう問題集はいくらでも手に入ります。
ところが、この問題集読書を家庭だけでやろうとすると、長続きさせることができません。
ただ読むだけの勉強というのは張り合いがないので、やがて飽きてやらなくなってしまうことがほとんどだからです。
同じようなやりやすそうに見えるが続かない勉強に「1分間速音読」とか「10分間作文」というものがあると思います。
たいていの勉強は、半年続けて初めて成果がわかります。
半年続かないものは、何をやっても大した効果は望めません。
この「1分間速音読」や「10分間作文」の練習を長く続けられる子はまずいません。
これは、それらの教材を批判しているわけではありません。
教材そのものは、それなりに工夫されています。
しかし、実際に子供が続けられるかというと、想像すればわかるように、半年以上続けられる子はまずいないのです。
長く続けられないということは、途中でやめてしまうことなので、結局途中でやめたという結果しか残りません。
それは、新しく音読や作文を始めるときのマイナスの出発点にさえなるのです。
ですから、続けられる展望のないものは、最初からやらないほうがずっといいのです。
では、問題集読書や音読や暗唱を半年以上続けられる方法はあるのでしょうか。
その答えが、自主学習クラスの勉強です。
毎週、先生が見ている中で、友達と一緒に音読や問題集読書をやるのであれば、それは容易に続けることができます。
言葉の森の教材は、小学1年生から中学3年生まで、分野によっては高校3年生まで継続できるように作られています。
だから、先の展望を持って勉強を開始することができます。
■解く力をつける
国語の成績を上げるもう一つのコツは、読む力をつけるだけでなく、解く力をつけることです。
これは、特に、読む力はあるが国語の成績が思うように伸びないという子にとっての勉強です。
この解く勉強の中心が読解検定試験です。
読解検定試験でできなかった問題の理由を考えると、読解問題を解く解き方のコツが分かってきます。
この読解検定の解説も、今度自主学習クラスで行うようにしました。
問題集読書と読解検定と自主学習クラスをセットにして行うことによって、国語力は向上していきます。
読解検定試験の解き方のコツは、宣伝のようになりますが、「小学生のための読解・作文力がしっかり身につく本」を読めば、どなたでもわかるようになっています。
ただし、内容が難しいので、子供さんだけでなく、必ずお父さんやお母さんも読んでいただく必要があります。
その上で、できなかった問題の理由を分析することが、読解力を高めるコツになります。
帰国子女枠の入試でよく出されるテーマですが、日本にいる生徒の場合も、「日本文化と世界の他の文化との比較jということで一度は考えておくといい課題です。
こういう大きいテーマのときは、お父さんやお母さんと話をしてテーマの全体像をつかむようにしましょう。
意見で個性を出すのではなく、意見はよく言われる普通のものでいいので、そのかわり実例と表現の部分で自分らしさを出していきます。
実例の部分は、社会的なテーマの場合、データの引用が生かせます。
このデータは、ほかのテーマのときにも意外と使えるので、新聞の切り抜きなどから探しておくといいでしょう。
書き方のポイントとしては、「日本人は」とか「外国人は」という言葉で、一面的な言い方にならないように注意することです。
ものごとには、必ず例外があり、その例外も考慮した表現にしていく必要があります。
しかし、こういうところに気をつかうというのも、日本的な国民性なのかもしれません。
▼問題
「読解・作文力の本」P118
▼動画
ハイパー作文7.3週の授業
https://youtu.be/0ox2cP-pgOQ