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本を読む習慣をつける最も手軽で効果のある方法 as/3891.html
森川林 2019/10/21 09:24 

 読書の本当の喜びとはちょっと違うが、
 友達が読んでいる本は、読んでみたくなる。
 友達に関心を示される本は、もっと読もうと思う。
 本そのものではなく、本を介した人間とのつながりが読書のきっかけになっている。


 オンラインクラスは、1クラスの人数を6人以内としているので、全員に発言する機会があります。
 授業の最後は、全員の読書紹介をします。
 これが、子供たちの読書習慣を維持するのに大きく役立っています。

 本というのは、毎日読んでいると読む習慣がつきますが、試験か何かがあっていったん中断すると、そのまま読まなくなってしまうのです。
 中学生や高校生が本を読まなくなるのは、定期試験の前に本から遠ざかるということが一因です。

 小学生の場合は、試験というよりも、面白い娯楽が多いので、つい読まない日があると、そのまま読む習慣がとだえてしまうことがあります。

 ところが、毎週読書紹介があると、自分の読んでいる本を紹介しなければなりません。
 そして、読んでいる本を紹介すると、ほかの人から質問や感想が聞けます。
 また、自分も、ほかの人の読書紹介に質問や感想を言う時間があります。
 すると、本を読むことが面白くなるのです。

 子供に本を読ませる方法については、いろいろ工夫したやり方があります。
 しかし、そういう方法の多くは、もともと本の好きな子には、かえって煩わしいものです。
 本の好きな子は、直接本を読みたいのですから、面白い工夫というのはかえって遠回りに感じてしまうのです。
 だから、本の好きな子にとっても、本の嫌いな子にとっても、最も簡単で効果のある方法は、この少人数の読書紹介なのです。

この記事に関するコメント
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森川林 20191021  
 よく、「いい本を紹介してください」と言われると、何冊かは紹介します。
 しかし、小学生は平均して1週間に2冊の本を読んでいます。
 「いい本を読ませる」という考え方では、すぐに限界が来ます。
 限界の来ない方法は、友達との交流です。
 しかも、ややこしい方法ではなく、ただ毎週自分の読んでいる本を紹介して互いに感想を言うだけなのです。

nane 20191021  
 うちの子は読書好きでしたが、今いろいろある読書のクラブや読書のバトルのようなところには、まず行かなかったと思います。
 ただ本が好きなだけなので、そういう遠回りの方法は煩わしいだけだったと思うのです。
 しかし、読書紹介という機会があれば、それは喜んで参加したと思います。
 本好きな子にとって、読書紹介というのは、自分の好きな本を紹介できる数少ない機会だからです。

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苦手をなくす教育から得意を伸ばす教育へ as/3890.html
森川林 2019/10/20 08:11 

 人は欠点に目が向きやすいから、まず苦手をなくそうとするが、
 それでは、せいぜいみんなと同じになるだけ。
 得意を伸ばすのが人間のもともと生まれてきた目的で、
 そのために、苦手をカバーしてくれる人が現れるようになっている。


 昨日、フェイスブックグループの「帰国子女の原」に、次のような記事を投稿しました。
====
こんなことを書くと、いろいろ批判があると思いますが、私は海外にいた子が日本に来てから、海外で身につけた英語を無理に維持する必要はないと思います。
 日本では日本語を使えればいいので、また海外に行けばそこで海外の言葉を使えるようになります。
 人間は今生活している場所の言語を使えればいいのです。

(確か、梅棹忠夫さんも同じことを言っていました。梅棹さんは実際に実行していた人ですから、確かなことだと思います。)
====
 日本人は、たぶん世界でいちばん英語が苦手です(笑)。
 ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英さんは、英語でスピーチすることになっているノ受賞記念講演で、わざわざ日本語だけで講演したぐらいです。

 なぜ、ほかの知的な面では優秀な日本人が、英語だけは、同じアジアのどの国の人たちよりも遅れた英語力しか持っていないのでしょうか。

 それは、ひとつには、日本語で手に入る学術資料が圧倒的に多いからです。
 植民地になったことがないのだから、それは当然です。
 そのために、先人たちは苦労して世界中の書物を日本語に翻訳してきのです。

 しかし、もうひとつの本当の理由は、日本語が英語と、たぶん世界の言語の中で最も両立しにくい言語だからなのです。
 そのことは、既に東京医科歯科大学名誉教授の角田忠信氏が研究成果として発表していますが、このことを多くの人が知りません。

 今後、小学生時代からの英語教育が更に進むとしても、日本人はもともと苦手な英語で世界と勝負しようとするのではなく、得意な知的分野に磨きをかけて、そこで勝負していくべきなのです。

 英語教育に力を入れて、いくら英語ができるようになっても、それは世界の水準にやっと追いついたということでしかありません。
 その追いつくための英語教育は、これまでの批判の多い日本の英語教育でも十分にやってこられたことです。
 英語の教育方法がいくら変わっても、今以上の優れた英語教育はたぶんできません。
 英語は、時間をかけなければできるようにならないのです。

 日本でこそ、英語ができるということは重視するかもしれませんが、世界で戦う武器になるのはその英語力ではなく、自分の得意とする知的能力です。
 そこを伸ばしていくのが、これまでと同様、これからの教育の最も重要な柱になるのです。

 苦手をなくすというのは、枝葉の教育です。
 教育の幹となるものは、得意を伸ばすということです。
 得意の分野さえしっかりしていれば、苦手な分野はカバーしてくれる人や国が現れるようになっているのです。

 では、その得意を伸ばす教育はどのようにして行うのかと言えば、私は、それを創造発表教育と考えています。
 小学生時代から、自分の好きな分野を自由に研究し、それをみんなの前で発表し、子供たちどうしで質問や感想を交わす教育を行っていくことが、その子の得意分野を見つけそれを伸ばすことにつながっていくのです。

 先日の創造発表クラスでの、ある小4の生徒の発表です。
https://youtu.be/6UUII6TQBoA

 準備に時間がかかったと思いますが、これだけの発表を毎週行って、みんなと質問や感想を交わしていれば、この子たちはそのまま東大の推薦入試の条件も軽くクリアしていくと思います。

 そして、自分の得意分野を伸ばしたあとに、その後必要になる英語の勉強は、中学生、高校生になってからじっくり取り組めばいいのです。
 それは、勉強さえすればいいのですから簡単です。

 小学生までに英語を伸ばし、得意な分野がわからない子供たちをいくら増やしても日本の教育はよくなりません。
 苦手をなくすのが先ではなく、得意を伸ばすのが先なのです。

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森川林 20191020  
 今の教育の多くは、恐怖を動機としています。
 「遅れないように」とか、「みんなについていけなくなると困るから」とか、そういうところから出発している教育が、子供たちにとって面白いわけがありません。
 だから、面白く見せるために、点数や競争や賞罰の仕組みだけが発達していくのです。
 創造発表クラスは、点数も評価も競争も賞罰もありません。(今度、創造大賞というのは作ろうと思っていますが(笑))
 人間が本来持つ知的好奇心の喜びだけで成り立つ教育があってもいいと思うのです。


nane 20191020  
 大きな海を見ていると、人間界の競争などどうでもいいことに思えてきます。
 自然界は、それぞれの生き物が自分の得意分野を生かし、今西錦司さんの言う棲み分けで仲よく暮らしています。
 時おり見られる競争は、その棲み分けの中のごく一部の調整機能にすぎません。
 だから、最近の漫画にあるように、ライオンとトラが闘ったり、ゴリラとクマが闘ったりということは、普通はないのです。
 闘っているのは人間だけです(笑)。


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