理科実験の本を何冊か揃えてみました。
「実験おもしろ大百科」は415ページもあります。
中身はこんな感じです。
中身は豊富です。実験の面白さが中心に書かれています。
「でんじろう先生の学校の理科がぐんぐんわかるおもしろ実験」
ページ数は127ページですが実験の仕方が簡潔に書いてあるので内容は豊富です。
またその実験の結果がどういう理屈で成り立っているのかということも書いてあります。
「理系アタマがぐんぐん育つ科学の実験大図鑑」
ページ数は160ページです。全ページカラーで、なぜそうなるのかという理屈が詳しく書いてあるので高学年の生徒にも読み応えのある内容になっています。
「理系アタマがぐんぐん育つ科学の実験大図鑑」は、本が大きすぎるので本棚に入りにくいという難点はありますが(笑)、この本が一番のおすすめになると思います。
なぜ理科実験の本を探しているかというと、これからの勉強はアクティブラーニングが中心になってくるからです。
言葉の森の作文は、もともとアクティブラーニング的な勉強です。
この作文の勉強に、創造発表的な勉強と、自主学習的な勉強を組み合わせていくことを考えています。
文部科学省ではアクティブラーニングの目標を、主体性があり、対話があり、創造性がある学習というようなことで定義しています。
この学習の定義にピッタリ合うのが、創造発表クラスの学習です。
参加する生徒が少人数で全員に発表の機会があり、またその発表の内容は個人個人が自由に自分の個性を生かして選んできたものです。
また、実際に実験をしたり観察したりするという実行の伴うものが多いので、そこで自然に保護者との対話や生徒どうしの対話が生まれます。
個性があり創造性があり対話があるというところが、アクティブラーニングの目的そのままなのです。
ところが、このアクティブラーニング的な学習を、従来の答えのある勉強でやろうとすると効果は半減します。
これまでの国語・算数・理科・社会・英語のような勉強をアクティブラーニングとして組み立てようとすると、ある程度のお膳立てをしなければなりません。
また、お膳立てされて答えがあらかじめある世界でのアクティブラーニングは、子供たちにとってそれほど魅力のあるものにはなりません。
アクティブラーニングの学習法には、その学習の方法にあった学習の内容が必要です。
その学習の内容として第一の候補となるのが、自由な理科実験ということなのです。
言葉の森の創造発表クラスは、現在テキストも一応ありますが、参加者それぞれが自由にテーマを決めて研究したことを発表しています。
自由にテーマを決められるというのはいい点ですが、このやり方では保護者の負担が大きくなる面もあります。
そこで、理科実験の内容が選べるように面白そうな本を探していたのです。
今後この「科学の実験大図鑑」などをもとに、小学生だけでなく中学生、高校生も含めた創造発表クラスを広げていきたいと思っています。
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従来の勉強をするだけなら、わざわざアクティブラーニングでやる必要はありません。
自主学習で、目標を決めてやっていけばいいだけです。
この自主学習は、先生に教わる勉強よりもずっと能率がいいのですが、低学年のうちから自主学習の習慣をつけておくことが必要になります。
新しい創造的な勉強は、自主学習ではできません。
それは、友達との対話があることによって面白くなる勉強だからです。
作文の勉強はどちらのやり方でもできますが、今後はアクティブラーニング的な作文学習が中心になってくると思います。
うちの子が小学生だったら、まずやらせてみたいのが、作文クラスに次いで創造発表クラスの学習です。
この創造発表クラスの勉強に向いているのは、勉強を楽しめる子です。
言われたことをきちんとやるだけでなく、言われていないことも工夫してやるような子が創造発表クラスの学習に向いているのです。
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作文を書くという作業はいかにも勉強しているように見えるので、書くところが勉強の中心のように思いがちです。
しかし、書くということのほとんどは、自分が集めた材料と考えたことの結果を書くことであって、本当に大事な勉強は、書く前の材料集めと考える過程の中にあるのです。
中学生や高校生で要領のいい子になると、課題をまともに読まずにヒントを読んでそれなりに上手な文章を書くこともできます。
しかし、結果は上手に書けたとしても、内容の面で自分で考えたものが少ないので、そういう子はよく書いているわりになかなか力がつきません。
逆に、事前に長文を読み、両親に取材をしたり自分の似た体験を思い出したりして準備してきた子は、作文そのものの出来はもちろんよくなりますが、それ以上に準備の段階で考える力がついているのです。
作文の勉強の中心は予習をしてくることで、作文を書くというのはその結果に過ぎないと考えておくことが大事です。
将来の作文は音声入力で書くことが中心になるでしょうから、そうするとますますこの考えてくることと書くことの違いがはっきりしてくると思いますが、今はまだ手で書いたりパソコンで書いたりしている子がほとんどなので、この書く作業が作文の勉強の中心のように思われてしまうのです。
では、予習に力を入れるためにはどうしたらいいのでしょうか。
言葉の森では、予習をしやすくするために、小学3年生から6年生までに予習シート配っています。
しかし、これは単なるきっかけで、本当は自由にフリーハンドで自分の考えたことや取材したことをメモしてくればいいのです。
この予習をしっかりしてきた子は、どの子も作文力が上達しています。
予習に力を入れる勉強法として役立つのが、オンラインの少人数クラスの学習です。
少人数に限定しているので、全員に予習の発表の機会があり、その発表のあとに全員に質問や感想を述べる時間があります
全員の発表のあとに全員が質問や感想を述べるので、人の話をしっかり聞いていなければ話をすることができません。
アクティブラーニングを実施している学校やクラスでも、全員が参加するという形はなかなか取れません。
中心になる人が何人かいて、周囲の人は受け身で参加するというようなアクティブラーニングも多いのです。
この予習の発表を中心としたオンラインの作文は、これからの作文指導の主流になってくると思います。
言葉の森でその新しい作文教育を広げていきたいと思っています。
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添削で直るのは、表記のミスや表現の不十分なところだけです。
題材が豊かになったり、主題が深まったりすることはありません。
だから、添削は作文教育の補助的な手段です。
しかし、今の作文教育のほとんどは、その補助的な添削を中心にしています。
作文力が上達するのは、添削によってではなく事前の予習によってです。
だから、言葉の森は事前指導を中心にした指導をしているのです。
オンラインの作文クラスは、作文の提出率がほぼ100%です。
それは、その場で作文を書くからです。
そのために、45分間の時間を確保しています。
作文は、言葉の森の電話通信でも、電話のあとすぐに書かない子がいるぐらいですから、一般の通信教育の教材だけで進める作文学習は、提出率はかなり下がるはずです。
だから、これからの勉強の主流は、オンラインの少人数クラスになると思います。
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