オンラインの作文クラスは、少人数の生徒が全員が参加できる形で作文の予習の発表をし、オンラインで作文の実習をし、併せて先生が個別指導も行うクラスです。
発表の時間や質問感想の時間もあるので、個別指導の時間は電話指導のときよりも短くなりますが、事前指導は動画で見てもらうようにして、事後の添削講評の話だけをするので、それほど時間はかかりません。
通常の電話指導の場合は、事前指導の時間が長くなりますが、その事前指導のほとんどは課題の説明になるので、それは動画で見てもらった方が合理的なのです。
大事なのは、事前の予習です。
あらかじめ課題を見て似た話を考え、両親に取材し、材料を準備してきます。
その準備を発表するのが予習の発表です。
予習の発表の時間は、1人2分です。
その予習の発表のあと、ほかの人からの質問や感想を聞きます。
質問や感想を言うためには、それぞれの予習の発表をよく聞いていなければなりません。
これが、聞き取る力を育てることに役立っていると思います。
中高生になると文章力のある生徒は、特に準備をしなくても、課題のヒントを読み、そのヒントに沿って作文を書いてしまいますが、それでは本当の力はつきません。
予習を発表するとなると、ただヒントを見ただけでは、自分のオリジナルな話はできませんから、どうしても、自分なりに解釈した話や集めた材料を準備してくることになります。
その準備の段階で力がつくのです。
オンラインの作文では、45分間の時間がありますから、その時間の中で15分程度の作文実習の時間が取れます。
通常の電話指導だと、先生の電話説明のあと、一休みしてあとで作文を書こうという生徒も出てきます。いったんこういう習慣がついてしまうと、作文を書くというのは負担の大きい勉強なので後回しにすることが常態化してきます。
リアルな教室で作文を書くように、その場で書くということが大事なのです。
作文の実習を全員が一斉にしている間、先生が一人ひとりの生徒を別の部屋(Zoom会議室の別の部屋でブレークアウトルームと言います)に呼んで、前回の作文の講評を話します。
全員の個別指導が終わると、作文の実習はいったん中断して、全員の読書紹介を行います。
読書紹介も、持ち時間は1人2分です。
低中学年の生徒は、その本でいちばん面白かったところを中心に話してもらいます。あらすじまで話すと、話が長くなってしまうからです。
しかし、高学年の生徒の中には、短い時間でうまく全体の内容まで説明する子もいます。
この読書紹介のあとも、質問と感想を話してもらいます。
ここで、「同じ本を読んだことがある」とか、「その本を読みたい」とかいう話がよく出てきます。
ほかの人の読んでいる本に刺激を受けて、自分も同じ本を読んだということもときどきあります。
子供の読書習慣をつけるために、有料の習い事があるようですが、読書好きの子はたぶんそういうところには行きません。
自分が本を読むのが楽しいから読んでいるだけで、わざわざ本を読むために何かのイベントに参加するということはしないからです。
読書好きな子にとっていちばんいいのは、手軽にできる読書紹介と質問感想です。
作文クラスは、電話通信のクラスもオンラインのクラスも、4週目には読解問題が2問できるようになっています。
また、4週目の清書をパソコンで入力すると、自動採点ソフトによる「森リン」の点数が出ます。
小学6年生以上、中学生、高校生になると、この森リンの点数が勉強のひとつの目標になってきます。
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新しいオンライン教育――人間の触れ合いのあるオンラインがリアルな教育を超える
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作文はどこで上達するかというと、いい文章を書こうと思うことで上達するのです。
それがほとんどすべてです。
ただし、自分の書いた作文は自分では評価できないので、そこで他人の評価が必要になってきます。
しかし、他人の評価は年がら年中必要なわけではありません。
たまに的確なアドバイスを受ければそれで十分なのです。
学力には、一夜漬けでできるものとできないものとがあります。
定期テストのような学力は、一夜漬けで間に合います。
数学や英語なども、1か月集中して勉強すれば見違えるほど成績が上がります。
しかし、作文だけは一夜漬けは効きません。
だから、将来、入試が本格的に行われるようになると、作文と面接が中心になってくると思います。
それぐらい、作文力は本当の学力と結びついているのです。
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オンラインクラスの教育は、単なる通信指導よりも、さらには個別電話指導よりも、また逆に教室での通学指導よりも、大きな可能性を持っています。
ここでオンラインクラスの教育とは、ほかの教育機関がやっているようなビデオのオンラインやマンツーマンのオンラインではありません。
そういう一斉指導のオンラインや、個別指導のオンラインは、リアルな教室でも同じようにできることですから、特にオンラインでやるメリットというものはありません。
従来のオンラインのメリットと言われるものは、場所が離れていても参加できるということと、一斉指導の場合は優れたビデオ教材を見られるというメリットで、それはそれでいいことですが、それだけのことでしかありません。
新しいオンライン教育とは、少人数で生徒どうしの交流があることと、先生と生徒の双方向のやりとりがあることが重要な条件になっているオンラインです。
なぜかというと、子供の教育は、一定の人間関係の中で行われるからこそ、学習面も含めたトータルな成長に結びつけることができるからです。
人間関係の中には、学習内容以外のことも入ってきます。
例えば、人前で発表するとか、その発表に質問を言うとか、その質問の仕方とか、その質問に対する回答の仕方とかいうようなことが学習内容以外のことです。
そのやりとりの中で、気の合う人も出てくれば、あまり気の合わない人も出てくるでしょう。
また、同じことを言うのにも、人によってさまざまな個性があるということにも気がつくでしょう。
そういうリアルな人間関係は、学習にとっての夾雑物なのではなく、むしろ学習をより豊かにしていく可能性を持つものです。
ただし、その可能性は、逆に働くこともあります。
例えば、話の合う子供どうしが集まったクラスは盛り上がりますが、話のあまり合わない子供どうしが集まると、そのクラスは活気が出てきません。しかし、その場合でも、何かの拍子に活発なやりとりができるようになることもあります。
こういう、さまざまな人間関係があることが、子供の教育にとっては大事で、それが同時に学習の意欲につながっていくのです。
優れたビデオ教材を見るだけでは、学習の意欲というものは出てきません。
それは、カラフルな通信教材が届くだけでは、学習の意欲が出てこないのと同じです。
人間の意欲は、人間関係のやりとりの中で出てくるからです。
電話による個別指導も、先生と生徒の人間関係の中で行われるからこそ、子供が意欲的に取り組むようになります。
しかし、電話指導は、先生と生徒の1対1であることと、10分間の電話指導のあとは本人任せになってしまうという弱点があります。
その弱点を克服し、先生と生徒の間だけでなく生徒どうしのやりとりがあり、10分間ではなく45分間の授業があるオンラインクラスが、今後の教育の新しいスタイルになってくるのです。
オンラインクラスは、運営の仕方によっては、リアルな通学のクラスよりも優れた教育ができます。
それは、生徒が増えれば増えるほど、同学年の同レベルの生徒が集まるクラスを作ることができるようになるからです。
ただし、残念ながら、言葉の森のオンラインクラスはまだそこまでは行っていません。
一部に、そういうクラスはありますが、クラスによっては学年やレベルの違う生徒が一緒に勉強する形になっています。
もちろん、言葉の森の通学の作文教室も、小学生の横に高校生がいて勉強するようなスタイルでずっとやってきて、それで高校生は、東大、早稲田、慶應に合格するような成果を上げてきましたから、学年が混在することはそれほど根本的な問題ではありません。
しかし、できるのであれば、同学年同レベルの生徒のやりとりの中で勉強できるクラスを増やしていきたいと思っています。
このオンラインクラスの運営は、大手の学習塾ではなかなかできません。
それは、オンラインの少人数クラスがいくつもある中で、生徒の欠席に伴う急な振替授業や、先生の急な休講代講などの対応ができないからです。
急な休講とは、授業の直前に、先生から急に「授業ができなくなった」という連絡を受けるような場合です(笑)。それはパソコンの故障とか、子供の怪我とかいろいろな場合があるからです。
言葉の森がその対応ができるのは、先生どうしの連携があるからです。
言葉の森がこれから目指す教育の大きな方向は、三つあります。
第一は、オンラインの少人数作文クラスです。
第二は、やはりオンラインの創造発表クラスです。
第三は、同じくオンラインの自主学習クラスです。
※次回以降は、これらの三つのクラスの内容を説明していきます。
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skype英会話がオンライン1.0。
MOOCやスタディサプリがオンライン2.0。
オンライン3.0は、Zoomを使った少人数の生徒どうしのやりとりがあるオンライン教育になると思います。
スタディサプリは、だんだんリアルな方向に進むと思います。
そうでないと、勉強の自覚がまだない小中学生の場合は、勉強の意欲がわかないからです。
しかし、本当は、家庭の力で勉強の自覚がない子にも勉強の習慣をつけさせておくことが大事なのです。
言葉の森のオンライン教育は、この勉強の自覚と習慣がまだない子にも対応できる方法をいろいろ考えています。
そのひとつが、定期的な保護者懇談会のように保護者と毎月コミュニケーションをとることです。
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