読解力の低下の原因に、読書の不足が挙げられています。
先日、書店に子供の方を探しに行ったところ、子供のコーナーで平積みになっている、つまりよく売れている本のほとんどが学習漫画的な本でした。
タイトルはためになるような内容で、中身は文章が少なく漫画が中心に書かれているのです。
こういう本を読むと、確かに知識は増えますが、文章を味わうという力が育ちません。
読解力がある子の特徴は、文章を実感を持って読めることです。
単なる知識的な理解として読むのではなく、文章から感動を受けるという読み方ができることが大事なのです。
読解力の向上の第一は、読書紹介によって本を読む機会を増やすことです。
中でも、文字情報の多い本を読む機会を増やすことです。
第二は、読解検定で厳密に読み取る力を身につけていくことです。
オンラインの作文クラスは、少人数の生徒が全員が参加できる形で作文の予習の発表をし、オンラインで作文の実習をし、併せて先生が個別指導も行うクラスです。
発表の時間や質問感想の時間もあるので、個別指導の時間は電話指導のときよりも短くなりますが、事前指導は動画で見てもらうようにして、事後の添削講評の話だけをするので、それほど時間はかかりません。
通常の電話指導の場合は、事前指導の時間が長くなりますが、その事前指導のほとんどは課題の説明になるので、それは動画で見てもらった方が合理的なのです。
大事なのは、事前の予習です。
あらかじめ課題を見て似た話を考え、両親に取材し、材料を準備してきます。
その準備を発表するのが予習の発表です。
予習の発表の時間は、1人2分です。
その予習の発表のあと、ほかの人からの質問や感想を聞きます。
質問や感想を言うためには、それぞれの予習の発表をよく聞いていなければなりません。
これが、聞き取る力を育てることに役立っていると思います。
中高生になると文章力のある生徒は、特に準備をしなくても、課題のヒントを読み、そのヒントに沿って作文を書いてしまいますが、それでは本当の力はつきません。
予習を発表するとなると、ただヒントを見ただけでは、自分のオリジナルな話はできませんから、どうしても、自分なりに解釈した話や集めた材料を準備してくることになります。
その準備の段階で力がつくのです。
オンラインの作文では、45分間の時間がありますから、その時間の中で15分程度の作文実習の時間が取れます。
通常の電話指導だと、先生の電話説明のあと、一休みしてあとで作文を書こうという生徒も出てきます。いったんこういう習慣がついてしまうと、作文を書くというのは負担の大きい勉強なので後回しにすることが常態化してきます。
リアルな教室で作文を書くように、その場で書くということが大事なのです。
作文の実習を全員が一斉にしている間、先生が一人ひとりの生徒を別の部屋(Zoom会議室の別の部屋でブレークアウトルームと言います)に呼んで、前回の作文の講評を話します。
全員の個別指導が終わると、作文の実習はいったん中断して、全員の読書紹介を行います。
読書紹介も、持ち時間は1人2分です。
低中学年の生徒は、その本でいちばん面白かったところを中心に話してもらいます。あらすじまで話すと、話が長くなってしまうからです。
しかし、高学年の生徒の中には、短い時間でうまく全体の内容まで説明する子もいます。
この読書紹介のあとも、質問と感想を話してもらいます。
ここで、「同じ本を読んだことがある」とか、「その本を読みたい」とかいう話がよく出てきます。
ほかの人の読んでいる本に刺激を受けて、自分も同じ本を読んだということもときどきあります。
子供の読書習慣をつけるために、有料の習い事があるようですが、読書好きの子はたぶんそういうところには行きません。
自分が本を読むのが楽しいから読んでいるだけで、わざわざ本を読むために何かのイベントに参加するということはしないからです。
読書好きな子にとっていちばんいいのは、手軽にできる読書紹介と質問感想です。
作文クラスは、電話通信のクラスもオンラインのクラスも、4週目には読解問題が2問できるようになっています。
また、4週目の清書をパソコンで入力すると、自動採点ソフトによる「森リン」の点数が出ます。
小学6年生以上、中学生、高校生になると、この森リンの点数が勉強のひとつの目標になってきます。
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