生徒が間違った読み方をしたり、主題を取り違えて読んだりした場合、どうするかというと、先生はそれを訂正するよりも前に、自分なりに読み取ろうとしたことを評価してあげる必要があります。
誤読が創造になることもあるのです。
世の中の仕事には、「堅い仕事」というものがあります。
例えば、医師、公務員,学校の先生、士業の資格を取得した仕事などです。
なぜ堅いかというと、これらのサービスは誰にとっても必要なものだからです。
しかし逆に、誰にとっても必要なものだからこそ、これからはその分野がAI化される可能性も大きくなるのです。
では、堅い仕事の反対の堅くない仕事は何かというと、それは誰にとっても必要と言えない仕事です。
それがこれから生き残る可能性の高い仕事になるのです。
そんな仕事で食べていけるのかというような分野を極めることが、未来の仕事を考える際の一つのイメージになります。
スポーツの世界でも同様です。
メジャーな分野の方が「潰しがきく」という考えがあります。
サッカー、バスケットボール、ゴルフ、テニスなどのよく知られているスポーツの方が、競技人口も多いし、その分野で何か仕事ができる可能性があるように見えます。
しかし逆に、メジャーでないスポーツの方が自分が第一人者になれる可能性が高いというような考え方もできるのです。
語学でも同様です。
英語と中国語は、これから多くの人にとって必要な外国語になります。
しかし、多くの人にとって必要だからこそ、これもまたAI化が最も進む分野になるのです。
では、未来に生きる子供たちの勉強では、どのようなものを中心にしていくといいのでしょう。
それは、思考力、創造性、共感力を育てる分野の勉強です。
思考力は、母語である日本語の力を十分に育てることです。
それは主に、読書、作文、暗唱などによって育ちます。
創造性は、創造発表学習、理科実験工作、プログラミングなど、創造的に取り組む必要のある学習に参加することによって育ちます。
共感力は、人間や自然や小動物との関わりの中で育ちます。
これからの子育てのイメージは、この三つの分野のバランスをとり、学力の個性を伸ばしていくことを中心に考えていくことです。
堅い勉強というと、これまでは、漢字の書き取りや計算の正確さなどが考えられがちでした。
しかし、それらは今の時点でこそ試験の問題として出されていますが、今後の社会ではますます重要度の低い分野になってきます。
例えば、試験にしても、辞書持ち込み可、電卓持ち込み可、スマホ持ち込み可というようなことが将来生まれてくるはずですから、それらのツールを使う力さえあれば、人間がツールの代わりに自分の時間を割いてそれらの能力を習熟させる必要は少なくなっていくのです。
ただし、更にその先のことを言うと、人間はこれまで何千年も、場合によっては何万年も、正確に記憶をしたり正確に模倣したりすることが必要な世界に生きてきました。
だから、それらの必要がなくなる社会になっても、人間自身のバランスのとれた成長のためには、記憶や反復の学習を続けることもまた必要になるのです。
https://youtu.be/PaXZpDQNjG8