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勉強の本質――自分の頭や手足などの身体を拡張させるツールを身につけること as/4295.html
森川林 2021/07/29 21:22 


●動画:https://youtu.be/Sdf0OlxpB-Y

 変なタイトルになりましたが(笑)、勉強の本質というものを考えてみました。

 世間では、勉強というと、国語、算数数学、英語、理科、社会などの教科の勉強を考えると思います。
 それは、それで正しいのです。
 しかし、正確には正しかったのです。

 これまでは、そういう五教科の知識を身につけていることが、その人が社会的に活躍するときに役立つ能力になっていたからです。
 しかし、今はそうではありません。
 今は、昔決めたその「それが役立っていた」というレールの上に乗って、ただこれまでやっていたことをそのまま踏襲するだけの教育になっています。

 私が、社会人になって、プログラミングをしていたときに、ふと気がついたことは、根の公式を使うということが分かっていれば、多種多様な因数分解の問題を解く練習などはする必要がなかったのだろうということです。

 それは、今なら、辞書を引くことができれば、漢字の書き取りを何度も練習する必要がなかったということと同じです。
 現に、今ほとんどの大人は、漢字を書く必要があるときは、パソコンの自動変換に任せるか、ウェブでチェックするかで済ませています。
 漢字の書き取りができたかどうかは、もう既に意味のない世界になっているのです。

 それなのに、なぜ学校でいまだに漢字の書き取り練習をさせて子供を評価し、また、受験でもある程度の漢字の書き取り問題が出して受験生を評価するかというと、それは単に古い世代のノスタルジーなのです。

 しかし、漢字の学習には、本当は別の意味があります。
 それは、漢字によって、ものごとの概念を把握しやすくなることです。

 幼児に、蜂とか蝶と雀とかの漢字を見せると、その表意文字の漢字の概念をすぐに把握します。
 それは、ひらがなの文字よりも、音声の言葉よりも、表意文字としての漢字は強力な概念形成力を持っているからです。

 これは、幼児期の漢字に限りません。
 子供は成長するにつれて、抽象的な言葉を身につけます。
 その抽象的な漢語、例えば、空虚とか親睦とか高揚とか勇断とかいう言葉によって、その言葉の背後にある複雑な概念をひとことで把握できるようになるのです。

 話は多少脱線しますが、漢字の勉強で、部首の名前を覚えるというような勉強はほとんど何の意味もありません。
 悪くはありませんが、特にいいこともないのです。

 また、漢字の書き取りもあまり意味がありません。
 これからの時代は、漢字の読みこそが大事で、その読みは、難読漢字の抽象的な概念も使えるようになるという意味の読みなのです。
 それを、将来、難語検定ということでやっていきたいと思っています。

 話は更に脱線して(笑)、難語検定に対応する読書力というものもあり、それは難読検定です。
 その難読検定も将来やっていきたいと思っています。

 話は戻って、勉強の本質は、自分の身体である頭や手足を拡張させるツールを身につけることでした。
 だから、足し算しか知らない子よりも、掛け算も知っている子の方が、ずっと能率のよい生き方ができます。
 それは、掛け算の能力によって、自分の身体能力が拡張したからです。

 実は、足し算と掛け算に本質的な違いはありません。
 足し算を何度も繰り返せば、掛け算と同じ結果は得られます。
 しかし、人間はこの現実世界の中では、限られた時間と空間の中で生きています。
 だから、掛け算を使えることは、足し算しか使えないこととは、決定的な差があるのです。

 このように考えれば、今の教育の内容を大幅に見直す方向がわかります。
 今、世の中で活躍している人に取材して、何が自分の能力を拡張することに役立ったかを聞いて、それを参考に学ぶことを方向づけていくのです。

 私の個人的な感想では、今の教育でまだ見落とされているもののひとつは、プログラミング教育です。
 その中でも、特に私はデータベースを操作するプログラミング教育が大事なもののひとつになると思います。

 また、健康に生きるコツとか、友達と協力するコツなども、教育の重要な柱になると思います。
 歴史の動きなども、その歴史の知識自体が教育になる教え方があると思います。

 勉強する必要がないのは、単子葉植物と双子葉植物の維管束の違いなどです(笑)。
 私は、生物が好きだったので、こういう話は興味を持って聞いていましたが、このような知識は趣味の分野の知識です。
 中間テストや期末テストやまして受験などに出して子供の学力を評価する性質のものではありません。
 しかし、こういう無意味が勉強が、あまりに多くの時間を費やして学校教育として行われているのです。

 ところで、話は少し変わりますが、人間の身体を拡張するのが勉強だとすると、これまでの世の中では、高学歴を持つことは自分の身体を拡張する大きなツールだったのです。
 今後、学歴は、それほど重視されなくなると思いますが、いい学歴を目指し、いい学校に入ることは、教育のひとつの目的としては十分に価値あることです。
 問題は、バランスで、子供がトータルに成長する中のひとつとして、受験もあるという位置づけを持っていることです。

 ところで、学歴よりも重要なツールというものもあります。
 今の世の中で、人間の身体を拡張する最も大きなものは何かというと、話はどんどん脱線していきますが(笑)、それは実はお金なのです。
 お金によって、自分の頭も拡張できるし、手足も拡張できます。
 だから、お金を得る力を持つことは、教育の最も大きな目的と言ってもいいものです。

 しかし、今日は話が脱線することが多いですが(笑)、お金が身体を拡張するツールであるのは、周囲にお金を持っていない人が多いから成り立っっているひとつの虚構です。
 その虚構が崩れる日は、かなり先になるでしょうが、やがてお金が人生の制約条件ではなくなる時代がきます。
 すると、これまで最も価値のあったお金を得るためのツールは、意味がなくなります。

 当面は、そのような先のことを考える必要はありませんが(笑)、子供の教育を考える場合、大人はその子がトータルに人間的に成長することを目的として考えていく必要があります。
 今は、多くの人が成績のよしあしで子供の教育を考えていますが、成績はツールのひとつにしか過ぎないということと、これからの世の中では多様なツールがあるということを考えて、大きな視野で子供と育てていく必要があります。

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頭をよくする勉強は、国語、作文、暗唱、読書など、要するに言葉を豊かにする勉強 as/4294.html
森川林 2021/07/28 21:36 


●動画:https://youtu.be/kJMq2oBteXQ

 小学校時代の学習は、勉強よりも読書に力を入れていた方があとで実力が伸びます。
 いわゆる勉強的な学習は、その多くが「Aの答えはB」と覚えるようなものが多く、知識を増やすことには役立っても考える力をつけることには役立ちません。

 しかし、子供は、実際のテストに出る問題がそのような知識を問う問題なので、そこに力を入れることが大切な勉強だと思ってしまいます。
 ところが、テストに出るような問題は、○か×かはっきりわかる根の浅いものが多いので、子供の頭をよくすることには役立たないことが多いのです。

 では、逆に、読書ばかりしていて勉強しない子はどうなるかというと、それは心配はいりません。
 いざ、勉強が必要になったとき、そういう子はぐんぐん伸びるのです。

 ただし、勉強の習慣がついていない子は、漢字の書き取りや、算数数学や、英語が苦手になることが多いのです。
 それらの勉強は、きちんとやるかやらないかで差がつく勉強ですから、勉強の習慣がついていない子は、短期間ではなかなか追いつけないことも多いのです。

 しかし、先のことを考えれば、小学校時代の学習は、問題集を解くようなものよりも、まず日本語を豊かにすることを中心に考えることです。
 その代表が読書です。
 読書を楽しむというのが、小学生時代にまず取り組む学習です。

 しかし、読書だけでは、難しい文章になかなか進まない子もいます。
 だから、読書と並行して、特に高学年からは、問題集読書を進めていくことです。

 低中学年の場合は、問題集読書よりも、暗唱の勉強の方が進めやすいでしょう。
 暗唱の力がつくと、言葉が豊かになるとともに、覚えることの多い勉強が苦にならなくなります。

 言葉の森のオンラインクラスの言葉に関する講座としては、現在、作文と国語読解があります。
 この作文ど国語読解の講座に、読書と暗唱の勉強もプラスして行うスタイルをこれから作っていきます。
 例えば、「オンライン5人クラスの小1国語暗唱」とか、「オンライン5人クラスの小5作文読書」といった具合です。
 こういう言葉を豊かにする勉強を、小学校低学年のころから、友達との交流の中でやっていくのです。

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