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文章の三類型――事実文、説明文、意見文 as/4306.html
森川林 2021/08/09 21:16 


●動画:https://youtu.be/Bpo33QRysio

 文章には、三つの型があります。
 ひとつは、出来事中心に書いていく事実文で、これは生活作文とも呼ばれているものです。
 学校でよく「遠足の思い出」などという題で書かせる行事作文も、この事実文です。

 事実文には、二つの発展段階があります。
 一つは、事実を時間の流れどおりに書く初歩的な事実文です。
 これは、小学校低中学年のころによく見られる書き方です。
 しかし、高学年になっても、書きたいことが豊富にあるときは、この事実をその流れのままに書く書き方に戻ってしまうことがあります。
 それは、作文というよりも、事実報告文のようなものですが、それはそれでいいのです。

 事実文の次の段階は、事実を立体的に組み合わせて書く書き方です。
 いちばん印象に残った事実から始めて、途中で、その事実が起こる前の話などに戻って、全体を構造的に書いていきます。
 構造的に書くということは、全体の主題が暗黙の前提になっていることですから、事実をその順番どおりに書く書き方とは質的に大きな違いがあります。

 事実文の次の段階は説明文です。
 これは、ある説明しようとする事柄について、複数の実例を使って書く書き方です。
 例えば、「私の好きな勉強」という課題について書く場合、その勉強にまつわる実例を複数書いて、「好きな勉強」という主題を説明するという書き方です。

 説明文の次の段階は意見文です。
 これは、何らかの意見が最初にあり、その意見の裏付けとなる実例や理由を複数書いて、意見を具体的なものにしていくという書き方です。

 事実文を時間の流れの順に書いていくのが小学1、2年生、事実文を立体的に書いていくのが小学3、4年生、説明文を書くのが小学5、6年生、意見文を書くのが中学生で、意見文の扱うテーマがより抽象的、社会的になり論説文という段階になるのが高校生です。

 言葉の森では、この事実文から論説文までの指導をひとつの一貫した流れとして指導しています。
 作文の評価の項目は、構成、題材、表現、主題の四分野にわたっていますが、学年に応じてその重点が異なります。
 例えば、小学校低学年の「構成」は、「中心を決めて書く」ことですが、中学年になると、「似た話、昔の話」を入れて立体的に書くようになります。小学校高学年は、複数の実例になり、中学生になると複数の理由や、複数の意見になり、高校生になると、複数の方法や、原因対策のような形に進んでいきます。

 作文指導は、こういう高校生までの展望を持って進めていく必要があります。
 

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志望校別の受験作文対策――複数の文章を読ませる形が主流に。しかし将来の作文入試は as/4305.html
森川林 2021/08/08 10:55 


●動画:https://youtu.be/zi4elyRPCTA

 公立中高一貫校の入試には、ほとんどの学校で作文試験が入っています。
 ただし、字数はそれほど長くはなく、45分の中で、いくつかの国語問題も含めて400字から600字の作文を書かせるのが普通です。
 中には、200字の作文というところもありますが、それは作文というよりも、記述の長くなったようなものです。

 これが、高校入試では800字、大学入試では1000字ぐらいになります。

 しかし、本当は、このぐらいの字数では、作文の本当の実力はわかりません。
 もっと長時間かけて、少なくとも1200字以上の作文を2本以上書かせて初めて、大体の実力がわかるのです。

 初期のころの作文入試の課題は、牧歌的なものでした。
 「私の家族」とか、「がんばったこと」とかいう身近な題名課題が多かったのです。

 しかし、これはすぐに受験対策が立てられるようになります。
 受験生の作文がみんな上手になってきたので、学校では、「作文がパターン化されてきた」などと言っていたようですが、それはパターン化されたのではなく、みんな上手になったのです(笑)。

 その後、作文の課題は文章を読ませる形の感想文になり、更に、複数の文章を読ませる形になりました。
 これは、書く力だけではなく、読む力、考える力も必要になるので、今はこの複数文章の課題が主流です。
 この傾向はしばらく続くでしょう。

 しかし、このための問題作成と採点は、実はかなり大変なのです。
 だから、将来の作文試験の方向は、次の二つの方向になっていくと思います。

 ひとつは、作文試験の結果は、他の教科の試験の結果と相関が高く、教科の試験で代替できるから作文試験はやめるという方向です。
 もうひとつは、本格的な作文試験として、長時間かけて長い文章を書かせるという方向です。

 子供たちの本当の学力向上を図るなら、本格的な作文試験の方向ですが、時間と労力の制約から、作文試験はやめるか、200字程度のやや長い記述試験になる可能性は高いと思います。

 しかし、こういう作文試験の動向とは関係なく、小中高校生のみなさんは、文章を読む力と文章を書く力をしっかり身につけていってほしいと思います。
 なぜなら、社会に出てから、最も必要になる学力は読む力と書く力と考える力だからです。

志望校別の受験作文対策より

■1.受験作文の書き方、受験勉強の考え方
■2.言葉の森の受験作文小冊子
■3.受験作文小論文(課題の岩)
■4.大阪市立咲くやこの花中
■5.学芸大附属国際中
■6.学習院女子中
■7.京都府立洛北高附属中
■8.渋谷教育学園渋谷中
■9.千葉市立稲毛高付属中
■10.東大附属中
■11.都立桜修館中
■12.都立大泉高附属中
■13.都立小石川中
■14.都立立川国際中
■15.都立白鴎高附属中
■16.都立富士高附属中
■17.都立三鷹中
■18.都立南多摩中
■19.都立武蔵高附属中
■20.都立両国高附属中
■21.兵庫県立芦屋国際中
■22.立教女学院中
■23.大阪府立北野高校
■24.都立国際高校
■25.都立西高校
■26.早稲田大高等学院(高校)
■27.慶應義塾大学

※受験作文対策の掲載を希望される学校がある場合はご連絡ください。→ 個別れんらく板 

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