●動画:
https://youtu.be/y9ddjr5SZBU
モトクロスの走り方は、何しろ迷わず前へ行くことだそうです。
見通しの悪いところではついブレーキをかけたくなりますが、先に何があるかわからないところでもスピードを落とさず、何しろ前へ飛んでいくのだそうです。
これは、作文をスピードを上げて書くときの心理と似ています。
スピードを上げるためには、自分の書いたあとを決してふりかえらずに、何しろ前へ前へと進んでいくのです。
もし、次はどのように書くか考えて止まるところがあったら、すぐに、最初に書いた構想メモを見ます。
構想メモというのは、最初の数分で、数語の箇条書きに書いた全体のメモのことです。
そして、メモを見て方向を確認したら、またすぐに書き出すのです。
書くのが遅い人に共通するのは、少し書いては、数行戻って読み直し、また少し書いては数行戻って読み直すという書き方をしていることです。
書いている途中は、決して読み返さないということが大事です。
書くことが遅くなるもうひとつの原因は、消しゴムを使って、書いたものの一部を消したり修正したりすることです。
作文は、原則として消しゴムは使わないつもりで書きます。
使うとしたら、うっかり書き間違えた1文字だけで、2文字以上消しゴムを使わないと決めておくことです。
自分の書いた文章を読み直すのは、最後の段落に入り、結びの5行から10行を書くようになってからです。
結びの5行から10行で、書き出しのキーワードを生かし、テーマの言葉を生かし、切れ味のよい表現を入れてまとめていくのです。
作文の採点をする人は、数百字の異なる作文を次々に読むのですから、文章の途中の展開などはあまり気にしません。
最終的に、全体のテーマと、書き出しと結びの対応と、光る表現が入っていれば、自然に高い評価をします。
日常生活では、このような時間制限で作文を書くような場面はまずありません。
だから、試験対策として、スピードを上げて書く練習は独自にしていく必要があるのです。
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これは一昨年だかに行った那須の公園。
サマーキャンプで大雨だった日、近くにプールに行ったその前に広がっていた公園。
自分が作文を書くときの最速のスピードを知っていると、試験でも安心できます。
「残りがあと5分しかない。しかし、自分は最速で分速○字書けるんだから大丈夫」と思えるからです。
しかし、そういう子供を焦らせる試験はしてほしくないなあ(笑)。
そのうち、今のような試験制度はなくなると思います。
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●動画:
https://youtu.be/Bpo33QRysio
文章には、三つの型があります。
ひとつは、出来事中心に書いていく事実文で、これは生活作文とも呼ばれているものです。
学校でよく「遠足の思い出」などという題で書かせる行事作文も、この事実文です。
事実文には、二つの発展段階があります。
一つは、事実を時間の流れどおりに書く初歩的な事実文です。
これは、小学校低中学年のころによく見られる書き方です。
しかし、高学年になっても、書きたいことが豊富にあるときは、この事実をその流れのままに書く書き方に戻ってしまうことがあります。
それは、作文というよりも、事実報告文のようなものですが、それはそれでいいのです。
事実文の次の段階は、事実を立体的に組み合わせて書く書き方です。
いちばん印象に残った事実から始めて、途中で、その事実が起こる前の話などに戻って、全体を構造的に書いていきます。
構造的に書くということは、全体の主題が暗黙の前提になっていることですから、事実をその順番どおりに書く書き方とは質的に大きな違いがあります。
事実文の次の段階は説明文です。
これは、ある説明しようとする事柄について、複数の実例を使って書く書き方です。
例えば、「私の好きな勉強」という課題について書く場合、その勉強にまつわる実例を複数書いて、「好きな勉強」という主題を説明するという書き方です。
説明文の次の段階は意見文です。
これは、何らかの意見が最初にあり、その意見の裏付けとなる実例や理由を複数書いて、意見を具体的なものにしていくという書き方です。
事実文を時間の流れの順に書いていくのが小学1、2年生、事実文を立体的に書いていくのが小学3、4年生、説明文を書くのが小学5、6年生、意見文を書くのが中学生で、意見文の扱うテーマがより抽象的、社会的になり論説文という段階になるのが高校生です。
言葉の森では、この事実文から論説文までの指導をひとつの一貫した流れとして指導しています。
作文の評価の項目は、構成、題材、表現、主題の四分野にわたっていますが、学年に応じてその重点が異なります。
例えば、小学校低学年の「構成」は、「中心を決めて書く」ことですが、中学年になると、「似た話、昔の話」を入れて立体的に書くようになります。小学校高学年は、複数の実例になり、中学生になると複数の理由や、複数の意見になり、高校生になると、複数の方法や、原因対策のような形に進んでいきます。
作文指導は、こういう高校生までの展望を持って進めていく必要があります。
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