ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 441番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
教育は家庭の文化の中から——難しい本を読んで国語力アップ as/441.html
森川林 2009/04/02 12:06 
 「勉強脳をしつける勉強法」の著者石田勝紀さんは、大学受験の浪人時代に、それまで読まなかった難しい本を読むようになると、40ぐらいだった国語の偏差値が20以上アップした、と述べています。また、国語の成績が上がるのと並行して、英語や数学も勉強を特にしたわけでもないのに成績が上がったという体験談を書いています。
 私も、高校3年生のときに、総合月刊誌を何冊も読むようになると、不思議なことに国語の点数が上がったという経験があります。当時の総合月刊誌は、学園紛争の影響で新左翼的な難解な文章が流行していました。そういう文章を読んで、自然に読解力が伸びたのではないかと今は思っています。
 私が大学を卒業するとき、学生時代の四年間にあまり勉強をした感じがしなかったので、古今の名著と呼ばれるものなるべくたくさん読もうと決心して、数年間いろいろな本を読みました。
 そのときに読んだ本のひとつがケインズの「雇用利子及び貨幣の一般理論」です。内容は難しかったので十分に理解したとはいえませんが、こういう古典と言われる名著を読むと、作者が、考えている道筋を自分も一緒にたどって読むという感じがあります。古典を読むことが大切なのは、こういう経験ができるからです。「ケインズ入門」のような教科書や入門書では、すでに完成した答えが死んだ知識として並べられているだけなのに対し、原典には、作者が思索をしているその現場を自分も一緒に思索しながら読み進められるという利点があります。
 当時読んだ本の中に、デカルトの「方法序説」がありました。書名は難しそうでしたが、書かれている内容はわかりやすく、デカルトが自分の考え方の道筋をできるだけわかりやすく読者に知らせようという情熱の感じられる本でした。その後、言葉の森で高校生を指導しているとき、高校生ぐらいで読むにはとてもいい内容のものだと思ったので、高校生の感想文課題に「方法序説」を取り入れました。当時は長文ではなく、本のひとつの章を読んで感想文を書かせる課題でした。4人ぐらいいた高校生に本を配って、同じ章を読ませていると、数分後、全員が寝ていました。
(つづく)
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
教育論文化論(255) 子育て(117) 

記事 440番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/29
英語や古文の背後にある国語力、数学を勉強する意義 as/440.html
森川林 2009/04/01 17:28 
 大学入試の英語の問題は、かなりの部分が国語力です。英文で書いてある内容自体が難しくなるので、難しい文章を読む国語的な力がないと、英文も当然読みきれなくなります。また、英語の選択肢の問題も、現代文の選択肢の問題と同じように、消去法で必ずしもそうとは言えないものを×にして残ったものが○となるというような選択の仕方になります。従って、大学入試のような問題になれば、国語力がなければ英語の力があっても得点が取れなくなります。
 同じようなことは、古文や漢文についても言えます。古文には、古語の文法や単語の力が必要ですが、難しい問題になると最後は国語力が物を言います。選択式の問題も、現代文の選択式の問題を解く力がなければ解けなくなります。

 数学の問題は、やさしい問題をいくらたくさん解いても、難しい問題が解けるようにはなりません。難しい問題を解けば、易しい問題を解く力もつきますが、難しい問題を解かずに易しい問題だけ解いても数学の実力はつきません。だから、問題集は解くことに意味があるのではなく、できなかった問題を解けるようにすることで初めて勉強の意味が出てきます。
 数学の勉強が何の役に立つかというと、一つは、合理的な世界像が形成されることです。数学の得意な子は、世界には答えがあり、それは努力すれば解明できるというような世界観を持っています。こういう世界観があると、困難なことに直面しても最後までがんばろうという気持ちを自然に持つようになります。数学の好きな子は、仕事をするときでも忍耐強いようです。
 数学のより現実的な意義は、形のあるものを作る仕事に携わるときには必ず数学が必要になってくるというところにあります。例えば、橋を作ったり、道路を作ったり、車を作ったりするときには、どこかで数学が必要になります。また、プログラムを作るというような仕事でも、数学が必要になってきます。形のあるものを作るときには、その形に応じて数学が必要になります。それが物理的な形であればあるほど、数学の必要性は増していきます。
 社会人になると数学はあまり必要なくなるというのは、物を作る作業に直接タッチしていないからであって、決して社会生活で数学が必要ないからということではありません。

 このように考えると、勉強でいちばん大事なのは、国語と数学ではないかと思います。
(この文章は、構成図をもとに音声入力した原稿をamivoiceでテキスト化したものです)
マインドマップ風構成図
 記事のもととなった構成図です。

(急いで書いたのでうまくありません)

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
国語力読解力(155) 勉強の仕方(119) 
コメント311~320件
……前のコメント
「詩のあん唱コ 森川林
 今、ふりかえると、あのころ(自分がまだ高校生だったころ)は 10/29
記事 4357番
小6と中1のほ 森川林
 読解検定の点数を集計したところ、やはりほぼ全員が1ヶ月前よ 10/26
記事 4356番
10.4週オン 森川林
https://www.minkou.jp/hischool 10/26
記事 4354番
10.4週オン 保護者
>算数数学クラスと英語クラスの >中学生の教材は、トップ高 10/25
記事 4354番
AIでできない 森川林
 AIに対する過大評価と過小評価があると思います。   10/24
記事 4355番
暗唱のコツは早 森川林
 今度暗唱コンクールがあります。 10/9
記事 700番
暗唱のコツは早 111
頑張って九月ばかりと仁和寺にある法師覚えます‼️ 10/8
記事 700番
失敗 auso
ゆめちゃん最強。 だから、盗み食いしなければいいのに!それ 10/7
記事 4344番
失敗 森川林
これは傑作(笑)。 10/5
記事 4344番
とりづくし auso
ゆめちゃん、久しぶりに見ました。 いつもかわいいね 9/19
記事 4338番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習