ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4471番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
作文の通信教育は時代遅れか。これからは作文のオンラインクラス教育の時代に as/4471.html
森川林 2022/05/31 05:23 


●動画:https://youtu.be/ZDLk6bF-I0w

 言葉の森の作文指導は、以前は、電話による個別指導が中心でした。当時の通信手段は電話が中心でしたから、そういう方法しかなかったのです。しかし、その後、ZOOMを使えるようになって、言葉の森の通信教育はだいぶ変わりました。電話通信教育からZOOM通信教育に切り替える生徒が増えてきたのです。

 ZOOM通信教育の利点はいくつかあります。例えば、生徒に作文の書き方を説明しながら、他の生徒の参考になる表現を見せたり、関連する画像の説明を見せたりすることが、画面共有で簡単にできるようになります。
 今でもまだ電話通信で作文指導を受けている生徒は、半数以上いますが、これからは誰もがZOOMを利用して作文指導を受ける時代になると思います。

 このZOOMを利用する前の言葉の森のウェブ会議システムはGoogleハングアウトでした。しかし、使いやすさを考えて、今はすべてZOOMに切り替えています。

 もちろん、もっといい機能を持ったものがあれば、それを利用します。今、希望している機能は、個人通話機能です。みんながZOOMで一斉に勉強している中、先生がある一人の生徒だけに個別指導をする場面があります。現在は、それをZOOMのブレークアウトルームに移動する形で行っていますが、個人チャット機能のように、他の人の邪魔にならないように個人間で通話する機能があればかなり便利になります。この個人通話機能を生徒どうしで使えば私語機能とでもいうものになるでしょう。
 ZOOM、Google Meet、Microsoft Teamsのどこかが、いずれ実装すると思います。

 ところで、このZOOM利用の作文指導で一歩進んでいるのがオンライン4人クラスの作文指導です。
 わかりやすく説明するために、これまでの電話又はZOOMによる作文の個別指導を「作文個別指導」と呼び、ZOOMによる少人数クラスの作文指導を「作文クラス指導」と呼びます。

 違い1。
 まず、作文個別指導では、講師と生徒との授業の時間は10分以内です。次の生徒の指導と重ならないように7、8分の話になることが多いと思います。
 作文クラス指導では、講師と4人以内の生徒との授業の時間は45分です。45分の授業のあとも、生徒はそのZOOMの部屋に残って作文を書き続けることができます。

 違い2。
 作文個別指導では、先生の個別指導のあとは、生徒に任せる形なので、生徒がすぐに作文を書き出さなくてもわかりません。しかし、中学生以上の生徒は、「あとでやろう」と思って、先延ばしにしてしまうことがあります。それは、作文を書くということが、きわめて精神的な負担の大きい勉強だからです。
 それに対して、作文クラス指導では、参加している生徒がその場で一斉に作文を書き始めます。45分の授業時間内に書き終えることはありませんが、この必ず書き始めるということが大事なのです。そして、生徒が作文を書いている間に、先生は生徒を1人又は2人ずつ呼んで、個別指導を行います。だから、個別指導という点は作文個別指導と変わりません。

 違い3。
 作文個別指導では、生徒と他の生徒との間の交流の場は当然ながらありません。
 それに対して、作文クラス指導では、授業の前に全生徒の読書紹介があります。この読書紹介で、読書量が増え、読書の質が上がり、読書のジャンルが広がる生徒が実に多いのです。また、短時間で、読書紹介の要点をまとめ、必要に応じて質問や感想を述べる力が育ちます。全員の読書紹介という学習法は、4人程度のクラスだからこそできるものです。
 読書力を高めるには、こういうシンプルな仕組みが必要です。「朝の10分間読書」というシンプルな方法で、子供たちの読書量が増えました。同じように、毎週の読書紹介というシンプルな仕組みで、子供たちの読書の質も量も高まります。しかし、この読書紹介は、4人程度の人数でなければできない方法なのです。

 違い4。
 作文個別指導には、他の生徒との作文を通しても交流の機会はありません。あるとしても、年に数回の作文発表会だけです。
 作文クラス指導では、毎月第4週は作文発表会があります。そこで、他の生徒の作文を読み、感想を述べる時間があります。作文を書くもともとの目的は、赤ペンで添削してもらうことではありません。自分の書いたものをみんなに伝えるということです。みんなに伝えるという目的があるからこそ、構成や題材や表現や主題を工夫することが大事になるのです。

 違い5。
 作文個別指導でも、作文クラス指導でも、生徒がその日の課題の予習をしてくることが大事になっています。しかし、作文個別指導では、予習をせずに先生の話を先に聞く生徒もいます。
 作文クラス指導では、その日に書く作文の予習を発表する時間があります。これは、必ずしも全体の中で行うわけではありませんが、事前に書くことを準備して作文の授業に臨むことが前提になっているのです。

 違い6。
 ところで、作文クラス指導での作文の送り方はすべて作文画像のウェブ送信かテキストのウェブ送信です。作文個別指導のような郵送のやりとりはありません。
 今は、郵便局の配達日数が長くなったので、郵送によるやりとりはもう時代遅れになりつつあります。その日に書いてすぐ翌日に投函しても、先生がそれを見て翌週までに生徒に送り返すということは物理的にできなくなっています。作文の画像送信、又はテキスト送信であれば、先生の手元には書いた直後に作文が届きます。
 ところで、作文画像のウェブ送信についての質問が時どきあります。
 作文画像のウェブ送信では、すぐに作文が先生に届きますが、先生による赤ペン添削はありません。
 この赤ペン添削に郷愁を感じる人は多いと思いますが、赤ペン添削は、集団一斉指導という制約の中で生まれたやむを得ざる指導法です。また、事前指導がなく事後評価だけに力を入れる旧来の作文指導法の延長で生まれた指導法とも言えます。だから、赤ペン添削だけで作文が上達するということは、まずありません。

 言葉の森の作文指導は、事後評価よりも事前指導に力を入れています。それが、毎学期の作文項目指導です。そして、作文の指導法は、先生が全員に講義をするような一斉指導ではなく、生徒一人ひとりが自分の課題と項目に取り組むためのアドバイスをする個別指導です。だから、指導の詳細は、事後の講評と口頭によるアドバイスでカバーできるのです。
 赤ペンで誤字や誤表記を直してもらいたいという人もいますが、それは先生が講評の中で指摘するだけで十分にできます。また、なかなか治らない誤表記、例えば、文のねじれや常体と敬体の混在などがあるとしたら、それは直し方の問題ではなく、生徒の読む力の問題なのです。

 違い7。
 作文個別指導と作文クラス指導を比べて、現実的に違うのは、生徒の意欲です。
 3月1週の作文試験の際の作文の字数を小4と小5の生徒全員について調べてみました。その結果、作文クラスの生徒の作文は、作文個別の生徒の作文に比べて、平均100字も字数が多かったのです。例えば、作文個別の生徒が800字書いているとしたら、作文クラスの生徒は900字書いているということです。この字数の違いが意欲の違いです。
 もちろん、もともと意欲的に作文の勉強に取り組んでいる生徒は、作文個別指導でも、作文クラス指導でも同じようにがんばっています。特に、中学生や高校生の生徒で、時どき森リン大賞に載るような生徒は、どういう指導法でも、自分の中に学習意欲があるので同じように力作を書いています。しかし、多くの生徒は、他の生徒との交流の中で作文を書く方が意欲的に作文の学習に取り組めるということです。


 以上、作文個別指導と作文クラス指導のいくつかの違いを考えると、これまでの作文通信教育は時代遅れになったと言えます。特に集団一斉指導の赤ペン添削では、上達するのはもともと意欲的な生徒か、受験直前で意欲的にならざるを得ない生徒だけです。
 ある生徒がどれだけ上達しているかを測る指標は、小学生の場合は1年間で字数が100~200字伸びているかどうかです。中学生高校生は、森リン点が86点以上になっているか、又は1年間で2ポイント以上伸びているかどうかです。(言葉の森の生徒の場合は、「検索の坂」で自分の作文評価を見ることができます。)

 作文力は、その生徒の真の学力を表しています。
 今はまだ評価の仕組みがないために、作文試験は限られており、その評価もかなり曖昧です。だから、学校でも作文指導はほとんどなく、生徒は知識の詰め込みのような勉強に追われています。
 しかし、いずれ森リンのような作文評価の仕組みが広がれば、子供たちの勉強のスタイルは大きく変わります。単なる知識力よりも、思考力や表現力が重視されるようになります。思考力の発展したものは創造力です。そして、社会に出て本当に役立つのは、この思考力や表現力や創造力の方です。

 私は実は、森リンのもっと先のアイデアを持っています。それはAI森リンと言ってもいいと思いますが、深層学習で森リンを作り直すことです。ただし、その開発の時間が取れないためにアイデアにとどまっています。これはやろうと思えば数週間もあれば十分にできることですので、AI森リンを公の役に立つために開発する人又は会社であれば、このアイデアを譲ります。
 人間が考えることは似通っていますから、世界ではすでに同じことに着手している人がいると思います。こういう文化的なことは、日本が先を越して世界に貢献する必要があると思います。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
オンライン教育(0) 作文教育(134) 

記事 4470番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
2022年の言葉の森サマーキャンプのお知らせ as/4470.html
森川林 2022/05/26 16:20 


 2022年の言葉の森サマーキャンプの案内をアップロードしました。

▽サマーキャンプのしおり
https://www.mori7.com/stg/202207ns/

▽読書感想文の資料
https://www.mori7.com/stg/202207ns/ks.php

 サマーキャンプの内容は、午前中は作文、感想文、読書、国語算数数学英語の勉強、暗唱などです。
 午後は、近くの河原に遊びに行きます。浅瀬で水量の多い川なので、浮き輪で川下りをして遊ぶことができます。河原で、バーベキューやスイカ割りをして自由に遊びます。
 夕方は、作文や遊びの発表会を行います。夜は自由時間です。
 保護者の方が参加される場合は、夜の時間に保護者宴会を行います。

 費用は、下記のとおりです。
 小中学生 1泊16,500円
 大人   1泊16,500円
 幼児   1泊 8,250円
 2歳以下 無料

 希望者に案内をお送りします。お電話、又は、個別れんらく板からお問い合わせください。

 参加を申し込まれる方は、下記のページからお申込みください。
https://www.mori7.com/jform_pre.php?f=stg2022sc
 他の参加生徒の状態を見て、日程を途中で変更することもできます。

 対象は、小1~中3です。言葉の森の生徒以外の方も参加できます。
 保護者が一緒に参加される場合、乳幼児の方も一緒に参加できます。・

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
合宿(14) 
コメント21~30件
……前のコメント
読書を阻むもの 森川林
暇なときは読書をすればいいのですが、今は、スマホで情報に流さ 6/10
記事 5096番
国語の読解検定 森川林
国語読解の問題は、適当に解いて「当たった」「外れた」と言って 6/9
記事 5095番
デジタル教科書 森川林
デジタル教科書という考えがありますが、教科書とか自分の好きな 6/8
記事 5093番
国語読解クラス 森川林
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生 6/7
記事 5092番
国語力はテクニ 森川林
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あ 6/6
記事 5091番
リアルな通学教 森川林
 未来の教育は、対話型の少人数オンラインクラスの教育になりま 6/5
記事 5090番
クリティカル・ 森川林
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想 6/4
記事 5089番
優しい母が減っ yori
私の母は、もう中学2年生なのに、スマホをもたせてくれません。 6/3
記事 979番
日本を復活させ 森川林
 日本を復活させる道筋は、創造教育文化国家を目指すこと。 6/1
記事 5081番
4月の森リン大 森川林
 大学生や社会人になった元生徒の子供たちが、自分が中学生だっ 5/31
記事 5085番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習