●動画:
https://youtu.be/ykQlp0_KThw
■小学1年生から小学3年生は、勉強の習慣がつく時期。大事なのは毎日の学習
小学1年生から3年生にかけては、勉強面で難しいことは何もありません。この時期は、勉強の内容については、特に何もしなくても問題ないのです。
この時期に大事なのは、毎日の勉強の習慣をつけることです。
しかし、長時間の勉強をする必要はありません。長い時間勉強をさせると、集中力がなくなりかえって勉強習慣がつきません。親からみて、少しものたりないと思うくらいが、子供にとってはちょうどいい時間です。
子供の勉強の習慣をつけるきっかけになるのが、総合学力クラスの授業です。授業の内容に合わせて勉強を進めれば、バランスのよい家庭学習ができます。
■国語力の基礎は、難しい説明文を読む力で、同じ文章を繰り返し読むこと
国語力の差は、学校の勉強ではあまり目立ちません。学校では難しいことはしないからです。
しかし、実は国語力は最も差のある学力で、いったん国語力の差がつくとなかなか追いつくことができません。
国語力をつけるコツは、ある程度難しい文章を繰り返し読むことです。総合学力クラスでは、これを問題集読書という問題集の問題文を音読する方法で取り組みます。
授業では、先生が生徒に個別に質問し、それぞれの生徒がどれだけ読めているかをチェックします。
■算数力の基礎は、問題の解法を見て理解する力。1冊の問題集を完璧に仕上げる
算数は、答えのはっきりした勉強なので、最も取り組みやすい教科です。
しかし、この算数の勉強の仕方にもコツがあります。低学年のうちに勉強のコツを身につけておくと、高学年、中学生、高校生になってからも、算数数学の勉強をうまく進めることができます。
算数の勉強法のよくないやり方は、第一にいつまでも考えること、第二にすぐ人に聞くことです。
算数は、自分で答えと解法を見て理解することが大事です。そして、できなかった問題だけを繰り返し解き、1冊の問題集を完璧に仕上げることです。
授業では、先生が生徒に問題集の中にある問題の解法を聞き、学習状況をチェックします。
■小学1、2年生は、暗唱の力が最も伸びる時期。暗唱力をつけると勉強が楽にできるようになる
暗唱の力が最もつけやすい時期は、幼児から小学2年生にかけてです。この時期は、素直に音読を続けることができるからです。
学年が上がると、単純に音読を続けることができずに、意識的に覚えようとするためにかえって暗唱がしにくくなります。
低学年のうちに暗唱の力をつけておくと、語彙力、記憶力、読解力、表現力が身につき、その後の勉強が楽にできるようになります。
暗唱力は、中学生や高校生になってから更に役に立ちます。
暗唱力のある子は、どの勉強も楽にできるようになるからです。
■これからの学力で大事になるのは、自主的に探究する力と、みんなの前で発表する力
現在、世界の教育は大きく変わっています。
知識の詰め込みと再現を中心としたこれまでの教育から、自主的に探究する力と発表する力が重視するようになっています。
今後の大学入試も、ペーパーテスト中心から、AO入試の方向に変わります。そのひとつの例が、東大の推薦入試、京大の特色入試です。
AIの時代には、求められる学力が大きく変わるのです。
総合学力クラスの発表の時間では、生徒がそれぞれ自分で取り組んだ理科実験や調査研究や工作を発表します。この発表に合わせて、家庭での親子の知的な対話も深まります。
これからの学力は、このような探究型、発表型の学力なのです。
■総合学力クラスの勉強をきっかけに、家庭学習の習慣をつけ、勉強の楽しさを知る
総合学力クラスの勉強は、先生の講義を聞く形の勉強ではありません。また、先生に教えてもらう勉強でもありません。
家庭学習で勉強の習慣をつけ、それを先生がチェックすることによって生徒の自主的な勉強を進めるかたちで授業を行っています。
また、授業の中で、生徒どうしの読書紹介や質問感想など、対話と交流の時間をできるだけ取るようにしています。
この対話と交流によって、友達と一緒に楽しく勉強する姿勢が身につくのです。
■毎週の読書紹介で、読書力と発表力をつける、オンライン4人クラスの学習
言葉の森のオンライン4人クラスでは、毎回、全員の読書紹介があります。
この読書紹介によって、どの子も本を読む習慣がつきます。
また、みんなの前で発表する力がつきます。
低学年のころは、まだうまく発表ができない子も多いのですが、学年が上がるにつれて、どの子も自然に発表が上手になってきます。
本の内容を簡潔に紹介し、自分なりの感想をわかりやすく述べることができるようになるのです。
みんなの前で毎回全員が発表する時間があるというのが、オンライン4人クラスの学習の重要な特徴です。
●動画:
https://youtu.be/MpZGFVs8U64
言葉の森のオンラインクラスでは、どのクラスも、最初に15分程度の読書紹介を行っています。
そのクラスの勉強だけをした方がいいという考えもあるかもしれませんが、勉強は基本的に家庭で毎日やっていくものです。
せっかく、そのクラスに4人までの生徒が集まっているのですから、その集まりを生かして読書紹介などの交流の場を作っていく方がいいのです。
この読書紹介によって、どの小学生も、中学生も、高校生も、本をよく読むようになります。
そして、更に大事なことは、学年が上がるにつれて、子供たちの発表が上手になっていくことです。
小学校高学年になると、短い時間の中で簡潔にその本の内容を紹介し、自分の印象に残ったところを説明し、その本に対する自分なりの感想を述べることのできる生徒が増えてきます。
このようにみんなの前で必要なことをわかりやすく説明できる発表力は、オンライン4人クラスの読書紹介のような機会がなければ、なかなか育てることはできません。
読書紹介によって、子供たちの読書量は自然に増えます。
もし、この毎週の読書紹介の時間がなければ、本をわざわざ読む時間を取らない中学生や高校生は多いのです。
読書というものは、毎日の生活習慣ですから、数日読まない日が続くと、読書の習慣はすぐになくなります。
そのなくなった読書習慣を取り戻す方法はなかなかありません。だから、高校生の不読率が50%にもなっているのです。
しかし、毎週の読書紹介があれば、読書の習慣をすぐに回復することができます。
読書紹介は、読書力をつけるための最良の方法なのです。
ただし、読書の習慣がついたあとの課題はあります。
それは、読書の質です。
小学校低学年で、絵本のような本ばかり読んでいる場合、その絵本の内容がいくらよくても、文章として読む部分が少ない場合は、読書力はつきません。
読書力がつかないと、本当の読書の楽しさというものがわかりません。
文章のしっかり書かれた本を読むようにするためには、親の読み聞かせが必要です。
よく、幼児のときは読み聞かせをよくしていても、子供が小学生になったことを理由に、読み聞かせをやめてしまう人がいます。
子供の読んでいる本の内容を見て、絵ばかりの本であったなら、親が読み聞かせを復活する必要があります。
大事なことは、本に書かれたストーリーの面白さを、絵を見て理解するだけでなく、文章を読んで理解できるようにすることです。
小学校高学年や中学生、高校生の場合、いつまでも物語文の本しか読まない生徒がいます。
読書は、楽しみのために読むものですから、物語文の本でもいいのですが、それと並行して説明文の本を読んでいないと、考える力はつきません。
小学校高学年以上の生徒には、理屈を理解する力がありますから、「説明文の本も並行して読むことによって、読む力がつき、頭もよくなる」と話しておくことが大事です。
昔は近所に本屋さんがあったので、子供たちが学校の帰りに本屋さんに寄って立ち読みをする中で、いい本にめぐりあうことができました。
今は、そういう機会はほとんどありません。
しかし、ネットを利用することによって、本に接する機会を増やすことができます。
まず、子供にkindleなどの端末を買ってあげることです。
図の多い本を見るには、fireなどのカラーの大きいサイズのものでもいいと思いますが、大事なのは、いつでも手軽に読めることですから、まず小さい端末を買うといいと思います。
スマホで本を読むこともできますが、操作性を考えると、読書に特化したkindleのような端末の方がいいと思います。
そして、子供に、「毎月の読書の予算5000円分は、自由に使っていい」と言って、子供が自分でネットで本を買えるようにします。予算はその家庭の実情に応じてですが。
子供は、くだらない本も買うと思いますが、自分で自由に本を選んで買える環境があることによって、いい本にめぐりあう確率は高くなります。
ネットの書店のいいところは、自分が選んだ本と関連する本が次々と表示されることです。
また、他人の評価を見て、本を選ぶ参考にすることができます。
kindleであれば、本を読んでいて必要なところに傍線を引くことができます。
また、その本の一部分をコピーして、自分の書く作文などに引用することもできます。
電車通学などをしている子供には、audibleで耳から聴こえる本を契約してもいいでしょう。
読書紹介で読書の機会を増やし、ネットを利用した読書環境で本を選びやすくするというのがこれからの新しい読書生活になると思います。