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これからの日本に生まれる教育文化産業と、新しい未来の発表個別教育 as/4536.html
森川林 2022/09/19 01:45 


●動画:https://youtu.be/aaqn3eLrBn8

 昔、身近な家電製品は、日本が圧倒的に優れていました。
 今、身近な家電製品のほとんどは、日本では作られず、中国などから輸入されたものばかりです。

 日本の主要な生産の分野が、身近な工業製品から、より高度な機械工業製品に変わったと考えることができるのかもしれません。
 しかし、大きくは、工業生産自体が衰退したのです。

 アメリカは、GAFAに見られるように、情報ネット産業で世界をリードしています。
 しかし、そこで提供されているものは、単なるインフラです。
 やがて、その成長自体が止まると思います。
 インフラがこれ以上高度に発展することはないからです。

 今、人間社会が、というよりも資本主義社会が行き詰まっている原因は、社会を牽引する需要がなくなったことです。
 かつての、カー、クーラ―、カラーテレビのようなすべての人が求める高額な工業生産物がなくなってきたのです。

 そして、需要がなくなったことに対応して、供給側が生み出していた雇用もなくなっています。AIやロボットは、その雇用の喪失を加速しています。

 買いたいものがなく、働く仕事もないという状態が、これから広範に広がっていくのです。

 このような時代に、日本はどの方向に進むべきでしょうか。

 私たちは、物の生産や、情報の流通が価値を生み出した時代は終わったのだと考える必要があります。
 農業時代も、工業時代も、情報時代も、いずれの時代にも共通しているのは、供給者が少数で、需要が多数だという構図でした。

 未来は、この構図自体が変わります。
 それは、多くの人が、需要の側だけでなく、供給の側にも回る社会です。
 それはすでに、ブログやFacebookやyoutubeによって、半ば実現しています。
 人によっては、すでに、需要のために使う時間よりも、供給のために使う時間の方が多くなっている人もいるはずです。

 この個人が何かを供給する時代が、これからの時代なのです。

 江戸時代に、職を失った武士階級が、供給の側に回ろうとして行った仕事は、傘張りの内職ような地味な仕事でした。そこで、武士の商法などという言葉も生まれました。

 未来の社会で、個人が供給の側に回るときに、提供する仕事は傘張りのようなものではありません。
 時代はすでにインターネットテクノロジーの活用によって、誰もが、資金負担なしに世界のグローバルマーケットを対象にする仕事ができる時代になっています。

 しかも、副業が基本的に認められるようになることによって、土日だけの独立起業などということが誰でもできるようになってきます。

 そのときに大事なのは、資本ではありません。
 資本が必要だったのは、工業生産時代に、生産設備に多額の投資が必要だったからです。
 未来の起業には、多額の設備投資が不要なものの方がむしろ主流になるでしょう。

 だから、世の中のお金の向かう場所は、見返りの多い工業生産を生み出す生産設備への巨額の投資ではなく、個人が自分の仕事を作り出したいというときの個人起業の出発点となる少額の投資す。
 それが、無数の大衆に求められるようになるということが大事なのです。

 各人が、自分の個性を生かして仕事を始める分野として最もふさわしいのは、文化的な分野です。
 そして、文化的分野には、必ずその文化を引き継ぐ教育が必要になるので、文化と教育が結びついた教育文化産業が、未来の産業の中心になっていきます。

 教育文化産業は、日本のお家芸とも言えるものです。
 長い江戸時代の停滞の中で、日本ではさまざまな教育文化産業が生まれました。
 そして、その中のいくつかは、日本的な道の文化へと発展していきました。
 茶道、華道、俳句、剣道、書道などは、これらの文化産業のひとつの到達点です。

 これから来る未来の社会でも、このような新たな道の文化が次々と生まれます。
 そのために大事なことは何かというと、第一は個性と創造力です。第二は学力と思考力です。第三はそれらは社会にとってよりよい方向に発展させるための人間性や共感力です。

 だから、今大事なのは、未来の社会を担う子供たちに、創造力、思考力、共感力を育てる教育を行っていくことです。

 言葉の森は、これを単なる標語として称えるのではなく、実践の中で実現するために、作文教育、創造発表教育、暗唱教育、そして、発表と対話のある発表個別教育を行っています。
 そのための教育プラットフォームが、オンライン4人クラスです。
 オンライン4人クラスというプラットフォームがなければ、個性と創造力のある発表や、友達との対話による思考力の成長は、言葉だけの目標になってしまうからです。

 情報技術の発達によって、今は、言葉の違う外国の人どうしが、ZOOMを使って話ができるようになっています。
 まだ、このサービスは有料で、一部でしか使われていませんが、技術の進歩は方向さえ決まればすぐに加速します。
 やがて、世界中の人たちが、ZOOMなどのウェブ会議システムで、海外の人とも自由にやりとりできるインフラが登場します。

 オンライン海外留学というと、今は、日本の子供がアメリカやイギリスなどの海外の大学に行くイメージがありますが、将来は、日本の教育機関にいろいろな国の子が海外留学に来るようになります。

 この時代に大事なことは、日本だけに通用するガラパゴス的な学力ではなく、世界標準の学力を持つです。
 そして、学力以上に重要なのが、創造力、思考力、共感力を育てることなのです。


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森川林 20220919  
 明日の日本を支える子供たちを育てることが、これからの教育の目的になると思います。

森川林 20220919  
 昔、近くの塾が、その塾の企業理念として「教育サービス」ということを挙げていました。
 しかし、今の時代に、保護者のニーズに合わせた教育サービスを行うということは、受験競争に勝つということです。
 多くの講師は、このことに矛盾を感じていると思います。感じていない人もいるかもしれませんが。
 その矛盾とは、受験には、勝つ子もいれば、負ける子もいるということです。
 勉強の本来の目的は、勝負に勝つことではありません。
 そして、今後、そういう勝敗の社会はなくなっていきます。
 だから、私は、言葉の森の教育の目的をそういうところには置きませんでした。
 教育の目的は、よりよい日本を作るために、その日本を支える、創造力、思考力、共感力のある子供たちを育てることなのです。

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桃太郎があるき出したから、犬と猿と雉が来た as/4535.html
森川林 2022/09/18 08:18 


https://youtu.be/Xl-HVA32AEk

 桃太郎の話を、昔、私は、いろいろな個性のある仲間がその個性を生かして協力することで敵に勝つという話だと思っていました。

 しかし、その後、考えが変わりました。
 犬と猿と雉(きじ)が仲間になるのは、物語の前半の重要な箇所ですが、なぜかれらが仲間になったのかというところの考えが変わってきたのです。

 それは、桃太郎がたまたまキビダンゴを持っていて、犬と猿と雉がおなかがすいていたから仲間になったという単純な話ではありません。
 大事なことは、桃太郎が、まずひとりで出かけたということなのです。

 出発する時点で、桃太郎には、道の先に、犬と猿と雉が待っているという情報はありませんでした。
 たったひとりで出かける覚悟で出発したあとに、たまたま犬と猿と雉がやってきたのです。

 あとから振り返ると、まるで桃太郎が、みんなの協力を計画的に考えて行動を始めたように見えますが、本当はひとりの行動が最初にあり、その行動に引き寄せられて、偶然犬と猿と雉がやってきたのだというのが真相です。

 大事なのは、行動の一歩を踏み出したことであって、入念に計画を作ったことではないのです。

 だから、若い人で、これから何かを始めようとするときは、詳しい計画や協力できる仲間を最初に考えるのではなく、まず自分ひとりで出発することです。

 もし、桃太郎の目的地が鬼ヶ島ではなく、その先にあるもっと遠い困難なところであったら、どうなったでしょう。
 犬と猿と雉のあとに、今度は馬がやってきたのです。たぶん。

 そして、更にもっと遠い困難なところが目的地であったら、どうなったでしょう。
 馬のあとに、今度は龍がやってくるのです。

 このように、「桃太郎」は、ひとりの行動が次々に新しい展開を生み出す物語として読むことができます。
 大事なことは、まず桃太郎がひとりで歩き出したということなのです。

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