全国学力テスト1月(育伸社)の申し込みを受け付けています。
オンラインの受検なので、自宅で参加することができます。
学力の客観的な位置をつかむことで、教科ごとの早めの対策を立てることができます。
試験科目は、
小1~小3は国語・算数、
小4~小6は国語・算数・理科・社会、
中1~中3は国語・数学・英語・理科・社会です。
詳しくは、お申込みページをごらんください。
●お申込みページ
https://www.mori7.net/gakute/#g
●対象
言葉の森の小1~中3の生徒
●生徒への問題配布
12月10日発送
●試験日
12.3週(12/15-12/21)(自宅で受検できます)
●言葉の森への答案締め切り
12月25日言葉の森に必着
●結果返却
1月24日発送
●料金
3,300円(受講料と合わせて自動振替させていただきます)
●
https://youtu.be/ANuHf5lV9JI
中学生の生徒から、「塾で、学校の期末試験の過去問を教えてくれるので、それを友達からもらった」という話を聞きました。
今は、そういう対応をする塾がほとんどだと思います。
成績を上げるためには、過去問対策が最強だからです。
しかし、私は、中間テストや期末テストで、そういう過去問対策に乗った勉強はしない方がいいと考えています。
過去問に合わせた勉強をすると、能率はいいかもしれませんが、その能率は実力が伴わないものになるからです。
公立中の場合、中学生の試験の本番は、高校入試です。
高校入試は、勝つための試験ですから、ここでは過去問対策をするのが絶対に必要です。
しかし、中間テストや期末テストは、勝つための試験というよりも、自分の実力をつけるきっかけとするための試験ですから、過去問対策をするのではなく、全出題範囲を網羅的に勉強していくことが大事なのです。
今の世の中は、目先の勝ち負けに左右されやすい社会です。
それだからこそ、物事を考えるときは、勝ち負けの基準をできるだけ遠くにおいておくのがいいのです。
目先の勝ち負けにこだわると、大きな勝ち負けを見落としてしまいます。
キャノンの社長であった賀来龍三郎(かくりゅうざぶろう)さんの話を引用します。
====
「私は父の仕事の関係で、中学校は戦前の中国の青島(チンタオ)中学に学んだ。数学と物理を教わったのが秋山先生という高等師範学校出身の教育熱心な先生だった。秋山先生いわく、『公式など覚えなくていい。それより十分理解することが大事で、理解していればいつでも自分で導きだせる。難しい公式を覚えて応用問題を解こうなどということは考えるな。ただし、中等教育ではレンズの焦点を測る公式と電圧の公式(電流と電圧と抵抗の関係式)だけは覚えておきなさい。それだけはいくら導きだそうと思ってもできないから』。私はクソ真面目な生徒であったので、その教えを忠実に守った。
その後、旧制五高の理科に進学したが、そのときまではその教えでよかった。しかし終戦後、大学に進学するために、いざ受験する段になって公式を覚えないという勉強方法がいかに不利かということを思い知らされた。東大の工学部を受験したのだが、公式を作りながら解いているうちに一問目で二時間のほとんどがすぎてしまい、受験に失敗したのである。
このため私は当時、『秋山先生はけしからん、あんなこと教えるからいけないんだ』と非常に恨んだ。やはり受験には暗記した公式を基にさっさと解いていく受験テクニックが必要なのだと思った。
ところが、実社会に出てみて、私は再び秋山先生の教えが正しかったことを身をもって感じるようになったのである。東大受験に失敗した後、戦後の混乱が続く中、小学校の代用教員や病気になったりしての回り道を経て、九州大学の経済を卒業して、一九五四(昭和二九)年キャノンに入社した。
キャノンに入社して、仕事の中で様々な問題にぶつかる。しかし、どれもこれも前もって決まった答えなどない。ただ時間は十分ある。テーマによっては一カ月でも半年でも一年でもじっくり考えることができる。そうすると、どんな難問でも解決できる。
多くの人は考えることが面倒くさくなり、『会社生活なんて面白くない』ということになるのだが、私は逆に入社早々から仕事が楽しくて仕方なくなってしまった。十分な時間の中で考えることで、答えは必ず見つけられる。これこそ創造的教育のおかげではないかと、秋山先生の教育方針を再評価したのである。」
====
限られた時間の中で、要領よく勉強することは大切です。
しかし、要領のよさを考え過ぎると、逆に大きなものを見落とします。
大物を目指す人は、要領は最後の場面で考えればいいのです。