ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4584番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
頭の悪い子が増えているという話――子供の頭をよくする方法 as/4584.html
森川林 2022/12/02 09:55 


●動画:https://youtu.be/LUHrQqQC5yw

 「日本人の8割がTwitterの短文すら理解できない」というタイトルの記事が、PRESIDENT Onlineに載っていました。
 しかし、それでも、日本人の理解力は、OECDの調査によると、世界でトップなのだそうです。

 以前、アメリカのコカ・コーラ社のFacebookのコメント欄を見て不思議に思ったことがあります。
 多数のコメントが、ほとんど叫び声のような文ばかりなのです。
 たぶん、まともにコメントを書く人がほとんどいなかったのだと思います。

 昔、SNSで使われている言語シェアの調査がありましたが、日本語はかなり上位でした。
 日本語で投稿されている記事が多いということだと思いました。
 しかし、最近は、そういう調査はないようです。

 戦時中、日本と戦ったアメリカ軍は、日本兵の多くが手帳に日記を書いたり歌を書いたりしていたことに驚きました。
 アメリカでは、文章を書く人は、ごく一部のエリートに限られていたからです。

 江戸時代の庶民の楽しみのひとつは、手紙のやりとりでした。
 当時、日本人の識字率は世界でも突出して高かったので、自然にそういう文章のやりとりによる文化が生まれたのです。

 ところが、今、日本人の識字率はかえって低下しているように見えます。
 新井紀子さんは、「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」で、子供たちの読解力が低下していること実証的に明らかにしました。

 先日、小学校で算数を教えているという人の話を聞きましたが、繰り下がりのある引き算をいくら説明しても理解できない子がいるということでした。
 私は、この話を聞いて、できないのは算数の計算の仕方ではなく、説明を読んで理解する力ではないためではないかと思いました。
 大事なのは、文章を理解する力で、実はこれが頭のよさの本質なのです。

 総合学力クラスに参加している小1や小2の子供たちを見ていると、読書紹介をするときに、読んでいる本の差がかなり大きいことがわかります。
 絵がほとんどの本を読んでいる子と(読書は楽しみのために読むものですから、それはそれでいいのですが)、字の多い本を楽しく読んでいる子との違いでます。

 また、文章の読み方にも、大きな差ががあります。
 初めて見る文章をすらすら読める子もいれば、つっかえながら読む子もいます。
 つっかえながら読む子は、読書の楽しさを知る以前の段階にいます。

 この読書力は、読解力であり、更には頭のよさでもあるのです。
 だから、頭のよさというものは生まれつきのものではなく、教育によって変わるものです。

 その場合の教育とは、ドリルで勉強をするようなものではありません。
 質のよい日本語を、耳と目からふんだんに吸収することが学力の基本になります。

 しかし、この場合、CDやビデオのような、生身の人間を通さない音声のインプットは、かえって害があります。
 生身の人間からではない音声は、感情を伴わない言語葉の理解になるからです。
 理解力と共感力をともに育てるためには、人間による直接の話しかけが必要です。

 子供の理解力と共感力を育てるための最も簡単な方法は対話です。
 日常生活の中で、親が子供に、折に触れて面白い話を聞かせてあげることです。
 そのためには、親自身が日常生活の中で、面白い話題を見つけることが必要になります。
 そのためのいちばんの方法は、やはり親自身の読書です。

 作文力は、学力の集大成です。
 小学校高学年の作文でレベルの高い文章を書く子は、共通して、親から面白い話を取材してきます。

 子供に、「○○というテーマで作文を書くけれど、お母さん、何か似た話ある?」と聞かれたとき、子供が面白がるような深い話をすぐに思いつけるということが大事です。
 「そんなの自分で考えなさい」とか、「ネットで調べてみなさい」というのでは、子供は賢くなりません。
 学力は、勉強によって育てるものではなく、豊富な日本語によって育てるものなのです。


▽PRESIDENT Onlineの記事
「日本人の8割がTwitterの短文すら理解できない?」…急増する"バカ"の正体」
https://president.jp/articles/-/63846?page=3

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20221202  
「うちの子は本を読まないんです」ということをよく聞きます。
 それは、子供が本を読まないのではなく、お母さんが本を読まない子を育ててきたからです。
 今からできることは、お母さんが読み聞かせを再開して、耳から読む読書を始めることです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 読解力・読解検定(0) 

記事 4583番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/21
2023年度からの教材が注文できるようになりました as/4583.html
森川林 2022/12/01 17:19 



 新しい教材は、教材注文のページからご注文ください。
https://www.mori7.com/teraon/jgkyouzai.php

┏━━┳━━┳━━━━━━━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃教科┃学年┃2022年度   ┃2023年度            ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃国語┃小2┃ウィンパス国語小2┃ジュニア新演習国語小2上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習国語小2下      ┃
┃  ┃小3┃ウィンパス国語小3┃ジュニア新演習国語小3上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習国語小3下      ┃
┃  ┃小4┃エフォート1小4 ┃中学受験新演習国語小4上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小4下      ┃
┃  ┃小5┃エフォート2小5 ┃中学受験新演習国語小5上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小5下      ┃
┃  ┃小6┃エフォート3小6 ┃中学受験新演習国語小6上(1月改訂)┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習国語小6下(7月改訂)┃
┃  ┃高2┃プログレス2高2 ┃プログレス現代文2高2 (1月改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃算数┃小2┃ウィンパス算数小2┃ジュニア新演習算数小2上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習算数小2下      ┃
┃  ┃小3┃ウィンパス算数小3┃ジュニア新演習算数小3上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃ジュニア新演習算数小3下      ┃
┃  ┃小4┃ウィンパス算数小4┃中学受験新演習算数小4上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小4下      ┃
┃  ┃小5┃ウィンパス算数小5┃中学受験新演習算数小5上      ┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小5下      ┃
┃  ┃小6┃ウィンパス算数小6┃中学受験新演習算数小6上(1月改訂)┃
┃  ┃  ┃         ┃中学受験新演習算数小6下(7月改訂)┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃英語┃小3┃ウィンパス英語小3┃英語は小5以上に          ┃
┃  ┃小4┃ウィンパス英語小4┃ 〃                ┃
┃  ┃小5┃ウィンパス英語小5┃標準新演習英語小5         ┃
┃  ┃小6┃ウィンパス英語小6┃標準新演習英語小6         ┃
┣━━╋━━╋━━━━━━━━━╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━┫
┃プロ┃小3┃できるキッズ子ども┃ふりがな付きなので小1からできる  ┃
┃グラ┃  ┃と学ぶScratch3… ┃                  ┃
┃ミン┃小6┃できるキッズ子ども┃コードプログラミングなので英語の分か┃
┃グ ┃  ┃と学ぶJavaScript…┃る学年から             ┃
┃  ┃小6┃ゲーム作りで楽しく┃ 〃                ┃
┃  ┃  ┃学ぶPythonのきほん┃(プログラミングはいずれも市販品) ┃
┗━━┻━━┻━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
※ただし変更以前の2022年度の教材も使用できます。

 関連する情報は、下記の記事をごらんください。
https://www.mori7.com/as/4568.html

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
生徒父母連絡(78) 
コメント21~30件
……前のコメント
読書を阻むもの 森川林
暇なときは読書をすればいいのですが、今は、スマホで情報に流さ 6/10
記事 5096番
国語の読解検定 森川林
国語読解の問題は、適当に解いて「当たった」「外れた」と言って 6/9
記事 5095番
デジタル教科書 森川林
デジタル教科書という考えがありますが、教科書とか自分の好きな 6/8
記事 5093番
国語読解クラス 森川林
 国語力は、知識として身につけるのではなく、国語力を育てる生 6/7
記事 5092番
国語力はテクニ 森川林
「国語力をつけるために、特に読書をする必要はない」という耳あ 6/6
記事 5091番
リアルな通学教 森川林
 未来の教育は、対話型の少人数オンラインクラスの教育になりま 6/5
記事 5090番
クリティカル・ 森川林
西洋には、批判を通して新しい考えが生まれるという弁証的な発想 6/4
記事 5089番
優しい母が減っ yori
私の母は、もう中学2年生なのに、スマホをもたせてくれません。 6/3
記事 979番
日本を復活させ 森川林
 日本を復活させる道筋は、創造教育文化国家を目指すこと。 6/1
記事 5081番
4月の森リン大 森川林
 大学生や社会人になった元生徒の子供たちが、自分が中学生だっ 5/31
記事 5085番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習