ログイン ログアウト 登録
 Onlineスクール言葉の森/公式ホームページ
 
記事 4605番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/30
低学年の勉強習慣は、読書、暗唱、算数、対話――そして親は笑顔で子供に接すること as/4605.html
森川林 2022/12/29 06:29 


●動画: https://youtu.be/GW2jwjFIEtU

 保護者懇談会で、低学年の子のお母さんから、「集中して勉強しない」という相談がありました。

 これは、いろいろな事情があると思うので、それぞれの家庭のケースによって対策は違ってきますが、大きく言えば、次のようなことが大事になります。

 第一に、勉強の量を多くしないということです。
 また、勉強が早めに終わったときに、新しい勉強を追加しないということです。
 低学年は、勉強をする習慣をつけることだけが大事なので、長い時間やる必要はないのです。

 第二に、学校の宿題を勉強の中心にしないということです。
 宿題の多くは、無駄なものです。
 家庭で決めた毎日の勉強が家庭学習の中心です。
 宿題があると、勉強をさせやすくなる気がしますが、逆に言うと、宿題がないときは勉強しないという癖がつくことになります。
 進んでいる学校では、宿題を出さないという方針を決めているところもあります。

 第三は、親の指示で勉強させることをできるだけ少なくし、子供が、毎日決まったことを決まったようにやる習慣をつけることです。
 勉強する内容を決めておけば、子供は何をやるか迷わずに取り組めます。
 親がそのつど、何をやるか決めるような勉強の仕方をすると、勉強の習慣はつきません。

 第四に、勉強の中で何を重点にするかというと、低学年に必要なのは、読書、暗唱、算数、対話です。
 ただし、家庭学習の最初に読書をすると、そのまま読書で終わってしまうので、読書は学習の最後に行うという時間設定も必要です。
 読書は、できるだけ説明的な文章の本を読む必要があるので、親の読み聞かせも並行して進めていきます。

 暗唱は、毎日やっていく方が定着します。
 朝ごはんの前に、暗唱や音読という10分か15分の時間を取ると、続けやすくなります。

 算数は、将来の数学力の基礎になるので、算数が苦手にならないように毎日の習慣としてやっていきます。
 ただし、将来の数学力の中心になるのは考える力ですから、算数よりも読書の方が優先です。
 優先順位は読書が一番ですから、忙しくて家庭学習の時間が取れないときは、「今日は読書○ページだけ」というやり方でいいのです。

 対話は、親子で楽しくお喋りをすることですが、浅い表面的な対話をするのではなく、深い思索的な、しかし面白い対話をする必要があります。
 浅い対話が多すぎると、かえって子供の考える力は低下します。
 同じように、軽い読書が多すぎると、かえって子供の読む力は低下します。
 量も大事ですが、質も大事です。
 軽い対話が多すぎると、子供は人の話を注意して聞かなくなります。
 中身のある楽しい会話をすると、人の話を注意して聞く子に育ち、考える力がつきます。

 第五に、習慣はすぐに崩れるものと考えることです。
 何かの用事があったために、1日でも毎日の決まったことをやらない日があると、そのままやらないようになる、ということはよくあります。
 それをそのつど軌道修正するのが、親の役割です。
 そのきっかけとしては、「来週から、またやろうね」とか、「来月からまたがんばろうね」という言葉かけが有効です。
 「言わなければやらない」というのは、子供の普通の状態です。
 逆に、一度言っただけで、それをやり続けるという子は、むしろ問題があります。
 「すぐさぼる」というのは、その子が人間らしく成長している証拠でもあると考えることです。

 第六に、親はいつも明るく楽しく子供に接する必要があります。
 親の明るさは、子供の成長の基盤です。
 時々鏡を見て、自分が笑顔でいるかどうか確かめて子供に接するようにするといいと思います。
 この親の笑顔も、習慣になります。

 子供の教育の目的は、成績をよくすることや、いい学校に合格することではありません。
 将来、立派な社会人として仕事をしていける子にすることです。
 与えられた場所で、世の中をよくすることに貢献できる子に育てることが大事なのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20221229  
子供の学力の土台となるものは、勉強ではなく読書と対話です。
 しかし、浅い読書や浅い対話はかえって学力を低下させます。
 深い読書と深い対話を楽しく進めていくことが大事です。

匿名 20230103  
思索的な深い会話とは、どのような会話をすればよいのか参考に教えて下さい。
どういう情報から得ていけばよいでしょうか?

森川林 20230105  
 お返事遅くなって失礼しました。
 思索的な深い会話をする前提は、読書です。
 今は、子供だけでなく大人も、スマホでYouTubeのようなビジュアルなものを見る時間が多くなっているので、本を読む時間を確保することが大事です。
 そうすると、日常会話の中に、本を読んで考えたことが出てくることが多くなります。
 本は、物語文でなく、できるだけ説明文や意見文のものがいいと思います。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
子育て(117) 小学校低学年(79) 対話(45) 読書(95) 算数・数学(22) 暗唱(121) 

記事 4604番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/30
これから来る未来の教育の目標――科挙の教育から創造の教育へ as/4604.html
森川林 2022/12/27 05:56 


 未来は大きく変わります。
 そして、子供たちは、未来に生きています。
 その子供たちの教育を考える場合、今の基準ではなく、未来の基準で考える必要があります。

 最近のニュースで、多くの新しい話題が出ています。
 ひとつは、チャットボットの登場です。
 これからは、検索エンジンで情報を探すよりも、チャットボットに聞いてみるというやり方が広がると思います。

 画像生成AIも、新しい技術です。
 この技術を利用すれば、文章を書くだけでなく、その文章を四コマ漫画でも説明するということが誰にでもできるようになります。
 これは、文章表現の新しいジャンルになります。

 もうひとつ、これは既に多くの人に知られていますが、自動翻訳が既に英検2級のレベルになり、スマートグラスとセットにする形で、ヒアリング、スピーキングも日常的にできるようになる技術が開発されつつあります。

 もっと大きな社会的影響のある技術としては、フリーエネルギーと元素転換の技術です。

 地球は太陽の周りを時速11万キロメートルで回っています。
 また、地球自身も時速1500キロメートルで自転しています。
 これらのエネルギーの一部でも生かせれば、地球での人類の生活に必要なエネルギーはすべてまかなえます。

 牛や馬が草しか食べていないのに、あれだけ大きな体を作り上げているのは、体内で元素の転換が起こっているからですが、そういう元素転換がこれから技術的に再現されようとしています。
 そういう技術が開発されれば、レアメタルも必要に応じて作られるものになります。

 これらのフリーエネルギーや元素転換の技術が開花すると、資源とエネルギーの問題は解決します。
 すると、そのあとに来るのは、ベーシックインカムが個人の所得の大部分になる社会です。

 ベーシックインカムの時代に必要なのは、「メシの食える大人になる」ことではなく、そこから更に進んで「創造を楽しむ大人になる」ことです。

 子供たちは、皆それぞれの個性を持っています。
 成績という面からだけ見れば、平面的な序列しか見えません。
 しかし、個性という面から見れば、それぞれの子供が立体的に生きていることがわかります。

 その個性的な興味関心を学問に高め、その学問を創造に発展させることが、これからの教育の目標になります。


 個人的な話ですが、今度、中根が創造発表クラスを土曜日の10:00と水曜日の19:00に開講します。
 本当はもっとたくさんのクラスを作りたいのですが、時間的に難しいので今はできません。

 このクラスでは、自分の好きなことを創造的に研究し、それを互いに発表します。
 分野は主に理科や社会になると思いますが、文学や音楽や体育や美術も含めてあらゆるジャンルが対象です。
 「個性を学問に、学問を創造に」という基本だけが根底にあればいいということです。


 現在、東大の推薦入試、京大の特色入試など、さまざまな大学のAO入試が広がりつつありますが、それは、世の中の教育全体が、知識の詰め込みから、個性と創造の開発へと動いているからです。

 ペーパーテスト中心の日本の大学入試は、世界から見れば遅れています。
 ある大学の合格者のほとんどが、ある学校の生徒で、その学校の合格者のほとんどがある学習塾の生徒だというのは、大きく見れば、今の日本の大学入試が科挙の歴史をなぞっているということです。

 日本の社会が停滞しているのは、科挙の基準で生きようとしている人が多いからです。
 しかし、世の中は、これからもっと自由な社会に変わります。
 その未来の社会を基準にして生きていく時期になったのです。

この記事に関するコメント
コメントフォームへ。

森川林 20221227  
 講師募集:理科系の勉強が好きな人。平日17:00~、18:00~、19:00~。又は、土曜8:00~、9:00~、10:00のいずれか、週1コマから可。

森川林 20221227  
 教育の世界は、これから大きく変わります。
 どう変わるかというと、科挙の教育から、創造の教育に変わるということです。

同じカテゴリーの記事
同じカテゴリーの記事は、こちらをごらんください。
創造発表クラス(0) 未来の教育(31) 言葉の森のビジョン(51) 
コメント241~250件
……前のコメント
これからの日本 森川林
 昔、近くの塾が、その塾の企業理念として「教育サービス」とい 9/19
記事 4536番
これからの日本 森川林
 明日の日本を支える子供たちを育てることが、これからの教育の 9/19
記事 4536番
総合学力クラス 森川林
 国語の勉強法でもあり、頭をよくする方法でもある「難読の復読 9/15
記事 4534番
総合学力クラス 森川林
 勉強の中心は、家庭学習です。  その家庭学習のきっかけと 9/14
記事 4532番
森リン点の解説 森川林
 森リンは、大学入試の小論文を評価するために作られています。 9/13
記事 4530番
総合学力クラス 森川林
 子供時代の勉強で大事なことは、頭をよくすることであって、成 9/12
記事 4529番
森リン点の解説 森川林
 森リンは、日本初の実用化された文章自動採点ソフトです。 9/9
記事 4526番
小1からの国語 森川林
 小学1年生は、勉強のコツと勉強の習慣を身につける時期です。 9/6
記事 4524番
これからの学力 森川林
 読書紹介の効果は、まず全員が必ず本を読むようになることです 9/5
記事 4523番
「学校 あの不 森川林
 lemonadeさん、コメントありがとうございます。   9/2
記事 4521番
……次のコメント

掲示板の記事1~10件
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
標準新演習算数 あかそよ
3の1はできました。 2は、答えを見るとなんとか理解できま 11/23
算数数学掲示板
2024年11 森川林
●サーバー移転に伴うトラブル  本当に、いろいろご 11/22
森の掲示板
現在森リンベス 森川林
このあとの予定。 ・森リンベストを直す(直した) ・森リ 11/20
森川林日記
Re: 入会手 言葉の森事務局
 お世話になっております。  弟さんのみご入会が1週間 11/15
森の掲示板
入会手続きにつ やすひろ
お世話になっております。 個別掲示板を開けませんので、ここ 11/15
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Mr. 1
1 11/14
森の掲示板
Re: 項目の 1
> いつもありがとうございます。 > > こすほ 11/14
森の掲示板

RSS
RSSフィード

QRコード


小・中・高生の作文
小・中・高生の作文

主な記事リンク
主な記事リンク

通学できる作文教室
森林プロジェクトの
作文教室


リンク集
できた君の算数クラブ
代表プロフィール
Zoomサインイン






小学生、中学生、高校生の作文
小学1年生の作文(9) 小学2年生の作文(38) 小学3年生の作文(22) 小学4年生の作文(55)
小学5年生の作文(100) 小学6年生の作文(281) 中学1年生の作文(174) 中学2年生の作文(100)
中学3年生の作文(71) 高校1年生の作文(68) 高校2年生の作文(30) 高校3年生の作文(8)
手書きの作文と講評はここには掲載していません。続きは「作文の丘から」をごらんください。

主な記事リンク
 言葉の森がこれまでに掲載した主な記事のリンクです。
●小1から始める作文と読書
●本当の国語力は作文でつく
●志望校別の受験作文対策

●作文講師の資格を取るには
●国語の勉強法
●父母の声(1)

●学年別作文読書感想文の書き方
●受験作文コース(言葉の森新聞の記事より)
●国語の勉強法(言葉の森新聞の記事より)

●中学受験作文の解説集
●高校受験作文の解説集
●大学受験作文の解説集

●小1からの作文で親子の対話
●絵で見る言葉の森の勉強
●小学1年生の作文

●読書感想文の書き方
●作文教室 比較のための10の基準
●国語力読解力をつける作文の勉強法

●小1から始める楽しい作文――成績をよくするよりも頭をよくすることが勉強の基本
●中学受験国語対策
●父母の声(2)

●最も大事な子供時代の教育――どこに費用と時間をかけるか
●入試の作文・小論文対策
●父母の声(3)

●公立中高一貫校の作文合格対策
●電話通信だから密度濃い作文指導
●作文通信講座の比較―通学教室より続けやすい言葉の森の作文通信

●子や孫に教えられる作文講師資格
●作文教室、比較のための7つの基準
●国語力は低学年の勉強法で決まる

●言葉の森の作文で全教科の学力も
●帰国子女の日本語学習は作文から
●いろいろな質問に答えて

●大切なのは国語力 小学1年生からスタートできる作文と国語の通信教育
●作文教室言葉の森の批評記事を読んで
●父母の声

●言葉の森のオンライン教育関連記事
●作文の通信教育の教材比較 その1
●作文の勉強は毎週やることで力がつく

●国語力をつけるなら読解と作文の学習で
●中高一貫校の作文試験に対応
●作文の通信教育の教材比較 その2

●200字作文の受験作文対策
●受験作文コースの保護者アンケート
●森リンで10人中9人が作文力アップ

●コロナ休校対応 午前中クラス
●国語読解クラスの無料体験学習