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教育の目的は競争ではない――自分で考える勉強の目的と方法 as/4617.html
森川林 2023/01/17 05:44 


●動画:https://youtu.be/dSgT0D2LrnY

 私たちは、競い合うことに燃えます。
 勝つか負けるかということに、一喜一憂します。
 それが普通です。だから、それは、それでいいのです。

 しかし、その競争は、食事に例えると、単なる薬味であって主食ではありません。
 競争は面白いけれど、競争に勝つことは目的ではありません。

 では、目的は何かと言えば、それは創造と向上と貢献と幸福です。
 人間は、そういうことのために生きています。
 競争に勝つというのは、その大きな目的のためのひとつの手段にしかすぎません。

 だから、あまり多くの人が競い合うような場所では、そっと負けた方がいいのです。

 そして、競争のない場所で、自分らしい創造をして、社会に貢献し、幸福な人生を送るのです。

 やがて、地球全体がそういう星になります。
 愛と笑いと創造の惑星になるのです。

 しかし、それは、まだ少し先の話です。
 もしかすると、だいぶ先の話かもしれません。
 だから、とりあえずは、競争に勝つことが、人生の大きな目標になります。
 目的ではなく、目標です。

 競争に勝つための方法は、昔から言うように、敵を知り己を知ることです。
 勉強で言えば、志望校の過去問を研究し、自分の得意不得意を自覚し、そのための対策を立てることです。

 今は、学習塾や予備校で、それらの準備をしてくれるようになっていますが、人生は受験だけではありません。
 これから遭遇するさまざまな課題に立ち向かうためには、自分の力で、志望校を研究し、自分の得意不得意を自覚し、自分で対策を立てることです。
 そういう試行錯誤のできるのが面白いと思うことです。

 人に言われたとおりにやって、うまく行っても、本当の喜びはありません。
 自分で考えて、やってみて、うまく行ったり行かなかったりするから、人生は面白いのです。

 ただ、全く最初から自分の力でやるというのは無駄が多いので、先人の知恵を借りることは重要です。
 いちばんの基本は、世の中にある勉強法の本を読むことです。
 中学生だったら、「中学生の勉強法」のような本を探して読むのです。
 小学生や高校生や大学生や社会人でも同じです。

 それらの情報を仕入れた上で、自分なりのやり方を作っていきます。
 人間には個性がありますが、土台のところは誰でもほぼ同じです。
 土台は、単なる模倣でいいのです。
 その先は、自分の個性でやっていくのです。

 ちなみに、私がこれまで見た中で、いいと思った中学生のための勉強法の本は、こういうものです。
「中学生の自宅学習法」
https://www.amazon.co.jp/dp/4879203254/
「志望校のランクが上がる!中間・期末テストに強くなる勉強法」
https://www.amazon.co.jp/gp/product/B00UJ4Z6QK
 探せば、もっといい本が出ているかもしれません。

 アマゾンなどで、「中学生の勉強法」で検索すると、多数の本が出てきます。
 こういう本を10冊ぐらい買うのです。
 このための出費は、全く惜しくありません。
 勉強の方針を決めるための費用は、勉強のための出費で最優先するものだからです。

 大学入試でも、勉強法の本があります。
 読むと必ず参考になります。
 高校生は、塾や予備校に頼る前に、まず自分でそういう本を探して読んでみることです。

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記事 4616番  最新の記事 <前の記事 後の記事> 2024/11/22
作文の通信教育は時代遅れ。作文の通学教室は個別指導が難しい。作文のオンライン少人数クラスは実習と対話と読書紹介と個別指導がある as/4616.html
森川林 2023/01/16 03:33 


●動画:https://youtu.be/DkQCY-ltCe0

 ほかのところを批判するつもりはありませんが、これから作文の勉強をする人の参考になるように、作文の勉強はどのようにしたらいいのかということを説明します。

 昔、作文や小論文は通信教育という形で勉強するのが普通でした。
 なお、言葉の森は、作文という言葉で小論文も含めているので、以下、作文という言葉で書きます。

 なぜ作文の学習で通信教育が主流だったのかというと、作文の勉強をするというニーズが少ないために、通学教室ではまとまった生徒指導ができなかったからです。

 しかし、近年、中学入試でも、高校入試でも、大学入試でも作文試験を課すところが増えてきました。
 そこで、次第に通学教室という形でも、作文指導ができるようになりました。
 だから、作文の通信教育は、今は時代遅れになりつつあります。

 以上が現状です。

 しかし、現在の通信教育も、通学教室も、十分な指導ができているとは言えません。

●作文の通信教育の場合

 通信教育の場合は、勉強のほとんどを家庭に任せる形になります。
 だから、子供が小学校低学年のころは勉強ができますが、高学年や中学生以降になると、本人の自覚が強くなければ勉強が続かなくなります。

 作文の勉強というものは、他の勉強に比べてきわめて精神的負担の大きい勉強なので、よほど強い意志がなければ続かないのです。

 これに対してオンライン少人数クラスの作文の勉強は、45分の授業の中で、子供たちが一斉に作文を書き始めます。
 一緒に勉強している友達と作文を書き出すので、作文を書くハードルはかなり低くなります。

 しかも、言葉の森の場合は、事前の予習を発表する時間があるので、ウォーミングアップができている状態で、作文を書き始めることができます。

 この予習の発表についても、もしこれが、通信教育で先生と生徒の一対一の指導しかないとしたら、子供は十分な予習をして来ません。
 事前の準備をしていなくても、一応書けることが誰でも書けるからです。
 しかし、その日に書くことを決めていなければ、もちろん充実した作文は書けません。

 オンライン少人数クラスであれば、生徒どうしの交流の中で予習を発表する時間があるので、子供たちは自然に書くことを準備して授業に臨みます。
 だから、毎回、力作を書くことができるのです。

●作文の通学教室の場合

 作文の通学教室の場合は、一斉指導をする形になることがほとんどです。
 しかし、作文力は、生徒による個人差が大きいので、ごく初歩の段階以外は一斉指導には向きません。
 これが、小学校でも、学年が上がると作文指導ができなくなる理由です。

 一斉指導は、数学や英語のような答えが一律に決まっている教科であればできます。
 しかし、答えの決まっていない作文のような勉強には向かない指導形態なのです。

 通学教室における個別指導は、主に添削という形になりますが、添削を受けるだけで上手になる子はまずいません。
 意味ある個別指導をするためには、先生が口頭でそれぞれの生徒に直接話をする必要があります。
 しかし、通学のクラスの中で、生徒全員が作文を書いているときに、先生が一人ひとりの生徒を呼んで個別指導をするという仕組みをとっているところはまずありません。

 昔の言葉の森の通学教室は、全員が作文を書いている中で、先生が一人ひとりの個別指導を口頭で行っていました。
 しかし、小学校高学年や中高生で考える作文を書いている生徒は、周囲で話し声が聞こえると、書くことに集中できません。
 それで、教室での個別指導は、毎回かなり苦労して行っていました。

 この通学教室は、2020年春のコロナ休校の際に廃止したので、通学生徒は現在すべてオンラインクラスに移っています。

●オンライン少人数クラスの場合

 オンライン少人数クラスであれば、全員が作文を書いている中で、先生は、生徒を別の部屋に呼んで個別指導をすることができます。
 また、少人数のクラスであれば、互いに予習を発表したり、読書紹介をしたり、月に1回は作文を発表し合ったりすることができます。

 こういう対話や交流ができる人数は、1クラス4~5名までです。
 だから、1クラスで10人もいる場合は、意味ある少人数クラスとは言えません。

 オンライン少人数クラスが、作文の通学教室に比べて優れている点はほかにもあります。
 それは、自宅からの参加が容易であること、欠席した場合の振替が容易であることなどのほかに、同年齢、同進度の生徒でクラスを作りやすいことです。

 なぜ同年齢、同進度の生徒でクラスを作りやすいかというと、オンラインの生徒は、全国から参加しているからです。
 例えば、東南アジアやオーストラリアにいる生徒は、日本と時差が近いので、日本にいる生徒と同じクラスに参加しています。

 オンライン教育というと、多くの人は、子供がひとりでオンラインの動画を見るだけというイメージで考えています。
 実際、多くのオンライン教育と呼ばれるものは、そういう運営を行っています。
 申し訳程度に双方向の対応をしているところもありますが、その双方向も、集団一斉指導の枠内での限られた双方向です。

 オンライン教育が真に意味ある教育であるためには、1クラス4~5人という少人数で、生徒どうしの対話や発表がある中で行われる必要があるのです。

●未来の学校

 言葉の森が考えている未来の学校のイメージは、日本全国からオンライン少人数クラスに参加でき、日常的にオンラインで学習している生徒が、夏休みなどにリアルに集まり、自然の中で合宿し交流するという形です。

 そこで学ぶ内容は、これまでの国語、数学、英語、理科、社会のような基本的な教科だけではありません。
 従来の教科とともに、作文、創造発表、プログラミング、読書、自然体験のような思考力、創造力、共感力を育てる教科も、同じように重要な学習として行われるようになります。

 作文の勉強は、単に作文試験があるから行うというのではなく、子供たちの思考力、創造力、共感力を育てるというビジョンの中で行っていく必要があります。

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